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―――数年前。

特攻兵器「UNKNOWN」の飛来により世界が壊滅的打撃を受け、
辛うじて企業として生き残ったミラージュ、クレスト、キサラギの3社は自分達の支配の安定化を目的として同盟を結び、
連合統括組織「アライアンス」となる。
その徹底的な統治に、存在意義を失いかける、『傭兵』であるレイヴン達。
そんな中、一部のレイヴンが武装組織「バーテックス」を組織し、
"アライアンスの打倒とレイヴンによる新たな秩序の創出"を旗印に、アライアンスに対する総攻撃を予告した。
両勢力の激しい戦闘の最中、突如現れた謎の機動兵器「パルヴァライザー」。
3者による争いは、1人のレイヴンによって24時間という極短時間で終息をむかえた。
「インターネサイン」は完全に破壊され、同時にパルヴァライザーもその動きを止めた。
戦力のほとんどを使い果たしたバーテックス、企業として完全に疲弊したアライアンス。
両者にもはや戦う力は残っておらず、少しの混乱としばしの平穏が訪れた―――。


―――そして、現在。


破壊の象徴であるパルヴァライザーは姿を消し、政府の地道な政策の功により平静を取り戻した世界。
統括組織であるアライアンスは不必要な存在となり、解体、破棄されることが決定し、企業側もそれを望んだ。
ミラージュ、クレスト、キサラギの3社が復活し、再び利権を巡っての小競り合いが続くようになった。
そして、消滅したはずの「ナービス」という企業。
「UNKNOWN」飛来のきっかけになったとも言えるこの企業が、再び活動を開始する。そして―――。

 

――ここに、激動の時代を生き抜いた一人のレイヴンがいる――


        ――その名は『水銀燈』――


――今、気高きレイヴン達と共に、新たな戦いが幕を開ける――


[ARMORED CORE BATTLE OF ROSE]


MISSION no.1[再び動き出す遊戯]



『敵の通信、及び暗号コード、解読完了』
「OKよぉ、メイメイ。…それにしても、ここの所冴えない任務ばかりだわぁ…」
彼女の名は水銀燈。バーテックス側のレイヴン、ただ一人の生き残りである。
会話を交わしているのは、最新思考型OS「メイメイ」。
現代のAC(アーマード・コアの略称。人型、もしくはそれに類する形状の高性能戦闘兵器)にはかかせない存在となっている。

「はぁ…。私もどこかと専属契約交わしたほうがいいのかしらねぇ…」
数年前までは、レイヴンの企業との癒着を防止するため、「レイヴンズアーク」と呼ばれる組織が日々捜査、統括をしていた。
しかし、「UNKNOWN」の襲来によって、組織そのものが消滅した今、誰も契約を止める物はいなくなった。
そして3大企業の復活によって、レイヴンはまた企業と契約をすることができるようになった。
しかし、企業の運営方針に縛られることをよしとしない水銀燈は、バーテックス崩壊から今まで、フリーのレイヴンとして活動している。

「…ま、いいわぁ。さっさと終わらせて、ガレージに戻るわよぉ」
『了解。メインシステム、戦闘モード起動』

今回の依頼主は、3企業の中で最も強い勢力を誇って「いた」ミラージュ社。
アライアンス時代に、最も積極的に資金や人材を投入していた分、バーテックスとの戦いで失った物も少なくなかった。
結果、今回の標的であるクレスト・インダストリアルに業界トップを譲る事となってしまった。
任務の内容は、辺境の資材倉庫、工場施設の制圧及び奪取。
これまでの任務も、さほど難易度が高くないため、報酬もほとんどがACの弾薬費や燃料費、修理費に消えるという有様だった。
そして、今回も恐らくそうだろう。
水銀燈は半ば諦めかけて戦闘態勢に入った。

「さぁ…、いくわよぉ!!」
ブーストをふかし、荒野に躍り出る黒い機体。
全身を黒を基調としたカラーで塗装したその機体の肩からは、やはり黒に塗装された垂直発射ミサイル。
その色と機体の形状から、水銀燈は一時期「漆黒の天使」とも呼ばれていた。
そのAC、「クヴェックズィルバーランペ」を操り、水銀燈は目標を定める。

「踊らせてあげるわぁ……」
そう言うと、倉庫を警備しているMT(マッスル・トレーサーの略称。旧世代の重機のような物から、戦闘に特化したタイプまで様々である)3機にマルチロックオンをかけた。
『ロックオン完了。垂直ミサイル、及び連動ミサイルのハッチ解除』
「さっさとジャンクになりなさぁい!」
機体から、何発ものミサイルが伸びていく。
突然の襲撃に、反応することもままならなかったMTは次々に撃破されていく。
「レーダーも装備していないなんてぇ…。本当におばかさぁん…」
『倉庫周辺に敵反応無し。この区域は制圧しました』
「ふふ…。後は、東の工場ねぇ…」
『目標地点までの距離、およそ3200。予想される移動時間は6分32秒』
「問題ないわぁ。早く潰しにいくわよぉ」
煙をあげる倉庫を後にし、全速で倉庫へと移動する。



「さて…。さっきよりは手応えがありそうな奴が並んでいるわぁ…」
工場の入り口には、明らかに武装を施された戦闘用MTが5機。レーダーの反応を見る限りでは、周辺に後4機。
それを水銀燈は、約1000m離れた高台から遠視モードで眺めていた。
「この距離なら届くわねぇ…。メイメイ、狙撃するわよぉ」
『了解。狙撃モード起動』
「そのガラクタに風穴を開けてあげるわぁ…」
水銀燈は大型エネルギースナイパーライフル、WH08RS、通称「フェンリル」を構え、狙いを定める。
威力こそ絶大だが、エネルギー消費が激しく、狙撃銃の欠点として近距離での立ち回りに不利という点から、
水銀燈は任務開始直後の遠距離攻撃に好んでこれを用いる。
『エネルギーチャージ完了。発射スタンバイOK』
「発射ぁ!!」
銃口から一筋の閃光が走り、警備をしていたMTの腹部を的確に射抜いた。
「続けて第二射、第三射ぁ!」
ただでさえ奇襲をかけられ混乱しているところに、遠距離からの攻撃となれば、新米パイロットでは対処できるはずもない。
結果、5機いたMTも3機が爆散し、残る2機もミサイルによって瞬く間に撃破された。
一瞬で5機が撃破されるところを目の当たりにした周辺の4機は、蜘蛛の子を散らすように一目散に撤退していった。


『周辺に敵反応無し。完全に制圧しました』
「ふふふ…。面白くなぁい…」
任務の成功を伝えるべく、帰還しようとする水銀燈。しかし…。
「こうも簡単に終わるとは思っていなかったわぁ。………あら?レーダーに反応…。今頃増援…?」
『移動熱源探知。数、1。距離、およそ4500。接触までおよそ8分49秒』
「南の方角…。確かあっちには、クレストの本社があったわねぇ…。ACでも雇ってよこしたのかしらぁ…?」
『距離、残り3800』
「行ってみた方がよさそうねぇ。メイメイ、戦闘モードをレベル2で起動しなさぁい」
『了解。戦闘モード、レベル2起動』



「さぁて…。一体どんなジャンクかしらねぇ…」
『距離、残り1780』
「来たわねぇ……。
 ………?…まさか…あれは……!」
肉眼で確認ができる距離まで接近したその機体は、全身を赤で染めたACだった。
そして、そのACに搭乗しているレイヴンは………。

『敵ACを確認。ライナールビーンです』
「やはり………真紅…!」

「………久しぶりね。水銀燈」


To be continued...

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