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──となりで顔を強張らせてるジュン。
目の前で座ってる人の視線が気になるんですかぁ?
快速と違って座席の向きが90度違いますからね。
…でも翠星石とのりがお前を挟んで座ってるだけでもまだマシでしょうに!

そんなジュンも、今日で壁をひとつ乗り越えましたね。
ひとつどころじゃないかもしれないです…。
だって、学校よりも人が多い街に出ることが出来たんですからね。
別に今だって怖がることなんてないんですよ。


ABCの邪魔さえ入らなければ──


やっぱり、こいつらを倒すまでは学校復帰は厳しいですかねぇ。
翠星石も連休明けから安心して学校生活を送れるか心配になってきたです…。

あと、ケーキ屋でジュンが言ってましたが、
誰にも出掛けたことを連絡しなかったことで水銀燈に怒られたんですね。
まぁそういう意味では水銀燈の気持ちは分からんでもないです。
家から忽然と姿を消したとなれば、誰だって心配しますよね。
翠星石とジュンは街を歩くのに夢中になりすぎたみたいです…

~~~~~

──7時前。
駅前のバスターミナルがあまりにも混雑してましたので、
お母様に迎えに来てもらったです。

そして、駅前のロータリーを出発…。

ジ「今日はご迷惑をお掛けしました。すみません…」
母「そんな、迷惑なんて…いいのよ。今日は頑張ったわね」
ジ「…」

そうですよ、ジュン。

母「せっかくだし、うちで食べない?…のりちゃんと2人で」
の「でも今日は祝日でおとう…」
銀「お父様が休みだって関係ないわよぉ。ねぇ?」
母「そうよぉ」
翠「ほら、おめぇも…」

のりが来るなら、お前も──

ジ「…あぁ──」

──大丈夫ですかね。
何か元気無さ過ぎです…。

~~~~~

ほい。
家に着いたです。
お父様も含めてみんな玄関に集結したです。

ジ「おじゃまし──」
薔「ジュン登りぃ~!」

で、いきなりばらしーがジュンに飛びついて、
ジュンは倒れてしまいました…。

銀「やめなさい。ジュンくんはもう疲れてるんだから…」
薔「えぇ~…いいなぁ。翠星石と水銀燈~!」
ジ「わかった…後で遊んでやるよ…」

何か無茶なことを言い出したです…。
疲れてるんじゃないんですか?

ジ「──Zzz...」

…あ。

ジュンの奴ぅ…w

母「あら…」
の「…」
銀「…」
薔「…」

…。

翠「しっかたないですねぇ──」

~~~~~

ジュンのために、蒼星石と布団を敷いてやって、
そこにジュンを寝かせて、
それから夕飯が終わって──

父「今日はどうだったんだ?」
銀「それは…後で話すわぁ」
の「…」

──ふわぁ…。

蒼「…眠いの?」
翠「…そうみたいです…何か急に睡魔が…
  …ちょっくら布団敷いて寝るです」
蒼「食べた後に寝るのは身体に悪いよ」
翠「でももうどうしようもなく眠いんです…」
蒼「…ベッドで寝ないの?」
翠「上がるのが面倒です…少し寝るだけですから…」
蒼「…そう。ジュン君を起こしちゃダメだよ?」
翠「何でジュンの隣で寝ることになるんですかッ!」
蒼「違うの?」
翠「…」

──そうですよぉ。認めるですよぉ…

翠「…じゃ、ちょっと寝てくるです…」

ガチャ…

──ふぅ。
蒼星石にはかなわんですぅ。
ったく…

ガチャ…

そろーり…そろーり…

さてぇ?
この真っ暗な部屋の中で、
ジュンはどんな風にして寝てるですかねぇ。

ジ「Zzz...Zzz...」

──ヒヒヒ。
しっかり寝てやがるです。
これなら、ちょっと横に潜り込むんでも…

…あぁ、また要らん妄想に入っちまったです!
さっさと布団敷いてしまうです!

──よし。

ジ「Zzz...」

それじゃ、おやすみです。ジュン──

~~~~~

──。

翠「日曜にしか売ってないあのケーキ、ナッツが効いてて美味しいですね!」
ジ「あぁ。僕もあの店の一番のお気に入りはあれだよ」

ジュンと街中を歩いてるです。
大通りの近く…?
この裏道、普段歩いたことのない道ですね…。

A「おい裁縫ヲタク」
ジ「…?」

ひっ…
嫌な声…!

A「よぉ~」
C「お前って男のくせに女々しいし、趣味も女っぽいし、カスだよなw」

ゲラゲラ笑う2人。
翠星石も無意識のうちに構えてたです。

B「つまりこうだ」
翠「きゃっ!」

Bの野郎が背後から腕を掴みやがるです…

翠「放せです!このっ!変態!」

スカッ

翠「…!」

何故…
こいつの足を払えないです…

B「ハッハッハwwwば~かじゃねぇのwww」

ゴスッ…

翠「うぅっ!…」

鳩尾にモロに入ったです…

A「あ、桜田の馬鹿が逃げ出したぜ?」

──えっ?
…あ。

C「自分が可愛いんだよ。あいつはw」
B「無様だな」

ゴスッ…

翠「うっ…」

ジュン…
どんどん向こうへ行っちまうです…。

ボコッ…

翠「はう…」

こっちに振り返って…欲しいです…
せめて…1回でいいから、こっちに──

------------

──はっ…!

ジュン!

翠「ハァ…ハァ…」

…あれ?

あぁ…夢でしたか…。

翠「ハァ…」

──ジュンが引き篭もり始めた時といい、さっきのといい、
最近よく変な夢を見るようになっちまったです…。

これだから1人で眠れないんですよぉ。
中2にもなってこんな事になろうとは……。
はぁ。

…軽くイライラしてきました。

そもそも、何でジュンは逃げること真っ先に選んだんですかねぇ?
翠星石を護ろうとせずに!

翠「…」

おっと危ねぇです…
ついつい不満をぶちまけるところだったです…

ここでジュンに怒ったらダメです…
第一、ジュンはまだヒッキーです。
それに、あれだけ体力が無ければ弱くて当然。
ジュンが学校に復活して暫くの間は翠星石がジュンを護って…

護って…。

…。

──何かもう眠気もすっかり吹っ飛んじまいました…。
ジュンももう隣にはいない…ってことは、起きてるんでしょうし、
しゃーないからリビングに戻るですかね。

布団は…まぁこのままで良さそうですね。
ジュンも多分泊まってくれるでしょうし──

…ガチャ

…。

むむ?
半開きのリビングのドアから水銀燈たちが何か話してるのが見えるです。
でも物々しい雰囲気ですねぇ…。

よ~し。
この半開きのドアをこっそーり開けて、
ひっそーりとキッチンの裏に潜入してやりますか。

…何か懐かしい気分になってきたです。
“淡路たまねぎ”とか“広島はっさく”のダンボール箱でも欲しいところですねぇw
あ、でも小さすぎますか…w

──そろーり。

──そろーり…。

…クックックw
見事にバレずに潜入できたですw
ここでしゃがんで、こっそり聞いてやるです。

銀「連休明けに言いに行く…って」
ジ「…うん」
銀「まぁ、私たちだけじゃ解決できない問題だし…」
ジ「…」

やはりABC絡みの問題を話してたみたいです…。

銀「でもね…」
ジ「…」
銀「あんた、他人事のように思ってない?」

おや?
空気の流れが変わったですか?

銀「──あんたが強くならなきゃダメなの!」
ジ「!」

ひっ…!

銀「いつまでもヘナヘナしてんじゃないわよ!」

マジで怒ってやがるです…。
ジュン…今日は2回も水銀燈に怒鳴られて──
てか水銀燈は一体何を考えてるんですかね?
…。

銀「あんた、翠星石を置いて逃げたのよ?」
ジ「…」

──私のこと?

銀「ふっ…そりゃイジメられて当然よねぇ」
ジ「…」

……。

銀「ど~ぉ?悔しい?──こんな事を言われて…」
ジ「…」

バン!

銀「悔しいでしょ??」
ジ「…」

──そっ…そんな机を叩いてジュンをビビらせても、どうしようもないですよ!
何をヒステリックになってやがるですか!
熱くなり過ぎですよ、水銀燈!

銀「──はい、さよならぁ~。もう帰れば?」
ジ「…」

ムカッ…

蒼「ちょっとそれは…」
銀「おやすみ」

腹の立つ発言だったですぅ…。
──でも今出ていくとややこしくなりそうですし、
とりあえず我慢…何とか、我慢です…。

おっと…水銀燈がこっちに気づくかもです…。
キッチンのもっと奥に隠れなくては…。

ジ「…」

水銀燈が階段を上っていくです…
…て、立ち止まりやがったです。
ったく、まだ何か言い足りないんですか!

銀「ひとつ言わせて」
ジ「…」
銀「私は悔しい。
  あの3人にあなたたちが襲われたこと、中指を立てられたこと、
  そして何よりも──あなたがトンでもなくへタレだったことよ!」

──くうぅぅぅ…!
引き篭もりから脱却しかかってるところに、そりゃねぇですよ!
別にへタレだって…文句は…。

とっ…とにかくジュンを落ち着かせねば…。

──よし、水銀燈からこっちは見えなくなったですね?

蒼「あの…」
ジ「──ねーちゃんは帰ったんだよな?」

…嫌な予感──

蒼「あ……うん。家事が残ってるって…」
ジ「…じゃ、僕も帰るよ」
蒼「待って!」

ジュンが席を立って振り返ったところに目線が…

翠「…」
ジ「…」

…合っちまったです…。

翠「…」
ジ「…」

──。

翠「…」
ジ「…」

あっ。
ジュンが玄関に向かって動き出したです。

翠星石をスルーして帰る気ですか?

そうはさせるかです。

翠「とっ」
ジ「…」

両手をいっぱいに広げて、ジュンの目を見据えるです…。

翠「…こっ…ここで帰ったらお前は…ますますヒッキーまっしぐらですぅ」
ジ「…」

このリビングのドアを開けられた瞬間、
ジュンはまた振り出しに戻っちまうです…。

翠「まぁ…翠星石だってつい最近、引き篭もろうとした時期があったんですけど、
  …お前がいたおかげで今はヒッキーにならずに済んでるんですよ?──」
ジ「…」
翠「りっ…理解できねぇんですか…?翠星石の言ってることが?」
ジ「…」

──むぅぅ。
反応が無いのがイヤらしいです…。

翠「やぁですねぇ。だから、翠星石は怒ってなんかないってことですよ!
  がっかりしたのが1回だけ…まぁ服屋のことなんですけど…
  …それ以外は全然、何にも気にしてねぇですよ」
ジ「…」
翠「れ、連絡入れなかったことでまだ不機嫌なんですかねぇ?水銀燈は…」
ジ「…」

──むぅぅぅ。
だから、翠星石は水銀燈が思ってるように、そこまで怒ってなんかないんです!

翠「でも翠星石はむしろ…今日のお前にはホント感動したです!」
ジ「…」

──むぅぅぅぅ。
いい加減にしないと、この事で怒りますよ?

翠「すっ…翠星石が言ってるんですよ?…水銀燈の発言なんか忘れろです!」
ジ「…」
翠「う~ん…じゃあちょっとお風呂にでも入ってゆっくり考えろです」
ジ「…」

はん!
もう我慢ならねぇです!

翠「ほら、入るですよ!」

何と言おうが風呂まで連行するです。

ジ「ちょw引っ張るなよw」

抵抗するですか。
じゃあ腕にしがみついてでも──

翠「意地でも連れて行くですっ…」

…まだ抵抗するですか?
でも絶対お前の家には逃がさんです!

翠「蒼星石ぃ~!手伝ってくれです~!」

寝る前に3人でトークして、
ジュンを少しでもポジティブ思考に戻さないと…。

おっ…観念して力を抜いたですか?

ふひひw
無事に洗面所に到着ぅ~。

翠「じゃ、あと宜しくです」
ジ「何ぃ?」

ガチャン!!

翠「さっさと入れです~」

閉じ込めてすまんです。
のりの事が心配だってのも、もしかするとあるのかもしれないですが、
あるいは、のりがジュンのことを今心配しているかもしれませんが、
水銀燈のあの発言のショックを緩和させるには今晩しかないと思うんです…
だから…

翠「ほら、さっさとしろです」
ジ『…わかったよ』

~~~~~

──さて。
ジュンはちゃんとお風呂に入ってくれてるみたいですし、
ちょっとリビングでゆっくりしますかね。

しかし2人だけってのは違和感があるですねぇ…。

翠「みんなどうしたんですか?」
蒼「もう寝たよ。お父様とお母様も含めて全員…」

ふ~ん。
今日に限ってみんな早いですねえ。

翠「のりは泊まること知ってるんですか?」
蒼「あ、そのことなら、水銀燈がのりさんに『泊まらせる』って言ってたよ。
  翠星石が寝てる間の話なんだけど」
翠「へぇ…さっきはあんなこと言ってたですのに…」

…水銀燈も変な奴ですねぇ。

蒼「そしたらのりさんが『翠星石ちゃんと蒼星石ちゃんに感謝しなくちゃね』
  って言ってた」
翠「…そうですか」

のり…
部活で水銀燈と一緒に大変な状況に追い込まれてるって聞くですけど、
大丈夫ですかね…?

蒼「それで僕は『翠星石は毎日ジュン君のことをず~っと心配してる』って──」
翠「まぁ!…のりになんてことを!──」

はっ…恥ずかしいじゃないですか!

蒼「──そんな翠星石を僕は心配してる」
翠「…」

…蒼星石──

蒼「身体は大切にしたほうがいいよ」
翠「…」

~~~~~

──そうですねぇ。
考えてみると、いつもよりちょっとだけ疲れやすいかもです。最近…。

…シャカシャカシャカ♪

今こうやって歯を磨いてるときも眠いですし…
…ってそれは関係ないですかね。

…シャカシャカシャカ♪

しっかし、ジュンは何か泊まる気なさそうな感じなんですよねぇ。
まだ家に帰ろうだなんて思ってないですよね?
…ちょろっとだけ気になるです…。

あっ!
あと、まさか寝てないですかね?
やけに風呂場が静かですよ??

翠「…ジュン?」
ジ『おわっ!?』

──ほっ。
今日は大丈夫だったみたいです。

ジ『何だよ!?』
翠「おっ…おめぇが風呂で寝てないか、呼んでみてチェックしようとしただけです。
  大した用じゃないです?あのぉ…え~っと──」

こっ…ここで泊まるんですか?
──な~んてストレートに聞くべきではないですよね…?
参ったです…。

ジ『泊まるよ!』

──ほ?
…と…泊まる…?

翠「…そうですか!…あっ、そうですね!…安心したです。あはは──
  蒼星石にもちゃんと伝えとくです~♪じゃあ、ごゆっくり~」

やったです♪
やったです♪
やったですぅ♪

やっとこさその気になってくれたですか!
これで今日もジュンと寝る前トークを楽しむことが出来ますね!


じゃあ、ジュンのジャージでも用意してやるですかね。
春休みの忘れ物(洗濯済み)の──
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