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──ジュンと2人旅…
いや、デートでいいですよね?

はぁぁ。
この時期にまさか本当に2人で街へ行けるなんて…。

あっ…ジュンの奴、窓側に座ったです…。
う~ん…。

翠「ホームに立ってる人が嫌だったらブラインドを下ろせばいいんです」

ジュン…窓側で本当に大丈夫なんでしょうかね。
駅に着くたびにホームの人の視線が気になると思うんですが…
まったく…両方の窓側にホームが来るのは困りものですねぇ。

ジ「そこまでする気は無いなぁ…」

へぇ。
強気ですね。

翠「やっぱり窓側が好きですか」
ジ「あぁ」

そういや、いつもは外の景色ばっか見てて、
翠星石の話とか全然聞いてくれないんでした…
このばかは…

翠「で、ジュンは何円の切符を買ったですか?」
ジ「210円の。まぁいつも通りだなぁ」
翠「手前で降りて歩いて向こうまでってやつですか?」
ジ「まぁ今日は人通りの少ない道を歩きながら行くつもりなんだけどね。
  出来れば…」

こっちだってそのつもりです。
いきなり人混みの中へ連れて行ったって荷が重すぎますし──

ジ「翠星石も同じのを買ったのか?」
翠「そうですよ。いつも通りのやつを…」
ジ「そうくると思ったよ」

あっ。海です。
ジュンのお気に入りの場所ですね。
ここに差し掛かったら口も利いてくれないですからね。

わかってるです。
静かにしてやりますよ──

~~~~~

いよいよ目的の駅に到着~。
後ろの方からも降りる人が多いです。

ジ「…みんな同じことを考えてたのかw」
翠「まぁ、向こうの駅まで歩きながら買い物して、
  向こうの駅から帰るのが普通でしょうからね」
ジ「百貨店はこっちの駅の方が近いしな…」
翠「ま、こっちは向こうより人が少ない方だというのは確かだと思いますよ」

もう一駅向こうは街随一のターミナルですし、
混雑を避けるならこっちでしょう。

-----

駅前の信号。
長い上に人がどんどん溜まるから、
今のジュンにとってはキツイかもしれないです…
端っこに寄りますか。

~~~~~

とりあえず、無事に百貨店までたどり着けたです。

ジ「いつ見てもデカいなぁ…」

『お前がチビだからです!w』
──っていうのがお決まりの返しだったんですけど、
今もまた笑って返してくれるですかね…。
ジュンが引き篭もりから脱却してからにするです。

またお互い気兼ねなくふざけ合える日は近いですかね──
──って、駅でちょっと出来たですけど…。

翠「入ってみるですか?…」
ジ「…あ、うん」

さて、じゃあ入るですか──

──ちょ…ちょっと待ったです!
…あの3人組…!

翠「だっ…ダメです!」

…ひっ…!
店の中から出てくるです!

ジ「…は?」

──ふぅ。
こっちに気づかずにどっか行ってくれたです。

しかし…あの雰囲気といい服装いい…
ほぼ間違いなくABCの3人ですかね。

ま、出て行ったことですし、
入ってもいいですかね。

翠「あっ、じゃあ入るですか?」
ジ「…どうしたんだよw」
翠「あぁ、気にすんなです」

でも、あいつらのせいで…
ジュンとゆっくり出来やしねぇです…

ジ「でもそろそろお腹すいたなぁ」
翠「そうですか?…じゃあ…そうですねえ──」

~~~~~

何となく百貨店の中に入って、
何となく来てしまったです。
デパ地下に…

翠「ま、百貨店の雰囲気を思い出せです」

はっはっは。
ま、今日は適当に歩くことにしようじゃないですか。

ジ「何かもう十分思い出したけどね。今までも殆ど地下しか用が無かったし…」

まぁ、服買うにしろ鞄買うにしろ、
別に地元の専門店で事足りた感じだったですからね。

さて、じゃあ何か美味しい物でも探して──

翠「あっ…駅弁祭りです!」

何というタイミング!
この百貨店、さすがですw

…ジュン?
顔が引きつってるですよ…?

ジ「あまり入り込む気になれないな…」

…やっぱりまだ慣れが必要ですか。

翠「じゃあ翠星石が買ってくるです」
ジ「あぁ頼む……」

お前をフォローしてやるのが翠星石の役目です。
きっちり任務を果たすです。

ジ「あぁぁぁぁ…」

──悩まされすぎですよ…。

翠「…そんなに悩むことでもないですよ。絶対夏までに治りますから」

だから病むなです。

ジ「あぁ…ホントさっさと治したいんだけど…」
翠「じゃあもっと早く治りそうですね。意志がしっかりしてるなら──
  というより、半分治ってるようなもんです」

…ちょっと笑顔が戻ったですね。ジュン。

翠「それじゃ、何か好きそうなのを買ってくるです──」

-----

翠「おまたせです」

1人でよくこの場所で耐えたですね。
さ、買ってきたですよ。
米沢駅と神戸駅の駅弁です。

ジ「…て、どっちも牛肉系かよw」

なっ!

翠「悪かったですね!」

ったく、私が戻ってきたらすぐ元気になりやがってぇ…

ジ「ごめんごめん、ちょっと突っ込みたくなっただけだから…」
翠「…ふん」

こんな調子だったら、明日にでも治ってるんじゃないですか?
ヒッキーなんて!
はん。

…さっき百貨店の前でしっかりと冷やかしとけば良かったです…。

もうっ…。

翠「ちょっとお前の肉いただきです~♪」
ジ「あー!おいおいw」
翠「わかってるですよ。翠星石のも一枚やるです」

まぁ、別に引き篭もりのままでいてくれても──
──いやいや、それじゃジュンのためにならんです…。

~~~~~

せっかく街まで来たんですから、
ちょっと寄ってみたい所があるんですよね。
地元のアウトレットで買うのもいいですが、
そろそろこのあたりも見ておきたいんです。

何か良い感じの着るモノないですかねぇ~っと。

翠「ちょっと寄ってってもいいですか?」
ジ「あ、いいよ。入ろう」

およ?
あっさりOKしたですね。
見てみろです。見るからに女性向けの店ですよ?
…まぁ、苦しそうにしてたら店から出ますか。

さてさてぇ~
どんなものが置いてあるですかねぇ。

あっ、これイイですね。
きゃっ…これもイイ感じのデザインじゃないですか!
このワンピース可愛いですね!

…でもこれ、ジュンに『お前やたら緑好きだなぁw』
って突っ込まれそうです…。

じゃあ…もうちょっと落ち着いた感じのこっちにするです。

翠「ジュン~」

どんな反応するですかね。

翠「コレ可愛くないですか?カワイイですよね!」
ジ「…あ、あぁ」

…イマイチなノリですねぇ。
こういう慣れない環境じゃやっぱりダメですか?

翠「あ、そこにフィッティングルームがあるですね。試着してくるです」

ワシッとジュンの腕を掴んで──

ジ「なっ…」
翠「ジュンも来るです。あんなところに1人で立ち尽くすのも寂しいでしょうからね」

サーッ──

さてと。
ジュンを近くに寄せたはいいですが、
病み始める前にさっさと着替えなければ──

ヨイショヨイショ…

──よし。

──サーッ

翠「ジュン!どうですか?」

待たせたです…。

ジ「うぉっ!」

何ビクビクしてやがるですかw

ジ「おぉ…」
翠「♪」

おおっ!
ジュンにしては好反応ですね!

ジ「…かっ…か…」
翠「?」

ん?
何を言うつもりですか?
ジュン──

ジ「かっ…」
翠「…」

……。

ジ「──かわいい…かな」
翠「…」

──えっ。

翠「…」
ジ「…」

たっ…大変です大変です!
何で…まさか…
あぁゾクゾクが止まらねぇです…
…泣きそうです──

翠「…ジ…ジュンからそんな言葉を聞けるなんて…」
ジ「何だそれw」

──あぁ…
目の前が涙で霞んで…

ジ「なっ…泣く事はないだろ…」
翠「──泣いてなんかないです!」

見るなです!
ばか!

サーッ!!

翠「…ひっく…」

──こんな所で泣かされるなんて…。

あっ、一度カーテン閉めたからには、
さっさと着替えないと…

…うぅ。
ジュンの奴めぇ…。

-----

サーッ

──ジュン。
今日は本気でお前の全てに惚れ惚れしたです──

翠「…さ、ジュンも気に入ってくれたみたいですし、買いですね♪」
ジ「でも、いつも動きの激しい翠星石が着たらどうなるかw──」
翠「…はぁ?」

…何かムカつく言い回しですね。
前言撤回。

ジ「え?」

気づかないんですか!?
──い…いい加減、時と場合を考えやがれですっ!

ゴスッ!

~~~~~

もう3時すぎですか。
ちょっと服を買いすぎましたかね。
そろそろケーキを買わないと──

ったく、このチビ人間には心底がっかりです。

翠「やっぱり服はまた今度買っておけば良かったですかね…」

あぁ…重いです…。
何で私がこいつを支えながら歩かなければならないんですか。
ジュンなんか駅に放置してきたら良かったんです!

翠「…」

周囲の目が痛々しいですぅ。
あぁもう…イライラするですぅ…!
早く人気の無いところに逃げたいです…。

ジ「ホントごめん…」
翠「…」

知らんです。
許さんです。

ジ「ねぇ…」
翠「…」

無視!

ジ「ちょっとそこの公園でちょっと休もう…疲れた」
翠「…ふん」

翠星石もちょうど思ってたとこです。
そこならこの時間でも人少ないですし…

-----

──ふぅ。
やっと着いたところでひと段落です。
そこにベンチに座るですか。

はぁ~。
重かったです…。
荷物とチビ人間とで…。

ジ「喫茶店の方が良かった?」

気遣ってくれるんですね。
こんなに無視しても。

翠「お前の好きなところならどこでもいいですよ」

ふん。
やっぱり、お前に対して無視を貫き通すのは難しいですね…。

翠「それより、今度来るときはもうちょっと体力をつけるべきですね。
  その時は今日よりずっとたくさんの店を回れるはずです」

次こそは雰囲気を大切にして欲しいです。
ジュンならあと少しで出来るはずですから。

ジ「そ、そうだね。そん時には引き篭もりも治して──」
翠「そ~です。楽しみにしてますよ♪」

さ、終わったことはもう気にしないです。
休んだら、ケーキ買いに行くですよ!
でも足は…大丈夫ですよね?
ちょ~っと蹴ったくらいで怯むお前じゃないですし?──

──あ。
何でしょうか、あの人影…。

ジ「…?」
翠「…」

こっちに近づいてくる──
誰です…?

──やっ!
ABCの3人!

翠「…」

チッ!
神出鬼没な奴らめ…!

翠「何の用ですか!」

こっち来るなです!

まさか…
ここでも堂々とジュンをイジメ倒すつもりですかっ?

C「あ…」
A「…お前らか。偶然だねぇ」

翠星石には跡をつけていたか、
先回りして待ち伏せしてたようにしか思えないんですけど?

ジ「…」

絶対ジュンは怯えてるです…
振り向かずとも分かるです。
この背中を触れるように抜ける空気からして──

ジ「…」

くぅ~…
ジュンを連れてきたばっかりに…

翠「…」

ジュンを外せば1対3ですか…
万事休すです…
あぁぁぁもう!

…逆に腹立ってきたです──

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