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「やっぱ、なんだかんだ言っても姉ちゃんは頼りになる、かなぁ」
『!』

1.わたしお姉ちゃん。今あなたの家にいるの。
「ただいま~」
 今日も一日お疲れ様でした自分。委員会でちょっと帰りが遅くなったが、最近は学校生活も充実していて毎日がエブリデイ。
「……あれ? 姉ちゃんも帰ってきてるのかな」
 靴を脱ぐと、見慣れた革靴が丁寧に踵を揃えていた。
 部活終了の時間でもないのに、だ。
 そこでおかしいと思うべきだったが、「まぁいいか」。
 納得してしまったことを僕は後悔することになる。
「お帰りなさいジュン―――、……おほん、ジュンくん」

2.自分を捨てて姉になれる者には!
「……」
「あら、どうしたのジュン―――こほんこほん、ジュンくん」
「……」
 メガネ。制服。髪型。
 でも身長だけは誤魔化せないわけで。
「おい真紅」
「あら、おかしなジュンくん。わたしはお姉ちゃんなのだわ―――なのよ?」
「どこから見ても真紅にしか見えないぞ」
「そ、そんなことはないわよぅ。○野くんの意地悪ぅ~」
「誰が河○くんだ」
 中の人などいない。
 すすす。ジュンは素早くドアの前に移動し、後ろ手で開け、閉めた。
「ジュンくーん、開けてジュンくーん」
「本当かー、本当に本当の姉ちゃんかー」
「そうよー。あなたのお姉ちゃんよー」
「本当の姉ちゃんならこれができるはずです。ぷ○このマネー」
「こんばんはにゅ。○ち○だにゅ」
「わーいチョーほんにーん、やっぱり真紅だー」
「……ち、違うのだわ……わよー。お姉ちゃんよー」
 中の人などいないっつってんだろ。
『うふふ、お困りのようねぇ……ようね~』
『!?』

3.そうさわたしたち、世界にひとりだけの姉~
 ドアを開けたら増えてました。
「……」
「こんにちはぁ……じゃなかった、ただいま~」
「……」
「どうしたの~? ジュンくんが大好きなお姉ちゃんよ~」
 メガネ。制服。髪形。
 だけど我が姉とはかけ離れている抜群のスタイル。
「……お前水銀燈だろ」
「あらあら。いくら銀ちゃんが好きだからって間違えたら駄目よ~」
「猫耳侍女長の声とそっくりですね」
「大丈夫、こんなこともあろうかと」
「そっちじゃねえよ!」
「まあ細かいことは気にしないで、ジュンくぅん」
「そういや、僕の姉はもともと一人だったような気が」
「いいえ、姉は二人いてもいいのよ~ジュンく~ん」
「そうそう、いいのよ~」
「そうですぅ……そ、そうなのよ~」
「……」
 もう突っ込む気力もありません。
「なぁ、髪が多すぎて超不自然な翠星石」
「すっ、翠星石ちゃんはここにはいないですぅ……いないのよ~」
「……」
「妹だった時期もあるけどわたしはジュンくんの姉なのですぅ……なのよ~」
 中の人など略。
『わたしはジュンくんの姉の桜田のり~(デュワワ~)』
「ハモるなっ!」
『お姉ちゃんが大好きなら~お姉ちゃんは増えてもいいね~』
「よくねえええ!」


4.君は、弟の涙を見る。
「……ジュン、くん?」
「姉ちゃん! 助けて!」
 リビングに入ってきた姉はまず固まった。
 そりゃあ自分が何人もいれば接着剤みたいに固まるのも無理はない。
「わたしが姉なのだわー!」
「わたしが姉なのよぉ~!」
「わたしが姉なのですぅ!」
 三人はもはや口調も元に戻り、しかし譲らない。
 ジュンが助けを求める先は、やはり姉だった。
「真紅と水銀燈と翠星石がいきなり……」
「……」
「……姉ちゃん?」
「……駄目じゃない、ジュンくぅん」
「へ?」
 俯けていた顔を上げると、のりの目がキュピーンしていた。
 震えるぞキュピーン。燃え尽きるほどキュピーン。
「お姉ちゃんに黙ってお姉ちゃんを増やすなんて、イケナイ子」
「あの、もしもし。お姉さま?」
 ジュンは気付く。
 姉の背後に「滅」という文字がオーラで形成されているのを。
「悲鳴を上げろ。豚のような」
「ここからが本当の地獄だ……!」

5.ルナティック姉技団
「あー、昨日はひどい目にあった」
 なんとか生存し、ジュンは今日も元気に学校へ向かう。
「しっかしなんでいきなり姉ちゃんになろうなんて……」
 いくばくか考えて、「あ」。思いついた。
 ベジータ、笹塚とだべっていた時に「姉は頼りになる」。
「……言ったけど、言ったけどさぁ」
 アレはないだろ。アレは。
「……ジュン、どうしたの?」
「お、薔薇水晶。おはよう」
「……おはようございます、○ク○さん」
「誰がタ○トさんだ、誰が」
 中の人略。
「……ね、ジュン」
「え、な、なに?」
 どことなく嬉しさを含んだような声。
 そして薔薇水晶は清廉な微笑を浮かべて、
「ほーら、頼れるお姉ちゃんだよー」
(ここからが(ry

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