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翠「…ふぁぁ──」

おぉ…今日も差し込んでくる日差しは眩しいですね…

翠「…」

蒼星石はもう下りてるみたいです。
部活組はやっぱり朝に強いですねぇ。

8時。

…あと1時間は早く起きたいですね。

顔でも洗ってきますか…
…2階の洗面所でも使いますかね。

さ、今日も一日頑張るですよ~!

~~~~~

翠「おはようです!」

すでに早起き組がダイニングで朝食摂ってるですね。

父「おはよう」

──新聞を広げながら。

母「おはよ」

──冷蔵庫を開けながら。

蒼「おはよ~」

──牛乳を飲みながら。

紅「おはよう」

──紅茶を嗜みながら。

銀「おはよぉ」

──トーストを噛みちぎりながら。

なっ…。
水銀燈の奴、今日も朝からバッチリ威圧感を放ってやがるです…。
部活の件なんでしょうけど、絡みづらい雰囲気ですね。

気まずい事に水銀燈の目の前の席だけポッカリ開いているではないですか!
これはつまり、翠星石は座るべき座席を指示されたのも同然!
…はぁ。
座るしかないですか…。

せめて、明るく振舞って水銀燈を元気づけてやるです。

翠「いただきまーす!です」
母「はい、召し上がれ」
銀「…」

──うぅ。

銀「隔離…離散…(ブツブツ)…」
翠「…」

背もたれに寄りかかって、遠い目をしてブツブツ呟いて──

銀「…ふっ…やってやろうじゃないの」

──ニヤリと黒い笑みを浮かべやがるです…。

翠「…」
銀「ごちそうさま!」

バン!と机を叩き立ち上がる姿──
こないだまでの水銀燈は…どこですか…。

~~~~~

翠星石も朝食を済ませ、部屋に戻った…のはいいんですが。

水銀燈、最近滅入ってるようですね。
大会前ですのに…
何か元気づけられる事はできないですかねぇ…

翠「…」

そういや水銀燈の奴、最近は全然遊びに行けてないような気がするのですが…。
う~ん…。
こういう時こそ気分転換が必要なんでしょうけど…。
ちょっと公園に行ったり街へ行くくらいすれば何か変わるかもしれないですのに…。
水銀燈といえば…あのケーキ屋によく行きましたよね…。

…。

──あ。

翠「おぉ!ケーキです!」

今日水銀燈が帰ってきたらあのケーキをプレゼントしてやるです♪
どんな顔するか楽しみです~♪

早速出掛ける準備です~♪

~♪
~~♪
~♪

銀『じゃ、行って来まーす』

下の方から水銀燈の声。
どうやら部活へ行ったみたいですね。
ちょっとドッキリさせてみるですか…w

~~~~~

蒼「それじゃ、行ってきます」
母「行ってらっしゃい」

1階に下りると、ちょうど蒼星石が部活のために中学校へ──

蒼「翠星石」
翠「…何ですか?」
蒼「ちょっと──」

蒼星石に連れられて門扉の近くまで来たですが…。
何なんでしょうか。

蒼「あのさ」
翠「…」

そして蒼星石は声を落として言ったです。

蒼「水銀燈にAの父親の事、まだ言ってないよね?」

はっ!
そうでした…

翠「そうですね!…すっかり忘れてたです」

ついつい目の前の水銀燈の様子が心配になるばかりで…

蒼「はぁ…なら良かった」
翠「へ?」
蒼「今は多分このことを言うタイミングじゃないと思うんだ」
翠「…まぁ、そうですねぇ…」

100%同意とはいきませんが、
まぁそうなんですかねぇ…

蒼「今言うとますます追い詰めてしまいそうな気がして…」
翠「う~ん…」

このままじゃ埒が明かないと思うんですが…

翠「それにしても、何で不遇な目に遭ってるのが水銀燈とのりだけなんでしょうね」
蒼「ジュン君との絡みはあるだろうね」
翠「やっぱりイジメの事ですか…」
蒼「そう考えると、それにしか行き着かないと思うんだ」
翠「いや、それしかないですよ」

それ以外に思い当たる節は…今のところ無いですからね。

蒼「とりあえず今は静観しておいた方が良いかも。
  今は下手に動かしたくないし。
  翠星石は…僕が部活に行ってる間にジュン君を元気づけて」
翠「ジュンは…」
蒼「その格好、今からジュン君に会いに行くんでしょ?」

そう言って中学校へ向かう蒼星石…

翠「あの…」

本当は水銀燈にケーキを買ってやるために着替えたんですけど…。
──でも、独りでケーキを買いに行くのも何か寂しいですね。

ここはひとつ挑戦してみるですかね。
ジュンを…連れて行くです!

…だっ…大丈夫ですよね?
リハビリの一環としてやれば…。

~~~~~

──ん~…。
本当に大丈夫なんですかね。
ジュンを誘って…
ここは自制すべきなんでしょうか…

──はぁぁ…とうとう家の前まで来てしまったです…。
と、とりあえずインターホンを押さないと始まらないですよね。
…今日は些細な事でイライラしないようにするで──

ジ「ちょっ…ちょーっと待った!」
翠「…」

ジュンの声…!?
…あぁ?…連打するとでも思ったんですか?
今日は絶対しないと決意して来たですのにぃ!

翠「…」

今日はホントに真面目な話なんですよ!
…あぁ…でもホント毎回毎回腹立たしい野郎ですぅ…!

翠「──ジュン!表に出ろです」

イライライラ…

ジ「え?…僕何か悪いことしたっけ?」

──はっ!
怒鳴りつけてしまったです…。

ジ「…」
翠「わわ…ごめんですぅ」

さっき心に決めたばかりですのに…

ジ「え…」
翠「ちょっと眠くて…あの…うわの空だったんですぅ!」
ジ「あぁ…それなら良かった…」

えーと…えーと…。

翠「…だから、ちょっと付き合えってことです!」
ジ「は?」

え?分からないですか?
…って、また変な誤解されちゃたまんねぇです…

翠「あー…え…いや、あの、付き合えじゃなくて…」
ジ「?」

…イライライラ…。
抑えなければ…抑えなければ…。

翠「とっ…とにかく、街に出るです!」
ジ「あ?」

…あくまで…あくまでやさしく…。

翠「水銀燈の行きつけのケーキ屋に行くですよ」
ジ「…そ、それは無理だ!」

───あ。
やっぱり、無理ですよね。
そりゃ、引き篭もりなんですからね…。

翠「──そうですか…」
ジ「いやぁ…まだ無理だって…」
翠「そうですね。じゃ、また今度です…」

無理強いをさせるつもりはこちらにもないですし…
イヤとか無理とか、ハッキリ言ってくれて良かったです。

──帰りますか。

ジ「ちょっ…待てよ…」
翠「ひとまずお前は家に居てろです!…また来ますから──」

──何であんなにイライラしたんですかね。
どーせ一緒には行けない事だなんて判ってたはずです。
ちょ~っと期待してたからって…そんな…。

~~~~~

ガチャ…

ふぅ…。
ちょっと頭を冷やしてくるですかね。
もう下の4人は起きてやがるですか。

翠「ただいまです…」
雛「おかえりなのー!」
紅「おかえり。早かったのね」
翠「…」

チビ4人も起きたですか。
みんなして必死で食らいついてやがるですね~…

紅「あの子たち、早く食べて外に出たいのよ。また…」

よく噛んで食べろって言ってるですのに…まぁ、しゃーないですか。

翠「…」
紅「…」
翠「ちょっと部屋で独りにさせてくれです…」

~~~~~

翠「はぁ…」

下のダイニングから楽しそうな声が聞こえてきても。
私はこの部屋でただため息をつくだけです。
けど──

翠「…ジュンがあんな風にならなければ──」

悔しくて…。

翠「いつでも好きな所に行けるですのに…」

机の上の透明のシートの下に挟んでる一枚の写真…。
翠星石、蒼星石、水銀燈。そしてジュン。

翠「ジュン…」

今年の春休みまでは全然元気だったですのに…。
また4人で遊べる機会は…また来ますよね。

はあぁ~。

…そういや、この頃忙しすぎて日記つけてなかったですね。
今日まとめてつけるですかね。

~~~~~

ふぅ~。
それにしても今まで平和でしたねぇ。
…見てて恥ずかしくなってくるような事も…w
きゃあw

…はぁ。
虚しいです。

コンコン…

ジ「おーい…」

うそっ?
この声…ジュンですか?
まさか外へ行く気になったですか…?

翠「どーぞです」

ガチャ…とドアが開くと、やはりジュンが入ってきたです。

ジ「ゴールデンウィークの宿題?」

はっ…ノート開きっぱなしだったです…。
まぁ、あいつは目はあんまり良くないですから
ぼんやりとしか見えないんでしょうけど…

翠「まぁ、そうですけど…」

はぁ。
…思えば翠星石は馬鹿です。
お前を無理やり連れ出そうとして…
そしたらこうやって無理して行く気になってくれて…。

ジ「もしかして…まだ怒ってる?さっきのこと」
翠「…」
ジ「ごめん…」

──怒ってるのはジュンの方なんじゃないんですか?。
うぅ…。

翠「謝るのはこっちです…」
ジ「え?」
翠「ごめんです…」

…お前の意気込みは判ったです。
だから…今日はひとまず家に帰れです…。
翠星石1人で十分です。
一緒に行くのはまた今度でいいです。
まずは2年生の間に引き篭もりを卒業してくれです。
そうすれば、その後バシバシ遊びに行けるわけですし──

ジ「…どうしてまたそんな──」
翠「まだまだ現役バリバリのヒッキーを無理やり連れ出そうして…」
ジ「…」

…あぁ…ジュン…。

翠「水銀燈にケーキを買ってやりたかったんです…。
  最近は行きつけのケーキ屋にも行く暇がないみたいですし、
  部活の事で荒れ気味ですから…」

──水銀燈。
今日は上手くやってるといいんですが…。

ジ「そうだな。確かに荒れてる…」
翠「それで、そのケーキ屋に行こうとしたんですけど、
  蒼星石は部活ですし、真紅は行く気がしないって言いますし、
  下の4人を連れていくと、常に五月蝿くて大変ですし、
  ダメ元でお前の家に行ったんですよ…。
  ──それに、水銀燈は…何か…変にジュンの事がお気に入りみたいですし?」
ジ「あぁ、そうだなぁw」

ふん。
その嬉しそうな声が何か癪に障るです。
──余計悲しくなってきたです…。

ジ「…」

でも……。
怒ってるですよね…?

翠「だからジュンが買って来た!って言ったらどれだけ喜ぶか…って思ったんです…」
ジ「…」
翠「──ジュン?」

これだけは確かな事なんです…
これだけは…分かってもらいたくて…。

ジ「…全然怒ってなんかないよ…うん…」

はっ…

──お前…
お前はこんな時に限って優しいんですから…。
翠星石泣かせの鬼ですぅ…。
うぅ…ひっく…。

ジ「じゃあ、買ってくるよ…」

…へ?

ジ「僕ひとりででも──」

…なっ…何を今更!

翠「無茶言うなです!」

それがカッコいいとでも思ってるんですか!?

翠「病院でも見舞い客の差し入れにばっか頼って、
  ろくに売店にさえ自ら進んで行かない奴が、
  そう簡単に街に出られるわけないです!」
ジ「…」
翠「無理するにはまだ早いです」

独りで行ったところで精神的に潰れるだけですよぉ…
きっと。

ジ「でも僕は一日でも早く退院したかっ──」
翠「それは病院食が不味いのと、
  病院が意外とオープンな場所だったからってだけです!」

ジュン…
お前は近道を探そうとしているのか判らないですが、
回り道こそが近道になるはずだと思うんですよ…?

ジ「それが分かってるなら、何でさっき僕の家に来たのさ?…」

──はっ!

翠「それは…」

…それは…お前が…。

ジ「いいよ。行ってやるよ。独りで」
翠「…」

…えっ…?
行ってやる?

ジ「お前がいなくても何とかなるから」

…お前がいなくても…何とかなる──

ジ「…」

…お前がいなくても…

翠「…」

──翠星石は…

ジ「…」

──翠星石は……くぅぅ!

翠「──!!」

このぉ!
ベッドに放り込んでやるです!

ドン!

──はん!
そ~ですか!何とかなるんですか!!
それは良かったですね!

ば~~~~か!

翠「じゃあ~1人で行きやがれです!!もう知らねぇです!!消え失せろです!!」

──ふん。
床に叩きつけなかっただけでも有り難いと思えです。

ジ「あ、そ!じゃ、行ってくるよ!」

──ちょ、ちょっと待てです…本気で行くんですか?
…いっ…嫌がらせですか?

ねぇ?

……こんちきしょー!!

翠「バカァーーーーーー!!バカバカバカァーーー!!」

二度と顔を見せにくるなです!

バスコーン!!

──ドアに鍵は掛けられないので翠星石と蒼星石の椅子並べて…っと。です。

はぁ。
とりあえず今日はっきりと判りましたね。
あることが──





つまらない事で喧嘩するのやめようったって無理です!





 

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