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 ――此れで、三度目の邂逅となるのか。




《Interlude―墓前にて.2―》




 『逢うことは多分二度と無い』――もう、三度目だぞ?判らんものだな、矢張。


 君の墓も、此処に在ったのか。尤も、君の器は此処には無いのだろうがな……まあ、其れは柏葉も同じなのだが。

 だが、君のたましいは、此処に――来ることは出来る筈だ。だって、僕の声は、確かに彼女に届いたのだから。其れは確かな事だ。もし、此の声が君のもとに届いているのなら――否、届いているのだから――君は、『在る』。必ず。


 『また』ってな。僕の口から出てしまったんだ。――ああ、君の姉との話だ。
 今迄はな、もう逢わないだろう、と心の何処かで思っていたのだよ。…だがな、僕が自ら彼女に来て欲しいと言ったんだ。ふふ、僕自身が一番驚いているよ。

 身内以外の知り合いなど片手程しか居ない僕が、とある電車で相席するという本の些細な出来事から、此処迄の関係になるとは、誰が予想していただろうか。

 ――君は、判っていたのか?…いや、そんな訳無いかな。


 ハンカチーフな、未だ渡していないのだよ。また渡し損ねて仕舞ってな。全く、何時になったら返して貰えるのだろうか。首が長くなり過ぎて、ろくろ首みたいになってしまうよ。――あっ、今のは聴かなかった事にしてくれないか?

 返すと彼処に来る理由が無くなるから、返したくないのだとさ――何を子供みたいな事を言っているのだろうな、彼女は。まあ、そういう処が彼女の善い処なのかも知れんな。


 旅をする、と言っていたな。どうだ、楽しいか?沢山のものに、出逢う事は出来たか?
 ――柏葉には、もう逢えただろうか…
 

 さて、柏葉にも挨拶せねばならんのでな。此れで。

 ――ん?此方ではこんなに近くに君達は居る筈なのに、何故そっちでは逢えんのだろうか……
 まあ、もう逢っているのなら関係の無い話か。


 ――また来る。




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 ――ええと、お久し振りです。




《Interlude―墓前にて.2―》




 ……何を、話せば良いですかね…
 取り敢えず、元気ですか?

 ――そう言えば、こんなに近くに、二人とも居たんですね。びっくりです。何と言うか…世の中と云う物は、思った以上に狭いのですね。何だか、不思議な気分です。人と人との繋がりが、くっきりと感じられると言うか…良く、分かんないですね。


 そっちでは、私の妹に、逢ったりしてないですか?ええとですね…私と目の色が逆でですね、其れで髪は短くて――そうそう、貴女に似ているらしいのですよ。ジュンが――……


 …………
 貴女は、ジュンの事、今でも好きな侭ですか?
 私は……


 今日、のりさんに、縁談を持ち掛けられたです。貴女になら頼めるって。
 
 意味が分かんねえです。どうして私に……貴女が居るのに……
 未だ、ジュンには、貴女の影がちらついていると言うのに…
 
 貴女に言うのもなんですが、私はジュンの事が好きです。だから、正直嬉しいのですけど。
 貴女に、申し訳無くって。だから、返事出来なかったです。のりさんには悲しい思いをさせたのかも知れないですね。
 ――そう言えば、貴女は、のりさんと知り合いでは無かったのですか?幼馴染みじゃあ、普通は家族ぐるみでのお付き合いとか、そう言うのでは無いのですかね…まあ、他所は他所、って事ですかね。


 そう言えばですね、さっき蒼星石にも話したのですが、家のおじじが蒼星石の事、度忘れしてるのですよ。いくら九十近いからって、孫の名前を忘れるなんて――


 あれ?煙が、凄いですね。
 野焼き……や、あっちは私の家の方――まさか…嘘…――




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