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――此処は、何処だろうか。
僕は――そうか、しんだのか。と言う事は、此処は天国、になるのかな?
川だ。綺麗な小川だな。…ちょっと位、飲んだって構わないよね?
――ぷはぁ。
くうっ、冷たくて美味しい。此方にも、こんなに綺麗な小川が在るのか。
此処は、綺麗だな。見渡す限り、花だらけだ。花の絨毯。凄いな…姉さんにも、見せてあげたいな。
姉さん――あの後、どうしちゃったかなあ…
――はあ…独り、か。だあれも、居ない。でも、こんな綺麗なお花に囲まれているなら…
此の樹は…ふふっ、立派な樹だね。ちょっと、もたれても構わないかな?少し、眠りたいんだ。――
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――ん、ふあぁ。
あれ…雪?うわあ…真っ白…綺麗だな。辺り一面雪景色、読んで字の如くだな。
でも、さっき迄咲いていた花は、何処に行っちゃったんだろう…
此処に来るという事は、あの花達もきっと…
――ううっ、風が…!…あれ、今度は湖…?
…ははっ、何だか楽しいなあ。こんなに楽しいなら、さみしくも無い、かな?
あ…待って…まだこのままで、このままがいい――
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――随分と時間が経ったな。今、何時だろう?時計が無いと不便だなあ。まあ、いいか。
姉さん――今頃何やってるんだろうな…
僕は、未だあっちでやり残した事が有るというのに…
――今度は何だ?…此れは…彼岸花…
あっ、あれは…人?久し振りだなあ。あの人は――何だか、僕に似ているな。漸く、まともに話が出来そうな人が来てくれた。独りごちてばかりも、いよいよつまらなくなってきたからな。
――ちょっと緊張するかも。でも、嬉しいから。話し掛けてみよう。
「やあ、初めまして。僕の名前は、――」
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《とある処での出来事》