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乙女の夢叶う その1

 

私はその日する事が無くて退屈していたのだわ。
だれかと遊ぼうと思って連絡しても今日に限ってみんな出かけてしまってる。
日曜の午後は面白いテレビも無い、なんとなく見ていたテレビを消して本でも読もうかしら。

 

リンリンリン 電話が鳴ったのだわ。

 

「もしもし、真紅?話があるんだ、近くにいるから出てこないか?」JUNから誘いの電話だった。

 

「良いわ、暇だし、すこしだけなら・・レディーは身支度もかかるの・・一時間くらいはかかると思うのだわ。」
電話を切って、ダッシュで身支度をととのえたの。お気に入りのスカートを履いたのだわ。

 

自転車に飛び乗って風を切って走り出す、気がつくとスカートの裾を抑えるのも忘れて必死にペダルを踏んでいたのだわ。

 

一方通行の近道を通ったら横から来る車を止めてしまったのだわ。
きつい坂道も降りずに自転車をこいでいたの、はしたないけど立ち乗りだってしちゃうのだわ。

 

JUNは結構人気がある、彼女がいるのかいないのか噂になっていたわ。
私は早まる足を棚に上げて『浮かれてるわけじゃないの、単なる好奇心よ。』と自分に言い訳していたのだわ。

 

ダッシュでその先を曲がったら 自転車を止めて息をととのえよう。

 

「はやく来てあげたのだわ」私は何食わぬ顔で挨拶したの。

 

しばらく話をしていたのだけど、今日の貴方はずいぶん優しい目をしてる、いつもの10倍くらい笑ってるわ。
ふと鏡を見たら、なんて事!私の髪はぐちゃぐちゃだし、おでこが全開だったのだわ!
あぁ なんて間抜けなんでしょ、急いで来たの完全にばれちゃってるのだわ。

 

可笑しくなって肩の力が抜けてら急におしゃべりになったのだわ。

私の堅さが取れたらJUNも話しやすくなったみたい、「なぁ真紅、良かったら僕の家に来ないか?髪を整えた方が良いよ」なんて言い出したの。

 

「そうね、御願いしようかしら、私の愛車で貴方の家まで乗せて行きなさい。」
「よ~ししっかりつかまっていろよ!」

 

JUNは私を乗せて勢い良く走り出したの、わたしは貴方の背中にしがみついたのだわ。
自転車は風を切ってどんどん加速度を増していったの、私の気持ちも加速度がついたのだわ。

 

JUNの家に着いたらJUNが私の髪を梳いてくれると言うの、私は恥ずかしかったけど御願いしたのだわ。
いつもの髪型にしてリボンを結んだの、その時JUNが言ったのだわ。

「真紅、僕はキミが好きなんだ、付き合ってくれないか?」
「え~急に言われても、困るのだわ、どうしようかしら」台詞とは裏腹に答えは決まっていたのだわ。


 

乙女の夢叶う 2


JUNと付き合って数年たった、私は早朝の街を歩いている。
開店直前の街はなんとなくあわただしい、素足に触れる空気はまだ少し冷たい。

 

私はショーウインドウに自分の姿を写して、身だしなみをチェック。
少し瞼がむくんでる、恥ずかしくなって思わず瞼を右手で押さえたの。
やっぱり髪型もいまいち決まってない、他人が見たら朝帰りだってばれちゃうかしら。

夕べJUNからプロポーズされたの。
今までJUNは必ず12時までに家に送ってくれたのだけど、夕べは・・・・
嬉しいけど、ちょっと恥ずかしい・・・・
朝帰りなんかしたら、お母様はなんて言うかしら、お父様が留守でよかったわ。

これからのことを想像しながら歩いていたら急ブレーキの音がしたわ。
ぼーっとして赤信号を無視してしまったのだわ。
私は真っ赤になって、駅まで逃げるように走った。

電車に乗っても一人だけ違う世界に居るみたいな気がしたわ。
夕べの事を思い出してくすくす笑ったら、前の人に見られてしまったの。
思わず眠ったふりをしてごまかしたのだけど・・・顔が真っ赤なのは隠しようがないのだわ。

家が近づいてきた、嬉しいけどちょっと恥ずかしくて、ほんのちょっぴり不安なの。
帰ったらお母様になんて言おうかしら。

明日はお父様も帰ってくる、夜にはJUNも家に来るの

お父様、お母様、真紅はこれから幸せになるのだわ。


 

乙女の夢叶う 3

 

JUNと結婚して2ヶ月、主婦業もだいぶ慣れてきた。
掃除洗濯は独身時代から得意だ。でも、私の苦手な分野は料理。
でも最近はだいぶまともになってきたんじゃないかしら。
お風呂のお掃除が終わって時計を見たらもう5時、たいへ~ん、早くお買い物行かなくちゃ。

 

スーパーに着いたらちょうど6時、『これからタイムセールスです』放送が流れる。
夕飯の買い物をするおばさま達の目の色が変わる瞬間だわ。

 

おばさま達をかき分けて食料品売場にきたの。
サラダが大好きなJUNの為にびっきりのサラダを作らなきゃ。

 

青く柔らかそうなレタス、ちょっと曲がったキュウリ、しゃきっとしたキャベツ。
真っ赤に完熟したトマト、アクセントに粉チーズを買いましょう。

 

ひとしきり買い物を済ませてレジに、横入りするおばさまには絶対負けないのだわ。

 

お金を払おうとしたら財布が見つからない、バックに入れたのに!。
おばさま達の非難の目をなるべく見ないようにしてお財布をさがす・・・・たぶん顔真っ赤だ。

 

バックをひっくり返しても出てこない、どうしよう・・・・・・・
ん?・・・手に掛けた上着のポケットが膨らんでいたのだわ。

 

慌ててお金を払ってやっと一息、休む間もなく大きなレジ袋二つに買った物を入れて自転車のかごに放り込む。
さっき買った小さな花束も隣に乗せて、急いで帰るのよ。

 

JUNが帰ってくるまであと30分くらいかしら、レタスをちぎってボウルの周りに敷きましょう。
キャベツは細く刻んでお水をしっかり切るの、キュウリニンジンを乗せて。
トマトと兎に切ったリンゴを飾るの。
仕上げは愛のこもった自家製ドレッシングをたっぷり注いで出来上がり。

 

JUNは喜んでくれるかしら。

 

ごめんねJUN・・・簡単な料理しか出来なくて・・・

 

でもきっとあなたは「世界で一番美味しいよ」と言って食べてくれるの。

私は世界で一番の幸せ者、JUN・・・世界で一番大好きよ。

 

---fin---

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