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──朝。
眩しくて目が覚めたら、既に9時を回ってたです。

翠「ね、寝過ごしたですぅ!」

部屋にいるのは自分だけみたいですね。
はぁ。

──蒼星石。
ほんとは一緒に行きたかったですのに…
やっぱり…明日にした方がいいですかねぇ…
でも今日いきなり退院が決まっりなんかしたら…

翠「…」

ベッドから下りて、下段の蒼星石のベッドをじっと見つめていると、
ジュンの顔が思い浮かんできたですぅ…。

ジ(『翠星石…遅いなぁ…』)

翠「──んもう、ジュンってばぁ~♪」

ガチャ…

紅「すいせ…」
翠「分かってるですよぉ~すぐ行くですぅ~…」
紅「翠星石!」
翠「きゃあっ!」

──き…聞かれたです…。

紅「…はぁ…」
翠「…」
紅「水銀燈が何か手紙を置いて行ったわ」
翠「…へ?」
紅「机の上にあるでしょ?」
翠「…まだ見てないです」
紅「あっ…あと今日必ず見舞いに行きなさいって言ってたわ」
翠「そうですか」
紅「じゃ、早く下に下りて来なさい。朝食が冷めるわ──」

そうして真紅は1階に下りていったです。
はぁ…蒼星石だったら絶対大笑いされてたところだったです…

それにしても手紙って…
…あっ、翠星石の机の上にあるコレですか…?
封筒にわざわざ入れなくても…
あれ?紙と一緒に何か入ってるです。


   翠星石にお願い

   退院間近のジュンに「ヤングジ○ンプ」でも買ってあげなさい
   コンビニにでも売ってるはずだから。
   きっと喜ぶと思うわぁ(はぁと) 
                        水銀燈


そして500円が添えられていたです。

名前からして漫画雑誌ですかねぇ。
ジュンのためですから、ちゃんとした本屋で買いますかね。

……何だか、やっぱり今日行くしかないみたいですね。ジュン──

~~~~~

駅前の本屋もそこそこ規模がデカイのですが、
病院とは逆方向ですから面倒ですね…
サ○ィの本屋にでも行きますか。



えぇと、4階だったはず…あっ、ありました。
で…週刊誌のコーナーにでもあるんですかね…
…立ち読み客も男ばっかで…むさ苦しいです…

マガジン…違う…サンデー…違う…
ジャンプ…あれ?“ヤング”がついてないですね…

しかし…何ですかねぇ。
その隣からはグラビアアイドルっぽいのが表紙のヤツばっか並んでるですね…
……あれ?
え?…これ?

……こっ…これ、どうやって買えって言うんですかッ!?
これを…手に取るなんて…。
誰か知ってる奴に見られたらどうしろと…。
いや、まず周りの客から怪訝の目を向けられるのは目に見えてるですぅ…

キョロキョロ…

うぅ…悪い意味でドキドキするですぅ…
水銀燈…本当にこれで合ってるんですかぁ?

店「いらっしゃいませ」
翠「…」
店「320円になります」
翠「…」
店「500円お預かりします。180円のお返しとレシートです」
翠「…」
店「ありがとうございました」
翠「…」

ココを出るまで平静を装って…
外に出たらバス停まで一目散にダッシュです!

~~~~~

ア『次は~××病院下~』

ピンポーン

ア『つぎ、とまります。ご乗車、ありがとう御座いました』
翠「早く停まれです、早く停まれです、早く停まれですぅ~」

周囲の視線が気になるですぅ…
きっと翠星石の事を笑ってやがるですぅ…
こんな恥ずかしい思いをしたのは何年ぶりですかねぇ…

──あぁもう!

~~~~~

ふぅ…
やっとこさ病院に着いたです…。
ここですらアウェイのような気がするですぅ…
早くジュンに渡してしまいてぇです!

はぁ…。

ジュン…
早くお前の顔が…見たいですぅ…

うぅ…
ここでも冷ややかな視線を浴びせられてる気配がするです…

~~~~~

ジュンの病室…
あ、ここですね。
はぁ~♪
今度は良い意味でドキドキが止まらないですぅ!

ん~と…気持ちを落ち着かせて…
…10数えてカーテンを開けるです──
10、9、8、7、6、5、4、3、2、1…

翠「じゅ~ん♪」
ジ「おぉ!」

──も…もう我慢ならんです!甘えさせてくれですぅ~!
ムギューって抱き締めて~それで──

翠「きゃぁっ!ジュンですジュンですぅ~」

──こんなことするの、中学校に上がってからは初めてですかねぇ。
何か淋しいものですけど…

翠「じゅ~ん~♪今から退院するですよ?」
ジ「いや、まだ退院許可は出てないんだってばw」
翠「なっ…」

あっ。
いやいや、退院できないだなんて…そんな…

翠「…」

まさか、他に重大な病気が見つかったとか…ですか?

ジ「…」
翠「…」

…どどどうしようですぅ…。

ジ「あ、そうじゃなくて、明日にでも退院許可が出そうな雰囲気では…あるよ」

えっ!?

翠「…なぁんだ、それを早く言えです」

ほっ…
そっ…それでは、ちょうどいい雰囲気になったところで、
これをば…

ジ「何それ?」
翠「ちょ~っと退院祝いで渡そっかなぁって思ってたものです…」
ジ「へぇ!翠星石が?」

…翠星石がコ…コ…コレを選んだですと??
きゃぁ!
嫌な事を思い出させるなです!

翠「ちっ、違うです!」

急いで釈明…釈明を…

翠「こ、これは、水銀燈の置き手紙で…」
ジ「で、翠星石が買ったんだ…」
翠「うぅ…」
ジ「ね」

ジュンの野郎…入院してる間に押しが強くなったですね…。
──退院したら覚えてろよッ!ですぅ。

翠「そ、そうですよッ!」
ジ「開き直ったな?」
翠「えぇそうですとも」

袋ごとくれてやるです。

翠「あ、あげるです!」
ジ「中身は?」
翠「水銀燈にでも聞きやがれ!です」
ジ「?」

そうです。そのまま取り出せです。
──ひっ…また店での嫌な思い出が…

ジ「…」
翠「きゃっ…」

今のうちに、あの水銀燈の手紙も渡しておくです!

翠「こっ…これを読むですッ!」

ほ~れ、読みやがれです~。
これで翠星石が自分の意志で買ったわけではない、
つまり、身の潔白が証明されるはずです!

ジ「あ…」
翠「この置き手紙の通りに買いに行ったんですよ!?」

ドキドキ…

翠「それがまさか、こんな表紙の雑誌を買うことになるなんて…」

イライラ…

翠「中二病の子ってこんなものが欲しくなるんですねっ!」

ジュン!そんなに水着の子を興味深げに凝視するなです!
くぅぅ…
──この気持ち…どこにぶつけたらいいんですか…

翠「じゃあお前に聞くです」
ジ「おぅ…」
翠「お前は本当にコレが欲しかったんですか?」

イライラ…

ジ「…あ…」
翠「…」

イライライライラ……

ジ「…うん」
翠「──抗議してくるです」
ジ「え?」

ジュンを中二病と罵ってる水銀燈ですが、
自分自身も“高二病”にでも掛かってるんじゃないですか?
許すまじ…です──

翠「何か久々にしてやられたです!
  こういうのはジュン自身がこっそりと買うべきものです!」
ジ「そういう問題かよ」

バシッ!

ジ「痛っ…」

おう!おめぇにそんな反応は求めてねーです。
常日頃からお風呂の電気を消してくる馬鹿のくせに!

翠「普段から翠星石や水銀燈のバスタオル姿を見ても飽き足らず、
  いよいよ雑誌に手を伸ばすまでに至りましたか!」
ジ「…」

イライライライライライライライラ…

翠「まぁいいですよ。お前自身も“ヤング”に格上げですかッ!?」

ったくもう!
お前に会いに来たのが間違いでした!
水銀燈にはお釣りを返すついでに徹底的に抗議してやるです。

ふん!

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