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とある街の賑やかなメインストリート、その片隅に実に古ぼけたお店がありました。
お店の名前は『薔薇華園』

    第6話【大食い電波発信中】前編


グギュルルル~
グギュルルル~
グギュル(ry

『ちょっとジュン!何とかして頂戴!さっきから五月蝿いの…』グキュウ~
『あらぁ?そんな事言ってる真紅もじゃなぁい。笑っちゃうわ…』クククキュウ
『目が回って倒れそうかしらぁ…』ククッキキュウ
『…武士は食わねど…高楊枝…なんて無理…ギヴミー…食べ物…』クウクウクウ

は、腹が減った…
店の中は腹の虫八重奏のBGMが大音量で流れている。
何故こんな事に鳴ってるのか。
全ての原因はこの…幸せそうな顔でスヤスヤ寝てるコイツのせいだ…


~三日前~

「お~い。手伝ってくれ~」

買い物から戻って店の中に声をかけると、早速八姉妹が寄ってくる。

『ご苦労様。なまものの袋はどれかな?』
『またスーパーで袋貰ってきたですか?早いとこエコバック買って自然保護に貢献するです』
『乾物系はこの袋かしら?』

この3人は的確に家事をこなしてくれるので大助かりと言っても良いな。

『カボチャさんは重たいの~』
『長ネギ流剣術…究極奥義…鳳凰十文字…大切斬…!』

トスされたカボチャが、空中で長ネギにより四分の一サイズにカットされた…
この2人は遊びつつやるからなあ。
取り敢えず、長ネギで勇者とカボチャでバレーは禁止です。

『紅茶は…ないなら興味はないわ。無駄な時間をとらせないで』
『ヤクルトは…ちゃんとあるわねぇ。ご褒美あげちゃうわぁ』
『(ゴリゴリ)大根は生でもいけますわね』

手伝え、抱きつくな、食うんじゃない。

居候が八人もできたので食費がやたらかかってしょうがない。
…まあ、下手な僕より美味しい物作ってくれるから、食生活が向上したのは感謝してるけど。
ところが次の朝…

『ど~なってるですかぁ!?』

翠星石の悲鳴を聞いて冷蔵庫に駆けつけると…

『空っぽじゃねえですか!!』

ピッカピカに掃除された後のようになんにもない。

『こっちも全滅かしらー!?』

乾物系をしまってある戸棚の方からは、金糸雀の悲痛な叫びが聞こえる。

あれは十日分の食料だぞ…

呆然と立ち尽くしていると、恐る恐る真紅が聞いてきた。

『…その、ジュン?つまり…どういうことなのかしら?』

引きつった笑みでこう返す事しか出来ない。

『暫く一日一食って事だよ…』


当然の事ながら犯人は一人しかいない。

『きらきー!起きるの!』
『ふみゅ…ご飯の時間ですか?』
『ご飯は君が全部食べちゃっただろ!?』

珍しく雛苺と蒼星石まで怒っている…って当然か。
雪華綺晶…正に宇宙の如き胃袋を持つ少女。
…正直洒落にすらならない。
そんな怒りをどこ吹く風、雪華綺晶はイヤリングに変わると再び爆睡してしまった。

『ジュン、なんとかならないかしら…?』
「『無い袖は振れない』ってことわざは知ってるか?」
『ほんとにすっからかんなのぉ?』
「無いわけじゃないが、代わりに水道と電気止められてもいいのか?」

『『『『『『『きらきーのばかぁ!!』』』』』』』

そして一日一食十日間なんて、黄金伝説みたいな生活が幕をあけたって訳さ…


一日一食生活三日目…
いくら女の子とはいえ、流石に三日目になると腹の虫を抑えておく事は無理らしい。
唯一雪華綺晶の腹だけが静かだ。
食い貯めが効くらしくスヤスヤと夢の中。

『きらきーのほっぺがうにゅ~に見えてきたの…』

喰いつこうとした雛苺を止めながら、紅茶を飲み干す。

『ふぁぁぁ…よく眠れましたわ。あら?皆様何故怖い顔してますの?』
『その胸に手を当ててよ~っく考えなさい』
『…私が真紅より大きいから…ですか?』
『誰がバストサイズの話をしろと言ったの!!みんなお腹が空いてるのよ!!貴女のせいで!!』

ステッキで殴りかかろうとする真紅を抑える姉妹達、それをよそに雪華綺晶が一枚のチラシを持ってきた。

『でしたらこれで万事解決ですわ』

ほお、なになに…商店街主催の蕎麦大食い大会?
雪華綺晶がにたぁりと不気味な微笑みを浮かべている…

つづく

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