『保守かしら』
2007年8月2日 はれ
おねえちゃんに蒼星石、真紅とジュンのりさん、雛苺と巴に翠星石みっちゃんばらしーちゃんと海に行ってきたかしら。
偶然なんだけれど、6姉妹がみんなそろうのは、あの日以来はじめて。
前の日と同じで雛苺の調子がおかしくならないか心配だったけれど、ぜんぜん楽しかったわ。
じょうだんで、おでこにすいかを当てたら本当に砕けてびっくりしたかしら。
それにしても、あれは何だったのかしら…。海から浮かびながら見てたんだけれど…。
浜辺でジュンがおねえちゃんと話しながらちょっと照れてた。で、おねえちゃんがその場を離れると
翠星石がジュンを蹴ってた。
真紅がツインテールでジュンを叩いてた。
巴が缶ジュースを握りつぶしてた。
雛苺は楽しそうに笑ってた。
いきなりのヴァイオレンスシーンに思わず海水飲んじゃったかしら。
遅めの昼時にジュンたちがそのままどこかに行っちゃったから、そのすきにさっきの事を聞いたんだけれど、蒼星石は「君は…」って言って、そのまま黙っちゃった。
それからみっちゃんが「んもう!カナってばそういうところもかわいい」って言ったら。
蒼星石が「…絶望的だね」つぶやいて、ばらしーちゃんは「カナお姉さま…」って言ったきり悲しそうで。
蒼星石は首を振って、ため息ついてた。
おねえちゃんには「わが妹ながら鈍いわぁ…」って言われるし。みんな何のことか聞いても教えてくれなかったかしら。
ううー、みんなひどいかしら
蒼星石はマントに十字架聖水で、いつもより生き生きしてた。みっちゃんのカメラもシャッター音が響かないようにさせて、もう見る気満々だったみたい。
夜の学園が面白くて、いろんなところを探し回ったんだけれど、結局空振り。
途中に話してくれた蒼星石の怪談がすごくて、怖い思いもしたし。もう帰ろうか。
って時にそれが聞こえたかしら。
学園を出て、みんなぜいぜい言いながら
「本当にでたぁ!」
「本当に心霊写真になってたらどうしよ…」
口々に言ってたかしら。
でもねピチカート。カナははっきりとあのシルエットの正体を見たのよ…。
あれは…。
「ああ…くんくん」
呟きながら、月の向かってうっとりする着ぐるみ真紅…。
乙女の情けで、このことは黙ってカナ一人の胸の奥にしまっておくかしら。