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とある街の賑やかなメインストリート、その片隅に実に古ぼけたお店がありました。
お店の名前は『薔薇華園』

    第4話【昨日よもう一度だけ】


…訳分からない。
自分の置かれた状況を改めて確認して出した答えがそれだった。
命令されるがままに紅茶を入れている自分を少し情けなく感じながら、ティーセットを用意して8人それぞれに出していく。

「言われた通りにしてやったんだから、こっちの質問に答えて貰うぞ。」
『レディの身の上を探るなんて無粋というものよ。』

こいつ…
顔に出てたんだろう、先程介抱してくれたショートカットの子が慌てて喋り出した。

『そんな言い方は良くないよ、自己紹介はキチンとしないと。これからお世話になるんだし。』

サラッと問題発言を言ってのけたな… 


「ちょっと待て。どういう事が説明しろ、お化け8人衆。」
『失礼ね。私達は生きた人間よ。蒼星石、貴女が説明なさい。』
『うん。えっと…僕達は簡単に言うと過去の時代の人間なんだ。』
「もっとマシな嘘にしろ。馬鹿でも騙され痛ったぁ!?」
『話を黙って聞けです。次は鎧が飛ぶですよ?』
『いい?で、僕達は8人姉妹なんだ。長女の水銀燈『はぁい♪』
次女の金糸雀『宜しくかしら。』
三女の翠星石『よく覚えとけです。』
五女の真紅『宜しく。』
六女の雛苺『今日はなの~!』
七女の雪華綺晶『初めまして。』
八女の薔薇水晶『…おいっす~』
で三女と双子になる四女の僕が蒼星石。宜しくね。』 


「…で?その幽霊8姉妹が何で僕の所に化けて出たグボァ!?」
『黙って聞けと言ったはずです。下敷きになって大人しくしてろです。』
『僕達にはお父様がいるんだけど、病気になってしまったんだよ。重い病気でお医者様ももう助からないって…だからみんなで神様にお願いしたんだ。お父様を助けて下さい、何でもしますって…』
『みんなでお父様が助かるように祈ってたら、タキシード着たウサギが現れたです。
「貴女方の願い叶えて差し上げましょう。勿論、代償は必要ですが?」
当然翠星石達は願ったです。それでお父様は助かりましたが、翠星石達は物に姿を変えられちゃったんです。』
「色々ツッコミたいが…まあいい。それが何でうちの金庫の中に入るんだよ?」 

『あの忌々しいウサギ
「勿論元に戻る方法は御座います。私は存じませんが、特別な人の協力が必要とか。無事戻れたなら、元の時代に戻して差し上げましょう。其れでは御機嫌。」
ですってぇ。あの金庫はその特別な人にしか開けられない、ウサギ特製らしいわぁ。』

するとなにか?僕がその特別な人間?
…馬鹿馬鹿しい。
電波話に取り合う方がどうかしてる。

「なる程。今警察に連絡するから保護してもらえ。」
『ふぅん?信用してないのねぇ…なら…!』

水銀燈の眼が紅く仄かに光を帯び、急に店内がガタガタと揺れだした…地震か!?

『これでどうよぉ!?』
突如、棚のツボが宙を舞い始めた!

「ぎゃあああ!や、止めろ!そのツボ50万!!」
『次は…それよぉ!!』
「止めろぉぉ!それは九谷焼の逸品たぞ!?」 

散々高価な物をポルターガイストしてくれた挙げ句…1つ落としやがった…

「…おい。どうしてくれるんだ?」
『誰だって失敗位するものよぉ?』
「あれは60万以上するんだぞ!?」
『真紅ぅ、お願ぁい。』
『貸し1よ?面倒ね…』

次の瞬間目を疑った。
砕けた破片が互いにくっ付いてあっという間に元通り…もう何が何だか…

『そういう事だからこれから世話になるわ。そうそう、名前は何ていうの?』
「…ジュン…桜田ジュンだ…」
『ならジュン。紅茶に入れるミルクを用意なさい。温度は人肌でね。』
「はあ?なんでそん『さて次何飛ばそうかしらぁ?』今すぐ御用意致しますからお願い止めてぇぇ!」

牛乳を買いに走りながらつくづく思ったよ…
あの時金庫に戻しておけば良かったって…

続く

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