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それは、いつもと同じ日常で、いつもの同じ夜を迎えるハズの日。
「なんだよ…これ…」
学校から帰宅した僕は戦慄する。
その一枚の手紙が、日常の全てを狂わせた…


《JUN days》


『アナタの大切なモノは頂きました。返してほしくば私の家に来るべし。

怪盗ばらしー』


「ハア、ハア、ハア…」
夕方、人の多くなってきた商店街を走る。途中何人かにぶつかってしまったが、こちらは緊急事態。かまっている場合ではない。
「くそっ…なんでこんな事に…」


手紙を読み終わったジュンは一目散に机の引き出しに手をかけた。
「な、無い…!」
まさか、もしもの時のために仕掛けていた、とある神直伝の火災トラップを抜けてくるとは …!
そこに入っていたのは七冊の本。彼が持てる力の全てを出して入手した苦労と流血の結晶。それは文字通り、今の彼の命だった。 

『教えてあげるわぁ~銀髪お姉様の背徳レッスン~(18禁)』
『ドジッ子メイドのアブナイご奉仕(18禁)』
『ツンデレ娘は僕の嫁!?(18禁)』
『ボーイッシュ・ラウ゛(18禁)』
『恥じらいのツインテール女王様Vol.2(18禁)』
『教えておにーちゃん!幼女と縦ロールの魅惑のセット(18禁)』
『食べすぎお嬢様「次はアナタを頂きますわ♪」(18禁)』

どんなに危険が伴うとも、どんなに人の道から離れようとも、燃え盛る火炎のごとき執念で手に入れた秘宝だったのに…!
そこで彼は再び戦慄する。

もしあれを薔薇水晶以外に見られたら…?

体が震える。気が遠くなる。汗も滝のごとく体をつたう。
想像するだに恐ろしい…言うまでもなく、あれらの本は彼女達をモデルに選び抜いたモノ…。発覚すれば、その先にあるものは一つ。

(破滅だ…!)

急がなければいけない。時間がたてばそれだけ危険が増大してしまう。
幸にも姉はまだ帰っておらず、真紅と翠星石はリビングで大人しく本を読んでいたので素早く家から出る事ができた。 


「アイツの家は商店街を抜けたら川沿いの道を…」
出来るだけ早く着くために何回も最短ルートを頭の中で繰り返しシュミレートする。自転車がない事がもどかしい。
夕日を背に走っていると、背後から凄まじい殺気を感じた。
「ハアッ!」
「うわわっ!」
危うく初撃を避ける。あれは木刀だろうか。それを持っていたのは…
「柏葉!?」
なぜ今彼女が、そしてなぜ僕を襲う!?
「桜田君…信じてたのに…桜田君が…を…するのは私の…って信じてたのに…!」
なにやら熱病にうなされたかのようにブツブツと意味不明な事を口走る。
今の巴は普通ではない。恐らく、薔薇水晶に何かしらの洗脳を受けたか…?
「くっ…仕方ない!すまない柏葉!」
「信じてたのにィイイ!!」

ガキーン!!!

ドスッ。空中を舞った木刀が河原に刺さる。
「くっ…あ…」
「柏葉!」
同時に倒れた彼女に駆け寄る。怒りで我を忘れた彼女の直線的な動きではジュンに軍配が挙がったようだ。
「ごめんね…桜田君…私…ただ悔しくて…」
「いや、柏葉は悪くないよ…」
巴が一冊の本を取り出す。
「コレを…私の代わりに…気をつけて…あの子の手下はまだ…ガク」
「柏葉ー!!」
ジュンの嘆きの声が、夕日に染まった川辺に響いた。

ジュンは『幼なじみとのイケナイ朝練(18禁)』を手に入れた! 


残してきた柏葉も心配だったが、こちらも命がかかっている。今は前進あるのみだ。
先程のダメージは軽微だったものの、痛いロスタイムだった事に悪態をついた時、前方に二つの人影が現れた。
「くっ…今度は誰だ!?」
もはや是非もない。薔薇水晶の刺客だ。戦う以外道はない!

バッ!
二人が羽織っていた黒マントを脱ぐ。
「ジュン!貴様は俺が倒す!」
「ジュン君!男の素晴らしさを教えてあげるよ!!」
「・・・」
ベジータと梅岡。ある意味最強の組み合わせかもしれない。
ベジータは薔薇水晶に蒼星石関連のもので買収されたとみて間違いない。
梅岡は…まぁ言ってる通りか。だが…
「フハハハ!ジュン!いくら貴様が主人公だからと言って、我々を抜くことなど出来るかな!?」
「くっ…!」
確かに一対一でも苦戦する二人を同時に相手にするのは難しい。しかもこちらは一分一秒が惜しい時。まともにやり合っている時間は…
「さあジュン君!先生が男達のエデンへ連れてってあげるよ!!」
…ん?まてよ…相手がこの二人なら…
「…先生、僕をエデンへ連れてってくれますか?」
「ウホッ!もちろんだとも!桜田ならそう言ってくれると信じてたよ!」
「じゃあまずベジータでエデンの見本を見せて下さい」
「なに…!?」
せっかくのペアだ。利用しない手はない。
「ああオッケーさ!いくよベジータ!そして後は男男男の3Pへ突入だー!」
「ここからが…アッー!」
悪かったなベジータ。餌に釣られたのとパートナーを間違えたのが命とりだ。
さて、ベジータは息絶えたようだから…
ズバン!
「ひでぶっ!」
巴から貰った本を丸めて一撃をお見舞いする。
「くっ…先生としたことが…成長したな…桜田。コレは先生との死闘の思い出だ…持っていけ…」

ジュンは『唸る筋肉!ほとばしる汗!これが男達の布団上の格闘技!(18禁)』を手に入れた!

これを捨てますか?
→はい
いいえ

だめだ!腕から離れない!
「くそっ!呪いのアイテムだったか…!」
ジュンは再び悪態をつき、絡み合って気絶している二人には目もくれずに走り出した。


「よし、もうすぐで薔薇水晶の家が見えるはず…!」
もうすぐ日が暮れる頃か。先程やむを得なかったとはいえ、とてもイヤな物を見たのが以外にこたえていた。
しかし薔薇水晶の手元の本が他の手に渡れば比べモノにならない地獄が僕を待っているだろう。ならば走る他ない!

団地の公園を抜けようとした時、目の前に高速で接近する物体が!
「くそっ!」
だめだ、避けられない…!と目をつむったが、ソレは顔スレスレで停止し、戻っていく。
「くっくっく。まだまだ甘いねジュンジュン!唸るはヨーヨー。纏うはセーラー服。この“時を越えた女”に敵うかな!?」
目を疑った。ついでに耳も。僕はアンバランス・ゾーンにでも迷い込んだだろうか?
自分は動揺している。そう思えたのは僥倖ではあったが…
なぜなら、そこにいたのは…
「…何してるんですか、みっちゃんさん」 

辺りは静まりかえっている。公園で遊んでいた子供達も、今はその異様な様を黙って見つめていた。
その、“時を越えてしまった女”を…
「ちょっとジュンジュン!その目は何!その目は!?」
「いや、だって…」
昨今見る事すら敵わない足首まであろうかというセーラー服のスカートを纏い、象さん滑り台で仁王立ちしヨーヨーを構える草笛みつ30歳(推定)。
不覚にも呆然と立ち尽くしてしまったジュンが現状を把握するより速く、みっちゃんが跳躍した。
「ふおりゃぁああああ!」
ぶん!ずどーん!!
ありえない効果音で地面をえぐるヨーヨー。
「うわ…!」
避けたにも関わらず衝撃で吹き飛ばされるジュン。
「スキありぃ!みっちゃんシュート!」
「がはっ!」
腹に一撃を喰らう。まるでハンマーで叩かれたようだ。
(強い…!)
姿はとりあえず置いておいたとして、実力なら今日戦ってきた誰よりも上だ。
「あははは!ジュンジュンもたいした事ないね!これで終わらせるよー!」
ヨーヨーを振り上げながら飛び上がるみっちゃん。もうダメか…と諦めかけた時、手元の本が熱くなった。
「え…これって…」
「ほりゃああああ!!」
迷っている時間は無い。瞬時に本を開きみっちゃんに向ける!
「ふじょーん!いい男!…あれ?」
ヨーヨー投げるタイミングを外し、バランスを崩してジュンの頭上の壁に激突する。
「あぎゃぶ!!」
もはや誰もいなくなった夜の公園に、若かりし頃の夢をみた30歳(推定)の断末魔が響き渡った… 

「さ、流石ねジュンジュン…私の完敗だわ…」
「みっちゃんさん…」
憐れみ、悲哀、嘆き。色々入り交じった心境で倒れたみっちゃんを見下ろすジュン。
「これを…もっていきなさい…バラバラちゃんが待ってるわ…後悔のないように…頑張って…ぱたり」
己の信念に生きた戦士に一筋の涙を流し、最後のけじめをつける決意をしたジュンであった…

ジュンは『完熟。熟れたカラダはミツの味(18禁)』を手に入れた!


ついに来た。数々の試練を乗り越え、降り立った決戦場。
「・・・」
「・・・」
今の二人に言葉はいらない。月光の下、本能のままに体を動かすだけなのだ。
踊る。舞う。
そんな表現が相応しい二人の闘いは、人が見ていたら息を呑むだろう。もっとも、観客は月と数々の星。そして二人を眼に写す野鳥だけであったが。
数十分にもおよぶ闘い。もはや技術ではなく、想いで戦う二人。
そして、決着は着いた。

「はぁ、はぁ、はぁ…僕の、勝ちだな…」
「はぁ、はぁ、はぁ…うん、私の負け…」
お互いに敵だと言うのに、晴々とした表情であった。
「教えてくれ薔薇水晶。どうしてこんな事を…?」
薔薇水晶が悲しそうな表情を見せる。
「ジュンの宝物の中に…私がいなかったから…」
「…!」
それは、普通の女の子が抱く、普通のキモチ。
「だから…コレ…」
傷だからけの手で一冊の本をジュンに渡す。
「アナタの心に、私も居させて…?」
「ああ…わかった、約束する」
ジュンはその手と本を、しっかりと握りしめたのだった。

ジュンは『眼帯少女~傷モノの不思議ちゃん~(18禁)』を手に入れた!



「で、僕のあの本は?」
「うん、最初は持ってこようと思ったんだけど、重かったからジュンの家に置いてきた」
「は…?」
置いてきた?僕の家に?
「だから、置いてきたの。ジュンの家の“リビング”に」
「え…」
じゃあ…じゃあ、家を出る時二人が読んでいた本って… 

ブーン。ブーン。
携帯のバイブレーションが鳴る。震える手でそれを開く。
「あ…」


From:真紅
Sub:ジュンへ
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話しがあるの。 

















今ここで。
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ドカァ!!!
「うわーーーーーー!!!!!」



「悲しみの~向こうへと~君は帰るのか~♪」
「あらお帰りなさいばらしーちゃん。歌なんか唄ってご機嫌ですね?」
「うん♪でもやっぱり…お仕置きは必要だよね」
「?」


ぐちゃ!!
「あ!買ってきた苺落としちゃったの~」
「まったく、ドジですねぇ。」
「あれ?ジュンの家が真っ暗なのよ?ジュンも真紅も出かけちゃったの?」
「そうです。中には誰もいねーですよ…」

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