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21:楽しい保守を致すのだわ

「ね、真紅、真紅ぅ、貴女にはこれなんかどぉう?」
「どれかしら…MQ・ライブステイのRD473?ちょっと派手じゃない?」
「んー、名前や服の色とも合ってるから、似合うと思うわぁ」
「そう、ね。でも、それならネオクライマックスのRD457を狙いたい所だわ」
「あ、確かにそっちの方が似合いそうね。でも、手に入るかしらぁ?」
「それが問題なのよね…。妥協してKATE・トランスNのRD1かRD3とか…」
「………」
「却下。貴女にセルフは似合わないわよぉ」
「速攻でダメだし…。じゃあ、AUBE・アクアドレスのRS528」
「………」
「いい感じねぇ。私も偶にはそっち系使ってみようかしらぁ…」
「貴女、いつもPK系統ばかりだものね。―でも、似合ってるんだし、いいんじゃないかしら?」
「………」
「うふ、ありがとぉ。―んー、それでもやっぱり、試してみたいのよねぇ…」
「だったら、私の使ってみる?RD系統でも淡いのはあるんだし…」
「いいのぉ?ね、ね、じゃあ、早速ぅ…」
「………」
「ん…自分でしなさいよ、ったく。―動かないで頂戴よ…」
「んぅ……うふふ、ありがとぉ、真紅ぅ」
「………傍で聴いていると、何というか」
「――?何?何かおかしな事でも言ってたかしら?」
「いや、ご馳走様。―ところで、さっきから何の話してるんだ?」
「わかってなかったのぉ?―ルージュ…口紅の話よぉ」
「……まだ戦闘機とかゲームの話とか言われた方が納得できた。ネオとかオーブとか…」
「薔薇水晶じゃあるまいし。―じゃ、水銀燈。放課後は―」
「ん、勿論付き合うわぁ、真紅」
「お前らは仲がいいのか悪いのか、よくわかんないな。―ま、楽しそうだからいいか」
「何言ってるの。貴方もーついてくるのだわ -ついてくるのよぉ」
「マジデスカ。はぁ…あいあいさー」

 


 

22:痛い保守を致すんだよ
(以下の文章には、特定の方にとって残虐・グロテクスな表現があります。ご注意下さい)

「……『…暮らした』と。―んーぅ、やっと完成…っ」
「蒼星石?珍しいな、お前が内職って」
「え、あ、聞こえちゃった?あはは…。―役の練習ばっかりで、本業が進んでなかったからね」
「演る方じゃなくて、書く方だもんな、本来は。どれどれ…」
「ぅわわ、ま、まだちゃんと見なおしてないから…!」
「……………………ん、斜め読みだけど、面白いんじゃないか?」
「そ、そうかな。そう言ってもらえると嬉しいな」
「うん、言葉が奇麗だ。表現も奇麗だ。人物の内面も出てた。それから―」
「………………………嫌味?」
「だから―、つまり―、それで―、だから―、でも―、だから―……へ?」
「………………嫌味だ。絶対、嫌味だ。褒めてくれたと思ったのに…」
「え、え、え?な、なんでそんな睨んで…!?」
「――ふむ、確かに、今の君の言い方だと、蒼星石の気に障るだろうな」
「そ、そうなのか?―ぅわ、結菱先生、何時の間に!?」
「はい、彼にひどく苛められました。言葉の暴力がボクを苛みます…」
「どれ…むぅ、…気にするほど、語尾の連続、接続詞の多用はない様に思考するが…」
「ほんとですか!?えへへ、よかっ…………『思考』…!?」
「起承転結の文章の衝撃点の配置の―――」
「接続後の繰り返しと無駄に堅い言葉…!うぅ、ちゃ、ちゃんと書きなおしてきますっ!では!」
「……では、って。…いいんですか、先生?授業中ですけど…」
「良いわけはないな。すまんが、連れ戻してきてくれないか?」
「はぁ、それは構いませんけど…。よくわかりませんでしたけど、さっきのは罰なんですか?」
「いや、私の短編が一向に進まない八当た……罰に決まっているじゃないか(きらん☆」
「誤魔化せてません。何というか…大人げがない…」
「獅子は子を千尋の谷に突き落とすと言う。そんなニュアンスで一つ。では、頼んだぞ」

 


 

23:楽しい保守を致す…

―広い草原に少年の声がこだまする。呼応するモノは、蒼の剣士と夥しい数の魔物―
「なんだよ、これ…なんで…僕はただの高校生だぞ!」
「でも、君にボクの声は届いた。答えてくれた。一緒に戦って、『マエストロ』!」
―少年は出会う。蒼の剣士と、紫の巫女に。それは偶然に似せられた必然―
「私は薔薇水晶。時の挟間の巫女。そして、かの…彼は時の挟間の護人、蒼星石…」
「トキノ…ハザマ?くそ、訳わかんないよ…」
―戸惑い、傷つき―それでも、少年は戦わざるを得ない。真実を知り、己の世界に戻る為に―
「―なぜ…?貴方は…もうここにいない筈。蒼星石の導きで旅経った筈…」
「…守られてばっかりってのも、な。僕は…時の挟間の修繕人―『マエストロ』…なんだろ」
―旅の中で経験する戦い、触れる温もり―
「敵の雄たけび…!?大丈夫か、蒼星石!…って…お前…女の子…?」
「来てくれたんだ!……へ?――――!!?く、くるなみるなあっちにいってー!」
―そして、旅の果てに知る。受け入れなくてはいけない事実を―
「そんな…あんたは…!あんたは、時の挟間の巫女の―薔薇水晶の父親だろう!?」
「少年―いや、『マエストロ』よ。今の私は、挟間の破壊者だ。―さぁ、死ぬがよい」
―全ては、時のダイスが操るままに―

「つ、疲れた…。なんで卓上遊戯でこんなに体力がなくなるんだ…」
「あはは…。でも、初めての割には上手にキャラクターになり切れてたと思うよ」
「こくこく。ご褒美。のど飴」
「ん、サンキュ。…テーブルトークRPGって言うんだっけ、これ?」
「あぁ、略してTRPG。私も久しぶりに引っ張り出されたが…なんとかなったな」
「GMお疲れ様です。シナリオ作成者のボクとしては、大満足の結果でしたよ」
「因みに、ルート分岐によっては、ばらしーとくっつくのもあった…。がっでむ…」
「条件は五分なのだからむくれるな、ばらしー。次は草笛先生も誘ってみよう。上手いのだ、彼女は」
「意外な様な納得出来る様な。…そう言えば、あんまりサイコロ使いませんでしたね」
「………ごめん。使ったシステムがアレでソレでナニだから。いや、ボクは好きだけど…」
「役者もこなす君ならばそうだろうな。しかし、『熱血専門』…よく持っていたな…」

 


 

24:疑う保守を致すかしら

「……金糸雀、金糸雀。ちょっと……」
「?何かしら、薔薇水晶?……口数の少なさは何時も通りだけど、今日は顔に縦線まで…」
「…感情が出にくい私の精一杯の表現。えへん。…じゃなくて」
「話の腰を折っちゃってごめんなさない。で、何かしら?」
「昨日、……お父様が帰ってこなかった」
「あー……槐先生から、みっちゃんが大変に潰れたから面倒みる…って、連絡があったのかしら」
「うん、……私の方にもかかってきた」
「んー…家に帰って来れなくなるほどの潰れっぷりは久しぶりかしら」
「………………怪しい」
「ビールや日本酒、ウォッカとかなら幾ら飲んでも潰れないのに、どうしてカクテルで…え?」
「…お父様は男の人。…みっちゃん先生は女の人。で、二人で外泊。だから……」
「えーと……つまり、その、男女の云々……?」
「こくこく。…金糸雀は何か知ってる……?」
「ぅ…カナは知らないわ。まだみっちゃんに昨日の説教もできてないし…」
「…私も知らない。………どうしよう」
「どうしよう…って、そんな、まだ、それと決まった訳じゃ…」
「でもっ――……ぅー、ぅー、……」
「……少し意外かしら。槐先生が強度の親馬鹿なのは周知の事実だけど、貴女も負けず劣らず―」
「ぅ…だって…。ぅー…金糸雀の意地悪…」
「くす、よしよし。―でも、私も心配に…と言うか、本当の事を知りたくなってきたのかしら」
「……一緒に聞いてくれる?一人だと…なんか怖い……」
「ん、わかったわ。……もぅ、裾なんか握らないのかしら」
「あぅ…だって……ぅ?」
「―裾なんかじゃなくて、手を握るかしら。ね、そっちの方がいいでしょ?」
「うんっ。……では、れっつごー」
「――金糸雀、薔薇水晶。槐先生と草笛先生のとこ―美術教官室に行くのか?」
「―?あら、聞かれていたかしら。少し恥ずかしい様な。―えぇ、今から真相に暴きに行くわ」
「僕もさっきの授業の提出物があるから行くよ。……まぁ、何というか。親の心子知らず…ってか」
「…………かしら?」 ――――「真相」は近いうちに。

 

 


 


25:熱い保守を致すわよっ(―疑う保守を致すかしら―の前夜)

「ねぇ、槐先生…そろそろ……ね」
「……草笛先生、少し酔い過ぎだ。それに、体を預けるな。胸が当たってる」
「いいじゃないですかぁ、私は気にしませんよ?」
「私が気になる。―仕方ない、お相手しよう」
「うふふ、そうこないと。―夜はまだ、始まったばかりなんですから…」

「…ナ……………ナ………………っ」
「………ー……し……………ば………っ」
「カナカナカナカナカナカナカナっ」
「ばらしーばらしーばらしーばらしーっ」
「―くぅっ、…流石にやりますね。無呼吸連呼にもちゃんと感情が籠っています…」
「―ふぁ…はぁ…。当たり前だ。―それに、君とて同じであろう…」
「勿論。槐先生のばらしーちゃんへの愛は知っていますが、是だけは譲れませんから」
「金糸雀君への君の愛も並大抵のものではない―が、私も負けられん」
「―では、揺るがしてあげましょう。カナの愛らしさで」
「………何っ!?」
「カナは…最近、私が落ち込んでたりすると、そっとヴァイオリンの優しい音色で癒してくれるんです」
「ぐ……っ。年上の君に何という柔らかく暖かい対応……。―いい、実に…、いい」
「でっしょぉっ!?も、疲れも悩みも吹っ飛ぶってもんなんですよ!」
「―しかし、だがしかし……ばらしーの可愛らしさも知ってもらわんと困るなっ」
「確かにばらしーちゃんも可愛らしいですが。……普段よりも更に上の可愛らしさがあるとでも!?」
「ある。―あの子は、猫舌でな。ココアを飲む時はカップの取っ手を持ち、ふーふー…と」
「か、可愛いっ!私も見たい!」
「ふ…。しかも、だ。それでも熱さが残っていて、舌をぺろりと出して外気温で冷やしているのだ…っ」
「くぅぅ……っ。ですがですがですが!―カナなんて――――!」
「ごふ……っ。それならば、ばらしーは―――――!」
(みっちゃん先生は酔っていますが、普段からこんなです。
槐先生は素面ですが、いつでもこのモードに入れます。二人ともアホです)

 

 


 

 


26:楽しい保守を致すわよっ(―疑う保守を致すかしら―の数分後)

「で、だ。…美術教官室に着いたけど、入らないのか?」
「もうちょっと待ってかしら。…薔薇水晶、大丈夫?」
「………ん。だいじょぶ。覚悟完了。……でも、手は握ってて…」
「そのつもりかしら。えーと、じゃあ……」
「了解、開けるぞ。―槐先生、草笛先生、失礼します。提出物持ってきました…って…」
「………どしたの?」

「―昨日から延々と語っていますが!私のカナへの愛は駄々漏れしても有り余るほどありますから!」
「―ふ…私の脳のメモリはばらしーで100%…いや、100%中の100%っ!」
「「……………」」
「先攻・私!―四日前!カナは朝の星占いで一番になって純真無垢な笑顔!私は鼻血が出そうでした!」
「ぬぅ…っ、成人女性に其れ程までにダメージを与えるとは…っ!」
「訂正!カナには気づかれませんでしたが、出てました!」
「流石だ、草笛先生っ―後攻・私!…ばらしーが最後に夜尿をしたのは七歳の夏!」
「その時のばらしーちゃんはっ!?」
「世界地図を描いたんだねと慰めたら、その日一日口をきいてくれなかった!」
「恥じらい、恥じらいですか!?あぁぁ、可愛いっ!」

「…………………みっちゃん」「……………………………おとーさま」
「――カナっ!ばらしーちゃん!?」「―ばらしー!金糸雀君っ!?」
「……昨日からずっと議論してるんだって―さっきの授業中もずっとこんな感じだったんだよ」
「…………すっごく申し訳ないのかし―!?」「………恥ずかし―!?」
「カナー!会いたかったわっ!ぁあ、ばらしーちゃんも可愛いぃ!」
「ばらしー…寂しい思いをさせたね。そして、金糸雀君―私は君を過小評価し過ぎていたようだ…っ」
「うぁぁ…頬が摩擦で―」「擦り切れるかしらー!?」
「……見ようによっては、仲の良い家族だよなぁ」
「奇麗に纏めてないでっ―」「助けてっ………ぅぁぁぁ………」
(―切ない保守を致すわよっ―と同一人物です)

 

 


 

27:楽しい保守を致すなの

「なぁ、柏葉。僕達はとうに一桁の年齢は過ぎている」
「そうね。……雛苺なんか一部分だけ成長し過ぎているし…」
「ん、何か言ったか?」
「いいえ、特には」
「なら良いんだけど。…でだ―なんでまたそんなメンツでおまま事…いや、納得せんでもないけど」
「……雛苺が『久しぶりにしたいのっ』って言ってるんだから、やらなきゃ」
「確定事項ですか…はぁ…僕は何の役を演じればいいんだ?」
「…くす。―えーと、それは…雛苺に聞いてみないと…」
「うゅ?貴方は勿論、旦那さんなの」
「お父さん役ってとこか。……えーと、奥さん役はどちらが?」
「お嫁さんは、ヒナなの。えへへ~」
「…うん、可愛いよ、ヒナ。じゃあ、私は―」
「娘役…とか、か。同じ年齢の娘……なんかこう、微妙な背徳感が…」
「……『お父さん、殴るよ、竹刀で。全力で』」
「……『すまん、悪かった、無表情でプレッシャーを感じさせないでくれ』」
「違うの、違うの!二人とも、そうじゃないのよ!」
「……?じゃあ、『お父さん』の妹役とか、『お嫁さん』の姉役とか…?」
「Non、巴もヒナと一緒―お嫁さんなのよ!」
「へ?いや、ちょっと待て、個人的には役特かなって思わなくもー」
「―とりあえず、貴方は黙ってて。…でも、その、やっぱり変だと思うんだけど…」
「どうして?ヒナも巴も、お嫁さんになりたいのよ?」
「え、あ、え!?ひ、雛苺、いきなり何を言うの!?」
「ふぇ……違うの??」
「落ち着けよ、柏葉。雛苺が言っているのは、どー考えても『like』だろうさ」
「鼻の下を縮めてから言って。―そうなの、雛苺?」
「うゆ?―ヒナは、みーんなが楽しいのがいいのよっ」
「―だとさ。どうする?」
「……雛苺がそう言うなら、仕方無い…かな。その……え、と…―」
「―likeもloveも、『好き』な事に変わりないの。だから、ヒナも巴も、お嫁さん♪」

 

 


 


28:甘ぁい保守を致すですぅ

「こりゃまた…見事に真っ赤っかに咲いてるなぁ…」
「何の話です?―あぁ、道端の曼珠沙華ですか。綺麗ですねぇ」
「奇麗って…いやまぁ、わからんでもないけど。僕は彼岸花って言い方の方がよく聞くぞ」
「…こいつには無数に名前があるですよ。曼珠沙華も彼岸花も、そのうちの一つですぅ」
「……そうなのか?その二つくらいしか知らないんだけど…」
「あだ名っぽいですけどね。ネガティブなモノも多いですが、リコリスなんて洒落たのも」
「それはポジティブな名前っぽいな」
「毒性抜きに考えれば、育てやすく綺麗な花ですからねぇ。色々、品種改良もされてるですよ。
それに、道端に植えられているモノは害虫除けの人為的なモノですし」
「へぇ…相変わらず、花や草はよく知ってるな。僕も多少は覚えてきたけど…」
「へ?―おめぇ、男の割に、そういうの興味あるですか?」
「…………いつも、お前から教えられてるからな。それに…」
「それに…なんです?」
「――嫌いじゃない奴の好きなモノは、まぁ知ってても損はしないだろうし…」
「え……?え、えと…それって……」
「あ、いや、深い意味はないぞ?それに、覚えていったら結構面白いし…っ」
「くす……わかったですぅ。―じゃあ、問題を出してやるですよ。…こいつの花言葉は?」
「『悲しい思い出』と…『また会う日を楽しみに』だっけ?―暗いのが多いよな」
「また…器用に忘れましたねぇ…。……それだけじゃ、ないですよ」
「器用ってどういう意味だよ?―えーと、なんだったかな…」
「………仕方ないですね。ヒントをくれてやるですぅ」
「ぐ…。しかしまぁ、助か―って、お前、顔がちか―!?」
「口を開けるなですぅ。―ヒント、有難く受け取るですよ…『想うは―――(ちゅっ」
「―なるほど、確かに器用に忘れてたな。……でも、僕はお前と離れるつもりはないぞ」
「『言葉』なんて聴き手の受け取り様ですぅ。―まぁ、そういうなら、『ヒント』を返すですぅ」

―曼珠沙華の花言葉は、「悲しい思い出」「想うはあなた一人」「また会う日を楽しみに」ですぅ―


 

29:甘酸っぱい保守を致すわよっ(みっちゃん追加ディスクver)

「と言う訳で!私と君の個人教授、もしくは先生と生徒のプレイベートレッスンよ!」
「…授業中に課題提出できなくてごめんなさい、だから無理にテンション上げないで下さい。あと…」
「だって、もうお昼休み…カナと一緒に食べる予定だったのにぃ…。―『あと』?」
「みっちゃん先生がそーいう事言っても、あんまり、こう、色気とかがな―」
「失礼な。―だったら、ちょっとした艶っぽい話を聞かせてあげようじゃないの」
「艶っぽい…って、先生の実体験ですか?」
「手は動かし続ける!―そ、私が君やカナと同年代位の…昔話」
「わかってますって。―僕達と…と言う事は、高校生くらい?」
「まぁね。大昔って言ったらシメル。ま、適当に流し聴きしておいてよ」
「一言もそんな事言ってません。まぁ、適度に……」
「君達位―だから、私もそん頃は花も恥じらう乙女だった訳よ。
で、その位の年齢なもんだから、恋に恋しちゃったんだわ」
「なんとなく、想像出来る様な…えーと、相手は…?」
「あはは、多分、想像通りだよ。恥ずかしげもなく何度ラブコール送った事か。
その相手―被害者は、なんと新任の先生で…格好良く見えたのよ」
「実際は違ったんですか?」
「違う―ねぇ。ま、『恋は盲目』ってね。その頃は、その先生も今以上に寡黙だったから
話を続けるのも大変だったんだから」
「……(…あれ?なんか……言葉…語尾に違和感…?)」
「それでも、てけてけとつきまわって話してたら、色々教えてもらえてさ。
―さらっと、子どもがいるって事まで言われちゃってねぇ」
「……結婚されてたって事ですか?」
「ん、そうだね。―そんな訳で、空周りな初恋は終わりを告げました、と。
ありゃ、艶っぽいって言うか、格好悪い話だね、これじゃ」
「初恋……だったんですか?」
「………そだね。あん時ほど馬鹿で間抜けで…純粋なのは…最近までなかった、かな。
結局、その感情が昇華できずに綻んじゃったのかもね」
「…………え?『最近』?」
「ん…繕うのが得意な子…人がいるでしょ?さ、話は終わり。そっちもさっさと終わらせるのよっ」

 

 


 


 30:楽しい保守を致しますわ

「夏が終わりを告げ、秋も深まってまいりましたわね」
 「んぅ、そうねぇ。今日は家にきらきーちゃんが来るって聞いてたから、色々揃えてるわよぅ」
 「む。お心遣いは有難いのですが、今日はワタクシ、精神面で秋を楽しみたいと思っていますの」
 「……なかなか面白い冗談だ」
 「貴方様まで!ちゃ、ちゃんと用意もしてきましたのよ。絵画書に書物に―!」
 「そうだったの。ごめんなさい、お姉ちゃん、張り切り過ぎちゃって…」
 「まぁ、栗や梨はともかく、秋刀魚はやりすぎ…だよなぁ。―どれどれ…へぇ…名前は聞いた事あるな」
 「絵画書ですわね。セザンヌやルノワールは有名ですから。他にもミレーのものも持参しておりますわ」
 「あらぁ、私でも知っている絵が多いわね。セザンヌさんの果物、美味しそう…」
 「―のり様、それでしたら、ルノワールのモノも食欲をそそりますわよ。それから―」
 「………おーい」
 「………は!?か、絵画はいけませんわ、写実的に描きすぎているので…!」
 「わかった、わかったから。―んじゃ、本に切り替えようか」
 「そうですわね!―えーと、一応、読みやすいジャンルのものを持ってきましたわ」
 「じゃあ、僕は小説。姉ちゃんは文章読むの得意じゃないし…ラノベがいいんじゃないかな」
 「うん、わかったわ。―――。―この挿絵に出てくるお料理、作り甲斐がありそうねぇ」
 「―此方の作者様も結構なお手前の様で、色々な御馳走を作られておりますわ。じゅる…」
 「………雪華綺晶さん、涎が…」
 「ひぅ!?ぶ、文章ですとイメージが湧き出てしまって…!」
 「それだと、漫画でも無理だよなぁ…。んじゃ、映画でも見るか?」
 「そう致しましょう。―あ、ですが、その分野は何も持ってきておりませんわ…」
 「昔のアニメ映画のビデオなら幾つかあるわよぅ。ラピュタにルパンに…」
 「ラピュタ……目玉焼きパン……ルパン………大盛りのスパゲティ………じゅじゅる……」
 「題名だけで!?」
 「うぅ………ワタクシの負けですわ…。のり様、何か用意して頂いて宜しいでしょうか?」
 「うん、勿論よぉ。腕によりをかけて、頑張るからね!」
 「はい、楽しみにしております。…はぁ…今日こそは食欲から離れようと思ったのですが…くすん」
 「―皆でご飯食べながら映画でも見ようよ。―そっちの方が、楽しいさ。な?」

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