※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

薔薇水晶のホワイトデー

ホワイトデー前日。薔薇水晶は自室のベットで転がっていた。
薔「ホワイトデー・・・楽しみだな♪」

嬉しそうにジュンにプレゼントされたクッションを抱きしめ明日へ思いを馳せる薔薇水晶。
バレンタインでは手作りのチョコレートケーキをプレゼントした。
別に見返りを期待してるわけではない。だけど彼女にとっては『ジュン』に貰えるということが重要なのだ。

薔「・・・ジュン」
机の上に飾ってあるジュンの写真をみて呟く。そう、二人は恋人である。学校でもバカップルとして有名なラブラブなカップルである。
彼女にとってジュンは自分の趣味、アニメやゲーム等の一般では受け入れられない趣味を受け入れてくれた人。
初めて自分の価値観を尊重してくれた人。辛い時や悲しい時、ただ無心で傍にいてくれる人。
・・・・・・初めて恋を感じた人。

薔「ジュン、おやすみ・・・」

彼に届くと信じて、おやすみ。




ジ「・・・遅いな、薔薇水晶」
薔薇水晶とは通学する時、いつも待ち合わせしている。
今日もいつもの場所で待っているのだけど・・・薔薇水晶は遅刻してるよう。
まあ珍しいことではない。彼女は朝が弱いから。姉の雪華綺晶に起こしてもらっても二度寝してしまう。

ジ(お、来た)

ジ「薔薇水晶、おはよう」
薔「・・・・・・おはよう・・・・・・ジュン・・・・・・ムニャ」
ジ「ははは・・・相変らず眠そうだね」
薔「うん・・・眠い・・・・・・けど、ジュンがキスしてくれたら起きるかも」
ジ「もう起きてるだろ・・・まったく・・・ん」
薔「ん・・・・・・ジュン、おはよう」
ジ「おはよう、遅刻しちゃうから行こうか」
薔「うん・・・手、繋ご?」
ジ「ああ」


薔(そういえば・・・)
朝は眠いのですっかり忘れていたが今日はホワイトデーだ

薔(後でくれるのかな・・・?)
本当は今すぐにでも貰いたいが、そんなことをいって厚かましい女だと思われたくない。
ジュンに嫌われてしまったら立ち直れないと思う。
だから口にはだせない。

ジ「ん?どうした、薔薇水晶」
薔「ううん、なんでもないよ・・・やっぱり腕組もう」
ジ「おわ、ば、薔薇水晶、その、当たってる・・・ぞ」
薔「ジュンが相手ならむしろウェルカム・・・だよ」
ジ「・・・そうか」
薔「うん、そう」
幸せを、壊したくないから。


ジ「昼飯、今日はどこで食べる?」
薔「・・・屋上がいい」
ジ「この寒いのにか・・・まあいいか、行こう」
薔「うん」
べ「お、ジュン。今日も愛妻弁当か?」
周りのクラスメイトの冷やかしてくる。
ジ「ほっとけ」
笹「あはは、今日もお熱いね」
薔「あぅ・・・・・・」
真っ赤になってしまう薔薇水晶。自分も真っ赤なのがわかる。

ジ「変な事言うなって・・・行こう、薔薇水晶」
そう言って手を繋ぐ二人。
薔「うん・・・」



薔「はい、あーん」
ジ「あーん・・・うん、相変らず薔薇水晶の弁当は美味しいよ」
薔「えへへ・・・ありがとう。ねぇ、私にも食べさせて?」
ジ「ああ、いいよ。はい、あーん」
薔「あーん・・・やっぱりジュンに食べさせて貰うと美味しいな・・・」
ジ「変わんないだろ?」
薔「変わるよ、だって大好きな人だもん」
ジ「それなら、僕も大好きな人の弁当だから更に美味しく感じるな」
薔「・・・・・・」
大好き。大好きなのにホワイトデーのお返し、くれないのかな・・・

ジ「どうした?薔薇水晶」
薔「・・・ジュン、大好き」
ジ「ああ、僕もだよ」
用意してないんだったら、一言言ってくれるだけでいいのに。
そうすれば、不安なんて消えるのに。


ジ「うう・・・まだ寒いな・・・」
帰り道、薔薇水晶を送る。
もう春は近いが、やはり夕方になると冷えてくる。
薔「うん・・・そうだね」
ジ「・・・・・・?」
何か今日は薔薇水晶の調子がおかしい。
何処か上の空というか、なにか不安そうだ。

ジ「薔薇水晶、大丈夫?」
薔「え・・・な、何が?」
ジ「いや、なんか調子悪そうだからさ」
薔「・・・それは、ジュンのせいだよ」
ジ「え?」
薔「ううん、なんでも・・・ないよ。今日は、ここまでで良いよ・・・それじゃあ」
ジ「あ、薔薇水晶!・・・行っちゃた・・・」

追うかどうか考える。
ジ「・・・一回帰って、アレ持って来よう」
自分の家に向かって走る。全力で。


薔「・・・・・・」
ジュンが追ってきてくれる。そんな気がして後ろを何度も振り向く。
しかし愛しい人の姿が見えることは無く。
薔「・・・・・・バカ」
つい愚痴ってしまう。
結局ジュンはお返しはくれなかった。そのことについて、一言も触れなかった。
薔(もしかして・・・忘れてるのかな・・・?)
自分の誕生日を忘れる人だから。その可能性も否定できない。

薔(本当なら・・・今頃は・・・)
今頃は、お返しの中身について話したり、ほかの他愛の無いことを話したり。
腕を組んで、二人寄り添って。幸せな帰り道だったはず。
薔(・・・・・・ジュンが・・・お返しくれないから)
いつも傍にいる人がいないだけで、こんなに寂しいなんて。

薔(それとも・・・嫌われちゃったのかな?)
本当は私のことなんて嫌いで、けどジュンは優しいからそれを言わないだけで。
不安が、心を覆う。


薔薇水晶の家の近くの公園。
もはや周りを暗くなり始めている。
そんな暗闇の中、彼女は一人ブランコに座っている。
薔「・・・・・・・・・ジュン」
いつもなら楽しい帰り道が、ジュンがいないだけで楽しくない帰り道。
薔「・・・・・・ジュン」
自分の足元の地面を見ながら、ジュンに思いを馳せている薔薇水晶。
いま自分に近づいてくる人影があるなんて全然気付かないわけで。
薔「・・・ジュン」
ジ「何?」

薔「・・・・っ!!!??」
ジ「ど、どうした、そんなに驚いて?」
薔「ジ、ジュン?どうしてここに・・・?」
ジ「いや・・・なんか心配で・・・あと、これ渡しに」
薔「これって・・・アッガイ?」
ジ「アッガイの頭部を模ったクッキーなんだけど・・・結構苦労したんだぞ?」
薔「こ、これ・・・もしかして、バレンタインのお返し?」
ジ「あ、ああ。そうなんだけど・・・気に入らなかった?」
薔「ち、違うの、その、くれないんだと思ってから・・・嬉しくって」
ジ「お昼にで渡そうかと思ってたんだけど、ほら、今日体育あっただろ?鞄がジャージで一杯でそれ入らなくて。
  それにそのまま持っていったら周りの奴等に冷やかされるだろ?薔薇水晶には秘密にしたかったし。」
薔「そうなんだ・・・」


薔「私ね、てっきりジュンに嫌われたのかなって、思っちゃた」
ジ「はは、僕といっしょだね」
薔「え?」
ジ「ほら、さっき薔薇水晶が急に帰っちゃって。何か怒らせちゃったのかって、すごい心配だったんだ」
薔「そうなんだ・・・じゃあ、お相子、だね?」
ジ「ああ、そうだな。それに僕、薔薇水晶に嫌われでもしたら立ち直れないかも」
薔「そうなの?」
ジ「ああ、だって初恋だし。こんなに好きになって、嫌いって言われたら、なぁ?」
薔「私は・・・ジュンを嫌いになったりしないよ?私だって、ジュンに嫌われたくないもん・・・嫌われたりしたら、死んじゃうかも」
ジ「なら・・・お互い嫌いになれないね」
薔「うん・・・ずっと、一緒だね」
ジ「ずっと、一緒」
薔「・・・離さないでね?」
ジ「離すもんか」
薔「浮気もダメだよ」
ジ「・・・する訳ないよ」
薔「あと、ズゴック・・・」
ジ「・・・ズゴック?」
やっぱり二人は、お似合い。



ジ「薔薇水晶、おきて。遅刻するよ?」
薔「ん・・・ジュン・・・おはよう・・・」
ジ「おはよう、薔薇水晶。早くご飯食べないと遅刻するよ?」
薔「うん・・・でも、その前に・・・おはようのキス」
ジ「はいはい・・・ん」
薔「ん・・・」
最近はジュンが薔薇水晶の姉の雪華綺晶の代わりに起こしている。
雪華綺晶曰く、『ジュン君に起こしてもらうとすぐに起きるんですよね』だとか。

ジ「・・・はい、終わり」
薔「えー・・・もっと・・・」
ジ「もう時間ないよ?」
薔「じゃあ・・・ぎゅってして」
ジ「本当にしょうがないな・・・」
薔「・・・んー」
ジ「はい、もう終わり」
薔「・・・もっともっと」
ジ「これ以上遅刻したら進級危ないんだろ?」
薔「うん・・・」
ジ「なら、急ごう。もうご飯食べる時間もないぞ?」
薔「それなら大丈夫・・・」
ジ「?」
薔「ジュンに、ぎゅってして貰ったから、元気ハツラツ」
ジ「・・・コンビニでカロリーメイトでも買ってこうな」
薔「ジュンが食べさせてね?」
ジ「はいはい」

owaru

|