質屋のお客達その3
クーラーまだかなぁ。…まあ頼むのが遅すぎたよな実際。
業者さんに「今頃!?」みたいな反応されちゃったよ。
「相変わらず寂れてるですねぇ。もうちょっと活気があってもいんじゃねぇですか?」
何かよくわからない悪態を付きながら入ってきたのは長髪で赤×緑のオッドアイの女性。
これまた僕より年上なんだよなこれが。
「質屋に活気があったら少し世の中が心配になってくるけどな。」
「それもそうですね。しかし…寂れ具合が以上ですよ?」
「大丈夫大丈夫。質屋に金かりにくる人間よりかは金持ってるからさ。」
「くっ、反論できねぇですぅ。」
それはそうだ。これに反論するならそれは逆ギレに他ならない。
「で何しに来たんだ翠星石?」
「ちょっとお金が必要になったもんですから、ここに来てやったんですぅ。」
なんだその借りに来てやったんだぞ。みたいな言葉は…。
「それなら何か持ってきたんだよな?まさかその手に持ってる如雨露がそうだとかいうんじゃないだろうな?」
「あれ?よくわかったじゃねぇですか。ジュンにしてはやるですね。」
はぁぁぁぁぁ。心のため息が…。だからリサイクルショップいけよ。
「どうしてお金がほしいんだ?お前蒼星石と花屋やってたろ?繁盛してないのか?」
「なにを言ってるんですか繁盛してるですぅ。ただその…おじじの時計屋がですねぇ………」
なんだそっちの話か。赤の他人とは思えないほどお世話になったって二人とも言ってたからなぁ。その恩返しということかな?
「まったくそれならそうとさっさといえよ。」
「えっ?それじゃあ…」
「貸してやるよ。でもちゃんと返せよ?」
「ちっ。がめついやつですぅ。」
がめついって……別にいらないから貸してるんじゃないんだぞ。
「まあ貸してくれるなら借りてやっとくですよ。」
「貸してほしくないのか?」
「ああ嘘ですよ。有り難く借りてやるですぅ。」
あんまりかわってない気もするが…まあいいか。たまにはこれくらい。
「感謝するですよ。心配しなくてもパッパッと返してやるですぅ。」
「頼むぞまったく。」
「じゃあまた今度来てやるですちび人間。」
うわ。久しぶりに聞いたよ。まったく今は僕のほうが背が高いっていうのに…。
「ああじゃあな。」
…まああいつしか言わないからな。許しておいてやるか。
続く