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翌朝。
まだ週末は遠い。
なんせ、毎日が休日だと暇すぎて全く面白くないからだ。
これから先、どうやって生きていこうか…

の「それじゃジュンくん、お留守番お願いねー」
ジ「あぁ」

ねーちゃんも水銀燈から聞いたんだろう。
僕が引き篭もっている理由を問うことは今のところ全く無い。
それどころか、引き篭もっていることに触れようとさえしない。
気を遣ってくれてるのか、見捨てているのかは僕には判らなかった。

それにしても今日は凄い雨だ。
昨日は普通に晴れてたのに、今日は激しい雷雨。警報が出ないのが不思議なくらい。
だが、こうやって引き篭もっている僕は雨に濡れる苦労をせず、
ただのんびりと部屋で過ごしていればいいだけなのだ。
実に素晴らしい──
と、リビングのソファに腰を沈ませて優越感に浸っていた。

予『降水確率は午後12時までは100%、午後12時から午後6時までは30%となって──』

ピッ…

見飽きたのでテレビを消す。
そろそろ自分の部屋に戻るか──



それにしても、今朝は何もやる気が起きない。
引き篭もってても勉強はしておかないとなぁって思っても、
先の単元には入りづらい。授業を受けずに先の問題を解くのって結構勇気要るな…
中途半端に覚えてしまったら後々に響きそうだから、
翠星石のノートを見せてもらうかな…

──なんて妥協して携帯を開く。
やはり柏葉と翠星石から1件ずつメールが届いていた。

~~~~~~~~

□柏葉 巴
□Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:
-----------------------
この雨男!
なぁんてウソ☆
近いうちに遊びに行くか
ら待っててね。:*"

このメールを見て元気に
なってくれたらいいな~


~~~~~~~

□翠星石
□Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:
-----------------------
言い忘れてましたが、今
日はありがとうです。:*"
今日の事は誰にも言うな
ですよ?

あと、お前が復帰するま
では抜き打ち訪問してや
るですから、ちゃんと勉
強しやがれです!さもな
くば蹴り食らわせますか
らね!


~~~~~~~~~

柏葉は今朝送ってきてくれたらしい。
でも昨日の夜の11時に送ってきてくれた翠星石にはちょっと迷惑かけたかな…
とりあえず、柏葉には「いつでも来てくれ」と送り、
翠星石には「はいはい」とだけ送った。
長文を送る気にはならなかった。
何だか今日は何も考える気がしない。
考えるのがしんどい──

それにしても相変わらず蒼星石から連絡がないのは何故だ?
蒼星石にも見捨てられたのかな…
仕方ないや…引き篭もりだし。
そのうち翠星石や柏葉も離れていくだろう…

…そう考えると、あることが疑問に思えてくる。
水銀燈がこの間言ってた事って、やっぱり本当なんだろうか。、
話したいとは思わなくはない。
ただ、今の僕は確実に話すことさえ面倒臭いと思っている。
じきに僕はホンモノの引き篭もりになっていくんだろう。
もう、ねーちゃんともダメかもしれない…
…はぁ…この頃はマイナス思考が先行しがちな気がするなぁ。
そろそろ雨も小康状態になってきたみたいだし、
気分転換に窓でも開けよう…


...Zzz


──その夕方、唐突に外から今まで聞いたことが無い程の罵声で目が覚めた。

A「桜田死ねぇぇぇぇぇぇ!!!」
B「裁縫やってる奴は死ねばいいと思うよ」
C「おい!引き篭もってるんなら出て来い!」

僕は蹴り出していた布団を慌ててバッと被り込んで縮こまった。
何で僕の家にまで押し寄せてくるんだ??
こういう時は窓を閉めたらいいのだろうが、自分の腕を向こうに見られてしまう。
そうすれば、もっと惨い冷やかしが待っているだろう。
だが、奴らの罵声はさらに勢いを増していった。

A「死ね!」
B「しね!」
C「シネ!」

“死ね死ねコール”が僕の頭にガンガン響く──
僕はベッドから落ちて、のたうち回った。
そのうち本棚が歪んで見えてきて、蛍光灯が虹模様になり
それがまた散髪屋のクルクル回るヤツの如く回転し、
ベッドの下から鳥が一斉に僕に襲い掛かってきた。
僕は死に物狂いで部屋のドアを開け、もうとにかくしんどいので、
階段をわざと転げ落ちながら1階へ落ちて逃げようとした。

──その鳥は、もう襲っては来なかった。

しかし、体は物凄く重く感じるし、目の前は歪んだままだ。
意識が朦朧とする中、僕は119番に何とか連絡した。

消「こちら消防です。火事ですか?救急ですか?」
ジ「救急車を──」

症状も住所も何とか伝えて電話を切った僕は、匍匐前進で玄関へ進み、
最後の力を振り絞って鍵を開けた。
僕はそこで意識を失った──

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