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──もう朝ですか。
何だか、昨日は一晩中泣いてたような気がするです…
お母様の夕食も喉を通らない、水しか飲めない、
ジュンにメール送っても返信がない、電話にも出ない…もう泣くしかないですよぉ。
ジュンの家に行こうとしても蒼星石に「今はダメだよ」って止められて…

さて…やけに部屋の中が静かですね…蒼星石はまだ下の段で寝てるですかね。
今のうちにジュンに謝りに行きますか…ソローリ…ソローリ…

ブルルルル…ブルルルル…

あっ、バイブの音です…携帯に何か来たみたいですね。
…もしかして…これはジュンです!きっとジュンですぅ!早く取りに行かなければ…
これじゃあ蒼星石も起きそうですけど、とにかくベッドから大急ぎで降りるです!

ガチャ

蒼「あ、今起きたんだ。おはよう」
翠「あわわわ…おはようです…」

そ、蒼星石!!いきなりドアを開けて入って来んなです!…ひぃぃぃ!心臓に悪いです…
やっぱり起きてたんですか…。
さらに、下りてみて気づいたんですが、バイブが鳴ってたのは蒼星石の携帯でした…
とんだ取り越し苦労だったです……

“明日朝に先に桜田君の家に行って話してみる。遅くなるから先行ってて”
蒼「──だって。巴から」
翠「と、巴でしたか…」

それじゃ、こっちからもジュンにもう一度電話してみますかね…

蒼「あ、そうそう、ジュン君に学校に行くように説得するのはまだ早いよ」
翠「…え?」

唐突に何を言い出すですか…

蒼「そのための電話はさせない」
翠「せ、説得って何です?」
蒼「…ええっ?」
翠「しかも翠星石は昨日のことを謝ろうとしただけです」
蒼「そうなんだ。じゃあいいよ」
翠「…何か気になるです」
蒼「…」
翠「じゃあ昨日ジュンの家に行こうとして止めたのも、夜遅いからってわけじゃないんですか?」
蒼「…」
翠「巴がジュンの家に寄るってのも、ジュンとの喧嘩の仲裁のためじゃないんですか?」
蒼「うん…違う。とにかく、ジュン君はしばらく家に待機しておいた方がいい」
翠「ど、どうしてそんなことを!」
蒼「いいから…」
翠「でもでも、昨日のことを謝るぐらいはいいじゃないですかぁ!」
蒼「…まぁ、それぐらいなら」

さ、それじゃ掛けるですかね…

………出ないですね…
………出ない…
………出ない…

プルルルル…プルルルル…

翠「さっさと電話に出やがれです!」
自『こちらは、留守番電話サービスです』

もう鬱です…病んでしまいそうです…

翠「朝になっても出ないのですか…うぅ…」
蒼「時間もないし…今日は諦めて学校に行こう」
翠「嫌です!何としてでも…」

意地でも繋げてみせるです。
もう一度掛けてみるです…

プルルルル…プルルルル…ガチャ

つ、つっ…つ…繋がったです!…泣きそうですぅ…

ジ『はい』
翠「ごめんですぅ…許せですぅ…」
ジ『…僕も…悪かった』

え?そんなにも軽く許してくれるんですか…?
あぁ…

翠「ジュン…」
ジ『…』
翠「うぅうぅぅぅっ…くぅぅぅぅっ…」
ジ『おいおい、泣くなよ』
翠「…だって…昨日は全然返事もなくて…心配だったんですよぉぉぉぉ…」
ジ『…そか。ごめん』
翠「…うぅっ…」
ジ『…』
翠「…それで…ジュン?」
ジ『ん?』
翠「今から学校に──」
ジ『行きたくない』

プツッ…ツー、ツー、ツー…

はぁ??あの野郎、いきなり切りやがったです…
その上…が、学校に行きたくない!?何で…
テンションがた落ちです…

蒼「だから!学校に誘っちゃダメだって!」
翠「…」
蒼「…?」
翠「…」
蒼「おーい…どうしたのさ?」
翠「…学校に行きたくない…です…」
蒼「えぇ?」
翠「…」
蒼「…」
翠「…」
蒼「何だか判らないけど…でも、学校には行こう?」
翠「…」
蒼「御飯も出来てるし…今日は昨日に比べたらまだ食欲あるでしょ?」

こんな時でも冷静さを保てる蒼星石はさすがです──
しゃーねぇから行ってやるですよ。ジュンも蒼星石も巴もいないクラスに…

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翠「行って来るです!」
銀「行ってくるわぁ」
蒼「行ってきます」
母「は~い、いってらっしゃい」

今日は真紅やチビどもとは別々に登校させてもらうです。
まーったく、ど~してジュンの奴は学校に行きたくないんですかね。
翠星石がジュンに暴言を吐いた事は許してもらえましたのに…
しかも何で蒼星石にジュンとの連絡を制限されなければならないんですか…

翠「…はぁ」
蒼「家を出た途端にまた元気なくなったね…」
銀「またジュンくんと喧嘩したのぉ?」
翠「…」
銀「ま~たぁ。あなたたちって、ほ~んと素直じゃないわねぇ」
翠「…」
銀「まぁ、今朝はのりが本気で慌ててたみたいだったけど…」
蒼「そうなんだ…」
翠「え?」
銀「その…電話が掛かってきて…部屋から出ようとしないのよ~…って」
翠「…」
蒼「やっぱり…」
銀「こんなこと初めてって…そりゃ、私も驚いたけど……」

なんか話を聞いてて嫌な予感がしてきたです…

翠「それって…もしかしてヒッキーになったってことですか?…ジュンが」
銀「あ…それよ…それだわ──」
蒼「だから昨日の帰りに言ったじゃないか!」
銀「私はまだ聞かされてないのよ!…」

昨日の帰り?…昨日の帰りですか…昨日の帰り──
──気がつけば蒼星石の制服の胸元を掴んでたです…

翠「そそそ…そんなこと聞いてねぇですよ!?」
蒼「いや、言った」
翠「いや、そんなこと聞いた覚えは全くもって無いです!」
蒼「それは翠星石の注意力不足が原因だよ!」
翠「中途半端に巴と同時に言うから聞き取れなかったんです!」
蒼「じゃああの時ちゃんと聞き返してくれたら良かったのに!怪しいなら怪しいなりに…」
翠「…もう結構です!蒼星石には失望しました!」
蒼「はぁ……」

フン!と蒼星石から手を放して逆の方向を向いてやったです。
…あ…あれ?水銀燈が居ないですね。
──あっ、翠星石の足元で地べたに手を突いてガックリ来てますね…
こ~んな水銀燈は初めて見たです。奇跡の光景です。
今日は何か凄いことが起きそうです!
ったく!蒼星石はまず水銀燈に謝るべきですねッ!

…それにしても、ジュンが引き篭もりになるなんてイマイチ現実感に乏しいですね。
ホースを持てばいっつも水を掛けてきて挑発してくる野郎ですのに…
──でもやっぱり…思い当たる節があるようなないような…
心配で胸が塞がってきたです…。

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