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「MY FAIR FRAGMENT」第7話「復活!翠星石!」


一方、非常口の外の林の中で、水銀燈と薔薇水晶に事情を話す翠星石は…

翠「…ということだったです」

朝からの話を全部話し終えると、話し初めの頃より翠星石は、いくらか元気がなくなったようだ。

薔「その気持ち、なんとなくわかる」

聞き終わった直後。水銀燈をはさんで反対側に座っていた薔薇水晶が、
両手を伸ばして翠星石の手を握る。

薔「水銀燈、いくら本気だって言っても全然真面目にとってくれない…」

本人を目の前にそんなことを言ってのける時点で何か違うような気もするが。
ちらりと自分を見る薔薇水晶に、ため息をつく水銀燈。

銀「まぁ、だいたいわかったわぁ。
  要約すると…小さい頃から一緒だった蒼星石が好きで好きでしょうがないのに、
  蒼星石は姉妹としてしか見てくれていない。
  そのうえ、他の…男と付き合うことを薦められちゃった上に、
  蒼星石自身も男としか付き合う気はない、と明言された、と」
翠「そ、そこまではいってないのです!良くわからないけど蒼星石の言葉全部にむかついたのです!」
銀「でも、違うの?」
翠「…違…わないです…多分…」

もしかしたら、今まで翠星石自身も明確には気が付いていなかったのかもしれない。
言葉にされてはじめて気持ちが何なのか理解した、という感じだろう。

銀「でも、さ。翠星石は、ちゃんと蒼星石に告白したの?」
翠「す、するわけないですぅ!翠星石と蒼星石は、姉妹なんですよ!?」
銀「姉妹だからこそ、よ。あなたが本当に、そういう意味で蒼星石を好きだというのなら…
  きちんと口に出して言わないと。お互いまさか、と思うのだから気が付けるわけがないわ」
翠「そういう意味…」
銀「恋人、ってことよ」

わかっているとは思うけれど、一応念を押す。

翠「でも…姉妹に恋をする、とかおかしいです。変態です…」
銀「そう思って、もしその気持ちを隠すつもりなら、今回の件は仕方がないわね。
  それに、もし今後おんなじようなことがあっても、そのことを怒ったりはできないわよね?
  蒼星石はあなたの気持ちに気が付けないんだから。そこで怒ったらかわいそうよ」
翠「だったら…!」
銀「その代わり!今の関係を続けることが出来るわ。少なくとも…蒼星石に恋人が出来るまでは。」
翠「う…」

蒼星石に恋人、その言葉を聞いて、翠星石の顔がゆがむ。今にも涙がこぼれそうだ。
そんな翠星石に、水銀燈は少し表情をゆるめて優しくもう一つの選択肢を話す。

銀「そして、もし告白するのなら…成功すれば、蒼星石を独り占めすることができるわ。
  今回の件に関しても、成功するにせよ失敗するにせよ、ちゃんと怒る理由にはなるわね」

翠星石は静かに聞いている。
そして薔薇水晶も。彼女はいつの間にかもとの姿勢に戻って、水銀燈の顔をじっと見つめている。

銀「そして、わかっていると思うけれど、告白した時のリスク。まず一つは断られる可能性。
  それだけならまだいいけれど、さらにさっきあなたが言った一般的な観念から逸脱した人…要は変態ね。
  相手にそう思われて、敬遠されてしまう可能性。…ソコまではいかなくても、
  告白して失敗した場合…最低ギクシャクはしてしまうでしょうね。
  今までのようには接することができなくなるわ。」

言い終わり、翠星石を見る。

翠「うー…どっちも…いやですぅ…」

いつの間にか俯いていた翠星石から、涙がこぼれた。

翠「恋人が出来るのもいやだし…嫌われるのもいやです…っ!!」

ボロボロと涙を流しながら話す翠星石に、水銀燈は思わず手をさしのべる。

銀「でも、彼女に恋人がすぐに出来てしまう、ってことじゃないんだから…」

すると差し伸べた手を引き寄せて、最終的には水銀燈にすがりつくような体勢になる翠星石。

翠「でも…!蒼星石が言ってたです!相手によってはOKする…って。だからもしかしたら、もう好きな人が…!
  そうじゃなくても、蒼星石はすごくかわいいのです!きっと、すぐに誰かが…っ
  だから、だからもう、すぐ決めないと…でも、どっちもいや、ですぅ……ひっく」

泣きながら、搾り出すように言う。

銀「そう…」

なんと言っていいかわからず、背中をなでる。嗚咽はだんだん大泣きへと変わり、
翠星石の泣き声は、3人以外だれもいない林と、広く青い空に消えていった。

ちなみに薔薇水晶がなにやらどす黒いオーラを発しているのは水銀燈自身も気が付いていたが、
それはこの際緊急事態ということで、我慢してもらいたいと思う。っていうかして。怖いから。
ちょっとだけ、真紅に睨まれたJUMの気持ちがわかりかけたような気がする水銀燈であった。
しかし、言っておくが薔薇水晶の何度となく繰り返された自称本気の告白に、
答えた覚えはいまだない。JUMとはそこが違うところだった。

銀(今のところ、私はこのオーラに晒されなきゃいけない理由はないはずだわぁ!…うぅ)

制服のすそを引っ張られる。恐る恐る振り返ると、薔薇水晶の期待の視線。「私も!」
といった所だろうか。うん、わかったから、あとでやってあげるから。
だから、そのオーラ、やめて、ね?にっこりと、視線にそんな言葉を載せて微笑みを返す。
すると、薔薇水晶はこくりとうなずいて、オーラの発散が収まった。
聞き分けの良い子で助かった。本当にそう思う。

そんな水銀燈と薔薇水晶の無言のやり取りを他所に、水銀燈の胸でずっと泣いていた翠星石。
しばらくして、泣き声も落ち着いてきたあたりで、ふっと顔を上げる。

翠「…決めたです。」

まだ少し涙声ではあるが、もう泣いてはいない。

翠「このまま悩んでいたって…どうせ誰かに取られてしまうのです。
  待っていたって、どうせ鈍感な蒼星石が気づくわけもないのです。
  だったらいっそ…当たって砕けろです!」

その選択は、自棄になって選んだものかもしれない。
二人のためを思えば、最悪な結果の可能性が高いことを示して止めたほうがいいのかもしれない。
しかし、翠星石の決意の瞳を見た水銀燈は、どうしてもとめることが出来なかった。

銀「そう。告白するのね。…頑張って」
翠「言われなくてもなのです。もう止めてもきかないですよ!」

だんだん普段の調子に戻ってきているようだ。もう水銀燈から手を離し、立ち上がっている。

銀「もし…告白に失敗したら、また泣きに来てもいいのよぉ♪」
翠「そんなことはしねぇです。絶対に成功するですから!」

まだ不安の色は瞳にある。しかし、もう弱い所は見せない、見せたくない。
そう言っているようだった。

銀「あら。自信満々ねぇ。いつでも胸は貸してあげるわよぉ?」

なので、あくまで茶化して言ってやる。応援している友達がここにちゃんといるぞ、と。

薔「…でも、水銀燈は上げません。」

薔薇水晶も横から良くわからない牽制球を投げている。

翠「いらねぇですよ。翠星石には蒼星石がいるのです!」
薔「…なら良し。」(びっ)

今度こそ、ちゃんとサムズアップで答える薔薇水晶。一体何が良しなのか。
それ以前に、水銀燈はいつの間に彼女のものになったのか。

翠「じゃあ、教室に戻るです。そろそろ鐘が鳴るですから!」

立ち上がろうとして、ふと止まる翠星石。
先ほどから、何度も薦められては断ったあの飲み物を思い出す。

翠「その、青いのをよこすです。」
薔「…いいよ。あげる」
翠「景気づけに青いものでも一気飲みしていくです!」

受け取って、3分の1くらい残っているブルー○プシを一気飲み。

翠「まっず……気の抜けたコーラほど不味いものは無いのですぅ…」

しかめっつらで立ち上がり、そして歩き始める。

翠「じゃあ、翠星石は教室に戻るです!お前らも早くもどるですよ!」
銀「わかったわぁ。私達も戻りましょうか。」
薔(…こくん)

行き先は教室。授業の終わりを告げるチャイムと共に、
今度こそ、迷わずまっすぐに翠星石は歩いていくのだった…。


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<次回予告>
とうとうはじまる最終決戦!長い道のりを超えて、ついにべジータと翠星石の死闘が始まる!?
翠星石は決めていた。この戦いに勝利した暁には、彼女に告白すると…!
やばい、これ死にフラグ!?
紅「やっと4話の最後に繋がるのだわ。回想シーン長すぎなのだわ。」
雛「巨人の星並みなの~」
金「雛苺…あなた一体歳はいくつかしら~!?」
紅「次回「MYFAIRFRAGMENT」。第8話「とうとうはじまる!最終決戦!?」次回も必ず見るのだわ。」

注:次回予告はいつものクオリティでお送りしております。


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