111

巴「クー…」
ジ「柏葉…って、寝てるのか…」
巴「ん…ムニャ…桜田くん…?」
ジ「起きたのか、保守疲れか?かしわ…ば…」
巴「?」
ジ「な、なんでもない…」
巴「どうしたの、急に?(傍白)……もしかして、私の寝顔でノックアウト?」
ジ「か、柏葉ってさ…」
巴「う、うん…」
ジ「……意外と寝癖やばいんだな…」
巴「……」
ジ「……」
巴「…………………チャームポイント」
ジ「いやいやいや」



112

巴「夏休みの友」
ジ「…宿題か」
巴「桜田くんにもお裾分け」
ジ「こんな友だちはいらない」
巴「ふふ、そういうわけにもいかないしね。はい、桜田くんの分」
ジ「ずっしり重い…柏葉はできるのか?」
巴「一応、勉強はしてるから…」
ジ「僕も割にできる方だけど、それでも鬱になるよ」
巴「…私も、憂鬱ではあるけどね」
ジ「それにあれだよ、自由研究、あれ何していいか、ほんとわかんないんだよな」
巴「……そう?」
ジ「柏葉は平気か?」
巴「あんなの、今時インターネット使えばすぐだと思うけど…」
ジ「……」
巴「…私、何か変なこといった?」
ジ「いや…柏葉みたいなタイプにそういうこと言われると、ちょっとショックなんだよ…」



113

ふたりの日常

巴「……」
ジ「……」
巴「……」
ジ「……」
巴「……」
ジ「……」
巴「……」
ジ「……」
巴「……」
ジ「……」
巴「……」
ジ「……」



114

巴「お兄ちゃん」
ジ「……オーケー、わけを聞こうか」
巴「…お兄ちゃんって呼んだら、お祭りに一緒に行くって約束だったじゃない…(cf:107)」
ジ「確かにそんなようなことはいったし、…内容はあってるけど、因果関係に若干のアレンジが加えられてないか…」
巴「いこうよ」
ジ「わ、わかったよ…。……お祭りか」
巴「……クラスの子もいるかもね。…やっぱり、やめておく?」
ジ「いや…いいよ。行こう。やっぱり、慣れないと…さ」
巴「うん…そうだね」
ジ「じゃあ、いこうか。最近保守ばっかりだったし、いい気分転換になるかもな」
巴「ちょっと待って…浴衣…着たいんだけど…」
ジ「ん?あ、ああ…着るのか。じゃあ、僕は先に行ってるから…」
巴「さ、桜田くん、待って…」
ジ「ここにいるわけにもいかないだろ。……それにしても久しぶりだな、お祭りなんて……」
巴「…桜田くん…なんだか急に遠くばかり見てる。見過ぎてる気がする。
  自分のことに手一杯で、桜田くんの助けが必要な人たちのこと…忘れてないかな…」
ジ「柏葉…?」
巴「……」
ジ「…着付け、手伝ってほしいんだな?」
巴「…コクン」



115

巴「今回は夏祭りに来ています…」
ジ「いつも保守ばかりだしな…」
巴「…お兄ちゃん、こっちきて」
ジ「…自分でいっといてなんだけど、その呼び方はなんか照れるな…」
巴「そう?…うん、実は私も…」
ジ「…あ、も、もう少ししたら、姉ちゃんが来るから…」
巴「そう…多分、雛苺たちも来ると思う」
ジ「…うー…それまで二人か…二人だけでお祭りとか…調子狂う…」
巴「……りんご飴」
ジ「…え?ああ、出店か。ほんとだな。……食べる?奢ってやるよ」
巴「…ほんと?でも、悪いよ」
ジ「気にするなよ。…妹にりんご飴買ってあげても、何も不自然じゃないだろ」
巴「そっか…そうだよね…。じゃあ…いただきます」
ジ「ああ。……りんご飴とか、好きなのか?」
巴「…小さい頃、欲しかったんだけど、親に買ってもらえなかったの…」
ジ「…わかる。虫歯になるとか言われたな…出店で買ってもらえる数そのものも制限きついし…」
巴「うん…だから、嬉しい」
ジ「……他にもなにかほしかったら、言えよ」
巴「ううん、これだけもらえれば十分。ありがとう…」
ジ「遠慮することないからな。奢るよ。…フランクフルトとか」
巴「ありがとう、でも本当に…」
ジ「フランクフルトとか」
巴「……」
ジ「いらないのか?チョコバナナならどう?」
巴「今日も絶好調だね」



116

巴「今回も夏祭りに来ています」
ジ「僕の妹ということにして、柏葉と一緒に来てる」
巴「お兄ちゃんと呼ばされてます」
ジ「……いや、その方が自然だからそうしているだけで、別に僕の趣味とかそういうわけじゃ…」
巴「…別にいいよ。いまさらそんな言い訳しなくても。ところでお兄ちゃん」
ジ「だ、だから僕の趣味じゃ…うぅ、なんだよ、いったい…」
巴「お兄ちゃんは、私のことなんてよぶの?」
ジ「え…?」
巴「妹のこと、苗字で呼んだら不自然じゃない」
ジ「……そりゃ、そうだけど」
巴「…照れなくていいよ。…私は…いまは、ほら、妹だし…」
ジ「…………そ、そうだよな…妹なんだし…」
巴「うん」
ジ「と…と…」
巴「ドキドキ」
ジ「とうもろこし買ってくる!」
巴「おいしいよね」



117

巴「今回も夏祭りに来ています」
ジ「説明口調だ」
巴「……とうもろこしは買ってきたの?」
ジ「う…か、買ってきたよ…ほら」
巴「ありがとう…私の名前じゃないけどね(cf:116)」
ジ「うぅ…」
雛「あーっ!トモエなのー!!」
巴「きゃっ!ひ、雛苺?」
の「遅れてごめんねジュンくん、ヒナちゃんたちと一緒に来ようと思って…」
ジ「…たち?」
紅「…あら、私たちがきたら迷惑だったかしら」
巴「真紅…久しぶりだね」
翠「まぁた巴のやつとべたべたしてやがったですか」
ジ「翠星石か」
翠「むぅ…反応薄いです…せっかく浴衣まで着てきたっていうですのに…」
紅「とはいっても、浴衣はやはり巴のようなタイプの方が似合うかもしれないわね」
翠「す、翠星石だって似合うですよ!」
ジ「んー…いや、やっぱり柏葉に軍配があがるんじゃないかな…」
翠「なな…」
巴「…そうかな…」
ジ「やっぱり浴衣には黒髪だよ。あとうなじ。ほんと、うなじ」
巴「さっきから、ずっと私の後ろにいると思ってたら…」



118in夏祭り

巴「あ…金魚すくい。懐かしいな」
ジ「…やってく?」
巴「……うん」
ジ「じゃあ…ほら、網」
巴「ありがとう。…えい…あっ…えい…えい…」
ジ「…下手だな…」
巴「…あまり、こういうのは得意でなくて…」
ジ「…貸してみろよ」
巴「え?うん…はい」
ジ「…よっと」
巴「あ…上手…そういえば昔から、こういうの得意だったよね…」
ジ「ま、まぁな…ほら…やるよ」
巴「ありがとう…」
店番「お二人さん、仲がいいねぇ」
巴「えっ!?あ、は、はい」
店「ははぁ、二人は…」
ジ「!?い、いや…そんなんじゃ…」
巴「そ、そうです、私たちは…」
店「兄妹だろう!いいねぇ、仲良きことは良きことかな。家にもいるけどこれがまた…ペラペラ」
ジ「……」
巴「…………帰ろうか」
ジ「そうだな…」



119

巴「はい、ノート」
ジ「ん…ありがと」
巴「…頑張ってね」
ジ「あ、うん…ごめんな、迷惑かけて」
巴「ううん。何かできることがあったら、なんでもいって」
ジ「…それにしても、照れるな、女の子のノートなんて…」
巴「え?なに?」
ジ「い、いや…なんでもない!えーと、これは数学か……ん……」
巴「?何か、へんなところでもあった?」
ジ「いや、っていうか……」
巴「うん」
ジ「……ノートが黒一色だ……」
巴「色ペンなんて軟弱よ」



120

巴「桜田くん、勉強してる?」
ジ「やってるよ」
巴「ううん、やってないね」
ジ「やってるよ」
巴「やってない、これはやってない」
ジ「やってるって!」
巴「やってない」
ジ「何を根拠にそんなこと言うんだよ!今だってこうして机に向かってるのに!」
巴「こんな参考書でなにができるっていうの」
ジ「もえたんは勉強だろ!もえたんは勉強だろ!!もえたんは勉強だろ!!!」
巴「必死すぎ」

 



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最終更新:2008年12月30日 01:25