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「ずばり! 先生! おめぇは鬼ですぅ!」

 八乙女が翠乙女の翠星石に、休日中のんびりと自宅で過ごし
 もうかれこれ七年ぐらいの付き合いになる観賞用サボテンインターセプターに軽く水をやり
 映画を見たくて借りてきた「蒼○狼」をさぁみようか……
 と、思った瞬間チャイムがなり誰だろうか? と、出てみれば……
 翠星石が、何処か得意顔で胸を張りつつビシッと自分に指をさし……そう言い放った。

「……あれ? 違ったですか?」
「いやいやいやいやいやいやいや、翠星石君。いきなり君は私の家に来て何事かね?
 君は、いきなり君の自宅に来た友人に、お前が鬼だ! なんて言われてなんともおもわないのかね?」
「えーと……ゴメンナサイですぅ……」
「まったく……ほら、自宅にお帰りなさい」
「はいですぅ~……」

 パタンと閉じられる玄関の扉。
 そして、ハッとして翠星石は気づきドンドンドンと玄関の扉を荒々しく叩く。

「違うです! 開けるです! 鬼! 悪魔! けんちん汁ーですぅー!」

 ギィーと金属の擦れる音と共に再び玄関の扉が開く。
 すると玄関からぬうっと腕が出てきて翠星石を掴むとすぐさま中へ引っ張りこんだ。
 引っ張りこんだのは潤。
 そりゃ、玄関のまん前であんな事を叫ばれては、ご近所の目と言うのがあるのだ……
 相当慌てて潤は、翠星石を引っ張り込んだと言う訳である。

「翠星石君……君は何の謂れがあって私の休日を潰すつもりかね? それとけんちん汁に謝りなさい」
「えーえーと潰すつもりはないですぅ~」

 はぁとため息をつく潤の言葉に、目を泳がせながらそう言う翠星石。
 けんちん汁は美味しいですよ? などと言う翠星石に再度ため息をつきつつ潤は、あがりなさいと
 足早にリビングへと向う。そんな潤を見て翠星石は慌てたように靴を脱ぎ潤の後ろに続く。
 翠星石が、リビングにつけば潤は、台所に向かい座っていなさいと潤に言われ
 大人しくソファーに腰掛ける翠星石。
 台所から、ふんわりとした紅茶の香りが漂ってくる中、翠星石はソファーの前に置かれた
 観賞用サボテンとその横においてあるDVDケースを見て、躊躇なくDVDケースを手にした。

(ひーひひひひひ! パッケージはマトモでも中身は、如何わしいDVDに決まってるですぅ!)

 パカッとDVDケースを開けば、其処にはケースにも書かれているタイトルが、書かれているDVD。
 ちぇっ……と、翠星石は静かにDVDケースを閉じ、観賞用サボテンの隣に置く。
 それと同時に、コトリと小さな音を立てて翠星石の前に紅茶が注がれたティーカップが置かれる。
 そして、丁度翠星石と対面する形で潤は、床に御座をかく。

「さて、翠星石君……一体何の用件なのかね? 私としては、この休日をまったりと映画なぞ見ながら過ごしたいのだがね?」

 と、潤が話しを切り出すが……翠星石は、出された紅茶を一口飲み……あ、これ美味しいですぅ~。などと思っていた。

「翠星石君?」
「あ、はいですぅ!?」

 そんな翠星石の様子を見て三度目のため息をつく潤。
 そんな潤をみて、気まずいが、翠星石はわざとらしくコホン! と、咳をした後……

「先生! ずばり! けんちん汁ですぅ!」
「……………さて、蒼○狼でも見るとしようかな」
「あぁあ!! 間違いですぅ! 間違いですぅ!!」
「……………」

 顔を赤くして慌てる翠星石を、ジト目で見る潤。
 そんな潤を見て、やべぇですぅー! と内心更にパニック中の翠星石。
 相変わらずジト目の潤だったが……

「けんちん汁は、置いておいて……私がなんだと言うのです? 翠星石君?」
「そうです! けんちん汁で鬼が美味いんですぅ!」
「……………翠星石君?」

 同じネタを何度も繰り返すのは感心しないなぁ? と、黒い笑みを浮かべ翠星石を見る潤。

「え、えーと……先生が人じゃなくて鬼だって事ですぅ」
「私が人間じゃない? 何故そんな考えに至ったのか教えてもらいたいのだが?」
「え、えーと…………私は八乙女って言う存在ですぅ」
「ドンナ存在なんだい?」

 既に知ってはいるが白を切る潤。

「平城京があった時代に存在した陰陽連が、設立した退魔のエキスパートの総称ですぅ。
 丁度、私を含めて八人。そして女なので総じて八乙女というです!」
「翠星石君は、おかしい事を言うね?」
「はぇ?」
「今の時代に、そんな非常識な……退魔? なんだいそれは? 時々テレビでやってる
 あのエセ臭いインチキ商売の輩と同じなのかい?」
「ち、違うです!! あんなトンチキな野郎達と一緒にしねぇで欲しいです!」
「しかしだね? 君が言っている事は現代においてそう言う輩と同じ事だよ?」
「絶対にちげぇです!!! いいですか! 私達八乙女は、歴史ある由緒正しき……
 ってちげぇです! まったく! 流石、鬼ですぅ! 危うく手玉に取られる所ですぅ!」

 汗なぞかいていないのに、汗をぬぐうしぐさをした後、潤をビシッと指差す翠星石。

「では、私が鬼であると言う証拠はあるのかね?」
「あるです!」
「ほう? なら何をして私が鬼であると?」
「私は八乙女の中で翠乙女と言う乙女ですぅ~……
 翠乙女に限った事じゃねぇですが、初代からずっと残してあるモノがあるですぅ」

 それが、これですぅ。と、言って鞄から桐で出来た箱を取り出す。
 桐の箱を開ければ其処にあったのは……牙。
 肉食獣の様に鋭い牙が一つ、桐の箱の中に収められていた。

「コレを見つけたのは偶然ですぅ」
「何か肉食獣の牙のようだけど?」
「コレは、鬼の牙ですぅ。そう先生のです」
「私にそんな物騒な歯は生えていないのだがね?」
「そりゃぁ今人間の姿をしているからで……コホン! と、とりあえずこの牙のおかげで先生が鬼である事がわかったですぅ!」
「何故?」
「ものにゃぁつながりってぇヤツがあるですぅ。見につけているモノとそれを使っていた人とのつながりが」

 得意げに話し始める翠星石に、ふむ。と顎に手を添えて翠星石の話を聞き始める潤。

「翠乙女は、その繋がりを辿る術を使えるですぅ。他の八乙女も使えるですが……
 翠乙女の術は、その中でも一番強いですぅ……
 もし、この牙を持っていたのが動物で、その動物が死んでいたなら繋がりは消えてるですぅ……
 でも、この牙に繋がりが残っていたです。そして繋がっていたのが……」

 そこで言葉を切り、翠星石は潤を見る。
 潤は、ふぅとため息をついた後立ち上がる。
 立ち上がる潤を見てビクッと体を一度震わせる翠星石。

「繋がっていたのが私だった訳だね? 翠星石君?」
「そ、そうですぅ……」
「……これでだ」

 ボソッと呟く潤。
 そんな潤を見てえ? と、首をかしげる翠星石。

「これで、君を含め七人……いや、もう全員か……君達八乙女に私の正体がばれてしまったと言う訳か」
「な、なんですってです!! じゃ、じゃぁ私が一番最後だったりするですぅ?」
「そうだね……で? 君は私をどうしたい? 祓うかね? 封印するかね? 人としての生活を崩壊させるかね?」
「ち、ちげぇです! 祓いもしねぇです! ただ、私は聞きたかっただけですぅ!」

 何を? と、潤は相変わらず立ち上がったままに尋ねる。

「しょ、初代の翠乙女の勇姿を聞きたいんですぅ!」
「…………」

 翠星石の言葉の後、しばらくの間無言の時間が続く。
 そして、不意に潤は翠星石に手を伸ばし……ビクッと翠星石は震える……既に醒めた紅茶が注がれているティーカップを手に取った。

「映画を見たかったのだがね? 生徒が聞きたいと言うのなら話してあげよう」

 そう言って台所に向う潤だった。

「そういえば、どうやって皆にばれたですかぁ?」
「水銀燈君は、巻き込まれて。蒼星石君には、私のうっかりで。真紅君も巻き込まれてか……
 雛苺君は、巻き込まされてだな。薔薇水晶君は、ついうっかりでこの世あらざる者を召喚した為だし……
 雪華綺晶君にいたっては、憑かれていた原因を倒す為にだね……」
「あれ? 金糸雀が抜けてるですよ?」
「金糸雀君は……つい最近思い出した事なのだがね?」
「な、なんですぅ?」
「金乙女は、代々記憶を受け継ぐ。ならば、私の正体なぞ既に知られているのだよ」
「……はぁ!? そ、そんなの初耳ですよ!?」
「そりゃ……八乙女一つ一つに秘伝が存在するのだから仕方ないのじゃないかね?」
「……それもそうですねぇ」




【NGシーン】
 それが、これですぅ。と、言って鞄から桐で出来た箱を取り出す。
 桐の箱を開ければ其処にあったのは……ドキツイピンク色の男性の【放送禁止】をかたどった【放送禁止】
 それが、桐の箱に収められていた。

「先生! 一体初代に何しやがったですかぁ!!!!!」
「いや、私は何もしていない!!! 何もしていないぞぉお!?」
「じゃぁなんで、繋がりが先生と繋がってるですかぁ!!! しかも右手にぃいい!!!」
「む、無実だ!! 私は無実なんだぁーー!!!!」
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