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巴「六月は祝日がないんだよね」
J「…ま、僕には関係ないけど。保守、と」
巴「…もうそんなに蟠りもないだろうし、そろそろ来てもいいと思うよ」
J「うん…」
巴「…もし来れたら、お昼休み、一緒に食べたりとか…どうかな」
J「え…」
巴「一緒にお昼を食べる人がいたほうが、いいかなと思って」
J「そりゃ…まぁ…でも、そんなことしたら、みんなの目が…柏葉だって…」
巴「…屋上で食べる、とか」
J「…屋上?昼休みに、屋上で…なんだか楽しそうだな、それ」
巴「ね、ちょっとやってみたいよね」
J「へぇ、柏葉もそういうこと思ったりするんだな」
巴「ふふ、たまにね。なんなら桜田くんのお弁当、作ってきてあげようか?」
J「…!!…柏葉、なにいって……わ、悪いよ…」
巴「ううん、そんなことない。それになんだか、考えてたら楽しくなってきたもの」
J「ん…そうだな…そういうのも、悪くないかも」
巴「そんな日が来ること、待ってる」
J「…なぁ、柏葉」
巴「なに?」
J「うちの学校って、給食だったよな」
巴「そうだね」

 



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巴「…裁縫してるんだ」
J「ああ、うん…ちょっと頼まれててさ…まぁ引き受けたからにはやらないと。保守の合間だけど」
巴「…乗り越えたんだね、桜田くん。作ってるのは、お人形の服?…すごい…すごく綺麗…」
J「た、たいしたことないよ、これくらい…て、適当にやってるだけだし…」
巴「ううん、すごいよ。………羨ましいな」
J「え?なにが?」
巴「…なんでもないよ。…ねぇ、桜田くんはやっぱり、オシャレな女の子が好き?」
J「オシャレな…別にそんなことはないけど…。そういえば、柏葉の私服ってどんなのなんだ?」
巴「……あんまり、自信ないから…」
J「柏葉なら、けっこういろいろ……に、似合いそうだと思うよ」
巴「…ふふ、ありがと。でも今は人形だしね…」
J「じゃあさ…今度、つくってやろうか?」
巴「え?」
J「柏葉のドレスだよ」
巴「ドレス…ドレスって…わ、私の?い、いいよ…私なんかがそんなの着たって…」
J「……やっぱり、だめ、だよな…」
巴「そ、そういうわけじゃ…さ、桜田くんさえ、よければ…その…」
J「それじゃあ…いいんだな?」
巴「……うん」
J「よし。やってみるか。とりあえずシルクハットだろ…」
巴「ちょっと待て」

 



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巴「おはよう、桜田くん」
J「柏葉か…。なぁ、驚かないで、聞いて欲しいんだ」
巴「な、なに?どうしたの、いつになく真剣な顔して…」
J「僕は…気づいてしまったんだ。自分の気持ちに」
巴「え…ちょ、ちょっと待って…これってもしかして…」
J「聞いてくれ、柏葉」
巴「そ、そんなに見つめないで…わ、わたし、ま、まだ、心の準備が……」
J「僕は…結菱さんが好きだ!」
巴「だから、まだ………は?」
J「今まで、あの人を嫌悪していると思いこんでいた…でもそれは違ったんだ。
  バカだった、結菱さんを見るたびに胸が高まるのは…恋だったんだ」
巴「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」
J「見て…このドレス。自分のために縫ったんだ……えへへ、似合うかな?」
巴「さ、さ、さ、桜田くん!?しょ、正気に戻って!」
J「どうしたの、巴ちゃん?あ、巴ちゃんもドレス着たいんだ!今度縫ってあげるね。そうそう、これから結菱さんとデートなんだ!」
巴「や、やめて、そんな言葉使いやめて、お願い、これは何かの間違いだから…」
一「さぁ行こう、ジュンくん」
巴「いたの!!?だめ、いかないで、桜田くん、行かないでっ!」
J「はぁい、結菱さん♪じゃあね、巴ちゃん」

巴「いやああぁぁぁぁ!!!!!!」
J「うわっ!?おおお起きるなり何叫んでるんだよ!ぼぼ僕は何もしてないぞ!!!!?」
巴「あ、あれ…桜田くん…?……いまのは…夢……?」
J「ほほ、ほんとに、僕は何もしてない!履いてるのかやっぱりとかしてない!」
巴「…私が寝てる間に、悪戯……したの?」
J「ししししてないってば!白だったとかも思ってない!!」
巴「桜田くん…よかった…!いつもの桜田くんだわ…グス、これからもずっとその調子でいてね…」
J「は、はぁ!?」

 



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巴「桜田くん…また裁縫してるの?」
J「うん…あ、そうだ、前に柏葉の服作るって言っただろ。できたんだ。…こんなんで、いいかな…」
巴「ほ、ほんとに作ってくれてたんだ…。…わぁ…すごい…綺麗…わ、私に似合うかな…」
J「えっと…う、うん…か、可愛いんじゃないかな……」
巴「…嬉しい…な…」
J「…あー…そ、それと!こ、これ以外にもいくつかあって…ゴソゴソ」
巴「ありがとう、桜田くん…私てっきり、また変なのを作ってくるんじゃないのかと…」
J「…え?」
巴「バニーとかネコミミとかスクール水着とか巫女装束とか作るんじゃないのかなって」
J「ドサッ」
巴「……どうしたの?」
J「いいいいや、なななんでもない!そそそそんなの作るわけないだろ、ぼ、僕がさ…」
巴「そうだよね、ごめんね、桜田くん」
J「……あ、ああ…で、でもさ、柏葉」
巴「なに?」
J「この今作ってる看護服はセーフだよな!?」
巴「まだあったか」

 



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巴「桜田く…またいないのね」
 「……せっかく来たのに、暇だな…」
 「とりあえず保守はしておいて…」
 「…ちょっとだけ散策」
 「本棚は……あ、またこんなの読んでる…桜田くん、こういうのが好きなのかなぁ…」
 「……今日はちょっととりづらいところも見てみようかな…」
 「……あれ?このへん、本棚の奥なのに…全然埃がない…」
 「……怪しい」
 「……うんしょ」
 「……こ、これは……」

『友だちができる本』
『人の心がわかる本』
『こうすれば人に好かれる~今日からクラスの人気者~』
『ウケる!話の種の雑学200連発』
『辛い時に読む聖書』


J「ただいま…あ、柏葉、来てたのか」
巴「桜田くん…」
J「え、何?」
巴「私は、何があっても桜田くんの味方だからね」
J「は、はぁ!?ど、どうしたんだよ急に…」

 



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巴「ねぇ雛苺、桜田くんは私のこと、どう思ってるのかな」
雛「うゅ?ジュンがトモエのこと?そんなの大好きだと思ってるに決まってるの~」
巴「そ、そうかな…でもそれなら、そろそろいい加減何かあってもいいと思うんだけど…」
雛「ジュンは奥手なのよ。トモエと一緒なの。…変なところで大胆なのに」
巴「だ、大胆ってことは…」
雛「ミョーな色仕掛けみたいなことしたり、付き合う前からそんなことしちゃだめなのよ」
巴「で、でも…」
雛「うぃ?」
巴「付き合ってからそんなことしても楽しさ半減だと思う」
雛「本当に、トモエとジュンはお似合いだと思うのよ」

 



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巴「今年は梅雨入りが遅いらしいね」
J「あー、そういえば、いうほど雨とか降ってないよな…」
巴「やだな…雨降ると、その日一日が憂鬱になっちゃう…」
J「雨もそんなに悪くないぞ。雨のにおいとかけっこう好きだし…
  雨粒に打たれる草木を見るのも、なかなか飽きない」
巴「へぇ…意外と風情があるんだね…」
J「それに僕は外でないしな…この雨にみんな濡れるんだろうなーとか家の中で思うと、ちょっと気分がいい」
巴「…前言撤回。暗いだけだよそれ…」
J「ふん。…でも反面、学校行こうかな、っていう気にもなるんだ…」
巴「え…そうなの?」
J「湿度が上がって、制服が透けたりするだろ?」
巴「もうこの話やめよっか」

 



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巴「……暇だね」
J「……ああ、暇だ。保守なんてすぐ終わるし。…なんかして遊ぶか?」
巴「遊ぶって、どこかに出かけるとか?」
J「僕はそんなアウトドアなことはしない」
巴「私もそう思う」
J「……。柏葉だって、どっちかっていうとインドアタイプじゃないのか…?」
巴「そうかもね。…それで、なにする?」
J「うーん…二人だけでやる遊びとなると…」
巴「トランプとか」
J「ブラックジャックあたり?」
巴「うん」
J「じゃあやるか」

巴「……オープン。私の勝ち」
J「……オープン。よし、今度は僕の勝ちだな」
巴「……オープン。あ、負けちゃった…」
J「……オープン。クソ、ブタだ…」
………
J「……オープン。引き分け。……つまんないな」
巴「……え」
J「全然盛り上がらない。二人だけでトランプしてもなぁ…」
巴「…ちょっと楽しいかもと思ってたんだけど…」
J「あ……そうなんだ…」
巴「………やめようか」
J「……そうだな……」

 



69

巴「前回は二人だけでトランプなんて盛り上がらないとか…じゃあ無難にオセロとかだといいかな…。
  うん。桜田くん、保守しに……あれ?誰かいる…」

J「オープンッ……!19だ、そっちは…」
翠「ふっふっふ…20です、翠星石の勝ちですね~、チビはトランプも弱いです♪」
J「な、なんだとぉ!?いっとくけど、さっきは僕が勝ったんだからな!」
翠「でも今は翠星石が勝ったですよ、さあ跪けですー!」
J「だ、誰がやるかこのっ…!も、もう一回勝負だー!」
翠「仕方のない野郎ですね、ちゃっちゃとやるですよ。どうせ翠星石の勝ちに決まってるですぅ。負けたら土下座ですよ?」
J「言ったな!?よし、いくぞ……」
翠「……あ……」
J「…ん?」
翠「やや、やっぱりやめるです、こんな勝負はくだらんです、ス、スコーンでも作ってやるから待ってろです!」
J「は?なんで……ははーん…一度やりかけた勝負を途中で止めるわけにはいかないぞー?オープンだ、オープン!」
翠「ひっ…な、なにするですか、やめるです!」
J「どうせブタなんだろ?土下座だな、土下座!」
翠「キィーっ!なんてこというですか、ブタじゃねぇです!誰が土下座なんて…」
J「じゃあ見せてみろよ!」
翠「そそそれは断るです!」
J「なんでだよ!さあ神妙に…」

巴「……………」

J「翠星石が帰って一時間か…まだちょっと疲れてるな。あいつほんとに騒がしいからなぁ…あ、柏葉?来てたのか」
巴「嘘つき」
J「…え?」
巴「嘘つき」
J「え?え?なな、なに怒ってるんだよ!?」

 



70

巴「……」
J「…おーい…さっきから何怒ってるんだよ…」
巴「……」
J「…顔、少しにやついてるぞ」
巴「え……」
J「挿絵もらって嬉しいんだろ?」
巴「だ、だって…」
J「隠すなよ。…でも、嘘つきって…僕、なんか変なこといったか…?」
巴「……別に……」
J「…ほ、保守ばかりなのもなんだし、何かして遊ぶか?」
巴「…なにして?私と二人でいいの?(ジト」
J「え、あ、えーと、キョロキョロ…あ、将棋とかあるんだけど」
巴「…将棋…ルールがわからないわ」
J「あ、そうなんだ…」
巴「……でも、教えてくれたら。やってみたいなと思ってたし…」
J「わ、わかった」
巴「……うん。…相槌を打てば…いいんだよね…」



J「…で、それぞれの駒の動き方。やってるうちにわかると思うけど、最初に一通り説明しておいた方がいいよな?」
巴「お願い。…この一列いっぱいある駒は?」
J「ああ、歩だよ。一歩ずつしか進めないんだ」
巴「前だけ?後ろは?」
J「無理。斜めも無理。前に一歩しか進めないんだ。こんな風にな」
巴「一歩前進だね!」
J「……………」
巴「ご、ごめんなさい…」

 



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