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無限とも言われる数を持つインターネットのホームページ…

今日はその電脳世界の一つをご案内しましょう…



私ですか?私は電脳世界を廻る道化ですよ…



 ‐神業級の職人‐

そのホームページのTOPには、でかでかとその文字が見える。

上から順に
「サイト説明」
「メンバー」
「BBS」
「私書箱」

と、並ぶソレはいわゆる「普通」のホームページではない。

俗にいう「荒らしサイト」なのだ。


サイト説明の項目を見てみる。
その内容を簡潔にまとめると、荒らし依頼が来たサイトを荒らす、それだけだ

次にメンバーとある項目に目を移す。

代表 マエストロ◆maestro

変態 ザザムシ

隊員 超サイヤ人

隊員 廊下男


とある。
人数は四人と、とても少ない。はたしてこれで荒らしサイトと呼べるのだろうか?

BBSの項目にはメンバー達の雑談所が見える、その「雑談」の下に「荒らし依頼」との項目。

そこには恐らく、私怨を抱いた人達が書き込んだであろうと思われるスレッドの数々が…

最後に私書箱とあるが、一体誰が送るのかは不明である。



幾多の繋がりは、一つの電脳世界に繋がり大きくなり、やがて一つにまとまった。


第一話 神業級の職人



机に突っ伏して、寝ているであろう少年を眠りから覚ます声

「よう、JUM」

「ん?ベジータか…おはよう」

「随分と眠そうだな?」

「あぁー徹夜してたからな」

「徹夜?」

「うん、サイト改装」

「あぁ…そういうことか。ところで、次は何処だ?」

「また依頼が来たからな。決まったら適当にメールでもするよ」 

「おはよう、マエストロとベジータ」

「おはよ、後マエストロって言うな」

「よう、笹塚」

「そろそろ梅岡が来るかな…じゃ、席に行くわ」


離れぎわ、「廊下に行くの間違いだろ?」と眼鏡の少年は言った




ここはとあるドールショップ
店の中では店員であろう二人の男


「ねぇ、槐」

「ん?なんだ白崎」

「お客さん来ないし、暇だから店閉めない?」

「そうかそうか、…死にたいってことか」

「ごめん、けど暇なのは確かだよ」

「むぅ…」



雑談をやめ、黒髪の男は溜息を一つ吐き、携帯電話をいじりだした 


「白崎、何してるんだ?」

「ん?ちょっとネットにね」

「お前がねぇ…」

「僕だってネットぐらい使うさ」

「そうか」



白崎と呼ばれる男の携帯電話の画面には
「神業級の職人」
その文字が



「ベジータ、笹塚」

「ん?」

「なに?」



学校帰りの途中の学生三人の無機質な会話


「決まったぞ」

「そうか。で、何処だ?」

「お前の希望通り」

「流石JUM」

「それってベジータの私怨でしょ?」

「うるせぇぇぇぇ!男の気持ちを弄ぶ奴は俺が許さん!」

「まぁまぁ落ち着きなよ。ねぇ、JUM」

「それはともかく…ほら、今URL送っといたから」

「行動が早いね」

「突撃は何時だ?」

「夜の21時に」

「変態に連絡は?」

「BBSに書いといた」

「わかった。夜になJUM。じゃあな」

「じゃ、僕も帰るよ」

「あぁ、笹塚」



そして三人はそれぞれ家路に向かう



「21時ですか…」

「ん?なんだ白崎」

「いや、独り言だよ」

「暗い奴だ」

「薔薇水晶ちゃんに嫌われてる奴よりいいと思わないかい?」

「おい、白崎」

「あ、さすがにショックかい?」 

「それは…それは言っちゃいけないだろ…」

「…素直にごめん」



軽い禁句を言ってしまったらしい白崎

物凄くショックを受けている槐

その後に
「薔薇水晶は反抗期なだけだ!」
と言ったが、槐の言葉は白崎の耳には入っていなかった

時刻は21時
それぞれが自宅で携帯電話やPCの画面を見つめている

見つめている画面には

「乳酸菌大好きな女子高生のサイト」
とある



このサイトを指名したのはベジータだ。理由はこのサイトの日記にある



「今日も隣のクラスの男子に告られちゃったぁ~、どうせ断るんだけどぉ」


これを見たベジータが

「許さん!男の純情を弄びやがって!」

と言い、JUMにこのHPへの突撃を指名したのだ 


そして、そのHPに異変が起きた

BBSには
「ザザムシです!ここの女子高生女王様!鞭で僕を叩いてください!><」



「神業級の職人」

などのスレッドが大量に立てられている

しかし、このザザムシという男が立てるスレッドは、全て卑猥…かつ変態である


「女子高生女王様…ハアハア」


白崎の自宅からそんな声が聞こえてくる



「まだまだ連投しないとね」

と笹塚は言う



「皆やりはじめたな…」

PCを前に、椅子に座っているJUMはそう呟く

「さて、僕もやりますか」


それから1分ぐらい経ってからだろうか

HPのアクセス数が急激に伸びている



「流石は田代さん」



PCを前にしたJUMは静かにそう言った


「男の純情を踏み躙る奴は絶対に許さん!」



きっと彼女いない歴=年齢と思われるベジータは、そう叫びながらHPに載っていた管理人のサブアドレスに大量にメールボムを送った

そして、異変に気付いたそのHPの管理人が現われた



「ちょっとぉ、なによこれぇ!」

強い口調で、その管理人は携帯電話片手に言った


そして「神業級の職人」
その文字のスレッドに文句をつけに行った 


笹塚は待ってました、と言わんばかりに管理人からのその返信に、的確に返していく

その間にも、白崎…もといザザムシと呼ばれる男からの卑猥なスレッドは増えていく



21時から、1時間程経った頃、HPのサーバーが落ちた


「ざまぁ」

そう言い、JUMはベジータや笹塚、そして白崎にメールを送る


その内容は

「終わったな」
と短い文章だけだった



三人は携帯電話の電源ボタンを二度押した





次の日に、あのHPには

「閉鎖しました」

この文字だけが残っていた


学校で、一人うなだれている水銀燈にJUMは声をかけた

「水銀燈?どうしたんだ?」

「JUM、聞いてよぉ…昨日サイトが荒らされたのよぉ…だから閉鎖したのぉ」

少しギクッとなりつつJUMは言う

「それは災難だったな…」
「JUM~慰めてぇ」

「ちょ、か、からかうなよ…じゃあ僕は帰るから」

「あらぁ、冗談じゃないのにぃ……ばいばぁい」


放課後に三人は、小さなドールショップに立ち寄った

「槐さんに白崎さん、こんにちわ」

「ちわーす」

「久しぶりでーす」

と、それぞれ声を発しながら店に入る



「お、JUM君か」

「やぁJUM君、久しぶりだね」

「俺達は無視か?」

「無視されたよね」

「昨日は楽しかったよ、あそこの管理人…Sだったし」

「何の話だ?変態」

「いや、僕の趣味だよ」

「そういえばJUM君、最近薔薇水晶が冷たいんだ。反抗期かな?」

「槐さんはちょっと過保護じゃないですか?」

「何を言うんだJUM君!昔は一緒にお風呂にも入ってくれてたんだぞ!?」



多分そういうことを言うから避けられるんだな…と思いつつ

「薔薇水晶は槐さんにばっかり頼れないって言ってましたよ」

と、優しい嘘をついた

「そ、そうか…!」

「親離れしようとしてるんだから、槐さんも子離れしなきゃ薔薇水晶の為にはなりませんよ」

「そうだな、ありがとうJUM君」



JUMは(薔薇水晶…今度なんか奢ってもらうからな…)と思いながら槐の話を黙々と聞いていた

少し離れたところで、男三人は紅茶片手に話をしている。



「槐の親バカって病気だよね?」

「あんたの変態ぶりも十分に病気だ」

「それには同意だよ、ベジータ」

「ところでさぁ…」

「次の突撃場所は何処だ?」

「JUM君?」


台詞を分割したかのようににそれぞれが口を開く



JUMはまた溜息を一つ吐き、言った


「次は…」

To be continued?

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