君が居ない教室
紅「なによ!このジャンク!」
銀「いったわねぇ…真紅!許さないわよぉ!!」
J「や、やめろよ二人とも!」
紅「下僕は、黙ってるのだわ!」
バシッ!!
J「え…」
思いがけない強い押しに、よろめいた僕はそのまま…
ガタン!!
そのまま、彼は机に後頭部を打ち付け床に崩れた…
J「水…銀燈…ケンカ…は…だ…め…」
銀「ジュン!!」
紅「わ、私のせいじゃないのだわ…」
銀「そ、そんな事よりきゅ、救急車をよんでぇ!!早く!」
紅「わ、わかったのだわ!」
それから五分ほどして、ジュンは救急車で運ばれた
水銀燈はジュンの付き添いとして一緒に病院へと向かった
銀「ねぇ、ジュン…私があんな事で真紅とケンカしなきゃ良かったのよねぇ…ジュンごめんなさい…」
私は、ジャンクと呼ばれただけで怒ってしまった事を悔やんだ…
銀「私、ジュンの事、好きだったのに…告白する前に…」
私は、ジュンが目覚めるまで病院に通い続け…
2年の月日が経ち…
卒業式
紅「ジュン…まだ目覚めないのね…」
私は、償い切れない罪を背負ってしまった…
親友を罵り…
好きな人を死に近い所へ追いやったのだ…
しかし水銀燈は、笑って許してくれた
でも、彼女…水銀燈の心の中では泣いて居るのだと分かっていた…
銀「ええ…卒業式も終わってしまったわぁ…
」
紅「これから病院?」
銀「ええ…あなたも来れば良いのにぃ」
紅「私は、ジュンを見る勇気が無いわ…とても…とても酷い事をしてしまったのだわ…」
銀「そんなこと、ジュンなら笑って許してしくれるわぁ…じゃあいくわね」
今日も私は病院へ
しかし校門を出た所に…
銀「え…あ…」
J「久しぶり水銀燈」彼は立っていたのだ
銀「ほ、ホントにジュンなのぉ!?」
J「ああ、ホントさ毎日見舞いに来てくれたの知っているよ」
銀「な、なんで…」
J「なんて言うかな…夢で見てたんだ」
銀「そ、そうなの?でも良かった!ジュン!」
私は、嬉しくなってジュンの胸に飛び込んだ
J「まだ、入院してる身だからやめろよ」
拒絶する声はあまりにも優しくて私は…
銀「だってぇ…ジュン…私…」
心のダムは…
崩壊を…
J「知ってるよ…夢にまで出て来たんだ、むしろ僕も君の事が」
銀「ジュン…」
僕たちは、長い道程だったが心を通わす事が出来たのかな…
糸冬
J「俺一年からやりなおしwwwww」
銀「なら私が勉強教えてあげるわぁ」
J「マジンガー?キタコレwwwww」
僕は、一年の教室に入り
J「で、なんで雛苺と金糸雀まで一年なんだ…」
苺「りゅ、留年したのぉーうにゅー…」
金「カンニングがバレたのかしらー」
J「二年もかよ…」
銀「ほんとおばかさぁん」
作者別、インスパイヤ-------------
水「え…ジュン?」
ジ「…あの、もしかして、僕の友達かな」
水「…っ!、せ、先生呼んでくるわぁっ」
逃げ出すほかなかった。
病室を出た途端、涙をこらえることができなくなった。
水「私のせいで…ジュンが……っ」
数分後、先生が病室に入っていった。
結果は…既に予感していた通りだった。
医「単なるショックによるものですから、命には別状はないでしょう…」
水「それで、先生…」
医「…彼の場合、心因性の可能性が高い様です。
…親しい方々の御協力が不可欠になります」
翌日。病室には真紅を除く全員が集合していた。
蒼「…ふう。…やっぱり、僕たちのことは覚えていないみたいだ」
翠「自分の名前とか、そういうのは覚えてるみたいです…」
水「みたいね…」
雛「私は、雛苺っていうのよー」
ジ「雛苺…ちゃん」
雛「ちがうのー。ジュンは、ちゃんづけなんかしないのよー」
ジ「あ…ごめん」
金「私は金糸雀っていうのかしらー」
薔「……薔薇水晶……よろしくね…」
ジ「金糸雀に…薔薇水晶、うん、よろしく」
水「元気ね…あの子たち」
蒼「うん、それに前向きだよ」
翠「それにしても、何で真紅は来ないですか」
水「あの娘が一番…心配して…同じ位、後悔してるみたいだから……」
翠「………」
あの日から…いや、今日ジュンの容態を告げてからは更に。真紅の様子はおかしくなっていったのだ。
蒼「心因性のものらしいし、何とかして早く思いだしてもらわないと…」
水「………そう簡単にいくかしらぁ」
心因性ということは、何か悩みとか、ストレスとかがあったということだ。
それを…私たちが、どうにかできるのだろうか…。
蒼「できるよ」
水「え……」
それは、強い眼差しだった。
普段の彼女からは想像もできない位の。
蒼「そんな弱気で、どうするんだ。…君は、好きなんだろう?ジュン君のこと」
水「蒼星石…。でも…私は彼を傷つけてしまったわ……」
蒼「それがなんだっていうんだ。……君は、ジュン君が君を許してくれないと、思うのかい?」
そうだ…悲しいのは私だけじゃない…。
蒼星石も、…雛苺たちだって。
なのに、私は一人、こうやって弱気になって…。
水「…ごめんねぇ、蒼星石。厳しいこと、言わせちゃって」
蒼「…ううん。いいよ。皆、つらいんだから」
真「…っく……ぐす…」
何をする気にもなれなかった。思い出せば悲しみは募るだけだというのに、考えることはいつも彼の顔だけ。
真「………ジュン」
…昔の話だ。
周囲の人間とかけ離れた容姿と高飛車な態度。彼女を幼稚な人々は何の躊躇いもなく疎み苛んだ。 「………」
だが彼女は自分の成り立ちについて一切の嫌悪も抱かなかった。最愛なる父親から授かった異邦の髪と瞳。彼女はそれを誇らしく感じていたのだ。
…いや、それは嘘だ。彼女自身気付かない。意識の奥底にひっそりと存在する自己嫌悪の念。
蝕まれた精神が肉体にまで侵攻するのに大して時間はかからない。
「……お前、いつもひとりだよな」
他の人間に見せていたような顔を彼女にも隔てなく見せ、彼は話し掛けた。
彼女は知らない。彼の存在がいかに彼女を救ったかを。
真「……ジュン…ごめんね…ごめんね…」
ジュン「うん………まだダメみたい。ごめんね、思い出せなくて」
彼が目覚めてから一ヵ月が経とうとしていた。病状は…芳しくない。
私たちの中には、微かに苛立ちと言うものが生まれていたのか。
そして、私たちは間違った。普段…記憶を失う以前の彼の鈍感さに甘えていた。
ジュンは私たちとの見えない壁を感じてしまっていたのだ。
ジュン「……でも安心して。
出来る限り早く、君たちに『ジュンくん』を返してあげるから」
思えば、何故その頃に気付かなかったのか。
医者は「記憶喪失は心因性のものだ」と言った。
病院に運ばれたのは机に頭を打ったからだ。
……最善すべきは問題の解決だ。
だが。その前に、
いや、もっと前から。私たちは、彼について知っておくべきだったのだ。