※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

「ジュン君ジュン君、おままごとやろぅ?」

「またぁ?僕はウルトラマンコスモスごっこが…」
「おねがーい!ね?いいでしょ?」

『ダメ……かな?』

「うっ……わかったよ」
「やったー!ありがと!じゃぁ、私がお母さんねぇ」

「ん~、僕は~「ジュン君は私のお婿さん!」

「……お婿さん?巴ちゃん、なぁにそれ?」

「へへ~~、秘密だよぉ/// 大人になったらホントに私のお婿さんに……」

…ピピ
……ピピピピ
………

「……んっ…うー…朝?」夢……か…
懐かしい夢だった。私達がまだ幼稚園の頃の、桜田君がこ~~んな小さくて可愛かった頃の
「……クス」
昔の事を思い出すと思わず笑ってしまう。
小さいときはよく桜田君に私の洋服を着せて遊んだなぁ。スカート穿かせたら泣いちゃったっけ
「巴さん?御飯ですよ。寝てるのですか?」
「……」
私が思い出に浸って別の世界にいられたのは、ほんのわずかな時間だった。

私は、今では中学生だ。
毎日、桜田君と遊んでいた頃とは違う。
本当はやりたくない剣道や委員長、期待や責任、重圧…そんなものにがんじがらめにされながら毎日を過ごしている。

「あの頃に戻りたいな…」
無意識に呟いていた。

「巴さん?」

「あっ!はい、今行きます。」

居間に行くと父と母はもう座っていた。
私が無言で椅子に座ると、父が箸を持ち食べ始めた。私は小さく
「いただきます」
と言って食べ始めた。

それにしても昔の私は大胆だったなぁ。
お婿さんになってなんて……///

「巴さん、何か良いことでもあったのですか?」

ふぇ?
声が裏返ってしまった。

「さっきから笑ってらっしゃるから」

「え?えと、なんでもないです!ごちそうさま!」

逃げるようにして家から出てきた。
どうやら、一人でニヤけていたようだ。

「恥ずかしいなぁ…」

朝呆けてた時間を合わせれば丁度いい時間になっていた。
「もうすぐ夏だなぁ」
そんなことを考えながら歩いていると、前方に未来のお婿さん(笑)がいるのを発見した。

いつもの私ならそのままのペースで付かず離れず距離をとっていたと思う。
でも、今日はあんな夢をみたせいだろうか?
なんとなく違う自分になれる気がした。

彼に駆け寄り、肩を叩き

「ジュ~ンくんっ?」

思わず名前で呼んでいた。私は自分自身に驚いた。言った本人ですら驚いたのだから、彼は更に驚いた顔をしていた。

「え?柏葉……?」

「どうしたの?鳩が豆鉄砲くらったような顔して」

「え?だって…今、ジュン君って、え?どうした?」

「どうしたって別に?昔はジュン君って呼んでたんだから、いいでしょ?」

「確かに…そうだけど…」
当たり前だが戸惑ってるようだ。
私だって戸惑ってる。どうしてこんなこと言えたのか?どうしてこんなにスラスラ言葉がでるのか?
次の台詞だって頭に浮かんできている。

『ダメ……かな?』

「うっ……わかったよ」

「ふふっ」

「何笑ってるんだよ?」

彼が昔と同じ反応を示したのが可笑しかった。

「なんでもないよ。そうだっ、私が昔の呼び方にしたんだからさく……じゃなくて、ジュン君も昔みたいによんでね?」

「はぁぁぁ!?おい、柏葉マジでどうしちゃったんだ?」

さぁ?私にもわからない。けど、なんだか楽しい気持ちなのは確かだった。

「柏葉じゃないでしょ」

「嫌だね!僕は絶対呼ばない。」

「絶対?」

「そうだ!」

「……どうしても?」

「どうしてもだ!」

「……ウッ…ジュン…君、ひど…いよっ…」

「えっ!おい?柏葉?おい、まさか?わかった!わかった!呼ぶよ、呼ぶ呼ぶ!だから…なっ?」

「……本当?」

「あぁ。本当だ」

「…フッ……フフッ………」

「おい、どうした?」

「ジュン君引っ掛かったでしょ」

そう言って満面の笑みを見せた。(少なくとも自分は満面の笑みのつもりだった)

「う…嘘かよぉ? なんか、今日の柏葉は小さい頃の柏葉みたいだな。あの頃は良くいじめられたよなぁ、柏葉に」

「ジュン君話そらそうとしてるでしょ?約束」

「ッチ……やるのか?」

言葉の代わりに笑顔を返してあげた

「とっ…巴ちゃん」

「ふふっ、よろしい~」

「ホントどうしたんだか?」

「いいでしょ?たまには」
「…たまにならな」

「あっ!そうだ!大事なこと忘れてた」

「どうした?」

「大きくなったら私のお婿さんになってね?ジュン君」

「はぁぁぁぁぁぁ!?」

終わり

|