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【恋愛百景】真紅探偵事務所
第一話

 

「ワトソン君! 事件なのだわ!」
「だから私はワトソンじゃないと何度(ry」
どうも、真紅探偵事務所の助手を勤めさせて頂いている物です
全く…うちの所長は私の事をワトソンと(ry
それはさておき、まずは事件が先です
「所長!」
「なんなのだわ!」
「今日は逃げないで下さいよ!」
「だって、それじゃあくんくんが!」
「DVDで録画予約しときました!」
実は…うちの所長は無類のくんくん好きで、その為なら例え推理中でも事務所に戻ってしまうんです
「駄目よ。生くんくんじゃないと」
「駄目です。そんなんだからいつも私が所長扱いじゃあないですか」
「五月蠅いわね! 早く行くのだわ!」
ま、こんなんが私達の出勤前のやり取りです

 

「ワトソン君…被害者についてkwsk」
「えー、被害者は柴崎元治さん58歳。死因は、バールの様なもので殴られた事によるものと思われます」
「バールの様なもの?」
「はい、バールの様なものです」
「バールでなくて?」
「はい、バールでなくて、バールの様なものです」
「バール…バール…バーロ…バーロー…はっ…」
「どうしました?」
「犯人が分ったのだわ!」
「じゃ、聞きますが犯人は誰ですか?」
「バーローよ!」
…私、就職先間違えたかな…涙が…
「所長、たった一つのヒントで答えを求めてしまうのが、貴女の悪い癖です」
「じゃあ、答えは…」
「はい、じゃあまずはヒントの整理をしましょうか。まず、凶器はバールの『ようなもの』です。つまりこれはまだ凶器が見つかっていない事となります」
「そうね」
「次に、これは鑑識の人から聞いた事ですが…死体発見時間は今日の12時30分頃
死亡推定時刻は今日の12時あたりだそうです」
「その時この家に居たのは?」
「妻の柴崎マツさん、孫娘の翠星石さんに蒼星石さんです。それに、息子のカズキさんですね」
「それで?」
「今日の昼頃の容疑者のアリバイは…」
「妻のマツさんは庭で植木に水やり、娘の翠星石さんは昼食作り、蒼星石さんとカズキさんは屋根の修理をしてたそうだ」
「あらジュン、話し合っている間に割り込むなんて、お行儀の悪い子ね」
話に割り込んで来たのは桃種市警察署捜査一課警部の桜田ジュン警部
うちの所長とは知り合いの様で、たまに助けてくれる人です
「…で、この点から犯人は見当ついたか?」
「考えられるのは、家族全員による犯行ですね」
「根拠は?」
「まず、翠星石さんは家の中にいた筈ですから、被害者の声が聞こえる筈です」
「口にガムテープみたいなものを貼られていたら…」
「遺体の近くにも、ごみ箱にもガムテープらしきものは発見されなかった」
さて、謎は深まるばかり…ですが、ひょんな事から謎は全て解ける訳です
「警部!」
「どうした?」
「現場に、猫の毛が」
猫の毛?
…もしや
「すいません、被害者がいた部屋について教えて頂けませんか?」
「分かったの? ワトソン君」
「私が考えている事が正しければ」
「部屋には和箪笥と模造刀ですが日本刀が置いてありました」
「どの様な感じでしたか?」
「被害者が部屋の床の間の近くで倒れており、頭の近くに模造刀がおいてありました」
…謎は解けました
「わかりましたよ」
「え?」
「これは殺人事件じゃあありません。事故です」
「事故?」
「はい」
考えてみれば簡単な事です。ま、検死に回さなければ確定はしませんが…
「説明なさい」
「これはですね…猫なんですよ」
「猫?」
「はい。猫です。もしかして…柴崎さんは猫が嫌いではありませんでしたか?」
「ああ、市内でも有名な猫嫌いと聞いている」
「現場の窓も開いていましたし」
「もしや」
「ええ、考えてみれば簡単な事。猫が柴崎に飛び掛かったんですよ」
「まさか、それに驚いた柴崎はショック症状を起こして…」
「その通りです。そのまま転倒して、模造刀に頭をぶつけたんですよ」
「なら説明がつくな。そうすれば凶器が見つからないのも納得する」
「その猫の毛、鑑識に回して下さい。多分近くの家の猫が逃げ出したんでしょう」
その後、猫の毛は隣りの家の猫のものと一致。丁度逃げ出した時間と死亡推定時刻が重なっていたので、事故という事で決着がつきました
「いやぁ、解決できて良かったですね」
「結局貴方が解決したようなものじゃないの」
「まぁまぁ、そんな事言わずに…」
「全く…早く紅茶を淹れるのだわ」
「了解です。所長」


第一話・完

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