※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

【恋愛百景】Little Player
最終話~天国と空~


「遂に出来上がったの~」
嬉しそうな顔をして飛び付いて来る雛苺
先日のの出来事(第四話参照)の後、まぁ色々あったんだけどその後も俺達は楽しくやらせて頂いています
これはそんなある日の出来事な訳で…
「出来上がったって…作品出来たの?」
「そうなの~」
「凄いね…」
「凄くなんか無いの」
「いや、十分凄いよ。俺なんかまだ出来て無いもん」
「うゅ?」
「…いや、何でもない。ちょっと作品見せてくれないかな?」
「うぃ~」

…流石は雛苺…この色づかい、タッチと共に…
「やっぱり雛ちゃんは天才だ…」
ふと漏れてしまった一言
「ううん、ヒナは天才なんかじゃないの」
「いや、天才だよ。人をここまで魅了させる事が出来るのは、ある種の才能だよ」
それに比べ、俺ときたら…
「俺の作品は…まだ駄目だよ。やっぱり、雛ちゃんみたいな才能が…」
-パチン
頬を叩く音
気がつくと自分の頬に痛みを感じていた
「自分を低くしないでなの!」
「え?」
「ヒナは部長に絵を描く楽しさを教えてもらったの! ヒナ、難しい事は分からないけど…でも、ヒナは部長の絵が、部長が大好きなの!」
「雛ちゃん…」
「だから…だから、自分を低くしないの…」
「そう…だよね。うん、そうだ」
「それで良いの~」
「そう言えば雛ちゃん」
「うゅ?」
「作品名は?」
「うゆ…『パラディーゾ』…」
「『パラディーゾ』…フランスがどっかの言葉で、天国って意味だっけ?」
「そうなの」
天国…か…良いね
「雛ちゃん…まだ途中だけど、俺の作品…見る?」
「良いの?」
「雛ちゃんなら大歓迎」
「うぃ~」
俺は描きかけの作品を見せる
「…」
雛苺の言葉がつまる
俺が描いたもの。それは…
「あの日の空…なの」
俺が雛苺と初めて知り合った日
その日の青空
「懐かしい?」
「懐かしいの…」
「この作品の為にさ…ずっと空の資料を集めてたんだ…」
「部長…」
「どうした?」
「部長も…天才なの…」
「ありがとう…」


それから一か月後…
町の展覧会には、有栖学園の生徒の作品が並んでいた
その作品名は『パラディーゾ』と『空』
その作品は、まさに作者同士の関係の如く、仲良く並んでいるという

 

【恋愛百景】Little Player・完

|