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 姉ちゃんが出ていって、すぐに真紅と雛苺も出ていった
荷物を取りに行ったらしい
それにしても、下僕の貴方が荷物持ちをしなさい
って言うと思ってたんだがな
考えてみれば、下着とか見れたくない物もあるからな
 そうだった!!
今日から真紅が家に住むんなら、俺の部屋が危険だ
急いで自分の部屋へと向かい
余分な物を押し入れの出来るだけ奥へと押し込んだ
今は時間が無いから、これしか浮かばなかった
「どうだ!!」
手前の方は空いているのに、反射的に゙奥べと思い
無理矢理、奥へ押し込んだ、したら、今度は手前の物が落ちてきた
「まったく」
落ちてきたのは、見慣れた、小さな箱、蓋に゙さくらだじゅん゙と書かれた
「……」
その箱を一番奥にしまった
「……ごめんな」
色々と無理矢理に押し込まれた、押し入れの扉を閉めた
「……これで」

ピンポーン
「ジュン君、開けなさい」
インターホンと同時に真紅の声がした
インターホンの使い方も知らないのか?
そう思いながら玄関へ向かい、扉を開けた
「まったく、主人を待たせるなんて、使えない下僕なのだわ」
「悪かったな」
「早く持ちなさい」
真紅は少し、レトロな感じの鞄を俺に差し出した
ここで、何か言っても結局は、下僕が、下僕だから、と言うに違いない
「分かったよ」
とりあえず、真紅を俺の部屋に案内をした
「ありがとう」
部屋に着いた途端、真紅は鞄から小さな箱を取りだし中身を確認して安堵した
「なんだそれ?」
気になり、中身を覗いて見えたのはペアの指輪
「指輪?」
「ローザミスティカよ」
「ローザ……ミスティカ?」

その指輪を彩る宝石は見たことの無いような神秘的な輝きをしていた
「そう……これがアリスゲームへの参加資格」
「参加資格?」
「言ってなかったかしら、このローザミスティカをお父様の息子の指にさせた者がアリスになれる」
つまり、これが婚約指輪か
「もし、これが壊れたら?」
「……それは」
沈黙が流れる
多分、真紅自信も考えたくないのだろう
それくらいにローゼンが大事なのか?

静かな空気を掻き消したのは真紅ではなかった
「ただいま~」
姉ちゃんが帰って来た
「……下に行くか」
「そうね」

「ちょっと待っててね、すぐに作るから」
下に降りると姉ちゃんが台所で、夕飯の用意をしていた
仕方なく、俺と真紅はソファーに腰を掛けテレビを見ていた
時間が夕方なだけに、ニュースが多く、ニュースは見る気がしかなく、たまたまやっていた、くんくん探偵をつけたら
真紅が異様な反応をした
 まさか!! こんなのにローゼンが関係を!?
と思ったが
「くんくんは天才だわ」
気のせいだったみたいだな
くんくん探偵が見終わるとちょうどよく夕飯の支度も終った
夕飯の後はこれといった事もなく、俺と真紅は各々の部屋へ
姉ちゃんは夕飯の片付けや洗濯
特に真紅と話すことも無かった
と言うか、ローゼンの事がまだ理解出来なく、インターネットで調べてみた

――ローゼン、彼は
このサイトは私的な小説
――薔薇園・ローゼン
ここは薔薇園の名前がローゼン

「何で無いんだ? あいつらが嘘を付いたとか?」
そんな訳ないよな、初対面に嘘なんて
「んっ? ここは何だ」
何気に目についたサイトをクリックした

――ローゼン、彼に対する情報は無い
「そんなこと、探してたら分かるよ」
――数人の子孫がいるらしい
「あいつらが話した事、だけだな」
――狙われるている
「ローゼンとその子孫の絶対的権力を求め、命を狙われている」
 何だこれ? 命?
また突発的な話が
まぁいいや、俺には関係無い事だ
パソコンを閉じ、床へ就いた


「う~ん」
何かが目を刺激する
カーテンは……閉めた
電気も……消したはずだ
分からない、刺激に眠気が無くなり
ゆっくりと瞼を上げた
「う~ん」
眩しい、やっぱり閉め忘れたみたいだな
それにしても、朝から日が強いな
金色の糸が……
「んっ?」
金色の……糸?
「真……紅?」
「やっと起きたのだわ、まったく……」
あれっ?
どうして此処に……
「真紅!?」
「なっ何なのだわ!?」
そうだった、昨日から家に住むことになってたな
「まったく、下僕の貴方が私よりも遅く起きるなんて」
「今何時だよ」
寝惚けながら、枕元にある眼鏡を掛け時計を見た
「六時……半!?」
「それがどうしたのだわ」
「まだ三十分も寝れたのに」
「そんなことより、朝御飯は?」
「そんなの、姉ちゃんに……」
部活だったっけ、朝飯は作ってるだろう
「下に行ってみるか」
全然、頭が回らない
何で俺の家なのに、ぐっすり寝れないんだよ
そんなことを考えながら朝食を口にした
そういえば、誰かと食べる朝食は久しぶりだな
親は居ない、姉ちゃんも部活
本当に久しぶりだな
「思い出し笑いかしら?」
「そんなんじゃないよ」
思い出し笑い?
今笑ってたのか俺は?
「さて、食器を片付けるか」
「私は先に着替えてくるのだわ」
片付けは俺がやるのね

「まったく」
食器を片付けた後、部屋に戻り
渋々と着替を始めた
ガチャッ
「ジュン、早くなさい」
「もう、行くのか?」
時間は七時半
いつもなら、この時間に朝食を食べているのに
「下で待ってるから、早くなさいよ」
「分かったよ」
俺はシャツに着替え
制服の袖に腕を通した
「こんなもんだろう」
寝癖は無いか一応確認して一階に降りた
「行くわよ」
俺の姿を見るやいなや真紅は玄関の扉を開けた
あと数歩で一階に着くのだから待ってくれてもいいのに
「ちょっと待ってくれよ」
「十分待ったのだわ」
そう言いながら真紅は玄関の扉を閉めた
「勝手なご主人様だことで」
真紅の後を追う様に俺も外へ出た
「行くわよ」
「ちょっと、待って」
急いで玄関の扉に鍵をした
「いい?」
「ああ」
「そう、いってきます」
文化の違いか分からないが言うタイミングが違わないか?
「ほら、ボサっとしてないで行くのだわ」
そういえば、ここ数年言ってなかったな
「分かったよ……いってきます」
「ところで、さっき何か言ったかしら?」
「何を?」
「勝手なご主人様とか」
これが噂の地獄耳か?
「いっ言ってないよ」
真紅が俺の顔を見て様子をうかがっている
「本当だって」
「なら、いいけど」
本当に大変な主人だよ


~翠星石・五部完

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