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【恋愛百景】Little Player
第一話



俺には、幼馴染みが居る
苺大福が大好きで、絵を描く事が大好きで…
どこか大人で、でもやっぱり子供で
いつも笑顔の…大切な…幼馴染み


「うゆー、部長、起きるの」
「雛苺…乗っかんないで…辛い」
ここは有栖学園美術部部室
部員男子3名、女子5名の小さな部活
俺はその部活の部長を任されている
「部長がしっかりしないと駄目なの」
「駄目じゃないでしょ、俺が居なくても何とかやっていってるし」


「そうじゃないの」
「じゃあ何だよ」
「副部長は、皆でやりたいんですよ。部長」
そう言うのは後輩の白崎
「そうなのよ」
「全く…分かったよ」
「それで良いの」
はぁ…結局雛苺のペースに乗せられているな。俺
とはいえ、俺の作品はほぼ完成しているし、また新たな作品を作る気も無い
「雛苺~、絵、見して」
「うよ? 良いの」
俺は雛苺の絵を見る
鮮やかな色彩の世界…多分そこらの美大生には負けないだろう
そこまで人を魅せるものがあるのだから


「流石だね」
「えっとね…部長のアドバイスを生かしてみたの…」
「そうか…」
そうこうしている内に部活動が終わる
部室に残っているのは、俺と雛苺だけ
「悪いね。手伝わせて…」
「ううん、平気なの」
「でも悪いね…今日の帰りに苺大福でも奢るよ」
「うよーい、うにゅーなの~」
さて、片付けも終わったし…行こうか
「ほら、行くよ。雛苺」
「待つの~」
学校の帰り道
たった二人の影
この世界に居るのは、俺たちだけじゃないのかと思う程に


「雛苺」
「うゅ? 何なの?」
「いや、ただ呼んだだけ」
「酷いの~」
笑いながら不死屋に入って行く
多分店員が見たら、仲の良い兄弟だと思うだろう
「ほら、一つだけだぞ」
「ありがとうなの」
「こちらこそ、いつもありがとう」
不死屋から出て行く
俺の家と雛苺の家は隣り同士。なので帰り道も変わらず
いつも通りの帰り道
「部長、今日はうにゅーありがとうなの」
「こちらこそ、今度から真面目にやるよ」
「部長…」
雛苺が俺の顔を見つめる
これは今だから言えるが…
俺は、人が恋に落ちた瞬間を初めて見てしまった

第一話・完

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