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『K』~雛苺と黒猫の物語~ 第四夜

……雛苺は偉いわねぇ
凄いわよ!雛苺
やったやったぁ雛苺おめでとう!

雛「……ぅゆ……ムニャムニャ…うよ?!」

いつの間に寝ていたんだろうか………何か楽しい夢を見ていた気がする。

雛「……猫…さん………」

頭がボーっとする。寝起きだし仕方な……猫さん!!
そうだ!昨日から猫さんがいたのよ

雛「猫さ~ん。朝なのよぉ」

返事がない。
隠れてる?とは言ってもこの部屋以外にはキッチンとトイレとお風呂だけで隠れられる場所なんてない。

雛「猫さん……」


欠伸がでた。
さっきから欠伸はでるのに寝付けない。なぜ寝れないのか、その原因もわかってる。

『雛苺…か』

初めて触れた暖かさ…今まで望んでも手に入れられなかったモノ

『ったく。俺らしくねぇぞ! 俺は孤高の黒猫だ バカな人間となんか一緒にいられねぇよ』

迷いを打ち消すように叫び、目を閉じた。


『ーだぁっ!クソ 寝れねえよっ!!ったく』

目を閉じてじっとしている時間がとても長く感じられた…が、せいぜい2分程度であろう。
猫は暇を嫌う。

いや、スマン
他の奴らのことは知らねぇから『俺』は暇を嫌うにしとく。いつもなら寝て、食って、寝て、毛づくろいして、寝りゃぁすぐ1日が終わるってぇのに…

『散歩でもするかな』

俺が住んでるこの街は小さい。
商店街とその真ん中にある噴水広場。そしてそれを囲むように家が建ち並んでいる。
そんな小さな街だが俺は割とこの街が好きだ。
食いっぱぐれることのない食事処、静かな街並み、そして……

それに、最高の昼寝スポット。
家が建ち並び入り組んだ小道を抜けるとそれはある。
テニスコートの半面くらいの広さで周りをレンガの壁で囲まれている。
その半面ほどのスペースだけが、まるで神様に選ばれたかのように太陽の光があたっている。
そこで寝るのが最高なのだ。

『んーーっ!』

伸びをして座り込む。
ポカポカで気持ちいい

『……さすがに…ねむ…くなっ…』

心地良いひだまりの中で眠りについた

雛「うゆ~ 猫さん…どこいっちゃったのよぉ」

とりあえず探すしかないのよ!


雛「猫さ~んいないの~?」

商店街にはいないのよぉ

雛「猫さん?返事するのよぉ」

「にゃー」

雛「猫さん!?」

バッと振り返るも、そこにいたのは太ったブチ猫だった。

雛「なぁんだ。デブチ猫なのよ。まぎらわしいのーッ!!」

いわゆる猫違い。
なかなか猫が見つからないので少し気が立っているようだ

『………ん~』

目が覚めると太陽が沈み始めていた。

『だいぶ寝たな やっぱ俺は俺だな。悩みがあっても結局寝れる』

ハハっと1人で笑った。

『んー……少し腹が減ったな。ベジータにでも行くか』

そうして俺はベジータへと向かった…

雛「ぅゆー……」

太陽が西の空に沈もうと準備をしている時だった。

雛「…見つからないのよぉ。猫さんどこ行っちゃったなの……」

半ば諦めた様子で、噴水の縁に腰をかける雛苺。
不意に涙がこみ上げてきた。

雛「……ヒック…ッ………こッ…の街で…はじッめて……の友達…ゥグ…思った…のよ…」

必死で涙を堪えようとしていた。

『あー…今日は何食おう。この前は鯖だったし……今日は…』

そんなことを考えているとすでに、ベジータのすぐ横の脇道に立っていた。
今日も今日とて、アホ面のM字ハゲが店先でうたた寝をしている。

『さぁて…』

声と共に走り出し、ターゲットを決めると後ろ足に力を溜め勢い良く地面を蹴り、飛び上がる。
アジを一匹くわえた……瞬間

べ「ヌハハハハ!かかったな!!バカ猫がぁーッ」

ベジータが突然起き上がり、右手を振りかざす

『ーちぃっ!こいつ狸寝入りしてやがったな!?』

着地の瞬間サイドステップで、ベジータの拳を紙一重でかわし逃げ出した。

べ「待ちやがれー!!」

心底悔しそうな顔をして、叫ぶベジータ

『だれが待つか!バーカ』

ベジータから逃げたその足で俺は噴水広場に向かった。

『ったく、ハゲのせいでアジに砂がついちまったじゃねぇか』

アジについた砂を落とすために噴水広場に向かったのだ。

『~~♪』

上機嫌、スキップ混じりで噴水広場に行くと

『~♪……ッ!?』

俺が反転して逃げ出すよりも早くそいつはこっちに気付き

雛「……ッ!!猫さん!! どこ行って……って、なんで逃げるのよぉ!?」

俺が全速力で逃げているのに、後ろから雛苺がものっそいスピードで追いかけてくる。
人間が俺達、猫に追い付くなんてあり得るはずがないのに徐々に差を縮められ……

『ッ!?』

雛「へへぇ、捕まえたよ?猫さん」

こいつ人間じゃねぇよ……

雛「もぉ、なんで逃げたの?なんでウチに帰ってこないのよ?」

『……うっせぇよ』

雛「……猫さん、黒猫だとか、不吉を運ぶとかそんなこと気にしてるんじゃないの?」

『………』

雛「ヒナはそんなこと気にしないのよ?言いたい奴には言わせとけ!なのよ」

スッと俺を抱き上げ

雛「ヒナは猫さんが必要なのよ?この街で最初の友達だから。だから………ね?」


続く
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