※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

「新説JUN王伝説」~序章~
第19話

ジ「武闘暗殺組織…SODOM…?」
ジュンは牙喪守の口にした聞きなれない言葉に困惑した
牙「クックック…別に貴方が知る必要はありません…何故なら貴方はここで死ぬのですからねッ!!」
ジ「!?」
刹那、牙喪守が凄まじい勢いでジュンの眼前へと迫る
牙「シャアッ!」
ジ「ぐっ!!」
一閃…牙喪守の横薙ぎの手刀がジュンに襲いかかった
しかしジュンはギリギリの反応でそれを紙一重にかわす…
牙「ほぅ…なかなかの胴体視力ですね。
だがこれならどうです!?」
続いて牙喪守はジュンへと無数の手刀を超速で繰り出した
その凄まじい拳圧に大気が切り裂かれヒュンヒュンと音を立てた
ジ「うぐっ…くっ!」
ジュンは慌てて『鋼皇』を発動しそれを防御しつつ捌いていくが…
『バシュッ!…バシュッ!』
ジ「っ!?」
牙喪守の繰り出す超速の刃はジュンの体を少しずつ切り裂きながら体力を奪ってゆく…
牙「ほらほら…どうしましたか?このままではうっかり貴方の首を切り落としてしまうかもしれませんねぇ…」
牙喪守は防戦一方のジュンへと残忍な笑みを向ける
だがこのままでは牙喪守の言うようにいつか致命傷を受けてしまう危険があった


ジ「く…くそっ…(だが下手に防御を解くと…それこそ命取りだ……ここは!)」バッ
牙「むっ?」
ジュンは足に全神経を集中すると一瞬で後ろへと跳び間合いを取った
ジ「はぁ、はぁ…」
牙「ふっ…まぁいいでしょう。あのまま殺してはつまりませんからね…
さて、そろそろお遊びはいいでしょう?早く北斗神拳を使いなさい。」
ジ(くそったれ…なんて出鱈目な速さと切れ味だ…これがお遊びだってのかよ!?ガードした腕がボロボロだ…)
牙「使わぬというなら……早々にその首、貰いましょうか!」
『グワァッ!!』
ジ「!?」
その瞬間、牙喪守から凄まじいまでの殺気が周囲に放たれた
しかもそれは、円谷が赴任してきたあの日にジュンが感じたものと全く同じものであった
ジ「この殺気…まさか!!」
牙「えぇ…私はこの数日ずっと貴方を監視していましたからね…クックック。」
牙喪守はそう言うとゆっくりと構えを取る
牙「邪咬愕爪拳…これが私の流派です……さぁ、踊りなさい!!」
再び牙喪守がジュンへの間合いを詰める
ジ「ならば見せてやる……僕の北斗神拳をな!!」
『剛ッ!!』
ジュンは全身から闘気を迸らせる
牙「これが…」
ジ「ぬぅぁぁああああああああああ!!」


やがて膨張した筋肉に耐えきれなくなったジュンの制服が音を立てて破れ散る…
J「北斗神拳奥義・転龍呼吸法!!」
牙「面白い…貴方の器、見せて頂きます!!」ヴァン!
牙喪守の刃は鋭い音を立て再びジュンを捕らえた
牙「つぁああああ!!」
そして続けざまに連続で放たれる拳はジュンにめり込み…
牙「ハイヤァア!!」
J「!!」
最後に繰り出かれた足刀蹴りを受けたジュンは大きく吹き飛び背後の壁を砕いた
牙「ふっ…他愛もない…これが最強の暗殺拳とは……」
J「…言いたいことはそれだけか?」
牙「何ッ!?」
しかしジュンは崩れた壁の中からゆっくりと立ち上がり牙喪守を見据えた
J「転龍呼吸法の極意は静から動に転ずるところにある…それを見た者には死・あるのみ…」
牙「クックック…やはりそうこなくては面白くありません…さぁ!もっと私を楽しませてください!!クックック…アーハッハッハッ!!」
J「その耳障りな笑い…止めてくれよう!!」ドンッ!
今度はジュンが牙喪守へと間合いを詰める
牙「クックック…てええええぇぇぇッ!!」
J「覇あぁっ!!」
牙喪守とジュン…2人の拳が交錯し轟音を響かせる…
牙「シャシャシャシャシャアアア!!」
J「うぁたたたたたたたたたぁッ!!」


双方は凄まじい勢いの連撃を繰り出してゆく
その一進一退の攻防は永遠に続くと思われた。
だが…
J「うわたあぁぁ!!」
牙「ぐぬっ…!」
一撃…ジュンが放った拳が牙喪守の体を捕らえた
J「うぁたたたたたたたたたたたたたた!!」
その勝機を確実なものとするべく、ジュンは更に拳速を上げ牙喪守に連撃を浴びせた
牙「ぐ…うぬっ…!」
J「終わりだ…」
ジュンは牙喪守の鳩尾に右掌を乗せ、その一点に闘気を集中させる
J「北斗剛掌波!!」
刹那、ジュンの掌から迸った闘気による衝撃は大気を震わせ大地を砕いた
牙「ぐおおぉぉッ!!」
そしてその衝撃を零距離から受けた牙喪守は大きく吹き飛び、大地に叩きつけられ転がった

ジ「はぁ、はぁ……勝った…ぐっ!!」
ジュンは突如全身に走った激痛に顔を歪めその場に膝を付いた
牙喪守の凄まじい攻撃と転龍呼吸法を実戦に使ったことによる激しい肉体への付加、加えて全ての闘気を放ったことによりジュンの肉体には深刻なダメージが反動となって返ってきたのだ
ジ「あと一歩間違えば…僕がやられていたな……」
だがその時であった…
「クックック…アーハッハッハッハッハッハッ!!」
ジ「!?」


周囲に再びあの笑い声が木霊した…
ジ「ま…まさか…」
牙「貴方こそ…あの程度で私を倒せるとでも思ったのですか?クックック…」
立ち込める砂塵を体で切り裂きながら再び牙喪守が姿を現した
牙「北斗神拳…やはり噂通りですね。ですが、それを使う貴方の体がそれに付いて行けてない…なんともお粗末です。」
ジ「くっ……ぐああああああ!!」
再び立ち上がろうとしたジュンの体を激痛が襲う
牙「それみなさい……そうだ、貴方を殺した後は貴方のお宅を襲いましょう。きっとそこには北斗神拳を記した何かがあるはずですからねぇ…」
ジ「!?」
ジュンの脳裏に家にいる姉の顔が浮かぶ。
もしこの悪魔のような男が家を襲ったなら姉は確実に殺されるであろう
ジ「や…やめろ……」
牙「ふんっ!」
『グシャア!』
ジ「ぐああああああああああ!!」
牙喪守はジュンの体を思い切り踏みつけると再び冷酷な目を向けた
牙「クックック…ご心配なく。貴方のお姉さんも寂しくないようちゃんと殺してあげますから…」
ジ「や…やめろ…姉ちゃんは関係ない…」
牙「クックック…いいですねぇ…その目は…さぁ、何も守れない無力な自分を恥じなさい…悔やみなさい…その絶望の中で息絶える者の姿こそが私の最大の悦びなのですから…」

ジ「くそっ…ちきしょう…ちきしょう……」
ジュンは悔しかった…ただ悔しかった…
強くなって大切な人達を守る…そう決めた筈なのに
今まさに自分の弱さのために大切な家族の命が消されようとしている。
その現実は今自分の命が消える恐怖よりも遥かに勝りジュンはただ冷たい涙を大地に吸い込ませていた
牙「さぁ…終わりです。貴方の技はちゃんと私が受け継ぎましょう……新たな人殺しの道具としてね!!」
牙喪守の鋭い拳は刃となりジュンの首を落とすべく降り下ろされた…

『ガッ!!』




永遠とも思える一瞬…
だがジュンの首に牙喪守の刃が降り下ろされることはなかった…
ジ「……え?僕…生きて…」
ジュンは覚悟を決め固く閉じていた瞳を開く…するとそこには自分を腕に抱えて立つ円谷の姿があった
円「大丈夫か?」
ジ「先生…」
円「よく頑張ったな、君の拳…確かに見せてもらった。どうやら君は守るに値する存在のようだ。」
ジ「何を…言ってるんですか?」
円「すまない、君が只者ではないことはわかっていた…だがそれが悪意あるものならば俺がこの手で君を始末するつもりだった。
だがそれは違ったようだな…」
円谷は小さく笑うとジュンを壁へと寄りかからせた

円「後は俺に任せて、君は休んでるんだ…」
円谷はジュンにそう言うとネクタイを外して牙喪守に向き合った
円「牙喪守……俺の生徒をよくも可愛がってくれたな。この礼は高くつくぞ…」
牙「その顔……おやおや、誰かと思えば裏切り者の邊鬼羅ではありませんか…本当に久しぶりですねぇ…」
円「俺をその名で呼ぶな…あの頃の俺は“あの人”が殺してくれたからな…」
ジ(邊鬼羅…?先生のことか?それに…あの2人は一体……)
ジュンは2人の間で交わされる会話に耳を傾けながら痛む体で思惑していた

牙「クックック…あの老いぼれに何を吹き込まれたかは知りませんが、貴方が私と同じように多くの人を殺めてきた事実は決して消えることはありませんよ?」
ジ「!?」
ジュンは牙喪守の言葉に驚愕した
ジ(まさか…先生が?嘘だろ……)
そのジュンの視線に答えるように円谷は言葉を続ける
円「あぁ、そうだな…俺のこの手が数え切れないほどの血で汚れていることは確かだ……だが!!
俺は生きる…今まで殺めてきた多くの人の罪も背負ってな!そして、貴様らのような奴らを決して許してはおかん…
それが俺のせめてもの罪滅ぼし…俺の生きる理由だ!!」


ジ「先生…」
円谷の覇気を含んだ言葉は衝撃となり周囲に…そしてジュンの心の中に響き渡った
牙「クックック…アーハッハッハッ!詭弁ですね、例えどんな美辞麗句で飾ろうとも貴方は…」
ジ「違う!!」
牙「……何?」
ジ「先生を…お前みたいなただの人殺しと一緒にするんじゃない……僕にはわかる。先生が本当に過去の自分を悔いてることが…お前らのような奴らから本当にみんなを守りたいと願っていることが!!」
牙「黙りなさい小僧!!
…いいでしょう、北斗神拳を我が手にする前に…邊鬼羅、まずは貴方を血祭りにしてさしあげますか…」
牙喪守がゆっくりと邪咬愕爪拳の構えを取る…
円「フッ…よかろう、俺を以前の俺と同じだと思うなよ?」
そして円谷もまた牙喪守に対抗してゆっくりと構えを取った
円「我が師から授かった護りし者の拳、その目に刻め…
円谷英二……参る!!」
牙「来なさい…シャアアアアァァ!!」
円「エィヤァァアアアアアアッ!!」

円谷と牙喪守が同時に仕掛ける
今、ジュンの目の前で正義と悪…その互いの全てを賭けた激闘が幕を開けたのであった……

|