あの世に嫌われている私達ですがそろそろ旅立ちのときみたいです
始まりがあれば終わりがある、それって世の中のルールよね
「まぁな」
ねぇ…今日私達は退院する訳だけど
「今思うと、色々あったよなぁ…」
あ、それ私が言おうと思ったのに…
「良いじゃねぇの」
ねぇ、そう言えば私達が初めてあった時の事、覚えてる?
「何を急に…」
あの時から比べれば、私達は成長したのかな?
「さぁな…休みまくりで進級が危ぶまれている俺が居るんだから」
私の様に休学届を出せば良かったのに…
「先輩に色々言われるからね…」
やっぱり上下関係が厳しいんだ
「ま、どこも一緒だよ」
あ、退院する前に…一つ良い?
「なんだい?」
屋上に行こう。楽器持って
「仕方ないな…ほら、行くぞ」
はいはーい
「やっぱりまだ冷えるな…」
予想はしていたけどね
「楽器持って屋上に行くって事は…さて」
準備は良い?
「ばっちりだ」
♪Country road take me home~
「to the place I`ll belong…」
ねぇ、私こうして歌いたかったの。君と…一度で良いから
「俺も…そうかもしれなかったのかもしれない…」
今楽しい?
「勿論さ」
水銀燈「私も混ぜてぇ…」
はぁ…屋上で調子に乗って歌いすぎた…
「流石に疲れた…」
そうね…はぁ…喉が痛い…
「そうだ、柿崎…」
どうしたn…
「どう?」
どう? って…凄く…喉飴です…
「ああ…次はこいつだ…」
ちょっと、マックスコーヒーは反則…美味しいけど
「あはははは」
くすくすくす
「…こうやって笑ってられるのも、今日で終わりなんだよな」
そうね、始まりがあれば終わりもある。いえ、始まりがあるからこそ、終わりってあるのよ
「お前からそんな言葉が出てくるなんて…成長したな」
あら、あなたは成長してないの?
「俺は全く変わって無いだろ」
そうかなぁ…
「さて、そろそろ荷物まとめて、帰るとするか」
あ、ちょっと待って
「ん? どうしt…」
-チュッ
あら、口パクパクさせて…可愛い
「いきなりキスはねーよ…」
でも気付いてたんでしょ?
「まぁ…ね」
だったら、私に言うべき事があるんじゃない?
「分かったよ…ったく…柿崎…好きだよ…」
私もだよ…
-チュッ
水銀燈「お熱いわねぇ…」
水銀燈…
「とりあえず空気読もうな」
水銀燈「あらぁ、祝福しているのに?」
タイミングというもの考えなさい
「…さて、これで終わり」
私も…
「じゃ、行くぞ、柿崎」
私の事はめぐって呼んでよ
「分かったよ…行くよ、めぐ」
よろしい
そして時は過ぎ…
私はあなたと結ばれた
大好きだったあなたと結ばれた
退院してから3人で行ったディズ○ーシー…
映画館…海…
でも一番嬉しかったのは、あの日彼が私にくれた指輪
そしてほら、今もそこにいる…私の親友…
皆さん、私、柿崎めぐは…とても幸せです
あの世に嫌われているけどそろそろ旅立ちのときみたいです・完