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「フゥゥーーーッハハハハハハァ!!!」
ミサイルが、ビームが、街を縦横無尽に破壊していく。
外見の奇天烈さとは裏腹の破壊力と装甲は警察車両からの射撃も
物ともせず逆にその警察車両を悉く粉砕する。
「ハァァァ~~~~~ッハハハハァ!!見ろ見ろみろみろろろろ見るがいい!!
 流石最強!流石俺様!流石この無敵サイヤカカロット1号!世紀末ハシャゲの
 ヤンチャボーイも真っ青のこの破壊力はまさしくグレェーーーィト!!」
カカロット1号のダンボールを繋げて作ったような腕がビルをなぎ払う。
轟々と音を立ててビルは倒壊する。
あちこちから上がった火の手がサイヤカカロット1号を爛々と照らす。
「まったく!まぁぁぁぁったくッ!弱いぜ!!よわ~~~~~すぎるぜ!!!
 強いは罪!強すぎるは素敵!!すてきすってっきーな響きだぁ~~~~!!!
 しかしどうしてローゼンメイデンは出てこないんだ?出られないのか?
 出て来れないのはアレなのか?ステッキーな俺に顔を合わせるのが
 恥ずかしいなんていう純情な恋する乙女だからか!?乙女なのか!?
 すげえ……すげぇぜ俺!!出会う前から乙女を一目ぼれさせてしまう俺!!
 さすが、俺ッッ!!やっぱり俺は宇宙ナンバーワン!!」
のたまうキチ○イ。砲身が火を噴きビルは更に倒壊していく。
「だったら!恥ずかしがる君のために俺のラブを!LOVEをあげよう!
 いくぞ!サイヤミサイル~愛をとりもどせればイイナッとかなんとか~ 
 ―――スパーキンッ!!」


直後大気を揺るがす大爆音、カカロット1号の胸部が開き無数の小型ミサイルが
発射される。夜空に数十数百の白い線が書き足されていく。
そして、爆発、爆発、大爆発。
「ひょーーーーっはははははぁあ!!素晴らしい!実に、実~~~にわんだふぉ!」
甲高い笑い声を上げるベジータ。
それに続いて上がる住民達の悲鳴。それを抑えるように警察は彼らの
誘導にあたる。破壊の光景を警察官達はただ眺めるしかない。
昨日の怪物にしろ、自分達は何もできずただ破壊を見つめるしかない。
そして今も、自分達では住民の避難もできず外部の協力、柏葉財閥の
協力を受けなければいけないという有様。
「まったく、不甲斐ないったらありゃしないねぇ……」
はぁとため息をつきつつ、破壊の光景を見つめる警部。
「警部!自分は……自分はこのままでは引き下がれないです!目の前で
 破壊活動を行われているのにこのまま逃げるのは耐えられません!!
 今すぐ署から武器を持ちだしてあの破壊ロボを―――」
「あのね、新米君。うちらの武器でアレが追い払えると思ってるかい?無駄無駄。
 それより今俺達ができる事をしないとだめでしょ」


「しかしですが!」
「今は住民の避難が優先。柏葉財閥の協力も受けてるんだからさっさと
 済まそうや。俺もここで無駄に命は捨てたくないんでねぇ」
そう言い警部はタバコを咥えつつ避難住民の誘導へ向かう。
「それは分かっていますが警部!!」
「ん~せっかく公務員になれたって言うのに退職まで生きなきゃ損でしょが。
 あっちの相手は機動隊とかの連中がやってくれてるんだし。退職後は
 安定した老後が待ってるんだしここで命捨てても無駄だよ~新米君」
「警部~~~!!!」
「ほれほれ新米君、そうやって頭に血を上らせたら寿命縮まるから怒らない。
 来年の健康診断で高血圧なんて診断されたくないでしょ」
「それとこれは別です警部!住民を逃がすなら尚更ここであの破壊ロボを
 足止めしてですね―――」
「あーはいはい」
のらりくらりと新米の言葉をかわす警部。と、ふと空を見上げた彼の視界。
瞬間、一つの影が彼の頭上をとてつもないスピードで飛び去っていく。
「おや?」
「どうしましたか警部?」
「いや、今、何か俺の頭上を越えて行ったような……」
ボリボリと頭を掻く警部。
「ん~、気のせいだな、多分」
「はあ……そうですか」
と、次の瞬間

「のっぎゃあああああああああああ!!!!??????」


大轟音、先ほどまで聳え立っていたサイヤロボが大きくその巨体を傾げ
ビルへと倒れこんでいた。
「な、なんだぁ?!」
倒れた際の衝撃、地震にも近い揺れに耐えるようにパトカーに手をつく警部。
住民達も近くのものに掴まったりしてその揺れに耐える。
「おいおい、一体全体何が起きたってんだぁ!?」
「み、見てください警部!!あの、ビルの屋上!!」
新米に言われ指差す方を見る警部。
そこに、立っていたのは1つの影だった。
月光と炎に照らされ、それは立っていた。
「むむむ!何だ俺の邪魔をするのは何処のどいつだ!?」
立ち上がり、衝撃の来た方に向きなおすサイヤロボ。
そして、ディスプレイに映ったその影を認識する。
「やいやいやい、そこの小さいの!俺を攻撃したのは貴様かぁ!?」
無言、返事はない。
ビルの屋上、給水塔に佇む影は瞬時消え、そしてサイヤロボの眼前に出現。
驚異的な跳躍が成した業だった。
「刃ァァッ!」
閃光、右手に掴んだ刀はビームサーベルに変化しサイヤロボの装甲と
火花を散らす。


「のほぉぉぉぉぉぉ!!??」
第二の衝撃、サイヤロボは大きくその上体を反らす。
「ぐぬぬぬぅ!!ええい、ローゼンメイデンが出てこないのにみすみす
 無様にやられてたまるか!くらえええい!」
サイヤロボの五指の先端が開き砲身が現われる。
砲火、銃弾の嵐が影に降り注ぐ。
が、しかし、その場にすでに影の姿はない。
疾走、影は尋常ではないスピードでマシンガンの嵐の合間を駆け抜けて行く。
「えええい!!そっちかぁあ!!」
影を追いかけるようにマシンガンの嵐は破壊の跡を残していく。
「雛苺っ!」
「りょーかいなのっ!!」
脚部装甲に浮かび上がる魔術文字、そして跳躍。
影、魔術師形態(マギウススタイル)になった巴の身体は宙を舞い、一回転する。
「喰らいなさいっ!!」
刀は魔力を帯び、ビームサーベルに顕現。回転したままの状態で
サイヤロボの脳天にその一撃を叩き込む。
「うおっほぉぉぉぉぉ!!??」
その強烈な一撃、装甲に皹が入り、小爆発が起きる。
紫電が走り、一瞬その動きが止まる。


「ぐぬぬぬぬぬぅぅぅ……へっ、やりやがるじゃねえか。良いぜ、だったら
 このサイヤロボのすごいところを余すところなく見せてやる!」
「――――っっ!?」
紫電の走る巨体を動かしサイヤロボが巴を振り払う。
巴はその巨大な手から逃れるように再び跳躍、近くのビルに飛び移る。
「ふっ、お前はローゼンメイデンが出てこない間の良い遊び相手だ!!
 ロボの魅力は何だ!そう、魅力といえば変形、パワーーーアップゥゥゥ!!!!
 カカロット1号、カイオウケン2倍!!!レッツプレイ!!」
ガシャンガシャンと子気味良い音を立てて頭部のドリルがぐるぐる廻りだす。
そして体表面が紫色のエネルギーの幕を張り出す。
「説明しよう!カイオウケン2倍はサイヤロボたるカカロット1号を
 パワーーーーアップさせるこの俺、ベジータさまの最高の
 発明の一つなのだぁぁぁ!!――――というわけで喰らえ、ポチっとな」
持ち上がる両腕、むくはトモエのいるビル、先ほどと同じマシンガンの攻撃。
だが、先程とは違う圧倒的物量による圧倒的破壊の嵐。
「くっ!!」
ビルの屋上を飛び降りビルの壁面を垂直に駆け下りるトモエ。
その後を先程とは比べ物にならないスピードでマシンガンの破壊が
後を追う。


「ハハハハハハハァァァァ!!!すごいぞ強いぞかっこいいぞカカロット1号!!」
心底嬉しそうに笑うベジータ、マシンガンの応酬は止まることなく
巴を追いかけ、巴は手も足も出せない状態に陥る。
「困ったね……住民の避難が済むまでの囮になるにしてもこのままじゃ
 アレにあたるのも時間の問題……どうにかしないと」
走りながら一人ごちる巴。
「うぃぃ~。あのウルサイの全然ヒナ達を逃がしてくれないなのぉ……」
頭に乗る雛苺も自分達を追うマシンガンの破壊を見てむぅと困った顔をする。
走るスピードを最大限まで上げて一気に引き離そうとする巴。
だが、それでもマシンガンの破壊が離れる気配は一向にもない。
「クッ……!」
苦々しく顔をゆがめる巴。と、雛苺が突然肩に降りてくる。
「ひ、雛苺!?肩に乗ってたら危ないから頭に戻って!!」
「えへへ。良い事思いついたのよトモエ。ヒナに任せて!」
そう言うや否やトモエの肩の上に乗った雛苺の口が術式を編み始める。
それは円形を作り、同時にトモエの身体の周りにも現われる。
「ひ、雛苺?」
「うぅぅ~~~~~~~…………うん、完成なの!!トモエ、行くなのよ!」
「え?」
そして、脳内の流れ込む情報の奔流。
燃えるように熱く滾る肉体、しかし魂は山中の湖面のように澄み渡る。
それは無形から有形へ、形ある術式へと変じ、確かな意味を持つ魔術師の覚醒。



「………そうか、そういうことね。ありがとう雛苺!」
「えへへ」
雛苺に微笑み、トモエはすぐさま前を向きなおす。
そして術式を体内で編み、それを外空間へと顕現させる式を展開する。
「はぁぁぁぁぁぁ………」
全神経が紡ぐその術式、世界へと介入する奇跡が放たれる。
疾走する巴の長黒髪、それが意志を持ったかのように蠢く。
同時、マシンガンの破壊が確かに巴を捉えた。
穿たれる地面、マシンガンが巴の頭上に降り注がれた。
しかし、
「なっ――――!?」
いない、確かにその場にいたはずの巴の姿はそこから掻き消えるように
なくなっていた。
「ど、どこだ!?何処に消えた!!??」
あわてるベジータ。サイヤロボの頭部カメラが巴を追う。
しかし、どこにもいない。
「―――ここよ」
声のする方向、それはベジータのまったく予想もしない場所であった。
頭部カメラの捕らえた先、ベジータはそれを確認した。
「な、なんだってぇぇぇぇ!!」
素っ頓狂な声を上げて驚くベジータ。


巴はサイヤロボを見下ろすように宙に浮かんでいた、否、浮かんでいた
という表現は正しくない。一見すれば宙に浮いてるかのように見える
その光景、しかし、良く目を凝らせば分かるだろう。
巴の黒髪は自身より更にその長さを伸ばし幾重にも成ってビルへと取り付き、
彼女自身の身体を支えていたのだ。
「ままままままさか!!その黒髪で俺の攻撃を咄嗟に避けただとぉ!」
「ご名答」
ニヤリと微笑み、巴はサイヤロボを見下ろす。
「えへへへぇ。おっ前なんかトモエの敵なんかじゃないのよ」
嬉しそうに笑う雛苺。
「そして、貴方に引導を渡してあげるわ。街を破壊した責任、しっかりと
 取ってもらいます!雛苺、行くよ!!」
「うぃなの!!」
解かれる黒髪、宙から地面へと落ちる巴の身体。
疾走る術式、膨大な情報、溢れ出た魔力が魔方陣を形成し二人を包む。
巴の術衣に刻まれた魔術文字が眩しいほどに発光する。
その魔力は呼び出される者の存在の大きさを示すように周囲の風景を
歪ませ捻らせる。
そして、聖約の言霊が高らかに叫ばれ詠唱される。




――――天球を乱せし桜乱よ!!

――――輪回する光の螺旋を纏い!!!

――――鎖縛の魔力を行使せよ!!!


――――汝、螺旋の桜花、ベリーベル!!!
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