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「「ジャンケンポン!」」
あいこ
「「ジャンケンポン!」」
あいこ
「「ジャンケンポン!」」
あいこ

かれこれ十分近くやってないか?
僕は先ほどからあいこを繰り返している二人の姉を見て思った
本音を言うとさっさと何所かに行ってしまいたい
だが当事者である自分がここを離れる訳にはいかない
ような気がする
と言うより後の報復が恐い
「はあ……。」
あの時、声などかけずに自分で良く探せば良かった


「なあ、姉ちゃん。耳掻き知らない?」
耳がゴロゴロするので耳掃除しようと思い
普段、薬や綿棒、耳掻きなどを入れている引き出しを探して見たのだが見つからず
仕方ないのでテレビを見ていた二人の姉に聞いてみる事にした
「耳掻き?何時もの場所に無かったかい?」
下の姉の蒼星石が聞いてくる
「無いんだよ。蒼姉。」
「どうせ、チビの事だから見落としてるです。もっとちゃんと探すです。」
上の姉の翠星石が言う
「ちゃんと探したよ。」
「うーん、何時もの場所に無いとすると……。」
「仕方無いですねぇ。」
二人ともテレビを見るのを止め耳掻きを探すのを手伝ってくれるらしい
持つべき物は優しき姉だね
さらにその姉が双子だとありがたさも二倍
そう思っていた
耳掻きが見つかるまでは……

探して見るとなんて事は無い
引き出しの奥に入り込んでいて見えにくかったらしい
まあ、見つかって良かった
蒼姉に「見つかって良かったね。」って言われて
翠姉には「これだからチビは駄目なんです。」って言われて終わる
と思っていた。でも……

「じゃあ耳掻きしてあげるから、JUN君こっちおいで。」
蒼姉が座って手招きしている
「へ?良いよ。自分でするし。」
「自分でするより。僕がしてあげた方が綺麗になるよ?」
それは嬉しい提案だが……
「良いよ。耳掻きぐらい自分で出来るよ。」
正直、膝枕で耳掻きして貰う。と言う図が恥ずかしい
「そうかな?じゃあ……。」
あ、ちょっと寂しそう
これなら頼んだ方が良かったかな?
「そうです。JUNの耳掃除は翠星石の仕事です。蒼星石は向こう行ってるです。」
あ、何か伏兵登場
「さあ、JUN。こっち来るです。」
翠姉が蒼姉の横で同じ体勢で手招きしてる
あのね。翠姉……
「ちょっと待ってよ。最初にJUN君の耳掻きするって言い出したのは僕じゃないか。」
「ふん。蒼星石は一度断られたんだから。諦めるです。」
「じゃあ、翠星石ならJUN君は断らないって言うのかい?」
「当たり前です。JUNが翠星石の提案を断る訳が無いです。そうですよね?JUN。」
「いや、別に自分でするから良いよ。」
ガーン!
あ、なんか今ガーンって音が聞こえたような
「ほら、翠星石だって拒否されたじゃないか。」
「こ、これは何かの間違いです。」
いや、間違いって……
「決めたです。翠星石と蒼星石で勝負して勝った方がJUNの耳掻きをするです。」
「良いよ。分かった。その勝負受けて立つよ。」
あの僕の意見はどこに行ったんですか?
とりあえず主張してみる
「あの、僕、別に自分でするつもりなんだけど……。」
「「JUN(君)は黙って(て)(るです)!」
はい、弟の小さな主張は姉の大きな権力の前に消えました
「勝負方法は?」
「ジャンケン一回勝負。これなら短期決戦で尚且つお互いハンディが無いです。」
「そうだね。利に適ってる。」
「じゃあ、いくですよ。」
「いつでも良いよ。」
「「ジャンケンポン!」」

こうして始まった二人のジャンケン対決
短期決戦で勝負をつける為にジャンケンを選んだはずなのに
勝負開始から十分間、二人とも同じ物を出し続けている
双子ってすげーな
性格的には似てない二人だけどやはり他の人には分からない繋がりが有るらしい
別にこんな事で二人の繋がりを確認したくないけど……
「「ジャンケンポン!」」
あー早く終わらないかな
「「ジャンケンポン!」」
逃げたいけど逃げたら翠姉ちゃん恐いしなー
「「ジャンケンポン!」」
蒼姉ちゃんもすっげー悲しそうな顔するだろうしなー
「「ジャンケンポン!」」
なんか平和的解決策ないかなー
「「ジャンケンポン!」」
そう言えばアイスが有ったな。あれでも食べておこう

「「ジャンケンポン!」」
アイスは食べ終わったけど二人はまだジャンケンを続けてる
もう、好きにしてくれ
一人で諦めモードに入っていると……
「あー埒があかねーですぅ。」
翠姉がキレた
「そうだね。このままじゃ決着が着きそうにない。」
なんか雲行きが怪しい
この流れは僕に決めさせるとかの流れじゃないの?
「こうなったらJUNに決めさせるです。」
はい、やっぱりそうですか
「そうだね。それが一番だ。」
いや、最初に自分でするって言ったじゃん
「「さあ、JUN(君)どっち(です)?」」

はあ、やっぱりどちらか決めなきゃいけないのか
頭の中で想像してみる
『翠姉の場合』
「さあ、大人しくするです。」
「ちょっと姉ちゃん!痛い!痛い!」
「えーい、五月蝿いです!大人しくするです。」
「蒼姉ちゃん!助けて!」
「ふん!JUN君が翠星石を選んだんだから僕は知らないよ。」
「そんなー殺生なー!」

ろくな目に会わない……
なら、蒼姉のだったら……
『蒼姉の場合』
「さあ、JUN君。こっちおいで。」
「お願いします。あー蒼姉の膝枕は癒されるなー。」
「ふふ、そうかな?」
「うん。最高。」
「ありがと。」
あ、これ良いじゃん。蒼姉に頼もう
……いや、待てよ
それをあの焼きもち焼きの翠姉が許す訳が無い
きっと……
「何で翠星石を選らばねーですか!それでもJUNは翠星石の弟ですか!
そんなだから何時まで経ってもチビなまま何です!」
とか言って云われ無き暴力を振るわれるに決まってる
それだけなら兎も角、蒼姉に耳掻きして貰ってる時に暴れられたりしたら厄介だ……

そうなるとやっぱり自分でするのが一番……
「あの姉ちゃん。やっぱり僕、自分で……」
ギロリ
ひぃ、翠姉だけじゃなく蒼姉にも睨まれた
やっぱり自分でするのは駄目なのね
そうなると
翠姉に頼むのも駄目
蒼姉に頼むのも駄目
自分でするのも駄目
って事になる
如何しろと?
「「さあ、JUN(君)どっち(です)?」」
……仕方ない
「じゃあさ、二人に片方ずつお願いする。ってのは如何かな?」
かなり苦し紛れの選択。これで二人が納得するとは……
「そう(だね)(ですね)」
「へ?」
「良く考えたら耳は二つあるです。」
「そうだね。そうしよう。」
あれ?何かあっさり納得した
「じゃあ、翠星石が左耳担当です。」
「じゃあ、僕は右側を。」
あー良かった。これで満足してくれたらしい
ようやくこれで解決した
と思ったら……
「じゃあ、翠星石が先にするです。」
「ちょっと待ってよ。先に言い出したのは僕だよ。」
「そんなの関係無いです。翠星石の方がお姉さんなんだから翠星石が先です。」
「それこそ何の関係も無いじゃないか。」
前言撤回事件未解決
「あの姉ちゃん達。僕はどっちが先でも……」
「「JUN(君)は黙って(て)(るです)!」
あ、またですか
「ジャンケンで決めるです。これなら短期決戦で尚且つお互いハンディが無いです。」
「そうだね。利に適ってる。」
いや、さっきそれやったじゃん
しかもそれで決着着かないから二人で片方ずつって事にしたんじゃん
「じゃあ、行くですよ。」
「いつでも良いよ。」
「「ジャンケンポン」」
はい。もう好きにしてください
もう知りません
「「ジャンケンポン」」


結局耳掻きが終わったのは耳掻き探し始めて二時間後
何故に高々耳掻きに二時間……
「まったく、JUNの耳は耳糞だらけです。明日から毎日、風呂上りに翠星石が掃除してやるです。」
「いや、別に毎日して貰わなくても……。」
「ちょっと待ってよ。明日からは僕が毎日JUN君の耳掃除するから姉さんは引込んでて。」
あ、僕の話なんか聞いてませんね
あーもう好きにして下さい
僕は知りません
「なら勝負です。」
「望む所。」
「「ジャンケンポン」」
どうぞ勝手にしてください
僕は寝ます
「「ジャンケンポン」」
「「ジャンケンポン」」


こうして我が家の夜は更けて行く

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