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ねぇ、どぉして今の世界には楽園は無いの?

それはね、楽園が殺されてしまったからだよ。

ねぇ、どぉして楽園は殺されてしまったの?

それはね、人のためだよ。

ねぇ、どぉして楽園を殺すことが人のためなの?

それはね、人は楽園に居たら生きることをしないからだよ。

ねぇ、どぉして楽園に居たら人は生きることをしないの?

それはね、楽園では何もかもが何もせずに手に入るからだよ。

ねぇ、それはいけないことなの?

そぉ、それはとってもいけないことなんだよ。そんな世界に居たら人は生きているように見えても、本当の意味では生きていないんだよ。

じゃあ、人はどうしてたら生きてるの?


―――――


「――ジュン!ジュン!」

僕はその声にはっとした、どうやら彼女の買い物はすでに終わっているようだ。

「ホント、人が少し目を離すとこれなんだから。まったく、下僕としての自覚がまだまだ足りないようね。」

彼女は僕が立ち読みに夢中になっていたのが気に食わないのか小言を言い続けている。
いつもの僕ならそれを宥めるために彼女に気を向けるのだが、どうもさっき読んでた本のことが気になり彼女どころではなくなっていた。

「ジュン!ちょっと、人の話を聞いてるの?」
「あっ、聞いてるよ!もちろん聞いてるに決まってるだろ!」
「じゃあ、私が何を言っていたか答えて頂戴。」

まずった。やっぱり彼女には嘘は通用しない。ここは正直に謝るしかない。

「ごめん、まったく聞いてなかった。」
「ふん、そぉだっと思ってたわ。本当ならお仕置きしないといけないところなんだけど……」

お仕置き!これは本当にまずい。お仕置きと聞いただけで僕の身体はぶるっと震える。はぁ憂鬱だ。


「まぁ、今日は許してあげるわ。私の機嫌が良くてよかったわねジュン。」

僕は安堵のため息を漏らした。

「で、何を考え込んでいたの?」

さっきととは打って変わり彼女は心配そうな顔で僕の顔を覗きこむ。

「何で考え事してるってわかったの?」
「そんなのあなたの顔を見ればわかるだわ。」
「そぉですか。」

どうやら彼女には僕は隠し事ができないようだ。

「で、何なの早く言いなさい。」
「いや、さっき僕、立ち読みしてただろ。」
「ええ。」
「その本のことが気になってただけ。」
「なんて書いてたの?」
「人はどうしてたら生きているかって。で、その答えを考えてたってわけ。」
「そんなこと。」
「そんなことは無いだろ真剣に考えてたのに。」
「そんなこと真剣に考える必要なんか無いほど簡単じゃない。」
「じゃあ真紅は答えを知ってるってことだな。」
「当たり前じゃない。」
「じゃあ、答えてみろよ。」


「私が答えるのは簡単よ、でもその前にいくつか質問させて頂戴。」
「ん、わかった。」
「貴方は生きるために何が必要だと思う?」
「ん~、お金?」
「そうね。それじゃあ、お金はどうやって手に入れる?」
「働く。」
「そう、働くには何が必要?」
「仕事?」
「仕事があるのは大前提で話してるの!まったく使えないわね。もっと必要なものがあるでしょ。」
「ん~、わからん。」
「はぁ~、ホントダメね貴方は。」
「じゃあ何が必要なんだよ!」
「気持ちよ。」
「気持ち?」
「そう、気持ち。やる気と言ったほうがいいわね。そのやる気がなければ何もできない。わかる?」
「うん、なんとなく。」
「ならそのやる気はどうやって出すか。まぁそれは人それぞれだから置いとくとして。
 私は思うのやる気って言うのはいわば闘う気持ちだって。人は楽な方へと流される生き物。
 だから人は常に自分と闘わなければならないと思うの。
 と言うことはつまり、闘うってことが生きるってことだと思うの。わかった?」
「うん、わかった。それにしても真紅はすごいな、そんなこと考えてるなんて。」
「ベ、別にすごくなんか無いのだわ。私は当然のことを言っただけだもの。ほら、早く帰るわよ。」


そう言った彼女は照れているのか顔を少し赤くして僕の前を歩いていく。
僕は今日、彼女の生きることに対しての答えを聞いた。
僕自身が考えての答えはまだ出てないけど、ただ、彼女の答えはすごくかっこよく、
そんなかっこいいところに僕は引かれてしまったんだなと思い。
そして、自分もそんな彼女に負けないような答えを出そうと思った。

end

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