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秋が千秋楽を迎え、冬に舞台を任せる時。木々はその葉を落とし、冬眠するものへの暖かい衣を授ける・・・
Barrister-Mercury-
Phase5


あの日の勉強会から数週間・・・
J「寒いな・・・」
霜柱が立ち、サクサクと音が立つ。
そろそろ選抜試験も近い。
必要教科は英語と現代文、そして政治経済だった。
一番厄介なのは英語に違いないが、政治経済も大概だった。
J(1999年の完全失業率?知るわけねーよ・・)
登校中に去年の過去問に軽く目を通していたらこんな問題が目についた。所謂、捨て問として理解しておくのがいいだろう。
薔「・・・誰も知らない」
J「・・・!?」
端から見ればかなりのリアクションをしたんだろう。しかし僕は本気でビビってしまった。
薔「ビビりすぎ」
J「ビビらない方がどうかしてる」
薔「・・・そんなことないもんっ」
J「なら朝の挨拶から入るだろ」
薔「おっぱー」
J「おっぱーってどうよ?」
薔「・・・イイ。すんごくイイよ」


J「・・・ハイハイワロスワロス」
薔「・・・むぅ。JUNのいぢわる」
J「何とでも言ってくれ。今は聞こえないから」
薔「・・・お姉ちゃんから伝言」
J「何?」
いつもは直にメールしてくるのに・・・何でだ?
薔「・・何も聞こえないんじゃないの?」
J「撤回するから教えて」
薔「・・・男に二言はない」
J「たまにはあるから教えて」
薔「・・仕方ないなぁ。親切なばらしぃが教えてしんぜよう」
J「勉強会のこと?」
薔「・・・あたり~。今日はお休み。何か用事があるんだって」
J「そっか・・・ま、僕も用事あったしな」
薔「・・・用事?」
J「野暮用だよ。気にすることないから」
薔「・・・気になる」
J「大したことじゃないよ。気にしたら負けだ」
薔「・・・気になるジャマイカ」
J「まぁ頑張れよw」
本当の所、用事なんてなかったが下手に暇だと言えば何に付き合わされるか分からないし、選抜の勉強もしたいと言うのが本音だった。
薔「・・・お昼付き合って」
J「またかw昼ならいいよ」
まぁ5限目は正直出る必要のない授業だったので構わなかった。
序でに薔薇水晶に勉強道具を持たせれば大丈夫だろう。
J「5限サボるなら付き合うよ?但し、勉強道具持ってくるなら」
薔「・・・むぅ。おぬし、考えたな」
J「今はあまり時間を無駄にはしたくないからね」
薔「・・・おk」


そう言えば最近、薔薇水晶と登校する機会が増えた。
そのことを妬んでるのか恨んでるのか知らないがベジータがやたら絡んでくるようになった。
薔「・・・ベジータおはよ」
J「おはよう」
ベ「おはよう。JUNと薔薇嬢。朝からアツアツだなお前等は・・・あー!!なんで俺には春が来ないんだー!!!!!」
その前に付き合ってないんだけどこいつにそんなことを言ったところで無駄だろう。
薔「・・・ギャリック砲はダメ。みんな怖がる」
薔薇水晶にしてはマトモな意見だった。確かに言えてる。ギャリック砲打ちまくられたらこっちはたまったもんじゃない。
薔「・・・それにね、諦めも必要だよ?」
ベ「( ゚д゚)」
J「こっち見んなwww」

ベジータ撃沈。大丈夫、君には明るい未来が待ってるよ・・・
そんな朝のドタバタも軽く流しながら僕は授業を耳に入れずにテスト勉強に励んだ。結構集中すると英語も読めるようになってきた。
これも水銀燈のお陰だろう。彼女が教えてくれたやり方は僕にかなりフィットしている。
午前中に2年分の過去問を解き、丁度いいところで午前の授業終了。
J「薔薇水晶~」
薔「・・・珍しい」
J「何が?」
薔「・・・JUNから声かけてきた・・明日大雪・・」
J「何気に失礼だな。飯行くんじゃなかったか?」
薔「うんっ♪どこ行く?」
J「僕別に何でもいいんだよなー」
薔「・・・ならPSM行く?」
J「またかよw」


薔「・・・だって何でもいいって言った」
J「いいよ。あそこ旨いし」
僕らはまたPSMに行くことになった。こいつは・・イタリアンが好きなんだろうか?シューマイ好きとは聞いていたが、パスタにでも目覚めたのだろうか。
薔「・・・パスタウマー( ゚д#薔)」
J「なるほど・・」
薔「JUNも一緒にウマーしよ?」
J「しねーよ」
薔「(´・ω#薔)」
J「そんな顔するなよ。ほら、着いたぞ」
もうすぐ1時とはいえ、まだ混んでいた。店員に案内され、席につく。
薔「・・・あ、お姉ちゃん」
J「え?」
薔「・・・あっち」
見ると水銀燈が誰かといた。
金髪にツインテールの髪型に少し控え目な・・・やめておこう。いくらなんでも失礼だ。
薔「・・・でも事実」
J「こら」
薔「・・・お姉ちゃ~ん」
J「呼ぶのかよ」
薔「何か不都合でも?」
J「むしろ嬉しいけど友達といるみたいだし・・・」
薔「・・・あの人は大丈夫」
J「そうなの?」
薔「お姉ちゃ~ん」
薔薇水晶の呼び掛けに気付いて彼女が振り返る。
銀「あらぁ、ばらしぃにJUNじゃなぁい」
J「一緒にどうですか?」
銀「ちょっと待っててぇ」


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
銀「・・いい?真紅?」
真「構わないのだわ」
銀「それと・・今日お墓行くことは秘密にしといてくれる?」
真「わかったわ。・・彼がそうなの?」
銀「そうよぉ・・」
真「ホントに優しそうな子なのだわ・・」
銀「だから・・今日行くとこのことは黙ってて?」
真「わかってるわ。気にしないで」
銀「ありがとう」
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
銀「お待たせぇ」
彼女の服装・・・何だろう。いつもより黒い気がする。
その黒さが彼女の美しさを引き立ててる辺り、流石だと思う。
J「えっと・・こちらは?」
真「私は真紅よ。水銀燈とは小学校から一緒なのだわ・・であなたは?」
J「JUNです。桜田JUN」
真「覚えておくわ」
真紅さんは法学部で水銀燈と同じ2回生で、かなりの紅茶好きらしい。
紅茶と言えば僕もたしなむ程度なら飲んでいるが、あまり詳しいわけではない。まぁ、僕は最近コーヒーの方が好きなのだが・・・
銀「あ、JUN。今日はごめんねぇ。ちょっと用事があって・・明日はちゃんと勉強会するから」
J「気にしないで。僕も丁度用事あったし」
銀「ならよかったわぁ」
J「まぁとりあえず・・明日は政経やるよ」


銀「政経なら真紅に聞けばいいわぁ。私この子に政経で勝ったことないし・・・」
真「政経だけなら負けなかったわ」
【だけ】ってのは気になるが・・まぁ気にしないでおこう。
銀「じゃあ、ばらしぃちゃんも一緒に来たら?あなた選択は政経使うんでしょ?」
薔薇水晶がコクリと頷く。
この昼間の時間は勉強会の話でもちきりだった。
1時を過ぎた辺りに水銀燈と真紅さんは授業があるらしく席を発ったが僕と薔薇水晶は5限をサボって勉強する気でいたので5限終了まで店で勉強していた。
とは言え僕は気になっていたことを薔薇水晶に話してみることにした。
J「なぁ・・何かあるのかな今日」
薔「・・・服?」
J「うん。喪服かよってくらいのノリじゃなかった?」
薔「・・・あの格好見たことある」
J「どこで?」
薔「・・・ごめん。思い出せない」
J「そうか・・・」

その日の午後は、午前中と比べてあまり集中できなかった。


夕方帰宅すると、留守電が入っていた。
ピーッ 一件です
の「JUNくん?お姉ちゃんだけど・・・一応帰国の目処がたったから教えとくね。来年の春位には戻れると思うから・・それと、年明けに都合がつけばJUN君に来て欲s」
ピーッ 再生が終わりました

J(メールを知らないのかこいつは・・)
姉はいつも電話を使う。自分のパソコンをもって行ったにも関わらずメールは送ってこない。
J(何だ?都合がつけば来いって・・)
先ほどの姉の言葉・・
一応後でメールを入れておくことにしよう。

朝テーブルに放り投げた新聞を軽く読みながら冷蔵庫にあったヤクルトを飲む。
J(・・・)
乳酸菌が僕の身体を支配することはなかったが、ここ最近は水銀燈への思いが身体を支配するようになっていた。
彼女の異変は直感的にわかる‐あの黒い服装は、ただ事ではないことも。
僕はおもむろに携帯の着信履歴から水銀燈の番号を探して、電話をかけた。


「おかけになった・・・」
どうやら、電波が無いのか電源落ちのどちらからしい。

その日は、姉に断りのメールを入れただけで後は特別なことはなに一つせずに床に就いた。


翌日、携帯を確認すると・・・
J(不在3件?誰だよこんな朝っぱらから・・・)
見るとそれは水銀燈からだった。
J(何だろ・・・)
その刹那、僕の携帯が踊り出す。
J「(・・・!?)もしもし?」
銀「あ、JUN?もしかして寝てた?」
J「丁度起きたとこ。どした?」
銀「あのね・・今から会える?」
J「へ?」
僕はついつい間抜けな声を出してしまった。無理もない。気になる相手から会いたいと言われたわけだし。
好きかどうかは自分でわからないにしろ、断る理由もない。
選抜が近いが、少し休憩しても良いだろう。
J「いいよ。でも起きたばっかだし、ちょっと待っててくれる?」
銀「いいわよぉ。・・・ねぇ、家行っていい?」
J「あー、ちょっと時間かかるよ?」


銀「待ってるわぁ」
J「10分で用意するよ」
銀「わかったわぁ」
僕は10分で準備をすることになったが、果たして間に合うのかが少々疑問だ。
そのへんは、なんとかするしかない。
僕は伸びをして急いで着替を済ませて軽く客人を迎える用意をする。
10分というのはどうも短かったようで何だか中途半端な感じだった。
オマケに彼女は時間ピッタシに来る。
ピンポ~ン♪

あぁ、タイムリミットか・・・
J「いらっしゃい」
銀「ごめんねぇ・・急に」
J「いいよ。上がって」
銀「ありがと」
彼女を家に招き入れる。服装は・・・いつもと変わらない感じ。
J「で、どうしたの?」
銀「今日から真紅がくるでしょ?だから2人で話せる時間あんまりないから・・・」
J「えーっと・・・何か飲む?」
自分の不器用さに腹が立つことはよくあるが、どうしようもないことがある。
こんなことを言われてもこんな拙いことしか返せない。
自分の根底にあるものを正直に受け止めていないからだろうか?


芽生えてしまった感情にストップをかけていたのは・・ほぼ間違いなかった。
銀「お水もらえる?」
J「わかった」
彼女にエビアンを渡す。今冷蔵庫にある水はこれだけ。
なんとなく過ぎる時間に僕はブレーキをかけられない。
不毛ではないにしろあまりいい感触でもない。臆病が産み出す自制に苛立つ他なかった。
少し雑談した後、僕は朝食を食べていないことを告げる。
別にそれを期待していたわけではないが、案の定彼女が作ってくれた。
彼女が用意してくれた朝食を食べ、外出の準備をする。
今日は昼から真紅さんと薔薇水晶を交えての勉強会があるから。

それにしても寒い。
晩秋・・いやもう冬だろと言わんばかりの気候。
少し自己主張が過ぎている気がする。
11月も75%を消化し、あと10日程で選抜試験だ。
勉強会の場所は真紅行き付けの喫茶店だとか。水銀燈の話では彼女は紅茶ジャンキーだとか・・・
乳酸菌にシューマイ、今度は紅茶。


この人達は一体何なんだろうと思いながらも自分がカフェイン中毒者であることに気付くのも、その喫茶店に着くのもそう時間はかからなかった。
真紅と薔薇水晶は先に着いていたようで勉強・・・いやお茶を楽しんでいたようだった。
銀「早速休憩ってわけ?」
真「あら、あなた達を待っていたまでよ?」
J「そらどうも」
薔「・・・メイド喫茶がヨカタ」
薔薇水晶の妄言をかるくスルーしながら席につく。ここはなんともいい雰囲気の店で夜はバーでもやってるのかと言った感じだった。
だが棚に並ぶのは酒ではなくお茶っ葉や洒落た小物でこの空間だけは時間の流れ方が違う気がした。
真「あなた達も何か頼むといいのだわ」
J「じゃあアッサムで」
銀「私も」
別に好んでアッサムを頼んだわけではない。アッサムが目についたから、それだけの理由だった。
マスターらしき人物が直ぐに紅茶を入れてきてくれた。ご丁寧にお茶請けも付いている。
これは・・・スコーンだろう。
程よく温められた辺り、サービスが行き届いているようだ。


それにしてもこの空気はこれから勉強するぞ、と言うような空気では到底ない。
服装さえ気にしなければまるでイギリス上流階級の午後の一時。
"ARE YOU M.I.F??"
と誰かから聞かれそうだ。
まぁ僕は紅茶はストレート派だから何も入れないと答えるが。

真「さて・・二人は政経がネックになっているのね?」
J「そうです」
薔「・・・意味不明」
銀「私もアレには観念して数学使ったわぁ」
真「わかったわ。なら基本事項から確認しましょう」
J「10日程しかないけど・・」
真「急いては事をし損じる。落ち着きなさい」
なんとも僕より2つ上の人が使う言葉ではない気がした。
まぁ無理もないが。

真「じゃあそろそろ始めましょう」
彼女の一言で空気がガラッと変わった。戦モード突入だ。
彼女の指導はきめ細やかで分かりやすく、今まで難問と思われていた問題も軽く流せるまでになった。
一日でここまで仕上げられる彼女の指導力には驚いたが、どうも仲介業者を持たない家庭教師のバイトをしているらしい。
その功績だろうか・・羽振りがいいのは。
真「少し休憩しましょう。マスター、何か甘めの物をお願いできる?」
銀「ちょっと真紅ぅ。私今日そんなに持って来てないわよぅ?」
真「気にしないで。私が出すのだわ」


銀「いいのぉ?」
真「構わないのだわ。あなた達も気にしないで」
J「ありがとうございます」
薔「・・・ゴチになります」
僕も家庭教師のバイトを考えた方がいいな・・・
と言っても何ができる?
薔「・・・保健体育と保健実技」
J「・・・怨むよ?」
薔「・・・きゃー」
"きゃー"じゃねーよ全く。

僕は薔薇水晶の忍術に暫く苦しめられそうだ。



その後の勉強もスムーズに済み、政経がなんとなくだが得点源になりそうな感じだった。
真「二人とも中々飲み込みがいいわね」
J「いやいや。詳しく教えて貰ったからですよ」
真「ありがとう」
銀「真紅のやり方今度私もやってみるわぁ。さてと、ちょっとトイレ行ってくるわぁ」
J「あの・・ちょっといいですか?」
真「何かしら?」
彼女がトイレに行っている間に、僕は真紅さんに昨日の事を聞いてみた。
真「・・・私も用事としか聞いてないから、わからないのだわ」
J「そうですか・・」
薔「・・・ホントのこと言って?」
薔薇水晶の目はかなり真面目だった。
真「薔薇水晶、私は何も知らないのだわ」
薔「・・・お願い」
J「・・もしホントに、知ってるなら・・お願いします」
真「もし私が知ってたとして、どうするの?」
J「彼女がたまに見せる表情・・ホント何処かへ飛んで行きそうで怖いんですよ・・」
薔「・・・JUNならお姉ちゃんを助けることができる。だから、協力して?・・・私もお姉ちゃんが苦しむのは見たくないから・・・」
真「・・・ホント、優しいのだわ」
彼女はしばらく考えてから口を開いた。
真「・・・JUN、薔薇水晶。今日の夜いいかしら?」
J「空いてます」
薔「・・・私も大丈夫」


真「なら二人とも携帯を貸して頂戴。すぐにアドレスを入れておくから」
真紅は少しおぼつかない手付きで携帯を操作し、自分のアドレスを僕と薔薇水晶の携帯に入れてくれた。
入れ終わると同時に水銀燈がトイレから出てくる。丁度いいタイミングだった。
その後も少し問題演習をこなしてその日は終了。
とても中身の濃い勉強会だった。

その日の夜・・・
ブーッ ブーッ ブーッ
着信を知らせるバイブが響く。
J「もしもし?」
真「JUNね?私よ。今から駅に来れるかしら?」
J「大丈夫です。薔薇水晶は?」
薔「・・・もういるよん♪」
J(ヤケに早いな・・・)
真「そういうわけだから早く駅に来て頂戴。いいわね?」
J「わかりました」
僕は家に鍵をかけて、早速駅へと向かう。
時刻は夜7時を周ったくらい。休日出勤の会社員が帰宅ラッシュを迎えている時間帯だった。
薔「JUN~こっちこっち」
薔薇水晶の声のする方に顔をやる。既に2人とも待っていた。
真「遅いわね。レディーを待たせるのはマナー違反なのだわ」


いや、あんたらが早すぎるんだよとツッコみたいがそうもいかない。仕方ないが謝っておく。
J「すみません・・・で、こんなとこでつっ立ったまま話すんですか?」
真「それもそうね。あなた達、夕食はもう済ませたの?」
薔「・・・まだ」
J「僕もまだです」
真「そう。じゃあ何か食べに行きましょ」
彼女に連れられて小洒落た店に入る。雰囲気がとてもいい。ここ一発の勝負に使えそうだ。
僕らは個室に通された。
真「適当に頼んで。何なら飲んでも構わないのだわ」
試験を控えた高校生にかける言葉ではないだろと思ったが冗談に違いないので軽くスルーした。
薔「・・・チューハイ行く」
飲むのかお前は。
真「すみません、チューハイと・・・」
頼むのかよ。
どうやら気にしたら敗けのようだ。
J「で、教えて貰えますか?」
真「わかったわ。私も最近聞いた話なんだけど・・・」
どうやら薔薇水晶と僕の勘は当たっていたようで、やはり水銀燈には知られたくないであろう過去があった。
僕が知っていることと合わせるとこうなる。
16年前・・彼女が入院していた頃、同じ病室にいた女の子と友達になった。その子の名前は柿崎めぐ。心臓に重い疾患を患っており、幾度となく余命宣告を受けていたそうだ。


水銀燈とめぐはそれはそれは仲が良く、いつも一緒に遊んでいた。
月日は流れ水銀燈が退院しても尚、水銀燈はめぐの元へ毎日見舞いに通っていた。
そんなある日のこと・・
めぐと水銀燈が初めて大喧嘩をした。水銀燈は最後に
「めぐなんか、死んじゃえ!!」
と言い放ち病室を後にしたという。
その喧嘩が最初で最後になると知らずに・・・
その日の夜。

柿崎めぐは息を引き取った。

幼さは時に残酷な結果をもたらす。
彼女の心の傷は癒えぬまま、今に至る。
真「私からは全て話したわ。後どうするかはJUN、薔薇水晶、あなた達次第よ」
J「わかってます。でも・・・」
真「しっかりなさい。あなたはたった一人のナイトなんだから」
J「僕が・・・ナイト?」
真「そう。あの子を守るのがJUNの務めよ」

僕が彼女を・・・守る。
正直、考えたこともない。

J「・・・とりあえず、様子見ます」
僕はそうとしか返せなかった。
自分の不甲斐なさにまた苛立つ。
自分はなんて弱いのだろう、こんなことで彼女を守ることなんか出来るのだろうか・・


薔「・・・ナイトは一人。仲間は大勢」
J「?」
薔「・・・私達もいる。忘れないで」
J「・・頼もしいな」
自分で解決すべき点はあるにせよ、自分だけの問題ではない。
そう考えることで少しは楽になれる‐それでもマイナス思考は止まらない。
真「あなたが弱気になってどうするの?自分を強く持ちなさい。しっかりとイメージを持って・・」
イメージ・・・そうだ。
化身を呼ぼう。何かヒントがあるかもしれない。
例え何も無くとも。

会計を済ませ、僕は帰宅した。
夢の中へと、彼女を救うヒントを探すために・・・

Phase5 fin


~次回予告~
夢の中で見たもの・・・
Make it your days.
The only one life you have.

Don't throw it away.
Just make it.

I'm with you...

その日を大切に
たった一回の人生

投げ捨てるような真似をするな
生きろ

僕が側にいるから...

これが、僕の本当の気持ちなんだろうか・・・

Barrister-Mercury-
Phase6-Final-

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