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「一つ屋根の下 第百四話 JUMと3学期」



パタパタパタと誰かが廊下を走ってる音がする。元気なもんだなぁ、と僕はベッドの中でウトウトしながら思う。
「JUMおはようなの~!」
何だかヒナ姉ちゃんの声がする。幻聴かもしれない。うん、きっとそうだ。だって僕はまだ眠いし。
すると、バターンと大きな音がすると同時に再びパタパタと音。そして僕の体に何かが飛び込んできた。
「JU~M~、起きてなの~!学校なのよ~?」
「ごふっ!?」
やばい。これはやばい。全く予想していなかった一撃が……完全に鳩尾にいってしまった。
「ぐへっ……何だよヒナ姉ちゃん。まだ朝早いだろ?寝かせておいてよ。」
「うよ?JUMはお寝坊さんね。今日から3学期なの~。」
ああ、そう。3学期か。そりゃあよかったね。だからもう少し寝かせて……
「って!!3学期ぃ~!?」
僕はガバッと起き上がる。僕に乗っかっていたヒナ姉ちゃんは当然ひっくり返るが、とりあえず置いておく。
携帯を開く。始業式の日だ。という事は……まさか昨日で冬休み終わっていたのか?
「うゆ、JUM酷いの。急に起きるからヒナビックリしちゃったのよ。」
「ああ、ごめんごめん。すっかり忘れててさ。んじゃあ、リビングいこっか。」
僕が寝転がっているヒナ姉ちゃんの手を引く。すると、ヒナ姉ちゃんは僕の手を握ったかと思えばスルスルと
猿みたいな身軽さで僕の頭にしがみ付いた。
「朝一番のJUM登りなの~。」
「あ、あのさヒナ姉ちゃん。それ止めない?いい加減恥かしいんだけど。」
ヒナ姉ちゃんは軽いから別に苦ではないんだけど。まぁ、最近成長著しい一部分が頭に……ね。銀姉ちゃんとか
なら馴れてるんだけど、ヒナ姉ちゃんは新鮮であまり馴れていないと言うか。
「うよ……JUMも男の子なのね~♪」
「そんなの分かりきってるでしょ、全く。」
まぁ、これ以上言っても無駄なのは分かってるので大人しくヒナ姉ちゃんに登られたままリビングへ向かった。
リビングでは、すでに真紅姉ちゃんとキラ姉ちゃんを除く姉ちゃん達がテレビを見ながら朝食を摂っていた。
うん、今日の朝は和食か。担当は蒼姉ちゃんみたいだな。
「あ、おはようJUM君に雛苺。御飯持ってくるから少し待っててね。」
蒼姉ちゃんが席を立って台所に向かっていく。僕とヒナ姉ちゃんはそれぞれ自分の席につく。



「真紅姉ちゃんとキラ姉ちゃんはまだ寝てるのかなぁ。今日から学校なのに。」
僕はとりあえず自分も今日から学校なのを忘れていたのを棚に上げて言う。
「あの二人なら忘れてる可能性あるですねぇ。JUM、ちょっと二人起こしてきやがれですぅ。」
「ええ~、面倒くさいなぁ。まだ御飯食べてないし……」
僕は翠姉ちゃんに抗議をする。しかし、そんな抗議が通るはずもなく。
「男の癖に器が知れるですねぇ。だから身長もチビチビなんですよ。」
むっ。そこまで言われたら起こすくらいしないと、完全に僕がダメ人間みたいだ。席を立って2階へ上がっていく。
さて、どっちから起こそうかな。より時間がかかりそうなキラ姉ちゃんからが無難か。寝起き悪いからね。
僕はそう思ってキラ姉ちゃんの部屋のドアをトントンとノックする。
「キラ姉ちゃん起きてる?…………反応無いな……入るよ~?」
ガチャリと音をたててキラ姉ちゃんの部屋へ入る。キラ姉ちゃんの部屋は実に綺麗に整理されてる。
そして、所々ファンシーなぬいぐるみが飾ってある。さて、当のキラ姉ちゃんはと言えば、当然のようにベッドで
スヤスヤと寝息を立てていた。抱き枕を抱いて。寝苦しかったのか、毛布は蹴飛ばしてある。
「まぁ、起きてるはずないよな。ほら、キラ姉ちゃん起きて。」
僕はキラ姉ちゃんの体をユサユサと揺らす。しかし、起きない。仕方なくもっと強く揺らす。ユサユサユサ……
僕に揺さぶられて、キラ姉ちゃんの胸がパジャマの中で揺れてるのが分かる。こう、プルプルと。う、やばい……
思春期男子には余りに刺激の強い映像に思わず目を背ける。と、キラ姉ちゃんの目が半分開いていた。
「あ、キラ姉ちゃんようやく起きた?今日からがっこ……うわぁ!?」
「ふふっ、嬉しいですJUM。夜這いですか?」
「いやちがっ!そもそも今は朝で……」
「朝ですと朝這いなんでしょうか……?まぁ、そんな事どうでもいいですね。さ、お楽しみタイムです。」
キラ姉ちゃんは僕の体をベッドに引き込む。僕はキラ姉ちゃんに抱きしめられる形でベッドに寝ている。
こんな光景、姉ちゃん達み見られたらやば過ぎる。でも、そこまでお約束なんてないよなぁ……
「……朝からお熱いのは結構だけど。ドアくらい閉めてもらえないかしらね。」
思わず振り向くと開けっ放しのドアにもたれ掛かってペキポキと拳の骨を鳴らしている赤鬼が一人。
「し、真紅姉ちゃん!?これはちがっ!!」
「あら、真紅。何なら見て行きますか?私はそれでも構いませんし……寧ろ、燃えるかもしれません。」
頼むから黙っててキラ姉ちゃん。真紅姉ちゃんが不敵に笑う。ああ、死んだかも。
「ふふふっ……修正!!教育的指導!!!光になぁれええええええええええ!!!」



「よう、久しぶりだなJUM!!って……何だよその顔。」
「ああ、久しぶりべジータ。顔の事は聞かないでくれ………」
我ながら生命力は強いらしい。一命を取り留めた僕は何とか学校へ辿り付いた訳だ。
「ん……久しぶりの制服は少し肌寒いね……」
隣で薔薇姉ちゃんが少し寒そうに腕を擦っている。確かに、冬休みはほとんど暖房効いた部屋にいたしな。
教室もある程度は暖房効いてるけど、やっぱり家ほどじゃない。そんな事思ってると、薔薇姉ちゃんがトコトコと
僕の隣に歩いてきたと思えば、教室で。あくまで教室で僕に抱きついた。
「JUM温めて……今日のきらきーみたいに……きらきーは温めて私はダメなの……?」
「ちょっ、薔薇姉ちゃん違うって!朝のはキラ姉ちゃん起こしに行ったら抱きつかれただけで。」
僕は必死に弁解する。しかし、薔薇姉ちゃんの爆弾発言と、トンデモ行動はすでにクラス中に聞こえ見られてる
訳で。ベジータを筆頭とする男子が僕に詰め寄ってきた。ああ、暑苦しい。
「JUM、貴様どういうことだ!!き、き、キラ嬢に何をしたああ!?」
「あ、あ、あ、あ、そんな……雪華綺晶さんまで桜田の魔手にかかっていたとは……」
「おのれ桜田!!キラ様まで手篭めにしようって魂胆なのか!?」
「姉妹丼か!?姉妹丼なのかぁ桜田ぁああああ!!!」
キラ姉ちゃんって案外人気あるのか?まぁ、普通に見てる分には綺麗だし、清楚だし、スタイルもいいし。
まぁ、中身は案外お茶目でお腹の容量は物凄いけど。そして女子の方でも……
「桜田君って奥手な感じなのに結構やり手なんだね。いくら義理の姉妹だからって……」
「ああ見えて家では凄いのかもよ?俺に抱かれたい奴は部屋に来い、みたいなさ。」
何ですかその妄想。流石に桑田さんは我が家の事を少しは知ってるだけあるけど、少し引き気味だ。
いや、本当に勘弁して下さい。しかし、薔薇姉ちゃんの狙いはソコにあったようで。
「計算どおり……これで姉妹だけ相手にすればいい……JUMは渡さない……」
ポソッとそんな腹黒い一言が聞こえた。教室中がギャーギャーと騒がしい中、ガラガラッとドアが開かれる。
現れたのは言うまでもない。無駄に暑苦しい憎たらしい笑顔を振りまくアイツだ。



「やぁ、みんな久しぶり!!担任のぉ~~~~……梅PだYO!」
キモイ。そしてキモイ。さらにキモイ。後キモイ。とりあえずキモイ。要するにキモイ。
我らが担任梅Pこと梅岡は新学期早々頭の螺子が108本ほどぶっとんでいた。餅の食いすぎで脳に
障害でも出たんだろうか。喉に詰まらせて臨死してイカレたか。まぁ、どうでもいいや。
「梅P……案外いいかも……私も薔薇しーから薔薇りんに変えようかな……」
相変わらず思考回路が意味不明な薔薇姉ちゃんが小さな声で言う。
「さて!今日から3学期。このクラスは一人も欠けることなく新学期を迎えれて先生嬉しいぞ!」
うん、それはイイ事だ。たまにニュースとかで学生が休み中に死亡とか見るけど。あれは何だかやるせない。
「3学期は短いけど、球技大会もあるし体育祭の時のように、また先生を筆頭に団結して優勝狙おうな!」
あれ?いつから筆頭になったんだ?あの時はべジータが筆頭だった気がするけど。けど、球技大会か。
僕はあまり運動は得意じゃないから、楽しみって程じゃないけど。
「球技大会……サッカーやりたい……そして『なにぃ!?』って言いたい……」
それなんてキャプテン翼?そういえば、最近薔薇姉ちゃん読みふけってたよなぁ。
「とにかく、みんなと居れるのも今学期で最後!みんなでいい思い出つくろうな!!」
梅岡がビシッと親指を突き出してキモイウインクをする。動作はキモイけど、言ってる事はマトモだ。
3学期は一年で一番短い。だからこそ、充実した時間を過ごしたいものだ。
「JUM、そんな気負わなくても大丈夫……いつでも一人じゃなければ、誰かと居ればそれは楽しい日……」
薔薇姉ちゃんが僕の思考を読んだかのように言う。なるほどね……一人じゃなければ何かできる。
一人じゃあきっと楽しい事なんてそうそう出来ない。やっぱり、誰かと居る事が大事なんだろうな。
「というわけで……不束者ですが薔薇水晶って子はいかがですか?……一途にJUMの側に添いとげて
くれます……さらに、何でも尽くしてくれます……性的な意味でも……今ならお得で御代は頂きません……」
薔薇姉ちゃんが何やらアッピールをしてるけど、とりあえずスルーしといて。
でもまぁ、よく考えたら僕には退屈な日々なんて訪れないかもしれないな。
なんせ、何時でも騒がしい姉ちゃん達が僕の側に居るからね。
END

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