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「ねぇジュン君っ」
「ふぁい…?」
昼休み、机につっぷしているジュン君に声をかけると、たいそう眠そうな返事が返ってきた。
ふぁぁ…っとあくびをしながら、目をぐしぐしとこすっているジュン君のこういう何気ない仕草がすごく愛しく感じだしたのは…その仕草に見とれてしまうようになったのはいつごろからだろうか…?
「んー…で?どうしたんだ蒼星石?」
そんなわけで今このときも例のごとく見とれていたために、ジュン君が僕の顔を未だ眠気醒めやらぬといった顔でのぞきこんでいることに気付かなかった。
「えっ…?い、いや…あのっ、その…//」
か、顔が近いよジュン君っ!?
こんなに彼と近い距離になったのは初めてだから、ドキドキして言葉が出てこない。

ジュン君はそんな僕の心境なんてさっぱりわからないといった風で
「どうしたんだ?なにか用があるんだろ?」
と、首を軽くかしげながら言う。


そんなジュン君の仕草に再び心臓の鼓動が激しくなるのを感じながら、やっとのことで当初の目的を口にした。

「あ、あのね?駅前に新しい喫茶店ができたんだけど一緒に行かない?ホ、ホントは翠星石と行くつもりだったんだけど、翠星石は今日はなんだか用事みたいで早く帰っちゃって…だ、だからジュン君一緒にどうかなかと思って!」
息つぎ無しにがーっと一気にまくしたてる。
ジュン君はそんな僕の勢いに多少驚きつつも、破壊力抜群の笑顔で答えた。
「そうだな…僕もちょっと興味あるし…よし、行ってみようか♪」
………あ、一瞬意識が飛びそうになった…危ない危ない…


店内はなかなか洒落ていて、年代モノのアンティークやら可愛らしい人形が置いてあったりした。なおかつとても落ち着いた雰囲気で、ゆったりした時間を過ごすのにはぴったりだった。
「なかなかいい店だな」
「うんっ、そうだねぇ」
すこしの間店内を見渡していると、ウエイトレスさんがヒラヒラしたスカートをなびかせてやってきた。
ん…?どこかで見たことあるような…
「…いらっしゃいませ」
「「ばっ、薔薇水晶っ!?」」
それは同じクラスで仲のいい薔薇水晶だった。
最近帰るのが早いと思ってたらここでバイトしてたんだ…
「なんだ薔薇水晶。ここでバイトしてたのか」
「…うん。じゃぁ席まで案内するね」

薔薇水晶の後ろに着いていき、案内された窓際の席に座る。
「…ご注文は?」
「そうだなぁ…僕はホットコーヒーと苺のシフォンケーキにするよ。蒼星石は?」
「え、えっと…じゃぁ僕はロイヤルミルクティーと…このジャンボチョコレートパフェで…//」
「えっ…そ、蒼星石…以外と…」
ジュン君がものすごーく顔をひきつらせている。
そ、そんな目で見ないでよぉ……


「…ジュン。女の子にそんなこと言っちゃダメ」
顔を真っ赤にしてうつむく僕を見て、薔薇水晶がすかさずフォローをいれてくれる。あぁ…ありがとう薔薇水晶…今君がメシアに見えたよ…
「わ、悪い…」
「い、いや…気にしないで…//」
「…それでは少々お待ちください」
そう言って薔薇水晶はスタスタと行ってしまった。


そのまましばらくジュン君と話していると、トレイを持った薔薇水晶がやってきた。
「…お待たせしました。ホットコーヒーとロイヤルミルクティー…それからジャンボチョコレートパフェになります」

「…でかいな」
「…そ、そうかな?」
僕の前に「でんっ」と置かれたパフェを見て、ジュン君は驚きを隠せないでいる。
「そ、そんなでかいの食べれるのか……?」
「うん。これくらいなら♪」
「ふーん…」
「いただきまーす♪」


まずは上に乗っかってるチョコレートアイスをスプーンですくって口へ入れる。
「う~ん、おいしぃ~♪」
そのまま夢中でクリームや板チョコを口に運んでいると、僕を楽しそうにじぃーっと見ているジュン君と目が合った。
「なっ、ナニかなジュン君っ…?」
「いやぁ、蒼星石はホントに美味しそうに食べるなぁと思ってさ」
「え…あ…へ、変…かな?//」
「ぜーんぜん。でも…ホンットに甘いもの好きなんだなぁ」
「う、うん……甘いもの食べてるときってすごい幸せな気分になるんだ」
「幸せ…ねぇ」
「うん…あ、じゃぁジュン君はどんなときが幸せなの?」
「僕が幸せに感じるとき?」
そうだなぁ……と真剣な顔になって考えだしたジュン君は、そるから1分ほどして再び口を開いた。
「やっぱり…寝てるときかな?」
「ふふっ…ジュン君らしいね♪」
パフェのクリームをはみはむしながら、ホントにジュン君らしいなぁ…なんて勝手に和んでいると、ジュン君は急に恥ずかしそうな顔になり、聞こえるか聞こえないかの声で呟いた。


「そ、それから…今みたいに大好きな人と一緒にいるときに……幸せだなぁって思う…」
え……?
「…ジュン君…い、今なんて…」
「いや、その…あの……あっ…く、口元にクリームついてるぞっ!」
「ふぇっ?ど、どこっ!?」
「ほら、ここ……」

次の瞬間…ジュン君の細い指が僕の唇をなぞった。そのまま指についたクリームを舐めとるジュン君。
「うん、なかなか美味しいな…って、蒼星石…?」
「ジュ、ジュン君…今のって…その…」
僕の言わんとしたことがわかったのか、ジュン君の顔が急激に赤くなってゆく。
「そ、蒼星石……//」
「……//」
こ、この雰囲気は……もしかして…キ、キスとか…
「…シフォンケーキお待たせしました」
「「~~っ!?//」」
「…もしかしてお邪魔だった?」
「「(ふるふるふるふるふるふる!!!)」」
「…じゃぁ…ごゆっくり…」
しばらく沈黙が続く…それは気まずくもあり、少し心地よい。
僕はある決意をして、その沈黙を破るように口を開いた。
「あ、あの…ジュン君―――」


あなたの幸せな時間は……どんなときですか?

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