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さて朝である、まどろみ気味の僕の耳に真紅の震えた声がすると思ったら僕の頬を激痛が襲った。
「いったぁ!何?!」
「ジュン!何で蒼星石を抱いて寝ているの!」
「何でって………何でだ?わかる?蒼星石」
「えっ、ジュン君が寝付いたかと思ったら抱いてきたから寝ぼけてじゃないのかな?」
今の僕の叫びで姉妹が起きてきたらしい、全員がここに集まっている、
「そいいえば四年前にジュンと寝たときも朝起きたら抱きしめられてたかしら」
「確か六年ほど前にも寝る前に持っていた洋服用の生地を抱きしめていましたわ。」
「それならまだ小さい頃にお昼寝しているとき桜田君に抱きしめられたわ。」
「つまりジュンには寝ているときに近くの物を抱きしめる癖があるということですか?」
「そういうことになるわねぇ、ジュン、今晩は水銀燈と寝ないぃ?」
「む〜、ジュンはヒナと寝てむぎゅーってなるの!」
また当事者そっちのけでアリスゲームが始まりそうなので僕は真紅に聞く
「で、真紅は僕に何か用でもあってここに来たの?」
「そうだったのだわ、この封筒をジュン宛に時間指定でフロントから渡されたわ。」
「なになに、『フロントの人へ七月○日の朝に渡してください』か、中身はローゼンさんからだ」
「お父様が…手紙を…」
「読むよ『ジュン君、きっとこれを読む頃には寝ているときに近くの物を抱きしめる癖に気づいたと思うけど昨晩は誰を抱きしめたんだい?…』気づいていたのかよあの人は!」
「はやく続きを読んで頂戴」
「わかったよ『さてダブルベッドのみの真相もわかった所で本題に入ろう、今回遠くまで出向いてもらったのは他でもない、近くにグループの経営する洋服用の布の工場みたいなものがあるからそこに金糸雀とだけで行ってくれないか?』」
「なんでカナだけなのかしら?」
「えっとそれは…ここに書いてある『ブティックの主任が金糸雀に来て欲しいと言うのでな。本当は全員でいってもいいんだけど金糸雀以外の婚約者が屈辱を味わうのもいいかなぁっておもってね、』最低だな…」
「お父様ってたまに酷いことするよね…」
「あの優しい顔でえげつないこと言われるから相乗効果ですぅ」
「翠星石も人のこと言えないのだわ。」
「なの〜!」
「ということは桜田君と金糸雀さんが出かけるってこと?」
「そういうことになるわねぇ、金糸雀、私のジュンに手を出したらただじゃすまないわよ」
「誰の僕だって?」
「まっいいかしら、さっさとデートに行くかしら」
「くっ金糸雀の癖に生意気ですぅ!それにデートじゃないですぅ!」
悔しがる彼女らをあとに僕らは愛車のロードスターに乗り込む、カラーリングはスカイブルーを基調とした海に似合う車体だ、
「しかし暑いかしらぁ…」
「まぁ8月だからな」
そうです、8月です、決して1月ではないです。
しばらく車を走らせたら前方の小高い丘にかわいい趣味の建物が見えた、どうやらここが目的地らしい、工場直結の店で東京の本店の主任が視察に来てるからあえ…か、店の名前は“ピチカート”か…確かイタリア語のピッツィカートだったかの英語読みだっけ?ヴァイオリンの弦を直接指で弾く奏法だったはず、
「ジュン早く、暑くて倒れそうかしら…」
「あぁ、わかった。すみません…」
中に入ったとたん金糸雀は何者かに突き飛ばすように抱きつかれた、
「あぁカナ!あいたかった〜!」
「わ!み…みっちゃん!ち…ちょっ…摩擦熱でまさちゅーせっちゅー!」
な…なんだ?金糸雀を知っているってことは金糸雀を呼んだ主任ってこと?それにみっちゃんって名前は聞いたことが……
「あっ!すみません支部長さん。私が“ピチカート”の主任のみっちゃんこと草笛みつです。」
「ジュン、みっちゃんは小さい頃カナの面倒をみてくれてた人かしら。」
「あっどうも、草笛さん。」
そういえばローゼン家に養子(ホントは違う)として六歳のときにローゼン邸で暮らすことになったけど実質的には一番下の真紅、雛苺、雪華綺晶、薔薇水晶、そして僕が中学生になってから本格的にローゼン邸での共同生活が始まったようなものだからそれまではいろいろな所に預けられていたらしい。水銀燈はメグ先輩の所で金糸雀はこの草笛さんの所、翠星石と蒼星石は芝崎さんの所に、蒼星石は結菱さんのお世話にもなってたかな、真紅は僕の家で生活していたし(そういえばのり姉ちゃんが養子にならずに僕だけがなった理由って結婚が理由?)雛苺は柏葉んちでお世話になってて雪華綺晶はフランス人のフォッセーさんの所で薔薇水晶は実父の槐さんと友人の白崎さんの所にいたらしい
そういえばみっちゃんって確か…
「あら支部長、みっちゃんでいいんですよ。」
「じゃあみっちゃんさん、名前はかねがね聞いてますよ、この前もドールファッションショーで賞を取っていましたよね、それに支部長じゃなくて呼びやすい呼び方でいいですし敬語じゃなくてもいいですよ」
「ならお言葉に甘えてジュンジュン、君にそう言ってもらえると嬉しいな、正体不明のデザイナーJUMさん」
「なぜそれを?」
「ローゼンさんに聞いたのよ。」
「ジュン、何の話かしら?」
ちょっぴり怒り気味に金糸雀が聞く、とみっちゃんさんがまた抱きつく
「きゃあ!嫉妬してるカナもかわいい!大丈夫よ、ジュンジュンはカナだけのものだから!」
「ありがとうかしらみっちゃん!」
「僕が誰のかはさておき金糸雀、みっちゃんさんは有名なパタンナーさんでこの前もフランスで開かれてたファッションショーで金賞をとっていたんだよ。」
「そしてジュンジュンは正体不明のデザイナーJUMとしてかなりの賞をとっているのよ」
「そうだったの、こんどカナにもドレスを仕立て欲しいかしら。」
「私もジュンジュンのお手並み拝見したいわ!」
「でっドレスで思い出したけど四年前の7月にドレスを仕立てたのがのり姉ちゃんのウエディングドレスだったこととローゼンさんの性格から考えてここに出向かせたのは来月の僕らの結婚式用のウエディングドレスやらを作らせるためですかねみっちゃんさん。」
「ご名答よジュンジュン」
「ローゼンさん、あんたって人は…」
「かしらぁ…」
こうして否応なしにウエディングドレスのデザインをさせられることとなった僕は数時間かけてやっとデザインが完成した、(みっちゃんさんの狂気のかわいい連呼や金糸雀のドジがなければ絶対もっと早く済んでいたとおもう)
「じゃあサヨナラかしらみっちゃん」
「カナぁ…結婚式には絶対行くからねぇ!」
そしてロードスターに乗り込んだときに金糸雀が僕の腕を掴んでくる
「どうしたんだ?金糸雀」
「ジュン、その…2人っきりの時間もあと少しかしら…だからその…ジュンとキスしたいかしら」
「なんで、金糸…」
「金糸雀じゃなくてカナって呼んで欲しいかしら」
「だからなんで…」
「じ…じゃあジュンはカナが嫌いなのかしら?」
「いや…ごめんよカナ…好きだよ…」
そして僕は金糸雀…いやカナの唇を奪う、四年前も奪うようにしてキスをした気がするけど今回はされることをある程度予測していたのか四年前より強ばってはいない、そのうちカナは僕の首に手を回し唇を強く押し付ける、口の中に柔らかいものが入ってきた、何か変わった水音がするかもしれないが海が近く波の音で聞きづらい、やっと唇を話したとき口には二人をつなぎ止める鎖が如く唾液が垂れている、
「えへ、ジュンとキスしたかしら…」
こうして夕方6時にホテルに帰ったとき僕らを待っていたのは取り調べだった
「ジュン、スクーターで海岸沿いを散歩していた巴や雛苺がジュンの物らしきロードスターを感じのいい店の前で見たと言っているのだわ。」
「それがどうしたの?」
「ジュンのに間違いはないのかって聞いてるですぅ。」
「間違いないけど…」
「桜田君、金糸雀さんと抱き合っていたでしょ?」
「そうだけど…」
「キスしてたのー!」
「そ…そんな事ないかしら!ジ…ジュンとディープキスなんて…」
「今ジュンとディープキスって言ったぁ!?」
「す…水銀燈落ち着け!カナも何バラしてるんだよ!」
「ジュン君…今金糸雀のことをカナって呼ばなかった?」
「ジュン、説明して頂戴。」
「ならジュン、私のことはきらきーと呼んでくださって結構ですわよ。」
「ジュン、水銀燈のこと銀ちゃんって呼んでいいわよぉ。」
「ジュン…ばらしーって…呼んで」
「それならヒナはヒナって呼んで欲しいの〜!」
「桜田君…いやジュンくん、巴って呼んでって言ったのに呼んでくれないよね、私もジュンくんって呼ぶようにするから呼んで」
「ジュン!翠星石のこと翠って呼ぶことを特別に許すですぅ!」
「ジュン君、僕のこと蒼って呼んでくれないかな?」
「くっジュンに違う呼ばれ方されたい、でも真紅以外に思いつかないわ。」
「だー!!五月蝿い!」
今日もまたホテルの夜は更ける。
fin.
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