ジ「じゃあまた後でな」
翠「すぐ準備してくるですぅ。待っとけです」
ジ「あ、僕の家なんにもないから暇潰しするようなものは持ってきたほうがいいぞ」
翠「何かのテレビかビデオでも見るですよ。……一緒に(ボソッ」
ジ「ん?最後の方なんか言わなかったか?」
翠「きっ、気のせいです。風の音でも聞いたのではないのですか。じゃあ行くです。楽しみに待ってろです」
ジ「えらく早口だったな。本気で聞こえなかったんだけどな。さてまだ4時か。待つ間昼寝でもするか」
ふぅ~今日は何だか疲れたような気がするな。ああ、極楽だ~、至福だ~。というわけでもう寝る。おやすみ。
J翠(あれ?僕は寝てたような気がするけど、ここはどこなんだ?)
蒼「ごめんね、ジュン君。何もない部屋で」
J翠(はあ?なんで蒼星石がいるんだよ)
J蒼「いいよいいよ。気にしないで。むしろ十分だよ」
蒼「ふふっ、ジュン君は優しいね。ボクはそういうところが大好きだよ」
J翠(回答に困るな。つか蒼星石ってこんな性格だったか?)
J蒼「ありがとう。僕も蒼星石のこと、好きだよ」
蒼「えっ?その……嘘でもうれしいよ」
J蒼「嘘じゃない。僕は蒼星石が好きだ。偽りはないよ」
蒼「本当に!?ボク信じるからね」
ガシッ
J蒼「ああ、僕は裏切らないから心配するな。いつも一緒にいような」
J翠(なんだこの、超甘々空間は!僕ここに居たくない。つか抱きつき癖は妹もか。流石双子だな。受け入れるこいつも凄いが)
蒼「うん!ずーっと一緒に……」
翠「ただいまですぅ~」
蒼「おかえりー」
翠「ちょっと用があるから今日は帰れない……ってなにべたべたくっついてるですか!まだ昼間ですよ」
J翠(それをお前が言うな。しかしまだくっついていられるとは)
蒼「別にいいじゃないか。それと部屋に入るときはノックぐらいしてよね」
翠「……呆れたです。翠星石はもう行くです」
蒼「もしかして羨ましいとか?」
翠「馬鹿言ってると怒りますよ」
蒼「ご、ごめん。(目が笑ってないよ)」
翠「じゃあ行ってくるです」
蒼「どこに行くの?」
翠「うるせーです。きくなです」
蒼「そ、そう。わかったよ。(一触即発かな。触らぬ神に祟りなしだね)」
J翠(これって夢なのか?やけにリアルな夢だな。つかいつのまに準備したんだ?)
J蒼「怖い姉ちゃんだな。妹とは大違いだ」
蒼「それ翠星石の前では言わないほうがいいよ」
J翠(でもあれはあれでいいところもあるし、結構可愛いもんなんだけどな。素直じゃないところもまた……って!何フォロー入れてんだよ。誰にも聞こえないのに。なんか悲しくなってきた。終始通して抱きつきっぱなしだし。どうやって戻るんだ?戻れと念じてみるか)
ジ「ふぅ。なんか休んだ気がしないな。あの体が痒くなりそうな夢はもう見たくない。寝てからまだ1時間も経ってないな。暇だな。
かと言って正直あんな夢みたくないから寝ることもできないよ」
もう少しで翠星石が来るはずだ。もう少しでもう少しでもう少しで……。で、ぼーっとしながら30分経ったわけだが。
ジ「………………暇だぁぁっ!!!落ち着け僕。何かテレビでも見ようかな。それが一番だ」
自分の部屋にもテレビはあるがリビングの方がサイズが大きいので1階へ下りた。リビングのテーブルに紙が置いてあった。
ジ(なになに?今日は早く帰ってこれたけど急な友達の誘いで3日間泊まる!?僕ももう高校生だから大丈夫だろうって!?
飯はどうするんだよ。風呂は洗ってあるのか。ってそんなことはどうでもいい。出前でもとるのか。翠星石に悪いな、あいつ何か食べたいものでもあるかな。
一緒に外で食べるというのも……駄目だった。そういえば対人関係は僕以上に駄目だったな)
中学の頃は同じクラスの人でさえ蒼星石の影に隠れていたとか。僕との付き合いは……何時からだろう?僕は引き籠もったり無断欠席常習犯だったから覚えてない。
中学2年3年・高校1年2年でも仲の良い人が同じクラスになるように裏からネマワシしているとの噂もある。まぁ、噂であると信じたい。
そんなわけで今までずっと3人とも同じクラスだったんだがなぜか今年だけは蒼星石が別クラスだった。
ピンポーン
ジ(やっときたかな)
翠「来てやったですぅ。早く開けやがれですぅ」
ガチャッ
ジ「やっときたな。いったいこの時間何やってたんだ?」
翠「騒ぐために必須な飲み物とおつまみを買ってきてやったです」
ジ「ふうん。ま、玄関で話すのもなんだから入れよ」
翠「お邪魔してやるですぅ」
ジ「じゃあとりあえず僕の部屋に」
翠「意外と片付いてるですね」
ジ「まあね」
翠「じゃあさっそく飲むです」
ジ「ああ。あ?……おいこれはわざとか?ツッコミ待ちか?」
翠「何がですか?」
ジ「明らかに角照なんだが。6%入っているんだが」
翠「別に未成年でも誰でも飲んでるですよ。チビでも飲めるように甘いものを選んできてやったと言うのに」
ジ「ここはヨーロッパじゃなく日本だぞ。法律違反だろ」
翠「飲まないんですか?(ここで飲ませないと作戦Α‐1が遂行できないですぅ)」
ジ「いや……飲むよ。一応断っとかないとね。少しなら健康に良いとも言われてるしね。」
※20歳未満の人は飲まないようにしようね。梅岡との約束だよ!
ジ「奴との約束なら破るに限る」
翠「はい?」
ジ「いや気にしないでくれ」
翠「それじゃあ乾杯!ですぅ」
ジ「ああ乾杯」
ジ「確かにこれなら僕でも飲めそうだ」
翠「あったり前ですぅ。この翠星石が持ってきたんですよ~」
ジ「しかし、他人との関わりを避けるお前がよく買ってこれたな」
翠「も、もちろんですぅ。馬鹿にするなですぅ(蒼星石の部屋にあったのを少し持ってきただけですが)」
ジ「でも多いな。15本はあるぞ。こんなに飲めないよ」
翠「ぷはー。おいしいですぅ」
ジ「意外とイケるクチなんだな」
翠「ほら、暇ですからトランプでもするですぅ」
ジ「自信たっぷりだな。だが負けないぞ」
翠「手加減しませんからね?」
ジ「2人でするのならやはりタムズゲームだろ。早く決着するしな。ジョーカーは抜きでな」
翠「は?なんですかそれ?」
ジ「え?えっと……スピードのことだよ」
翠「翠星石は超得意ですよ。何もかけないのはつまらないですね」
ジ「(いくら得意としていても酒が入っているんだ。手元がふらつくはずだ)じゃあ、5回勝負で先に3勝したほうが勝ちで、敗者は勝者の言う事を一つきくってのはどうだ?」
翠「ベタですがそれでいいです。後悔しろ!ですぅ(何をさせましょうかねぇ)」
ジ「自分こそ後悔しても知らないからな(言ったはいいものの何にしようか考えてなかったな)」
ルールは長ったらしくなるので省略。
ジ「よし、せーのでカードを出すからな」
翠「了解ですぅ」
ジ・翠「せーの!」
<ゲームの内容は割愛>
翠「勝ったですぅ~。これで1対0ですぅ」
ジ「ちょっ、お前はコンピューターか!?」
翠「何をわけのわからないこと言ってんですかぁ~?翠星石の勝ちは変わりませんよ~」
ジ「いや、半分も残ってんだけど」
翠「だから超得意って言ったじゃないですか」
ジ「勝てる気がしないんですけど」
翠「翠星石の不戦勝でもいいですよぅ?」
ジ「それは駄目だ。なんとしてでも勝つ!」
ジ(とは言いつつも勝てる気がしないんだよな。酒は意味なかったのかよ)
翠「さーて次いくですよ!」
ジ「望むところだっ!」
ジ・翠「せーの!」
<ゲームの内容はかt(ry
翠「フフフ、今回も翠星石の勝ちですぅ~♪早くもリーチですぅ」
ジ「僕も自信あったんだけどな。手も足も出ないってのはこの事か」
翠「降参しますかぁ~」
ジ「いやしない。今までは少し運が悪かっただけだ。次こそはっ!」
翠「ストレート勝ちしてやるです」
<ゲームn(ry
ジ「よっしゃあ!僕の勝ちだ!」
翠「手札事故ですぅ。引き運が悪かったですぅ」
ジ「うーん。確かにね。だが敗けられないんだ!(こいつが何言ってくるかわからないからな)」
翠「ですが!こっちも敗けないです!」
ジ「運も実力のうちだ」
翠「運より実力はあるんですか?」
ジ「これでも強いほうだったんだよ」
翠「チビはチビらしく低レベルな戦いをしていたようですねぇ」
ジ「今から巻き返してやるからな!」
ジ・翠「せーの!」
<g(r
ジ「ちっくしょう!敗けた(スピードがこんなに疲れるもんだとは知らなかった)」
翠「イーッヒッヒッヒ。何をさせましょうかねぇ」
ジ「炎を出せとか空を飛べとか無理なものはできないからな」
翠「うーん、何にしましょう」
ジ「別に今じゃなくてもいいぞ(それで忘れてくれると有り難いんだけど)」
翠「……じゃあそうするです。ちなみにジュンはなにを言うつもりだったんですかぁ?」
ジ「今考えたけど夕ご飯を作ってもらおうかなと思った。でもやめる」
翠「どうしてですか?」
ジ「3年前の家庭科の調理実習の時は悲惨だったからな」
翠「なっ!」
ジ「あのときばかりは本当に蒼星石がいてよかったと思ったよ」
翠「そんなことなら作ってやるです!名誉挽回してやるです!」
ちなみに汚名は返上である。
ジ「え?いやいいよ」
翠「わたしの料理は食えないと言うんですか!?××料理人と言われたからですか!?じゃあ今度からジュンの弁当は作ってきてやらんですぅ!」
ジ「なに!あれお前が作ってきてたのか?てっきり僕は蒼星石がやってくれてるものだと……」
翠「失礼な奴ですね!礼儀の欠片も持ってませんねぇ」
ジ「実習のインパクトが強かったからな」
翠「3年も前の話ですよ?そういうことばかり覚えてるんですか」
ジ「いやまさか、卵をレンジに入れるとは思わなかったからね」
翠「あれから3年ですぅ。伊達に花嫁修業してないです」
ジ「今の時代に花嫁修業って……でも、あんなうまい弁当が作れるんだから期待しようかな。」
翠「素直にそう言いやがれですぅ」
ジ「じゃ、この冷蔵庫の中にあるもの勝手に使っていいから」
翠「冷やご飯が沢山あるですね」
ジ「ああ、この頃昼飯が作ってもらえるようになったからな。そのせいだろ」
翠「じゃあちゃっちゃと作ってやるです。座って待っとけですぅ」
ジ「ああ、テレビでもみてるよ。酒を飲んだから少し気を付けろよ」
翠「そんなこと百も承知です」
翠「~♪~~♪~♪」
ジ(飯作ってるだけなのになんであんなに機嫌良いんだ?それはそうと今日あいつらみんな弁当食ってたな。いつも多めに持ってきてる雪華綺晶ならわかるが他のは……?意味がわからないな)
翠「ほら~できたですよ~」
ジ「はやっ!さすがにはや過ぎやしないか?」
翠「手っ取り早く冷蔵庫の中のご飯を使ってチキンライスにしたですぅ」
ジ「じゃあ……早速」
翠「……どうですか?」
ジ「くっ……」
翠「なんとか言いやがれですぅ」
ジ「……参りました。完敗です。とってもおいしいです」
翠「ふふふっ。良かったです。少しは見なおしたですか?」
ジ「かなりね。うまい飯食って風呂入って今日はもう寝るか」
翠「ちゃんとビデオ持ってきたから寝る前に観るです」
ジ「そういえばそんなこと言ってたな」
ジ「ご馳走様でした。ありがとうございました。」
翠「わかればいいんですよ」
ジ「風呂沸いてるから先に入れよ(後から入れるようにして部屋のなか荒らされたり、いきなり乱入とかされたら非常に困るからな。酒が入っているときは油断ができない。いつもと変わらないけどさ)」
翠「じゃあ先に失礼するですぅ」
翠「~~~♪♪」
ジ「先に二階に上がっとくから、終わったら言いにこいよ」
翠「わかったですぅ~」
ジ「さて、見つかってまずいものは天井裏に隠しておくか」
ジ(特にベジータがいつも置き忘れるアレな本。見ないって言ってるのに何故か持ってくるんだよな。絶対わざとだろうね。まあ、あいつは学校一の不思議な奴だと思う。
僕が言うのもなんだけど、ここの偏差値は意外と高い。それなのに中学では下から数えたほうが早かったのにこの学校に合格してたし、
高校でも寝てばっかりで、テストの結果も悲惨なものなんだが、なんでか知らないけど留年していない。本人は『蒼嬢への愛だ』と言っている。意味不明だろ。
僕はこんなやつと一応親友なんだよね。中学の頃からの。結構気さくで……)
ジ(……じゃなくて、とっとと終わらせないと)
翠「気持ち良かったですぅ~。ジュン次どうぞですぅ」
ジ「ああ、わかった(ふう、間一髪)。くれぐれも漁るなよ?」
翠「わかってるですよ」