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道場にて対峙する巴と蒼星石。
緊迫した空気が二人を包む中、先に口を開いたのは巴だった。
「どうあっても…昔の貴女に戻る気はないのね?」
「最初から言ってるだろう?僕はもう人を殺さない」
「そう…でも貴女のその勝手な自己満足がいずれ貴女の周りの人を危険に晒すことになる…かつて『人斬り』と恐れられたた貴女が人を斬らないでどうやって人を守れるの?」
「……それでも…それでも僕は…もう誰も殺したくないんだ!」
「…そう…残念ね」
そう呟くと、巴はいつも肩からぶら下げている竹刀袋を開封した。
ただし中に入っているのは竹刀などではなく、昔から愛用している日本刀。
それを鞘から抜くと、刀を持っていない左手を前に伸ばし、刃に這わせる。
いわゆる『突き』の構えだが、その構えは彼女独特のものだ。
巴はそのまま冷たく吐き捨てる。
「かかってらっしゃい。貴女の全てを否定してあげる」


「……巴」
蒼星石が腰の逆刃刀に手をかけようとする…しかしその手を止める者がいた。
「…ダメですぅ」
この道場の主、翠星石だ。震える声で蒼星石を止めようとする。このまま戦いを許してしまうと、もう『蒼星石』は戻ってこない気がしたのだ。
そんな翠星石に蒼星石は優しく微笑みかける。
「翠星石…大丈夫だよ。すぐに終わらせるから」
「でも…」
「大丈夫」
翠星石を少しでも安心させようと、ポンポンと翠星石の頭を優しく叩く。そしてそのまま巴の方に振り返った。
「待たせたね。じゃぁ始めようか」
「『すぐに終わらせる』ですって?ずいぶんと舐められたものね。そのセリフ…あの世で後悔しなさい!」
ダッ!
巴が地面を蹴ると同時にものすごい速さで突っ込んでくる。
「死になさい!」
その勢いのまま、巴の刀がまっすぐ蒼星石に向かってくる。
ガキィン!
それをなんとか受け止める蒼星石。


「くっ…」
彼女の剣腕は昔と何一つ変わっていない…いや、昔以上かもしれない。
そんなことを考えている間にも、巴の刀は容赦なく蒼星石に向かってくる。
「ほら…防御ばかりでは私には勝てないわよ?」
キィン!ガキィン!
「…ちっ!」
今はギリギリのところでなんとか防いでいるが、もう抑えきれそうにはない…
「やはり…貴女は弱くなった…」
ヒュンッ!ギィンッ!
巴の一撃が蒼星石の刀を弾き飛ばした。
「しまった…!」
「この勝負…もらったぁ!」
巴の刃がトドメをさそうと突き出される。
その切っ先はまっすぐ蒼星石の心臓に向けられている。そしてそのまま…蒼星石の体を貫いた。


「うぐっ…ぐあ…」
「蒼星石っ!?」
「やはり…『もう二度と人を殺さない』なんていう甘い考えが……貴女を弱くした…」
刀が抜かれると同時に、蒼星石の体がゆっくりと倒れていく。
「翠星石…ごめん…」
「そ…蒼星石ぃー!!!」


「っていう夢を見たんだけど」
「ジュン…それるろ剣の読みすぎよぉ…」
「私は悪役なんだ……桜田君…信じてたのに…」
「僕はやっぱり男…いいよ…どうせ僕なんて…」

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