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「第六章前編~薔薇乙女会議~」

水銀帝国の首都・ベルリア---。

国力の約9割が軍需工業で成り立つこの国の中枢であり広大な工業区が広がるこの街は工業区から舞い上がる煙で別名『灰色の都』とも呼ばれていた。

また街は六重にもなる城壁で囲まれており東西南北の門は全て鉄城門と言う金城鉄壁の城塞都市であった。

またベルリア首都防衛軍団は総勢二万はまさに精鋭ばかりを揃えた軍団でその装備・訓練度も他の軍団と一線を引く存在である。

そしてソレを直接指揮するのが水銀帝国皇帝にして水銀帝国軍最高総司令官である・水銀燈である。

かつてローゼン帝国最強の騎士達と呼ばれた『Rozen Knights』において『孤高の騎士』と呼ばれ史上最強の騎士と呼ばれた女傑。

孤高の騎士と呼ばれた由来は史上最強の騎士故に敗北を知らず---そして人を一切寄せ付けなかったからである。


その彼女が支配する水銀帝国、その首都ベルリア---その街は今、緊張に包まれていた。

ベルリアの中央にある城ローゼン城、かつてローゼン帝国の名残であるこの城の一室に8カ国の指導者達が集まっているからである。

真紅・薔薇水晶・雪華綺晶・雛苺・蒼星石・翠星石・金糸雀・・・そして水銀燈、かつてのRozen Knightsのメンバーであり姉妹達、そして今では様々な思惑が絡み合う敵同士であった。

彼女たちを囲むように丸いテーブルが置かれる通称『薔薇の円卓』、それは彼女たちの力関係の象徴でありRozen Knightsと言う騎士達がいたと言う証である。

真「それで?水銀燈・・・私達をこんな薄汚い街に呼び出した理由を聞かせてくれないかしら?」
水「あらぁ、真紅?貴女にはこの美しさが解らないのぉ?」
真「解ろうとも思わないわ・・・空が見えないもの」
水「お馬鹿さぁん♪この街は世界を支配する力を生み出す街よぉ?美しいとは思わないのぉ?」
真「やはり貴女とは相容れない仲のようね・・・」
水「貴女が望むであれば・・・この場で貴女を八つ裂きにしてやってもいいのよぉ?」

円卓の中心に彫られたローゼン帝国の紋章である薔薇、それを飾る為に紋章には紅いルビーがはめ込まれていた。

それを中心に睨み合う真紅と水銀燈、それは他の姉妹達にとってかつては見慣れた光景であった。

蒼「止めなよ二人とも・・・折角久しぶりに会ったんだから喧嘩は良くないよ?」
翠「蒼星石の言う通りですぅ!!そう思わないですか?えぇっと・・・カナブン?」
金「金糸雀かしら~!!」
薔「・・・カナガワ・・・」
金「カ・ナ・リ・ア!!かしら~!!」
翠「カナガワでもカナブンでもどっちでもいいですぅ!!とにかくそんな事の為に集まったのですか?」
雛「うゅ~喧嘩は良くないの~!!」


全員にそう非難されては水銀燈も会議の主催者としてはメンツが立たない、フンと軽く溜息を付くとイスに深く腰掛けた。

水「梅岡の事・・・覚えている?」

水銀燈の一言、そのほんの一言に全員の目が見開かれた---思い出したくも無い出来事の他ならない言葉であった。

真「えぇ・・・お父様を誑かし帝国を滅亡へと導いた張本人・・・」
翠「でもでも・・・翠星石達が倒してロマーヌに封印したはずですぅ!!」
水「そうよぉ・・・でも、最近ロマーヌ地方に不穏な空気が流れてるのよ」
蒼「どういう事だい?」
水「封印が解けかかってるのよぉ・・・詳しくは専門の人に聞いてぇ」

そう言って水銀燈がドアの方へ目をやる、ドアが開き一人の薄汚い老人が入ってきた。

真「大賢者・・・」
薔「荒巻・・・」
雪「スカルチノフ・・・」
ス「久しぶりですな・・・薔薇の姫君達」
雛「し、師匠なの~!!」
ス「おぉ~雛苺の姫君様、大きくなられましたな・・・」
真「スカルチノフ・・・封印が解けかかってるとはどういう事なの?」
ス「真紅の姫君様・・・梅岡は何者かの手によってその力を取り戻し封印を引きはがそうとしております」
金「何て奴かしら~!!」
蒼「暗黒魔術会の奴ら?」
ス「かもしれませぬ・・・とにかく今は姉妹同士で戦ってる場合ではございませぬぞ」

水銀燈は立ち上がって地図を円卓の上に広げた、そこには各地の群雄達の境界線が引かれていた。


水「今のこの境界線をお互いに犯さないと言う約束でなら・・・和平を結んでいいわよぉ?」
真「水銀燈・・・貴女、何様のつもりかしら?」
翠「翠星石は賛成ですぅ」
蒼「僕も同意見だよ、このまま争っていてもキリが無いよ」
金「カナも同じかしら~!!」
雛「ヒナもヒナも!!」
水「どうするのぉ?真紅?」
真「はぁ・・・解ったのだわ、それでは講和を結びましょう」

それを聞くと水銀燈は講和条約と相互協力条例の旨が書かれた紙を取り出してまず長女として署名した。

それに続いて順番に全員が名前を書いた、ここに5年に及ぶ薔薇大戦は8カ国同時和平と言う古今稀にも見ない形で一端の終結を迎えた。

だが、それと同時に新たな敵が迫りつつあった---そう彼女達の直ぐ側に・・・。


<<次回予告>>

互いに互いを憎しみ合った8カ国間の闘争は終わった、しかし同時に新たな敵も生まれつつあった。

闇の力は日増しに強くなりやがてはアイゼンガルド全域を包み込もうとしていた・・・。

次回、薔薇乙女大戦・・・「第六章後編~ベルリア暗殺事件~」・・・闇の力が封印から解き放たれる・・・。

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