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※前回までのあらすじ
炎の魔術師と氷の魔術師の己の全てを賭けた死闘は氷の魔術師の辛勝で終わった。
既に陽は傾き、地平線の彼方に沈もうとしている・・・その紅い空を背に同じ紅の名を背負いし少女がついにJUMの前に姿を現す。


そこは屋上だった、北海道に訪れる夕暮れは速い・・・この冬の時期午後4時を過ぎればもう陽は消えている。

遠くの雪化粧をした山々に沈み行く夕日、周りには森以外の何も無い景色が殺風景どころか自然の躍動感を直に肌に視覚に感じる事が出来る、最も戦闘でなければもっと長く見ていられるのに・・・それが心残りだった。

そしてそれを背景に屋上の真ん中に立つ少女、今まで戦ってきた者達はソレを『キング』と呼んだ、この物語の黒幕であり最後の守護者・・・。

             最終章北海道編最終節~紅の少女~


女は少年を見かけると少し驚いた顔をしながらも微笑んだ、その目は慈愛に満ちた聖母マリアの如し、だがその目はどこか悲しかった。

J「真紅・・・」
真「よく来たわねJUM・・・」
J「真紅・・・お前の望みは一体何なんだ?僕が望みにしては随分手が込みすぎている・・・本当は他に望みがあるんだろ?」
真「下僕にしては察しが良いのだわ・・・おおむね正解なのだわ、でも一つだけ間違っている・・・これは私だけの望みでは無いのだわ・・・そう、これは貴方自身も望んだ事なのだわ」
J「僕も・・・望んだ事だって?」
真「そうよ・・・貴方は水銀燈に言ったのだわ、HEROがいないのであればHEROになればいい・・・と」
J「聞いてたのか?」
真「そんな事どうでもいいのだわ・・・それよりも貴方、HEROの定義って何なのか知ってる?」
J「いや・・・そこまでは考えた事は無い」
真「いいわ、教えてあげるのだわ・・・勇敢で偉業を成した人。また、その偉業をもって尊敬され、愛されている人の事なのだわ」
J「アーサー王やジャンヌダルクみたいな者か?」
真「そうね・・・でも貴方は一つ勘違いをしている」
J「勘違い・・・?」
真「英雄にはそれと相反すべき存在が不可欠・・・アーサー王には不義の子モードレット、ジャンヌダルクにはイギリスと必ず宿敵がいたのだわ」
J「何が言いたい・・・」
真「前言撤回、やっぱり貴方は鈍感なのだわ・・・私はねJUM、貴方の物語の中では悪役と言うロール(役割)に過ぎないのだわ」

真紅の口から聞かされる真実、認めたくない・・・だがどこかで自分の宿敵と言うか仇敵の存在を求めていたい、英雄・・・それは必ずしも正義とは限らないと思い知らされた。


J「ふざけるな!!そんな馬鹿げた与太話を信じる程真紅はバカじゃないはずだ!!」
真「そうね・・・でも、愛する人を奪われて血気にはやる者には正常なる思考回路が働かないのだわ」
J「なっ!?」
真「私はねJUM・・・貴方と同じくHEROになろうとしたのだわ、それはおとぎ話のようにドラゴンに幽閉されたお姫様を助ける白馬の騎士に!!」
J「こんなのはHEROとは言わない!!単なる横恋慕だ!!」
真「そうかも知れないのだわ・・・でもそれを決めるのはここにいる者ではないのだわ」
J「っ!!」
真「生き残った者から伝えられる言葉・・・それがどうであろうと真実に変わりないのだわ!!」
J「これもまた運命なのか・・・」

この戦いは単にJUMの物語の終着点では無い、これは二人の主人公で並列し進行する物語が一つの点で交わったに過ぎない。

真「JUM、騎士らしく戦いなさい・・・そしてこのストーリーの最後を締めくくるのだわ、そんな物は腰にしまいなさい・・・いいわね?」

真紅が床に突き刺さっていた剣をJUMの方へ放り投げて聞いた、騎士らしい戦い・・・それは火器を用いない決闘。

J「あぁ・・・分かってる」

JUMは水銀燈から預かったマテバを懐にしまいこんだ、そして真紅によって投げられた剣を拾うと静かにそれを構えた。

キング同士の対決がついに幕を開ける・・・その果てに待つのは死か生か・・・今、物語は最終局面を迎える。


BGM Fate/stay night 『運命の渦』





※前回までのあらすじ
ついに物語は最終局面に突入する、キング同士の直接一騎打ちそれの結末この物語の一旦の終結を意味する。
JUMと真紅、並列して進行する二人の主人公たる騎士の信条と己の決意を胸に今衝突する!!


二人の決闘のルールは簡単、最後まで立っていた者の勝利・・・無論強き者がこれに勝利するのではない、勝利した者が強き者である。

真「誇り高きローゼン家の第五女として・・・そしてこの塔の最後の守護者として・・・全力で相手するのだわ!!」
J「やるしか無いのか・・・ならばこっちも全力で行く、この悪夢を終わらせるために!!」

互いに剣を立てて叫ぶ、その時全ての音が止まった・・・両者とも動かない・・・合図を待つ為に。

両者互いに剣を構えたままの姿勢から数分、いや二人にはこの数分が永遠に思えたのかも知れない・・・陽がついに沈んだ・・・。

真「食らうのだわ!!rose prickle(薔薇の棘)!!」
J「ッ!!危ない所だった・・・」

真紅が剣を横に構えるとそのまま一気に神速とも思える突きを繰り出してきた、だがJUMは咄嗟に剣でそれを受け流しつつ身を翻した。

まさに大気の刃、それは完璧に回避したはずなのにJUMの服の脇腹の部分を切り裂いていた、恐らくまともに食らえば堪ったもんじゃないだろう。

真「まだまだ続くのだわ!!rose petal(薔薇の花弁)!!」
J「クッ!!(受けるだけで精一杯だ・・・でも勝機は必ずあるはずだ!!それまで防御に徹するしかない・・・)」


しかし真紅の連撃はそれからも続く、JUMは一回も反撃する事なくそれを受け流す、あるいは回避するしか出来なかった。

下手に反撃しても隙が出来るだけ、真紅はそれを誘ってか大振りの技ばかり使ってくる、だがJUMは動かない勝機を待つのみ!!

真「JUM!!臆したの?それでは貴方の言う信条とやらは酔っぱらいの戯言に変わりないのだわ!!」
J「・・・それはお前のほうだろう真紅、あんたの背中灼けてるぜ?」
真「ッ!!」

挑発返し、真紅の挑発は見事我が身に返ってきた・・・図星なのだろうか、それとも怒ったのだろうか真紅は先ほどまでの大振りな動きと打って変わって小刻みなかつ絶対死を相手に分からせる様な技を繰り出してきた。

例えば最初の一撃が腹部を狙ったにも関わらず、今繰り出した技は首を狙ってきた無論避ける事に何の苦労もいらない。

仲間達といるだけで自然とJUMは我が身を守る術は学んできたつもりだ(真紅の拳・蒼星石の鋏etc)。


J「・・・(真紅が疲れてきている・・・もう少しだ!!)」

以外と知られていないが大振りな技に比べて動きが少ない技は力より技術を多用する、それが真剣ならば重さに体力がついていかないものなのだ。

つまり重さに技術が耐えきれず・・・壊れる、それがJUMの狙いである、その一瞬に勝負を決める気なのだ。

真「ハァハァ・・・」

真紅が間合いを取り息を整える為に大きく一歩飛び退いた、その上この氷点下を越える寒さ真紅の体からただでさえ少ない体力が減っていくのは至極当然の事であった。

J「(今だ!!)でやああああああああああああああ!!」

JUMが渾身の力を込めて剣を振りかぶり真紅に飛びかかる、まさに真紅は一瞬の隙を突かれた慌てて剣を頭上にかざし受けの姿勢を取る。

パキンッ!!・・・勝負が決まった、JUMの渾身の力を込めた剣の前に真紅の剣は折れ去った、騎士の決闘に剣が折れる、是即敗北を意味する。

JUMは真紅の剣が折れた瞬間、ソレを真紅の頭上でどうにかピタリと止めた、斬れたのは剣と真紅の髪の毛一本・・・そして真紅の内なる邪も斬られた。


真「見事の一撃だったのだわ・・・私の負けなのだわ」
J「ハァハァ・・・勝ったのか?」
真「えぇ、貴方の勝ちよJUM・・・貴方は強くなったのだわ」
J「マグレだよ・・・」
真「いいえJUM・・・それは違うのだわ貴方にもソレがいつか解るのだわ」
J「そうか・・・何はともあれ帰ろう・・・僕達の日常に・・・」
真「えぇ・・・そうね、でもその前にJUM一つ聞いて欲しいのだわ」
J「?」
真「貴方の中で進んでいるストーリーの黒幕は私じゃないのだわ・・・もう一人、存在してはならない人がいるのだわ」
J「そいつの名は?」
真「そいつは某国の諜報員なのだわ・・・その男はJUMの能力のデータと引き替えに私達に協力してきたのだわ・・・」
J「それで、そいつの名は・・・」
真「CIAの諜報員・・・(パン!!)ウグッ!!」

真紅がその男の名を口にする前に一発の銃声が鳴り響き真紅の体をソレが貫いた、崩れるようにJUMの腕の中に倒れる真紅、その目は天高く暗闇に包まれる空を眺めていた。

屋上の片隅の闇からその男が現れた、手には青白い煙を立ち上らせた拳銃を持ちこちらへとツカツカと歩み寄っていた。


?「困るね、ミス真紅・・・それは言わない約束だろう?言わなければ君もミスター桜田も死なずに済んだと言うのに・・・」
J「お前は・・・」

JUMのストーリーは一端の終わりを告げた、だが真相を前に真紅は黒幕の放った凶弾に倒れた・・・果たして黒幕の正体とJUM達の運命は如何に・・・。

         最終章北海道編最終節~紅の少女~  完

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