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※前回までのあらすじ
蒼と翠の激突は幕を閉じた、そこに残るは死では無く未来への生と決意、そしてもう壊れる事の無い深い絆であった。
一方その頃、三階へ昇ったJUM達の前に新たな刺客が立ちはだかる・・・。


3階は二階とは違い小さな中東かどっかの街並をイメージしたのかどこか砂煙があちこちに舞っていた。

J「げ・・・死体と思ったら人形かよ、悪趣味だな・・・」
水「そこら中に転がってるわぁ・・・ここの階の守護者が誰なのか見たく無いわぁ・・・」
薔「・・・・・これは・・・」
水「どうしたのばらしーちゃん?」
薔「二人とも伏せて!!」

そう叫ぶや否や二人の足下に弾丸が命中した、間違いない相手からはこちらが見えている・・・それが戦場の常であった。

J「クソっ!!スナイパーか!!」
水「薔薇姉妹の狙撃手と言えば・・・」
薔「金糸雀・雛苺のコンビ・・・」
水「拙いわぁ・・・こちらから見えないのに一方的にやられるのは感に触るわぁ・・・」
J「危なっ!!」

その時またJUMの頭上を弾丸が掠めた、弾は近くのショーケースを粉々に砕きマネキンをも破壊した。

?「もぉ~!!雛苺!!また外したのかしらぁ!!この天才策士のカナの読み通りにしないからかしら!!」
?「金糸雀、うるさいのぉ~!!雛だって驚いてるのぉ~!!」


そんな二人のやり取りがこの偽りの荒野に響き渡る、三人はこの無邪気そうに聞こえる声に一抹の恐怖を覚えた。

声は無邪気そのもの・・・だが感情が一切篭もってない・・・まるで案山子か何かが話しているかのように感じられた。

J「雛・・・苺?金糸雀?」
雛「わ~い!!JUMなの~やっぱり雛達と遊びに来たんだね?」
J「あ、遊び?これがか?」
雛「へ?あぁ、これはね~・・・雛達が遊んでいた街なのぉ♪水銀燈は見覚えあるよねっ♪」
J「な、何を・・・」
水「アフガニスタンよ・・・貴方も聞いた事はあるでしょぉ?米軍によるアフガニスタン侵攻・・・そこに私たちはいたのよぉ・・・」

アフガン戦争、米同時多発同時テロの報復攻撃として米軍がアフガニスタンへ侵攻した戦争である。

薔「無限の正義作戦・・・最初はそう呼ばれていた・・・」
水「ここは11月16日起きたターリバーンの拠点・クンドゥズとカンダハルでの大攻防戦を再現してるのよぉ・・・」
雛「あはっ♪流石水銀燈なのぉ~、だって水銀燈が一番殺したもんねぇ?」
水「ッ!?ばらしーちゃん、JUMを任せたわよぉ・・・ここは私のフィールドみたいだからぁ・・・」
J「水銀燈ッ!?」
水「これが最後になるかも知れないから・・・最後にもう一度だけ貴方にキスさせて・・・」
J「あぁ・・・だけどこれが最後じゃない、これが終わったら何度でもキスするぞ」
水「ふふっ♪・・・期待してるわぁ♪」


そう言うと二人は別れを惜しむかのように熱い口づけをした、二人の胸に去来する思いは一つ『また会おう・・・』それだけであった。

J「また・・・あお」
水「想いを口に出すのは野暮よぉ?でも・・・その約束は絶対守るわぁ♪それとやっぱりこれは貴方が持っていて♪私の代わりよぉ?」

水銀燈はJUMが前に使った方では無いマテバを手渡した、二丁拳銃の片割れ・・・それは決して離れる事の無い愛の証。

J「分かった・・・これは必ず返す、だから死ぬんじゃないぞ!!」
水「ふふっ♪貴方こそねぇ♪さぁ・・・行ってちょうだぁい、じゃないと私の決意が揺らいでしまうからぁ♪」

JUMは水銀燈に事を託し薔薇水晶と共に上へと向かった、雛苺達もそれを察したのか決して背後から撃とうとしなかった。

雛「えへへ♪水銀燈はやっぱり優しいのぉ~♪」
金「うぅ・・・JUMとキスしてたかしらぁ~・・・」
雛「大丈夫だよ金糸雀!!そんなの仕事を片づけたらいっぱ~い出来るなの~♪」
金「そ、そうかしらぁ!!策士たる者こんな事じゃへこたれないのかしらぁ!!」
水「お馬鹿さぁん・・・あなた達が私を殺せるとでもぉ思ってるのぉ?」
雛「ねぇ~水銀燈?一つ聞かせて欲しいのお~!!水銀燈は何の為に戦ってるの~?」
水「そうねぇ・・・前は過去の贖罪と背徳の精算の為だったわぁ~♪」
金「前は?今は何のために戦ってるのかしら?」
水「他人と過去だけは変えられない・・・だったら未来と自分を変える事しか出来ない・・・愛する者と共に歩む為だけに私は戦う」
雛「つまらないのぉ~!!そんなんじゃブラックエンジェルの名が泣いちゃうのぉ~!!」
水「私がここに立つ理由・・・私を苦しめていた過去と決別する為よぉ!!」

過去の出来事の贖罪と背徳の精算、それも人の性・・・過去と決別する為に戦う、それも人の性・・・どのような形であれ水銀燈は苦しんでいた、それが今・・・解放される!!


BGMyoutube『水銀燈再次綻放的思念2』の曲(曲名ワカラナス)




※前回までのあらすじ
明らかになった水銀燈の過去、ブラックエンジェルと言う名に過剰に反応する・・・そして水銀燈の前に立ちはだかる二人組の狙撃手。
そのスコープのクロスの先に見るのは終わりと言う名の死か・・・あるいは未来と言う名の生か・・・。


JUM達を見送った水銀燈、雛苺達にはああは言った物の狙撃手の位置を掴めないと手も足も出ないのだ。

弾切れやミスなんてあの二人に至ってそれは無い、それは自分が間近で見た事・・・是即事実也。

ブラックエンジェルの名の由来、黒豹のように美しく闘い着飾るのは闇と言う名の毛皮。敵をまるで谷間のユリの如く魔蝕の爪・腐食の骨で蹂躙し、舞うが如く帰還してくる一人の兵士の姿。

恐らくそれが名の由来であろう、彼女はそれを気に入っていた、戦ってる間だけは果肉に牙を立てるが如し甘美なる快感に包まれる、幸せなど結ばぬ実の不実の夢・・・。

そう彼に会うまでは・・・彼に初めて会った時その目に恐怖した逃げてるのか追っているのか分からなくなる感じに包まれる、だがどこか心の奥底でその目でもっと深くまで見られるとどこか救われるような気がしていた。

これが愛なのか憎しみなのか・・・自分の中で自問自答を繰り返す度に胸が痛くなる、もう答えは出ていた・・・答える必要も無い、そんな答えなど最初から自分の心の中に持っていた。

彼に触れる度に荒れていた頃の自分を忘れ去り生き返ったような心地がした--。

出来れば彼に私の醜く凄惨な過去など知られたくなかった、でもそれも時間の問題・・・なら今の自分に出来るのはもう一度彼に会ったとき自分が誇れるように胸を張って闘い生きるだけ!!


『最終章北海道編~水銀燈薔薇獄乙女節~』

今は昔、中東の街・カンダハルそこでの戦闘を知る者は異口同音に同じ事を口にする『死神達』を見たと・・・。

水「ちぃ・・・やっぱり見えないわぁ・・・(やっぱりちょっと無謀だったかしらぁ、JUMの手前強がり言っちゃってちょっとは反省しなきゃねぇ・・・)」
雛「水銀燈~動いてくれなきゃつまらないのぉ~!!」
水「・・・(相手はすっかりハンター気分・・・と言う事は私は狩られる獲物って言う所ぉ?)」
金「動かないのら!!動かすまでかしら!!侵略すること火の如しかしらぁ!!」

金糸雀が手に持っているのはMauserM1918(対物ライフル:アンチマテリアルライフルとも言う)、あんな物が当たった日にはバラバラに吹き飛ぶのは目に見えていた。

雛「あ~ズルイのぉ~!!ヒナもヒナも!!」
金「うるさいかしら~!!カナが燻り出すから雛苺は一発で仕留めるかしら!!」
雛「ぶぅ~!!分かったの!!その代わりJUMにキスするのはヒナが一番最初なの!!」
金「う、うぅ・・・分かったかしら・・・」

そう言う言い争いを余所に水銀燈は一度だけ目を閉じた『あの時の誓いを今一度破ろう・・・それが己の破滅となっても・・・悔いだけは残したくない!!』目を見開いた瞬間、遠くで銃砲が炸裂する音が聞こえた。

試合開始のゴングは鳴った、だったら試合終了までせめて美しく戦うだけ!!


雛「およ?水銀燈、いないのお~・・・」
金「ひ、雛苺!!う、上!!上かしら!!」
雛「ほえ?・・・!?」
水「お馬鹿さぁん・・・見ぃつけたぁ♪今度はこっちの番よぉ?隠れん坊は終わりよぉ?今度は追いかけっこをして遊びましょう?も・ち・ろ・ん、私が鬼よぉ?」

水銀燈は空中に立っていた・・・否、それは文字通り宙に羽ばたく黒い天使、その背中に生えし漆黒の翼、それが何よりの証だった。

そしてその笑みはブラックエンジェル(黒い天使)を通り越したまさにダークネスエンジェル(堕天使)の表情であった。

雛「そうこなきゃ面白く無いのぉ!!」
金「こっちも本気を出すかしら!!」

まだまだ闘いは始まったばかりである・・・・。


BGM (水銀燈回顧録)ALIPROJECT『薔薇獄乙女』
    (水銀燈vs小悪魔姉妹)ローゼンメイデンサウンドトラック『宿敵』






※前回までのあらすじ
雛苺・金糸雀の容赦ない攻撃に水銀燈は過去の誓いを破り今一度昔に舞い戻った、その姿はまさに堕天使。
天才狙撃手チームと堕天使、その戦いはまだ始まったばかり地に倒れるのは堕天使かそれともシャープシューターか・・・。


堕天使の背中に生える翼は漆黒のソレ、その手に握られるは生ける者では無い者を消え去る自分の贖罪の為の弓・・・。

水「うふふふ・・・さぁ、始めましょぉ?」
雛「ふぅんだ!!そんなのヒナは怖く無いもん!!えぇい!!落ちろ蚊トンボなの!!」


雛苺は持っていたSVD(ドラグノフ狙撃銃)を上に向けて連射した、だが水銀燈の目にはそれが止まって見えた。

水「お・ば・か・さ・ぁ・ん♪」
金「ひぇぇかしら!!雛苺何をやってるかしらあ!!全部避けられちゃったかしらぁ!!」
雛「金糸雀は援護してなの~!!」
金「わ、分かったかしらぁ!!」

雛苺は慌ててポシェットからSVDの予備マガジンを取り出すとそれを装填している間金糸雀に援護を任せた。

本来狙撃手はツーマンセル(二人一組)、一人(射手)は狙撃に徹しもう一人(観測手)は風向きと距離を測る・・・だがもう一つの役目とは射手の装填の間援護する事である。

水「チッ・・・(ミニミ軽機関銃相手に空中戦は辛いわぁ・・・ここは一旦体勢を立て直すのが無難ねぇ」
金「お、落ちろかしら!!」

金糸雀の手に握られたSAW M249機関銃、分隊支援火器と呼ばれる物だ5.56mmNATO弾を使うソレは毎分1000発とガトリングガンには劣る物の制圧射撃の際に凶暴なまでの威力を発揮する。

また金糸雀カスタムと言う事で全体は軽量の硬質カーボン素材で出来ており、箱型マガジンには700発装弾
されている上に全体が黄色く塗られていた。(水銀燈曰く『悪趣味だわぁ~』)

さすがの水銀燈も相手が機関銃ともなると空中からの対地攻撃はリスクが大きすぎる、一旦地上に戻って体勢を整えなければならなかった。


雛「金糸雀、ありがとーなのー」
金「と、当然かしら~(うぅ・・・一発も当たらなかったかしらぁ~・・・)」
雛「でも下手な鉄砲数撃ちゃ当たるってのは嘘なんだな・・・ケッ」
金「ちょwおまwwテラヒドスwwうぇwうぇw」

そんなやりとりの微かな時間でも水銀燈が文字通り羽根を休め体勢を立て直すには十分過ぎる程であった。

水「金糸雀より問題は雛苺ねぇ・・・(悔しいけど遠距離での戦闘ではあの娘に勝てないわぁ)」

水銀燈は雛苺の狙撃の腕前を知っていた、昔建物に立て籠もった雛苺が襲いかかる敵中隊を金糸雀と二人で全滅させた伝説を同じ部隊にいた水銀燈が知らない訳は無い。

雛「うゆ~・・・また水銀燈が隠れちゃったの~・・・」
金「しまったかしら~!!」

水銀燈はちょうど二人の死角に入るよう隠れて策略を練っていた、相手は手練れの狙撃手・・・そこでふと思い出した、JUMと前に見たハリウッドの安っぽい戦争映画、WWⅡのスターリングラードを舞台にした矛盾だらけの映画・・・。

水(その手があったわぁ・・・)

そうニヤリと笑うと近くに転がっていた死体の人形をムンズと掴んで引張り寄せた、そして自分が身につけていた服と死体の人形の服を取り替えると・・・。

雛・金「!?」

その人形を二人の目の前の通りに向かって勢いよく放り投げた、無論おまけ付きである。


機関銃の銃声にSVDの独特の射撃音、放り投げた人形はたちまち蜂の巣にされズタズタに引き裂かれた。

硝煙と砂埃で恐らく二人にはソレが人形だと把握出来なかっただろう・・・いやこんな一生に一度味わえるか味わえないかの命のやり取りでアドレナリンドッパドッパ状態の二人に確認する術なんて無いだろう。

ボン!!ズタズタに引き裂かれた人形が突然爆発し吹き飛んだ、おまけとは手榴弾・・・人形だと分からないように偽装する為である。

雛「や、やったの~!!ついにブラックエンジェルを殺したのお~!!」
金「カナの弾が当たったかしら~!!」
雛「あ?ぶっ殺すぞクソアマ・・・ホットな鉛でタンゴでもチャチャでも踊らせるぞ?」
金「ご、ごめんなさいかしら~・・・」
雛「死体を確認しに行くの~マテバでも下着でも証明になる物だったら何でもいいの~!!」
金「・・・(やっぱり雛苺は多重人格者かしら~)」
雛「おい・・・お前、今ロクでもねー事考えただろ?」
金「ぜ、全然かしら~!!その銃を降ろすかしら~!!」
雛「ヒナお得意のメキシカンジョークなの~」
金「・・・(どこがかしら~)」

そんなやりとりを背中に聞き水銀燈は死体人形の山に埋もれていた、後10メートル・・・5メートル・・・4メートル・・・3メートル・・・2メートル・・・1メートル・・・SHOW TIME!!


水「ふふふ・・・お馬鹿さぁん♪裏ぁ掻かれるとは所詮貴女達もそこまでよぉ?」
雛「・・・・・」
金「これでも食らうかし・・・弾切れかしら~!!」
雛・水(どこまで使えないんだこいつ・・・)
金「ここで終わらせる訳にはいかないかしら~!!あwせdrftgyふじこlp;@」
水「うるさいからちょっとそこで・・・眠っててちょうだぁい♪」

水銀燈の肘が金糸雀のアゴを貫く、されど目線は雛苺へと黙って向けられていた。この娘だけはこんな状況になっても動揺した素振りすら見せない・・・狙撃手の性か?それとも別の・・・。

雛「ケハッ♪さすがは水銀燈なの~!!真紅も言ってたの~『水銀燈はもう昔の水銀燈じゃないのだわ、せいぜい時間を稼ぐのだわ』って♪」
水「いかれてるわぁ・・・時間稼ぎの捨て駒に使われてるのを何とも思わないのぉ?貴女は」
雛「え~?だってあの時からず~っとヒナは駒なの~♪」
水「そう・・・貴女もあの時からずーっとロールを演じるポーンなのねぇ?」
雛「えっとね、えっとね!!ヒナはナイトなの!!」
水「そう・・・じゃあナイトさん、貴女の負けよ・・・チェックメイトよぉ?」

そう言って雛苺の額にマテバを突き付ける、雛苺は笑っていただがその笑みが気にくわなかった、自分がその笑みを取り戻すまで色んな人に救われた・・・それをこの娘は・・・。

雛「ねぇ、何で撃たないの~?ヒナが憎いんでしょ?じゃあ殺せばいいなの~♪」
水「ッ!!貴女・・・そこまでして死にたいの!?」
雛「死ぬって何??ねぇ、死ぬってどういう事なの~?」
水「・・・いい加減にしなさい!!」
雛「!?」

その無邪気さに無性に腹が立った・・・いや、この娘は死その物を理解してない・・・無性に腹が立った・・・だから殴った(言っておくけどパーでだぞ?)。


水「痛いでしょお?死ぬって事はその何倍も痛いのよぉ?もちろん身体的苦痛だけじゃないわぁ?貴女以外の人も痛むのよお?」
雛「ヒナ・・・以外の人が痛むなの~?」
水「そうよぉ?巴に金糸雀・・・そして私やJUMも痛むのよぉ?」
雛「へ?JUMも・・・嫌なの、こんなに痛いのJUMもなんて嫌なの!!水銀燈、嫌なの!!」
水「このままだったらJUMは耐えられない痛みを一生背負う羽目になるわぁ?」
雛「嫌なの!!嫌なの!!こんなに痛いのはJUMはダメなの~!!どうすればJUMは痛くないの~!!教えてなの、水銀燈!!」
水「そんなの簡単よぉ?笑ってあげなさぁい♪もう一度JUMに会った時に精一杯の笑顔を見せてあげなさぁい♪そうすればJUMも痛くないわぁ♪」
雛「・・・・うん!!ヒナねヒナね!!一杯笑ってあげるの!!だからヒナも連れて行って!!」
水「そ♪じゃあ一緒に行きましょぉ♪で、そこで大の字で気絶してるアホはどうするのぉ?」
雛「大丈夫なの~!!金糸雀はヒナの言うことなら何でも聞くの~!!」
水「そ、そうなのぉ?(金糸雀・・・可哀想な娘・・・)」

堕天使とシャープシューターの戦い、それは堕天使の策略が功を奏して終わったまた一人少女が本当の笑みを取り戻した。

残る刺客は二人、最後に彼らが見るのは絶望の闇か・・・希望の光か・・・。


ブラックローゼン最終章北海道編狙撃手節 完

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