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「……見て、トモエ。ステキ!ステキ!」

 まわりには、たくさんのお友達のぬいぐるみ。
 お菓子やお花もたくさん!
 お人形さんのヒナがトモエをこの世界に連れてきたの。
 
「お友達がこんなにたくさんだわ!お花も、お菓子も!」

 嬉しくなってはしゃぎまわるわたし。

 目の前では……トモエがキョロキョロしていた。

「ここは何処……?雛苺……」
「第82633世界」
 そう言っても、トモエはただおろおろするばかり。
 なんで?トモエのお部屋によく似ているのに。
 気に入ってくれると思っていたのに。

「ここならトモエもずっと一緒にいてくれるかしら」
「ずっと……?」
 トモエはただ……入口の鏡をぼんやりと眺めているだけ。

『……巴。何処に行ったんだ、巴!』
 鏡の向こうからは……男の声。
 それは……ジュンの声。

「……いけない。桜田君が心配しているわ」
 トモエは鏡の方へと向かって歩き出した。

 気に入らない。
 せっかく、ずっと一緒になれるのに。
 二人きりでずっと遊べると思ったのに。

 じゃまするジュンなんか……。

「……キライ」

「え?」
 トモエがきょとんとした顔をする。

 ――え?
 おかしいの。
 ヒナはジュンのことはキライじゃないの……。
 でも――。

「……ジュンなんかキライ!」
 鏡が割れて、ジュンの声は聞こえなくなったの。

 なんでこんなこと言っちゃうの?
 そんなつもりないのに!
 口が勝手に動いてこんなこといっちゃうの!

 ヒナはジュンのことがキライじゃないのに……。
 でも、トモエを連れて行かれるのも嫌なの!
 
 そのとたん、目の前がゆがんできた。
 真っ暗になって……。


 さっきと同じNのフィールドで。
 お人形さんやお菓子がいっぱいあって……。

 目の前にはジュンがいたの。

「雛苺……」
 ジュンはぼうぜんとしながらヒナをじっと見ていたの。

「ジュン……一緒にいたいの。大好きなの!
 ヒナとずっと二人きりで遊ぶの」
 ヒナはジュンに抱きついたの。
「お、おい……」
 ジュンは呆然としながら……入口の鏡をじっと眺めていたの。

『……桜田君。何処に行ったの、桜田君……』
 鏡の向こうからは……女の声。
 それは……トモエの声。

「……まずい。柏葉が心配しているから……」
 ジュンは鏡の方へと向かって歩き出した。

 気に入らない。
 せっかく、ずっと一緒になれるのに。
 二人きりでずっと遊べると思ったのに。

 じゃまするトモエなんか……。

「……キライ」

「え?」
 ジュンがきょとんとした顔をする。

ちょっと待って欲しいの!
 ヒナはそんなつもりなんてないの!
 でも、ヒナの口は言うことをきかず、ついにこんなことを言ってしまうの。

「……ジュンなんかキライ!」
 鏡が割れて、ジュンの声は聞こえなくなったの。

 ジュンもトモエも嫌いじゃないのに!
 大好きなのに!
 なんで、こんな気持ちになってしまうの!
 なんで、こんなこと言ってしまうの!?

 そして……また目の前がゆがみだして、真っ暗になって……。

 ……ヒナ以外何もなくなってしまったの。

 ジュンもトモエもいつのまにか消えてしまって、ヒナは一人ぼっち。

 いや……一人ぼっちは嫌なの!

「トモエ~!ジュン~!」
 思い切り叫ぶけど、誰も返事は返ってこないの。

ただ……ただ……ずっと一緒にいたいだけなのに!
 みんなヒナのところからいなくなって。

「そんなの嫌なの!一人ぼっちは嫌よ!」
 そう叫ぶと……目の前が明るくなって……。


「大丈夫?雛ちゃん。結構うなされていましたよ」
 横から誰か女の人が……って、先輩なの。
 心配そうにしてヒナの顔を覗き込んでくるの。

 ヒナはあたりを見回したの。
 第82633世界……なんかじゃなく、泊まっているホテルの部屋。
 ふと、窓の外を見ると、すっかり日が暮れていた。
 神戸の街の灯りがきれいだったの。

「悪い夢……見ていたの……」
 毛布から抜け出して、そのままベッドの上に腰掛ける。
「そうでしたの。かわいそうに……」
 先輩はヒナの横に座って、そのままやさしく抱きついてくれたの。
 あたたかいの。
 あの夢の嫌な気持ちがいっきに吹き飛んだ気がするの……。

ここのところ、ジュンとトモエがヒナと遊んでくれることが少なくなったの。
 幼馴染みで昔から一緒にヒナと遊んでくれたのに……。

 思うと、トモエがジュンのことを好きになって、一緒になりだしてからなの。
 ヒナもジュンのことが好きなのだけど……。
 一緒になって、ヒナから離れていくのには、なんかむかつくの。
 
「トモエばかりずるいの!ヒナもジュンが大好きなの!」
 ふとしたことでいってしまった言葉。
 それ以来、トモエともあまり話さなくなってしまったの。
 ジュンとも会うことが少なくなってしまったの。

 そんな気まずい関係が続いて一ヶ月。
 12月の半ばに入っても、そんな関係が続いていた。
 町中はクリスマスの飾りがいっぱいあったの。
 それを見てヒナは思うの。

 ――イブの夜もきっと、ジュンとトモエの二人だけで過ごすのね。

 さびしいの。
 そんなの嫌なの!
 ただ、みんなと一緒にいたいだけなのに!

 そう思って……泣いた時もあったの。

そんな中、サークルの女の先輩が神戸に旅行に行こうかと誘ってくれたの。
 今の時期、ルミナリエが開催されているから、見に行こうという事で。
 ジュンもトモエとも会うことがなくなってさびしかったので、ヒナも行くこと
にしたの。
 一人ぼっちなのは本当に嫌だから。

 昼過ぎに新幹線に乗って、新神戸についたのは3時を回ったあたりだった。
 駅前のホテルを先輩が予約していたので、一旦チェックインしてから、神戸の
街中を散策しようと思っていたのだけど、なんか眠かったの。
 先輩も疲れていたので、結局夕方まで一眠りしようということになったのだけ
ど……そうしたら、あんな夢を見たの。

「もう、大丈夫ですか?よかったら飲みます?」
 先輩は枕もとにあったポットで紅茶を入れてくれたの。
 ヒナはすかさず飲んだけど……熱いの。
「うゆ~!熱いの~!」
「もう、あわてんぼうさんなんですから」
 そんなヒナを見て、くすくすと笑う先輩。

「そろそろ、行きましょうか。ルミナリエが点灯している頃ですし」
 先輩は時計をちらりと見ていた。6時を回っていた。
「そうするの!」
 ヒナはコートを着て、先輩と一緒にそのまま部屋を出たの。


外はすっかり真っ暗になっていて、クリスマスのイルミネーションが目に付く。
 さすがに、12月の夜という事もあって、山から強く風が吹き込んできて……。

「寒いの~!」
 北風の寒さに思わず声を上げてしまったの。
「本当、かなり冷えてきましたね」
 先輩も肩までの髪を撫でながらも、時々体を震わせていた。
 カチューシャのように結んだリボンの結び目が風になびく。

 地下鉄に乗って三宮まで出て、そこからJRで元町まで行く。
 三宮もそうだったが、元町駅もかなりの人でごった返していた。
 神戸ルミナリエの会場の順路を案内する駅の放送が響き渡る。

「ものすごく人が多いの~」
「やっぱりこの時期の有名なイベントですからね。迷子にならないように気を付
けて下さいね」
「分かっているの」

 とにかく人、人、人。
 人の波が会場への案内に従ってゆっくりと動いている。
 その中で先輩とはぐれないように気をつけながらも、他の人に目をやる。
 旅行客らしき人もいたが、勤め帰りの人や……カップルも多い。


……ヒナもジュンやトモエと一緒に来たかったの……。
 そんなことをふと思ってしまうの。

「えらい人の多さやね。平日なのにたまらんわ」
「そんなん言わんといてや。ムードぶち壊しやん」
 隣にいたカップルのそんな会話。
 仲睦まじげに、手を繋ぎあって人ごみの中に消える。

 きっと……ジュンとトモエもあんなようにするのね……。
 ヒナだって……一緒にあんなふうにしたいのに……。

 そう思うたび、なんだか切なくなってきて……。

「……うらやましいの」
 思わずそんな気持ちを口にしてしまう。
「え?どうしたの、雛ちゃん」
 先輩はきょとんとした顔でヒナをじっと見つめてくる。

 なんでもないの……

 ――と言おうとしたけど……言えなかったの。


同時に人の波が止まる。はるか前の方にある信号が赤になっていて、おまわりさ
んが人の列を止めていたの。
 隣の人や……先輩の体がヒナの体に触れる。
 ヒナはただ黙って……下を俯くだけだったの。

「何か……考えことでもしていたのですか?」
 先輩は心配げな目をむけてくる。

 このまま何も言わないで……という気分じゃなかったの。
 切なさがいっぱいなままで、きれいなイルミネーションを楽しむ気になんかなれ
ないの。

「ジュンや……トモエと……一緒に来たかったなって……」
 今までのヒナの中で渦巻いていた気持ちをいっきに吹き出すかのように、ヒナは
話したの。

 ジュンやトモエが大好きなのに、二人だけ仲良くなって、ヒナから離れたこと。
 トモエとそのことで、けんかして気まずくなってしまったこと。

 話しているうちに……涙が出てしまったの……。

「……大丈夫ですか?ほら、涙を拭いてくださいね」
 先輩はヒナの話を聞くと、やさしげな顔でそっとハンカチを差し出した。


「ありがと……なの」
 ヒナはハンカチで涙を拭ったの。
 そんなヒナを見て、先輩はこんな言葉をふと漏らした。
「分かりますよ、その気持ち。私もそんなことありましたから……」

 やがて前の信号が青になり、人の列がゆっくりと動き出した。
「行きますよ」
「……うぃ」
 ヒナと先輩も周りの人の動きに従って歩き出す。

 そんな中、思うの。
 先輩もそんなことあったなんて?
 そんな話は聞いたことがなかったの。
 いろんな人と仲良くやっている先輩だけど……付き合っている人はいないはずなの。

「私も……そんな経験があったのです」

 再び、人の列が止まる。
 それと同時に……先輩は話してくれたの。

 先輩には仲の良い幼馴染みの男の人がいたらしい。


でも、幼い頃はわけありの事情で、その男の人を憎んでいた。
 なんでも、その人のせいで先輩の両親が事故死したと思い込んでいたからだった。
 その間、嫌がらせをしたり、怪我をさせたりととんでもないことをしていたみたい。

 だけど、中学の頃になってそれが誤解だと知ってしまった。
 今まで何てことをやってしまったのかと自分を責めて自殺しそうになったというの。

 ……その幼馴染みの人は先輩を引きとめてくれたの。
 これまで酷いことをしてきた自分を思いやってくれる人。
 この人に一生一緒にいて尽くさなければいけないと思ったらしい。
 ――これまでの罪を償う気持ちで……。

 だけど……その幼馴染みの男の人に好きな人が出来てしまった。
 相手の女の人は先輩に料理を教えるなど、いろいろ世話をしてくれたという。

 でも、その相手の女の人と一緒になることが多く……先輩のもとから消えてしまう……。
 相手の女の人に奪われてしまうと思ったみたいなの。
 かなり強いショックを受けて……それから、相手の女の人を憎むようになって
しまったの。

「あの時、私は正気じゃないと言われてもおかしくなかったみたいなのです」
 先輩は苦々しい顔をしながら、そのときのことを話し出す。


なんでも、料理をしているつもりで空っぽの鍋をかき回していたり、相手の女
の人が写ったプリクラをマジックで塗りつぶしたりしていたらしい。
(これは先輩が後日にその話を聞いて、かなりヘコんだみたいなの)

「ただ私は……君と一緒にいたかっただけだったんです。その時はそれが私の生
きがいでしたから……。だから言ってしまったんです。……先輩に」
 先輩はそこで一旦言葉を切った。幼馴染みの男の人や、相手の女の人のの名前
は聞こえなかったけど、別にいいの。

 人の列が再びゆっくりと動き出す。
 両側には灯りの付いたビルが立ち並ぶ。それらに挟まれた道を人が埋め尽くし
て、ゆっくりと動いていた。

 先輩はゆっくりと口をあける。
「……あんたなんか死んじゃえばいいんだ、って。今から思ってもなんてこと言
ったんだって思いますけど」

 そして先輩は空をぼんやりと見上げた。ビルに囲まれた夜空を。
 
 結局、それから幼馴染みの男の人は先輩から離れていってしまった。
 その幼馴染みも先輩を拒んでしまって。



「何もかも失ってしまったって思いました。結局、自己中心で……君の気持ちな
んて考えていなかったのですよ」
 先輩も切なさを顔に滲み出させながら、ゆっくりと歩いていた。

 ……ジュンやトモエの気持ち……。
 そういえば……あまり考えていなかったような……知ろうとしていなかった気
がするの。
 先輩の話を聞きながらそう思う。

 一緒にいて遊んでくれる時は楽しかったけど……。
 ちょっとでも構ってくれなかったら嫌だって……いつも泣き出して。
 でもジュンやトモエはそんなヒナに構ってくれたけど。
 嫌そうな顔はしていなかったけど……本当なの?
 二人で一緒にいたいときも、ヒナに構ってくれて……本当にそれでいいと思っ
ていたの?
 
 もし、ヒナがジュンやトモエの立場だったら……うっとうしいのよ。

 そこで、ヒナははっとしたの。

 ヒナのわがままで……振り回していただけじゃないの……。
 ジュンやトモエを困らせていただけじゃないの、ヒナは!
 それでジュンやトモエがいなくなっても……それはヒナのせい……なの。


「ヒナね……ジュンとトモエのこと何も考えていなかったの……」
 そんな言葉をぽつりと漏らす。

「そうでしたか。でもね、雛ちゃん」
 先輩はそこで言葉を切って、ゆっくりと語りかけてきたの。
「それに気付けたなら……今の雛ちゃんの状態ならまだ間に合うと思いますよ。
 ジュン君とトモエさんを失わないうちに」

 人の列は止まったり動いたりを繰り返しながら、ビルの間を通り抜けていく。
 会場まで500メートルという案内とともに、はるか右手には南京街が華やかな
灯りを照らし出しているのが見える。

 先輩はさらに話を続ける。
「結局、私は……君のことを考えて吹っ切ることにしたのです。気持ちの整理を
つけるのは大変でしたけどね。
 それからは……ずっと二人のことを見守ろうって思ったのです。二人の気持ち
や幸せを考えて。結局、二人と仲は悪くはなくなりましたけどね……。
 気付くのが遅すぎた……そんな気がしています、私の場合は」

 さっきホテルで見たあの夢を思い出したの。

 ヒナが二人を拒んで何もかも失ってしまう……。
 それだけは、それだけは嫌なの!
 ずっと、ずっと一緒でいたいのよ!


まずは……トモエと仲直りして……。
 二人がつきあうことを嫌がっている場合じゃないの。

 ヒナも……ヒナもジュンのことが好きだけど……。
 そのせいでジュンやトモエがヒナと一緒でなくなるのはもっと嫌なの。

 ジュンもトモエもそれで幸せなら……ヒナも十分幸せなの!

「ありがとうなの……。ヒナもどこか吹っ切れた気がするの」
「そうですか。良かったですね。顔もいつもの雛ちゃんに戻ったみたいですし」
 先輩はやさしげな微笑を浮かべてくれたの。

 やがて、ルミナリエの会場までたどり着いた。人の波に押されがちになりなが
らだったけど。

 黄色、赤色、青色の光の門が通りにずらっと連なっているの。
 まばゆいたくさんの灯りが大通りを明るく照らしていたの。
 まるで、どこか夢の王国にでも来たかのような……そんな感じなの!

「うわあ~すごいの~!」
「本当、綺麗ですね」
 ヒナも先輩も目の前の風景に思わず見とれて立ち止まってしまったの。
 さっきまで思っていたことは、まるで忘れてしまったかのように。


後ろから次々と人が押し寄せてくるので、それ以上はじっと見てられなかったけど。
 脇ではカメラを構えて、その光の門を撮ろうとしている人もいて、そのフラッ
シュがたまに目に入る。

 光の門をくぐりながら、人の列は本当にゆっくりとした動きで進んでいた。
 歩きながらでも、やわらかい光の彩りは十分に楽しめたの。

 そういえば、ずっと前に聞いたことがあったの。
 神戸ルミナリエは阪神大震災で亡くなった人の鎮魂と、地震で潰れた街の復興
を祈って行っているんだって。
 それを考えるとかなり重い意味で行われている、このイベント。

 悲しみを鎮め、建て直しへの願いを込めて――。

 地震での悲しみと立ち直りへの願いより、ヒナの今の気持ちなんて遥かにちっ
ぽけで、こんな事を思うのは失礼なのかもしれないけど……。

 これからのヒナの気持ちの整理と……ジュンとトモエとヒナの幸せを祈って。
 やさしい光を浴びながら、そんなことをやっていける……そんな気がするの。

 そして――先輩も。
 遅すぎるなんて言ってたけど……先輩もまだまだ間に合う気がするの!


「先輩は……その二人との仲は続いているの?」
「え?」
 いきなりヒナがそんなことを言ったので、先輩はびっくりして立ち止まってし
まう。そして後ろの人に押されて思わずこけそうになってしまう。

「今も続いているみたいですけど……あまり会っていないし……」
 どこか先輩の顔が少し暗くなる。

「先輩もその二人を見守るって言うのなら……仲良くなって幸せになるの!
 その二人と一緒にいて仲良くなるの!
 まだ、間に合う気がするの!やさしい先輩だから、まだまだいけるの!」
 ヒナははしゃぎながらそんな事を言った。

 先輩はしばらく黙っていたけど……。
「……ありがとう。私もやってみようという気になります……」
 先ほどまでの暗さはなく、すっかり明るくなっていたの。

 光の大通りを抜けて、東遊園地にまで来る。
 そこに、ルミナリエのメインといえる光の装飾があった。


公園をぐるりと取り囲むように、天まで高く突き上げた城壁を思わせる光の装飾。
 それに囲まれるようにある、光の東屋。

 ヒナも持っていたカメラでそれを撮った。
 ジュンやトモエのお土産にするつもりで。
 もちろん、ヒナもそれをバックにして先輩に撮ってもらったし、ヒナも先輩を同
じように撮ってあげたの。
 その時の、先輩の顔は本当に嬉しそうだったの!

「単に撮るだけではなんだと思いますから……」
 先輩は近くの人に、ヒナのカメラを渡して何かお願いをしていたの。

「一緒に写りましょうか」
「ういなの!」
 
 そしてヒナと先輩はその光の城壁を背にして、通りすがりの人に写してもらったの。
 ヒナも先輩も嬉しそうにして。

 そんな中でヒナは思ったの。

 今度はジュンやトモエと一緒に行くの!
 そして、今と同じように写真を写すの!

 光の芸術はやさしくヒナと先輩を照らしていた。
             -fin-



雛の先輩;kaede fuyo@shuffle!

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