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いつも思っていました。好きな人と、いつもくっついていたいと。少しの時間だって離れていたくないのです。
 離れてしまえば、不安が絶え間無く私を襲い、私はもしかして泣いてしまう。
 ……ええ、はい。それ以上語るべきことはないのですが、強いて言うなら、私、ちょっとばかり普通の人よりも願いを叶えやすい事情がありまして。

 そんなわけで──

「ゴメンねジュン。手、くっついちゃったっ(はぁと」
「何だそれ」
 ジュンがうなだれた。何だよぅ、もう少し喜んでくれたっていいじゃんかよぅ。
「……じゃあ僕の目を見て言ってくれ」
「それは無理」
 色々な理由で。具体的には罪悪感とか照れ臭さとかで。


【もっとくっつこう─薔薇水晶と、ジュンと、雪華綺晶─】


いやまあ、多分寝ぼけてたときにやっちまったことなんじゃないかと。流石の雪華綺晶さんもこの事態には驚きを隠しきれません。
「うぅむ、もはや深層心理とか無 意識の領域でジュンを求めているのかしら、私。どうしましょう」
「……照れ隠しぃ」
 うるさい、薔薇水晶。
「いや、別に僕はこのままでもかまわない気がしてきたけど、どうする?」
「……また、そういうことを」
 この男は頭がきっととろけているのだ。少なくとも会った当時はまだシリアス部分は存在した。
 今となっては恥ずかしい台詞を臆面もなく言ってくれます。自重しろ。有り難みがなくなる。
 それでもその都度心がときめいたりするのは内緒だ。
 ……だから薔薇水晶のその視線は何。眠いなら寝てなよ。そんな生暖かい瞳で見つめるな。
「ジュンー……」
「何、薔薇水晶?」
「私ー、眠いからー、寝るー……」
「ん、わかった」
「その間、その照れまくってる人をよろしくー……」
「あ、やっぱり照れて──」
「照れてないよぅッ!?」
 くそ、最近いちゃつきすぎだったからジュンとのコミュニケーションを控え目にしたのが裏目に出たか!?
「すー……」
「うわ、ホントに寝やがった!?」
「……うーん? 雪華綺晶、どうする?」
 そこでそれを聞くのか。何となく、くっついた手に視線が向かう。

 ……ああもう。手、繋ぎたいなぁ。

「ジュン」
 呼び掛ければ、優しい微笑みが向けられる。オッケー。照れるけど、幸せな世界は手に入れたい。
「じゃ、一日中くっついたままで──」

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