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「新説JUN王伝説~序章~」第7話

「はぁ…はぁ…」
暗い路地を1人女性の女性が走る…
「へへへ…」
背後からは彼女を追いかけるいくつもの足音が響く
そして…
『きゃああああああぁ!!』
絹を裂くような悲鳴を上げ女性は意識を失った…
彼女の周りには彼女自身のものであろう長い髪が無惨に切られ散らばっていた…

梅「やぁ、担任の梅岡だよ♪じゃあこれから帰りのHRを始めるからな!?」
バチコーンと音がしそうなほどのウィンクをかまし担任の梅岡が話を始める…
ジ(毎回直す気ないんだろうなぁ…)
ジュンはダルそうに机に肘をつきその話に耳を向ける
梅「さて、先日また例の通り魔事件が起きた…襲われたのはやはり若い女性みたいだね。」
クラス中が急にざわめき出す…それもそうだ、ここ最近夜中に若い女性ばかりを狙った通り魔事件が相次いでいる。
詳しくは知らないが犯人は1人で歩いている若く髪の長い女性ばかりをターゲットにしているようであり、警察も調査をすすめているが依然として犯人は捕まらないようだ…
梅「じゃあ、女子のみんなはなるべく集団で下校して夜は出歩かないこと…先生との約束だぞ?」

再びバチコーンと音がしそうなウィンクとともにHRはお開きとなった

雛「う~…通り魔なんて物騒なの。」
翠「翠星石みたいな可愛い娘なんざ真っ先に狙われちまうですぅ~。」
薔「…何も知らなきゃね…」
翠「何ですってぇ!?このお馬鹿水晶!!」
銀「五月蝿いわねぇ…」
ジ「あれじゃ通り魔どころか嫁の貰い手も…お。」
ジュンの視線の先には校門に待機する愛馬の姿が映った
ジ「毎回悪いな、黒王号。」
黒『いえ、毎日貴方様をお迎えに上がれることこそ私の至極の喜びでありますから。さ…お乗りくださいませ。』
ジュンは言われた通り黒王に飛び乗る
ジ「じゃあな、みんな。」
銀「あらぁ…今日は1人で帰るのぉ?」
ジ「帰りに姉ちゃんにおつかい頼まれてんだ。悪いな。」
銀「もぅ…私が通り魔に襲われたらどうすんのよぉ?」
ジ「…お前なら大抵の男なら病院送りにできるだろ?」
銀「あらぁ…何のことかしらぁ?水銀燈わかんなぁ~い…」
ジ「はぁ…まぁいいか。んじゃな。」パカラ…パカラ

黒『さて…のり殿のご用事でしたら商店街あたりでいいですかな?』
ジ「そうだな。あの近くにはちょっと僕も寄りたいとこもあるし…お願いするよ。」
黒『御意。』
黒王号と出会って1ヶ月…最初は慣れなかったこの光景も今や町のちょっとした顔となりつつあり、たまに通りすがりの人が人参をくれる時もあるほどだ…

ジ「よし、しばらくここで待っててくれ。」
黒『はい、ではごゆっくりと…』
商店街の入り口に黒王号を繋ぎジュンは買い物に出掛けた。日が暮れるのも早く夕方5時前だというのに辺りは少し薄暗くなっていた
ジ「さっさとおつかい済ませてCDかなんかでも見るかな…」
ジュンが呟いたその時だった
??「あれ?ジュンジュンじゃない。」
いきなり元気な声を掛けられれジュンが振り向いた先にはクラスメートの金糸雀の保護者であるみっちゃんこと草笛みつが立っていた
ジ「ああ、みっちゃんさん、お久しぶりです。…みっちゃんさんも夕飯の買い物ですか?」
彼女の手には自前の買い物籠がかけられている
み「そうなのよ~ぅ♪今日は早めに仕事が終わったから久々にカナと2人でゆっくりご飯でも食べよっかなって思ってね。ジュンジュンは?」
ジ「僕も姉ちゃんにおつかい頼まれて。」
み「そうなんだ~。でさ…」
そこから彼女との立ち話が始まる。
彼女もまたジュンと同じく手芸が得意でジュンとは歳の離れた友人のようなものであった
ジ「へぇ~、…あ、時間大丈夫ですか?」
み「あらやだ、つい話しこんじゃったね…じゃあね、ジュンジュン♪」
ジ「あ、気を付けてくださいね?最近ここらで通り魔事件が相次いでるみたいですから…」

み「ふふ、心配してくれてるの?」
みつがどこか悪戯っぽく聞いてくる…大人の女性である彼女の見せたあどけなさにジュンはドキッとした
ジ「そりゃそうですよ。みっちゃんさんにもしものことがあったら金糸雀が悲しみますし…」
み「ふふふっ、カナのこともちゃんと考えてくれてるんだね♪優しいね、ジュンジュンは。」
ジ「いえ、そんなこと。」
み「いいよ、ちゃんとわかってるから。私は大丈夫だから…じゃ、またウチに遊びに来てね?バイバイ。」
ジ「あ、はい。さよなら…」
ジュンは彼女を見送ると少し軽い足取りで買い物を済ませた

ジ「お待たせ。」
黒『我が主、何か良いことでもおありでしたか?』
ジ「へ!?べ…別に…な…ななな…何もないけど」
あからさまに慌てているジュンに黒王号は首を傾げた
ジ「本当に何でもないから…さ、帰るぞ?」
黒『は…はい。』
ジュンが黒王号に跨り少し歩いたその時だった
「キャアアアァ…」
ジ「!?」
黒『我が主!!…今…』
ジ「ああ、僕にも聞こえた…女の人の声だった……場所はわかるか!?」
黒『はい!10時の方角…約450mといったところです!!』
ジ「よし!急げ!!」
黒『はっ!!』
ジュンの声とともに黒い巨体が疾走を始めた

黒い巨体は尚も加速を増し風を追い越してゆく…だがジュンは黒王の背で先程から得体の知れない胸騒ぎを感じていた…
ジ「くそ…なんなんだこの悪い予感は…」
やがて太陽も落ち闇に包まれた路地に黒王が駆け込む
黒『我が主!!』
ジ「!!」
そこには1人の女性が倒れていた…周囲には散乱した荷物と乱雑に切られた長い黒髪が散らばっていた
ジ「大丈夫ですか!?しっかりして…!?」
彼女に駆け寄り抱きかかえたジュンの顔が戦慄する…そこには先程まで一緒に話をしていたみつの姿があったからだ
ジ「みっちゃんさん!!しっかりしてください!!みっちゃんさん!!」
黒『落ち着いてください!!まだ生きているようですし…急いで病院にお連れしましょう!!』
ジ「わかった!!」
ジュンが彼女の体を抱き上げた時、彼女の手から何かが滑り落ちた
ジ「…これは?」
ジュンはそれを拾い上げて見てみた。それは小さな箱に入ったお揃いの指輪であった…
おそらく彼女は路地裏の小物屋でこれを買った後何者かに襲われたのだろう…
そしてこの指輪はいつも仕事で寂しい思いをさせている金糸雀に贈るためのものだったのだろう
ジ「…っ!!」
ジュンの中に静かに…だが激しい怒りの炎が湧き上がってきた

数時間後…
みつは病院のベッドに眠っていた…だが頭には包帯が巻かれ、呼吸のための機械を口に当てられ点滴をうけている…
彼女は後頭部を鈍器のようなもので殴られていたという。
発見も早くすぐに病院に連れてきたため命には別状はないようだがしばらく意識は戻らないそうだ
だが何よりジュンが辛いのは…
金「みっちゃん…なんでこんな…目を開けてほしいかしらぁ…ううぅ…ぐす…」
ジ「…」
先程からみつのそばに寄り添い悲みの涙を流す金糸雀の存在だ…最初病院に駆けつけた時金糸雀がジュンに向けた目は
『何でみっちゃんを守ってくれなかったの!?』
と言っている気がしてならなかった…
ジ「くっ…」
いたたまれなくなったジュンは病室を出る…そこには話を聞いて駆けつけた薔薇乙女たちがいた
雛「かなりあ…泣いてるの…かなりあが泣いてたらヒナも悲しいの…ぐすっ」
紅「雛苺…」
銀「許せないわぁ…」ギリィッ…
翠「一体どこの馬鹿野郎がこんなこと…」
蒼「くそっ……」
薔「金糸雀…大丈夫かな?」
雪「心配ですわ…みっちゃんさんは金糸雀さんのたった1人の家族ですもの…」

いつも太陽のような笑顔が眩しい金糸雀…だがその笑顔を無くした今、彼女らもまた暗く沈んでいた
ジ「………」
ジュンは無言で病室に背を向ける
紅「ジュン…どこへ行くの?」
ジ「ちょっとな…やらなきゃならないことができた…」
銀「ちょっとぉ…こんな時に何言っ…!?」
彼女らにはわかった…今向こうを向いているジュンの背中から肌を突き刺すほどの激しい怒りが立ち上っていることが…
蒼「ジュン君は…また…」
翠「多分そうですぅ…あいつはそういう野郎ですから…」

先日ジュンの激しく怒りを目の当たりにした2人が呟く
やがてジュンは1人病院を後にした…

『ドガアアァ!!』
ジュンの拳を受けたコンクリートの壁が大きくクレーターを作る
黒『わ…我が主?』
ジ「黒王…拳王の衣をもて…急げ…」
黒『は…はい!只今!!』ダッ
ジュンは黒王号から黒いマントと黄金の兜を受け取るとそれを纏い黒王号に跨った
ジ「出るぞ…黒王よ。愚かなる者共に裁きを与えん…」
黒『…御意!!』
ジ(みっちゃんさん…貴女の敵は僕が討つ!!)
あの時、そばにいながら彼女を助けられなかった自分…その自分ができるせめてものこと…
それは彼女を傷つけた者への制裁だ…
ジュンを乗せた黒王号は再び漆黒の弾丸となり夜の町へ駆けていった…

「はぁ…はぁ…」
暗い路地裏を1人の女性が走る…その後ろからはいくつもの足音…
女性「きゃあ!!」
足を躓かせた女性が転倒する
男1「あれぇ?お姉さんもう終わり?」
男2「もっと楽しませてよ。狩りになんないじゃん。」
女性「狩…り?」
男3「そ♪狩り。みんなで逃げる女の人を追い詰めて捕まえるの♪」
男4「んで捕まえた証拠として獲物の髪をいただくってワケ♪」
4人の若い男が1人の女性を見下ろしにやにやと笑う
男2「実はさぁ、今日もう1人狩っちゃったんだけどまだテンション高くてさぁ…」
男4「だからお姉さんを狩らしてもらったの。わかる?」
女性「お…お金ならあげるから許してよ…」
男1「お金?…ノンノン…うちら家に金なら有り余ってんだよねぇ。」
男3 「そうそう、うちらの親みんな大会社の重役とかだし♪…だから欲しいもんは思いのまま。」
男4「だから…決して金じゃ買えないスリルと興奮が欲しいのよ…」
女性「あ…あぁ…やめて…やめてよぉ…」
男1「いいねぇその顔…じゃあ…狩っちゃいますか?」
男たち『賛成♪』

男たちが女性に近づいたその時だった…

「待てぃ!!下郎が…」
周囲に大音量の怒声が響く…
男2「あぁ?」
男4「んだてめぇ…って何だありゃあ!?」
男たちが振り向いた先には巨大な黒馬に跨る黄金の兜と黒いマントをつけた男だった
男1「ひゃはははははははは!!何だよあれ!?マジうけるんっすけど…」
男3「誰だぁ…てめえ?狩りの邪魔すをなよ。」

「ふっ…なる程な、狩りとはよく言ったものだ…1人では何もできぬ脆弱なうぬらには相応しい…」
男3「んだとぉ!!てめぇ…何者だ!?」
男が問う
「我が名を問うか…うぬら下郎に聞かすほど我が名は安くはない…だが…
地獄へと送られた者の名も知らぬもまた不憫…耳をかっぽじってうぬらの頭に刻むがよい!!」

J「我が名はJUN王…天を目指す者だ!!」

続く
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