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みんなおいてけぼり、投げっぱなしの1レス小話集
『薔薇水晶ってこうですかわかりません』

※あらすじ:薔薇水晶の退屈しのぎにジュンがつきあうよ




#1

「こーどもー、こーどもー、たーっぷりー、こーどもー」
「関わりあいになりたくなくて、眼帯側の死角からこっそり逃れようとする僕です」
「あ、ジュンだ。気づいてたけど」
「ああン」
「退屈です。しのいでください」

「のっけから日本語崩壊してるなあ。いいよ、なんかして遊ぶか?」
「ヒント:1行目」

「なんで帰ろうとするかなー。むー。って口で言う。むー」
「お前は性的いたずらのことしか頭にないのか」
「ジュン酷いよ。私純愛派なのに。コウノトリだって信じてるのに」
「信じてる子は信じてるって言わない」
「……意地悪しないで。遊んで」
「セクハラしなければ普通に遊ぶぞ。で、何する?」
「コウノトリの召喚儀式! そりゃもう語り草になる勢いで。ふひひ」

「帰っちゃえ。黙って帰ろうとするジュンなんか、帰っちゃえー……」
「ああ帰りたい。心底帰りたいね、お前が泣いてさえなきゃな」




#2

「こーんにちはーあかちゃーん、そしてさーようーなーらー」
「イミフなお歌を熱唱する子からは極力距離をおきたいのが人情ってものです。逃走開始」
「あ、ジュンだ。気づいてたけど」
「くやしい」
「退屈です。しのいでください」

「だから日本語おかしい。他にもいろいろおかしい。まあつきあうけど」
「! やったあそれじゃ「子づくり以外ならな」
「むかー。ジュンのけちんぼー。ベニスの商人ー。濁点を半濁点に変えてやるー」
「卑猥にすぎる」
「ふひひ」

「もうコウノトリは信じない。夢見る乙女は卒業です」
「いや、もともと信じてないだろお前」
「いまどきの赤ちゃんはサンタさんが連れてきてくれるの」
「……。そうか、初耳だな」
「クリスマスの朝、目を覚ますとね」
「ああ」
「枕元に置いといたジャンボ靴下の中に、赤ちゃんがみっしり詰まってる」
「怖いって!」
「ええー。……じゃあ、ひかえめに詰まってる」
「赤ちゃんを靴下に詰めてはいけない! ダメ絶対!」

「――あー、まずったな。オチが無い。どうする薔薇水晶」
「ふたりで堕ちればいいんだよ。ジュンと一緒なら、こわくない……ぎゅむっと」
「何だその力ずくなラヴィEND。あっ。こら。くっつくの禁止。まさちゅー禁止」
「ふひひ。……ほんとうだよ?」




#3

「ちいさなー、てのひらにひーとつー、ふるぼけたおばあちゃーん」
「なんかいろいろ怖い。耳をふさいでその場を逃れようとする僕です」
「あ、ジュンだ。気づいてたけど」
「ぬふぅ」
「退屈です。しのいでください」

「とりっく、おあ、とりーと」
「……」
「反応しないといたずらするぞー」
「もう11月だ。その豪快な乗り遅れっぷりにかける言葉が見当たらない」
「ジュンはかぼちゃ好き? 甘く煮たやつ」
「? ああ、嫌いじゃない」
「そう、かぼちゃの煮物はおいしい。たとえ冬至じゃなくたって」
「そうだな」
「――という理屈です」
「わからん」

「って本当に持ってきてたんだな煮物。薔薇水晶が作ったのか?」
「パパに教えてもらった。お茶もあるよ」
「ああ貰うわサンキュ。――かぼちゃうめぇ」
「ふひひ。うめぇ、だね」




#4

「カラテカが海におちたよー、青い青い海のそこだよー」
「レトロゲーもお好きな薔薇水晶さんです。からまれたくないので退却――」
「あ、ジュンだ。気づいてたけど」
「あひぃん」
「退屈です。しのいでください」

「とりっく」
「?」
「まだだ、ハロウィンはまだ終わらんよ……とりっく」
「強制一択かよ。せめてトリート選ばせろ」
「ふひひ。言ったね? リクエストはジュンの初摘みさくらんぼ。具体的にはd」
「だからセクハラは禁止だと言ったはずだぞエロ水晶」
「――エロス衣裳。おk把握した」
「何を」
「どんなのが好き? 何でもいいよ、紐ビキニでも黒革のボンデージでも」
「待て」
「待たない。待つなら駅で待ち合わせ。好奇の視線が痛いけど私耐える」
「おま」
「オプションで首輪もつける。望みのままだよ。何とか言えよこのエロスめが」

「……お前のキレかたはわかりにくい」
「だって。あんな、嫌な顔して。エロとか。悲しかった。悲しかったんだよう」
「いや実際やりすぎ――ああもう泣くなって、飴やるから。ほら」




#5

「いちまんえんとにせんえんくれたらあ・い・し・て・るー」
「なんたる殺伐。僕の音楽には地獄が絶えない。涙すら浮かべながら撤収を図る僕です」
「あ、ジュンだ。気づいてたけど」
「あじゃぱぁー」
「退屈です。しのいでください」

「お前はいつも退屈してるよな」
「うん。ジュンが遊んでくれるまでは、ずっと退屈――」
「ふうん」
「……むあー。反応薄すぎ。Dマイナス、と」
「何そのお手元のA4リポート用紙」
「ばらしーちゃん専用萌え台詞リスト。評価B以上ならジュンが忘れたころに再利用」
「また今日も今日とてしょうもない。だいたいそう簡単には忘れないぞ、僕は」
「え」
「記憶力には自信あんの。お前の言ったことなら大概覚えてる。残念でした」

「……なんかすっごい複雑な顔してるな」
「くやしい……でも(ry……」
「あとむやみにビクッビクッするの禁止。怖いから」
「くやしいー……」




#6

「あーくーまーのーよーうなー、あーくーまーのーえーがおー」
「ヴォーカルがアレな曲ってカラオケでも楽ですね。負け犬の発想で逃げを打つ僕です」
「あ、ジュンだ。気づいてたけど」
「ぎゃびりーん」
「退屈です。しのいでください」

「卓球ね。ピンポン。珍しくまともなチョイスだと思った。一瞬だけ」
「ふひひ。もっと褒めて。ていうか褒めれ」
「だが手離しで褒めるわけにいかない箇所がひとつあるんだ、薔薇水晶」
「むう。うけたまわります」
「……なぜ浴衣を着てる? そしてなぜ僕にも着せようとする? いかにも旅館の備品っぽいそれを!」
「だってこれ温泉卓球だもん。雰囲気がだいじ」
「あのなあ、ここ学校。で、卓球部の部室。誰か来たらこれ、どうやって言い訳――」

「(がちゃ)あ、ばらしー部長ー! ちゃーっすなのー」
「うふふ、今日の浴衣はおニューよぉ。一味違う水銀燈を魅せてあげる」
「いまどきオータニとか根本的にありえねーです。時代は京王ですぅ」
「浴衣なんて本質を示すには至らない些細なもの。実力がすべてだよ、翠星石」

「つくってみた。温泉卓球部」
「( ゚д゚ )」
「こっちみてよー」




#7

「……。……。……」
「『4分33秒』を鼻歌で。楽しいかそれ本当に。さて帰ろう」
「あ、ジュンだ。気づいてたけど」
「そうか」
「退屈です。しのいでください」

「革命的な遊びが思いつかない。ものすごく退屈」
「そのほうが僕は平和だけどな。おとなしく帰っとけよ。僕も帰る」
「さみしいからやだ。――ジュンは帰ったら、何するの」
「何かはするだろ」
「ナニするの?」
「……ネットとか」
「ふっふーん。この無趣味さんめ」
「うるさいな。そういうお前はどうなんだよ」
「……ネットとか」
「無趣味はお互いさまじゃないか」
「うん。無趣味ともだち、だね」

「あのね。嘘ついた」
「ん」
「さっきの。ネットとか、って。ジュンの答えをまねっこしただけ」
「意味わからないことすんなよな」
「ふひひ」




#8

「省エネをしようと思った」
「また突然だな」
「地球に対してきびしすぎた。ツンツンしすぎた。もうちょっとデレてみる」
「……。まあいいけどね」
「その道のエキスパートからも、素敵なアドバイスをもらったよ」
「ほう」
「Webネーム・Sさんからのおたより。『ツンとデレの比率は9対1ですぅ』だって」
「うん、順調に省エネから話題ずれてるな。それにしても計算ずくかよ、あの性悪は」
「しまった特定された。機密漏洩だ。おこられる。ばらしーパニック」
「どんだけ迂闊だよお前」
「……こほん。ジュン、証拠もないのにそうやって、誰か決めつけるのはよくない」
「いや、思いきり『ですぅ』って言ってたし」
「タラちゃんかもしれないじゃないかー」
「Sさんなんだろ? タラちゃんはTだ」
「……フグ田名義かも」「フグ田はFな」
「……いその」「しつこい」

「ジュン。エコロジーもいいけど、夜まで省エネしちゃったら……やだよ?」
「安心しろ。お前とのあいだにそういうエロスな事実は一切ない。今後もない」
「ふひひ。エロスはジュンのほうだもん。夜って聞いて何を想像したんだ。淫獣と書いてけだものめ」
「……小学生レベルの煽りには小学生レベルの制裁を。ハンムラビ王のお言葉です」
「あ、やだ。うめぼしは、うめぼしぐりぐりはやだ。いたい、いたいいたい」




#9

「いぇあー。前略ハート、燃えつきるほど後略っ。いぇあー」
「テンション高いなあ。無表情だけど」
「リポDをひと瓶飲んだらみなぎりすぎた。授業中いちども寝れなかった。おかしい」
「カフェインにあてられたか。おこさま体質だな、お前」
「ふひひ。欲望がたぎりまくりんぐ。斬新なる日常めざして日々邁進なのです。ふんすふんすっ」
「落ち着け。あとそのふんすって何だ」
「ええとね。こう、鼻の穴から情熱のブレスがほとばしる感じで」
「訳がわからん」
「気合でわかれー。ふんすっ」
「あ」

「殿方の目の前で、プライベートな液体を。もうお嫁にいけないよう。よよよよ」
「ちゃんと鼻かんどけ。はい、ちーん」
「お前の分泌液なら全部好きだ。飲める。ホイ飲んだ。そんな愛あるフォローはまだですか」
「そこまで倒錯的な愛は持ち合わせていない」
「……ああああ」
「どうした」
「本格的にへこんできた、かも。ごめんねジュン。きょう、私、なんかだめ」
「へこむな。全然普通だし気にしてない。――ほら、ハンカチ」
「……ありがと。大事にする。家宝、ううんタイムカプセルに」
「洗って返せ」




#10

「過当競争です。ぶっちゃけ、どんな路線がうけるかなと」
「ぶっちゃけすぎだよお前は」
「とりあえず選んで4つの中から。1.エロス、2.エ□ス、3.ヱロス、4.ドエロス」
「はい先生。チェリーな僕には全部同じに見えるのですが。てか同じだろエロ水晶」
「……失望した」
「何が」
「エロスの違いもわからぬと。はん、こいつはとんだおこさまランチ。ネパール国旗をおみまいだ」
「痛い。奇妙な形のミニ国旗を僕の脳天にぶっ刺すのはよせ」
「ふーん、だ。ジュンの鈍感チキンライス頭。ケチャップ色に染めてやるぜ、ふひひひひひh」
「意味わからんが暴力反対。その×××国旗もしまっとけ。大体どこから出したそれ」
「……見たい?」
「脱ぐな」

「ねえ。ジュンは、どんな子が好き?」
「そういうことを訊かない子」
「むあー。またか。またしてもいじわるか」
「意地悪も何も。本音だからな」
「いじわるだ」
「だから気にしなくていい。そんなこと」
「いじわるめ」




#11

「ふひひ。今日の私はおしゃれさん。どこがどうだかわかるかな」
「全然。そういうの、昔から苦手なんだよ」
「む。苦手なら苦手なりにがんばれ。ガッツとか乳首とかいろいろ見せろー」
「珍しく正論だな。乳首はともかく努力してみる」

「……髪切った?」
「はずれ。それは先週。ジュンはちょっと安直すぎる。次」
「……リップの色か」
「ベビーピンクにした。先月気づけばキスしてあげた。次」
「……下着とかは無しだぞ」
「下着はいつでもおしゃれです。乙女はひねもす常在戦場、年がら年中勝負ぱんつ。ちなみに今日は」
「みだりに人前でスカートをまくるな」

「ま、期待はしてなかった。ジュンだし」
「じゃあ訊くなよ。僕はそろそろ帰る。――あ、そうだ。薔薇水晶」
「?」
「お前、眼帯が左右逆だぞ? 今朝から気になってたんだけど。
どうせ遅刻ギリギリで焦ってうっかりとかそんなんだろ。みっともないから直しとけ」


「それから口きいてくれないんだ。どうしたらいい、ベジータ」
「黙れそして飯を食え。それ以上のろけるようならギャリック砲だ」




#12

「廻る……廻る……もっぱら教室が」
「そろそろ眼鏡返せ、薔薇水晶。それがないと見えない」
「だいじょうぶ。私もよく見えてない」
「そうかそれなら安心だ。――お前、本当に眼鏡好きだよな」
「うん。アイウエアだからね」
「?」
「眼帯も好き。アイウエアだから」
「さっぱりわからん。説明」
「だって。あー、いー、うー、えー、『あー』だよ。酷いよね。せっかくの努力がみずのあわだ」
「わからなくもないがあれだ、日本語でおk。あと酷い話だったのかそれは」

「……廻りすぎた。ちょっときぼちわるい」
「世話焼かすなよ」
「うう。くらくらする。まわってまわってまわって、おちーるー……」
「いや、落ちちゃだめだろ、そこは」
「ううん。落ちなきゃだめ、ここは」
「でもオチてないぞ、実際」
「めんごめんご」
「今時めんごは無い」
「ふひひ」




#13

※あらすじ:薔薇水晶が退屈しのぎにジュンの眼鏡をいじっているよ

「いい加減に眼鏡を返せ、薔薇水晶」
「んー、もう少し待って。桜田」
「……桜田?」
「うん。桜田。あなたの苗字」
「そりゃ、わかるけど」
「そんなことより――ジュン愛してるジュン。ジュンは素敵。ジュンはダンディ。らぶ」
「あのなお前、人が聞いたら誤解するようなことを」
「桜田には言ってない」
「……」

「知的でクール。コンサルタントみたい。ジュンと街を歩きたい。ジュンを肌で感じたい。らぶ」
「……」
「つやつやのフレーム、敢えて大きめのレンズ。ジュンの造形は神だね。らぶ」
「……ちょっと待てコラ」
「なに、桜田」
「ジュン=眼鏡って何だそのトンデモ設定は。本体たる僕の尊厳をどうしてくれる」
「しゃらっぷ。一部訂正があります」
「何だよ」
「本体はこっち。めがね」

「帰る。速攻で帰る。さっさとそれ返せ馬鹿水晶」
「ふひひ、怒らない怒らない。淋しかったのジュン? ジュン可愛いよジュン」




#14

※あらすじ:薔薇水晶が退屈しのぎにジュンの眼鏡をいじっているよ

「ジュンのめがねは良いめがねー。煮ても焼いても喰えやしねえー」
「奇怪な歌を作るな歌うな。持ち上げといて落とすな。そして眼鏡は食べ物じゃない」
「いいえ。ジュンのめがねは食べ物です」
「世迷い言を」
「つるをキャンディみたいにしゃぶったり、鼻パッドの脂汚れを丹念に舐め取ったりします」
「変態かよ変態だな。その眼鏡返せ今すぐ」
「やだ。愛しのめがねが辱められるさまを、そこで指をくわえて見てるがいいさ。ふひひ」
「……ていっ」
「あっ」

「返してー。私の眼帯、かーえーしーてー」
「自業自得だ」
「ひとでなし。うちの娘を一体どうするつもりだ」
「娘なのかよ。そうだな……におってやるか。汗で結構蒸れてるはずの、この眼帯を」
「……!」
「JUMJUM探偵がお前のすべてを嗅ぎ分ける。いくぞ。よろし~、くんくんくんくんくんッ」
「ちょ、やだ、はずかしい、やめて、ほんとだめっ。やだ。ジュンのばかっ、エロティクスー」

「……ごめん。調子に乗りすぎた。本当にごめん。反省してる」
「……よろしい」
「……ふんぞり返るかなきべそかくか、どっちかに絞ったほうが」
「……うるさい」




#15

※薔薇水晶が保守するみたいだよ

「ご多忙のところ、亡き夫のためにお集まりくださいまして、まことに――」
「ジュン。私とこの子を残して、どうして。よよよよ」
「いや、いや。そんな。ジュンの遺影の前で。ジュンが見てるのにー」
「ああ、許してジュン。ばらしーだって女なの。からだの火照りが抑えられない。あふん」

「薔薇水晶、いろいろと問題がある」
「むう。うけたまわります」
「まずその1行目は保守じゃない。『喪主』だ。ボケるにしても酷すぎる」
「しっぱいしっぱい」
「そして2行目からは喪主ですらない。ただのメロドラマな喪服妻じゃないか」
「さーびすさーびす」
「あとここ大事だから聞け。勝手に僕と結婚しない。そして殺さない」
「……銀ちゃんは女の子。だから籍を入れられない。だからジュンと結婚する。これは運命」
「前提条件その他何から何までおかしいっての」
「はっ。でも喪服妻マニアなジュンの願望を叶えるには、ジュンを殺すしか。なんてジレンマ」
「そろそろツッコミにも疲れたわけだが」
「だけど殺るより や る ほうがきっとずっとハッピー。けもの偏の方向でご検討願い――」

「逃げられた」
「……」
「ふつうに言えたら、言ってるよ」




#16

「薔薇水晶。なんだよ、その酔狂な恰好は」
「もはや定番との呼び声高いウサギ耳をつけてみました。ぴおーん」
「とりあえず、そのぴおーんはムカつく。禁止」
「ジュンがまた冷たい。淋しいよ。ウサギはね、淋しいと爆発するんだよ?」
「……。だからお前はそういう訳のわか「ぼかーん「やかましい」

「うさうさ、ざわざわ、うさうさ、ざわざわ」
「……うわ。増えたよ、耳」
「ジュンの反応が薄いから増やした。現在23本ほど生えております」
「23? なんか中途半端だな」
「ヴェトナムからの帰還兵が1匹まじってるから。彼が失ったものは片耳だけじゃなくて」
「無駄に重すぎる。――それにしてもよくこれだけ用意したな、ウサギ耳なんて」
「……ジュンの声を聞いていたいからだよ。もっと、もっと」
「なるほど。ところで先々週立て替えたシュウマイ弁当代760円の話だけど」
「それは全然きこえない。ふひひ」

「んー。なんか手触りいいのな、この耳(もふもふ)」
「カシミア100%の最高級品。美食倶楽部のあの人も大絶賛、だって」
「雄山先生はそんなこと言わない。はぁ、うさみみあったけー(もふもふ)」
「……ジュン」
「もふもふもふもふ」
「こっちの耳も……いじって?」
「生憎人間の耳に興味はない。うさみみあったけー(もふもふ)」
「(´・ω・`)」




#17

「だからお前、セクハラはやめろと何度」「だからお前、セクハラはやめろと何度」
「……。またそれか」「……。またそれか」
「……」「……」
「……」「……ぷす」
「痛い。竹ひごでつつくとかマジやめれ」「痛い。竹ひごでつつくとかマジやめれ」
「わかったわかった。付き合うから」「わかったわかった。付き合うからゎぁぃ」
「ん?」「ん?」
「まあいいや。ついてこい」「まあいいや。ついてこい」
「赤巻紙青巻紙黄巻紙っ」「赤巻紙青巻紙黄巻なみっ」
「……なみ?」「……なみ」
「セーフにしとくか。次いくぞ」「セーフにしとくか。次いくぞ」
「東京特許許可局許可局長今日急遽特許許可却下っ」「と、東京特許きょきゃきょっ――」

「鉄の味がするよう。くすんくすん」
「うわ、ティッシュ真っ赤じゃないか。豪快に噛んだなお前」
「なめときゃなおる。なめてください」
「自分でなめろ」
「自分でなめろと申したか。ジュンはやっぱり変態だ」
「ちょっと待て。何だその言いがかりは」
「へんたいどうし。ふたりは、なかよし。ふひひ」
「そんな頭おかしいほのぼのENDは認めない。謝れ。グーとスーに謝れ」
「……さーせん」




#18

「ジュン。明日映画行こう」
「ん、ああ。いいぞ暇だし。それチケットか」
「うん。『薔薇極乙女』。女の子まみれの硬派な任侠やくざ映画。ポロリもあるよ」
「硬派なのかそれは」
「もちのろんです。パンフもあるよ。ええと、あらすじはね」

「人斬りで眼帯な美少女やくざが、恩義ある浪善組のために命ぁ張りやす。おんどりゃー」
「おんどりゃー、ねえ」
「襲い来るマフィアの刺客、『鮮血拳鬼』と『最凶の逆十字』。名前は厨っぽいけど強敵だ」
「厨とか言わない。特に後者はノータッチだ」
「なんと、最後の刺客は生き別れた実の姉。哀しみを越えて究極奥義に目覚めよ、ばらしー」
「……極道ものですらなくなったな。主演お前だし」
「うん。架空の映画作ってジュン釣ろうぜ、だった。釣れた釣れた」
「はいはいくまくま」

「お前、本当にしょうもない方向に凝りまくるよな。ある意味尊敬する」
「ふひひ。見て見てこのパンフ。デザインに3日かけた。最高傑作なんだよ。ほら、ここ――」


「……ばらしーちゃん。普通に誘えば、ジュン様と映画に行けたのではないですか?」
「……!!」




#19

「ジュンを誘惑する」
「そうか」
「これ何に見える?」
「リコーダーだと思うが。音楽の授業で使うやつ」
「正解。これを机の中に入れる」
「そうか」
「そして私は後ろを向く。ちなみに休めの姿勢」
「そうか」
「……ジュン。好きにして、いいよ」
「何をだ」
「好きな子の縦笛がほったらかし」
「……」
「据え膳喰わぬは男の恥と聞いた」
「それは断じて据え膳じゃない」
「足りない? ジュンのくいしんぼ」
「脱ぐな」

「ソプラノリコーダーのほうがいいのかな」
「そういう問題でもない」
「最初は細いので慣らさないとね。ふひひ」
「!?」




#20

「進路調査票がめんどい。すごくめんどい」
「そんなの適当でいいだろ。進学とかで」
「わかった。適当にやる。かきかき」
「……何書いてんだよ」
「『ジュンの嫁』って。日本語で。英語だとじゅーんぶらいど」
「書き直せ」
「スルーは悲しい。ジュンのちょいわるおやじ。かきかき」
「『ジュンが嫁』、って一文字変えただけか馬鹿。でこぴん喰わすぞ。てか喰わす」
「いたい。DVだ。ジュンの鬼嫁。ええいもう純愛やめた。ハーレムにしてやる」
「『ジュンも嫁』か。ははは。帰る」
「帰っちゃだめ。銀ちゃんとジュンと私で理想の家庭を築くんだから」
「その理想は歪んでいる」
「薔薇とパンジーに囲まれた小さなおうちです。購入資金はパパの生命保険でなんとか」
「なんとかって何だ具体的に」
「銀ちゃんはピアノを弾くの。ジュンは揺り椅子で編み物。暖炉では白い犬がぱちぱちと」
「犬を燃やすな。通報するぞ」

「なんだなんださっきから。そんな嫌そうな顔すんな。ジュンのばか。ばーかっ」
「何逆ギレしてるんだよお前。訳がわからん」

*

「20回ぴったり」
「何の話だ」
「進路の話のとき、梅岡が『夢』って言った回数。暇だったから、数えた」
「本当に暇だったんだな」
「……夢かあ」
「どうした」
「……なすびの夢を見るひとって、いるのかな」
「世界は広いからな。多分どこかには」

「空を、とびたかった。かもしれない」
「戦闘機にでも乗るか」
「ん、それはちょっと。前に小ネタかぶっちゃったし」
「まあ普通の飛行機のが無難か。あとは何だ、気球とかスカイダイビング――」
「そういうんじゃなくて」
「……」
「飛行機は、とべる」
「そうだな」
「タケコプターも、とべる。けど」
「……ああ」
「ひとって絶対空とべない。そういうふうに、できてない」
「そうだな」
「つまらないっていうかさ。酷いよね。そこに空、あるのに」
「そうだな」

*

「――でも。空をとべても、それはそれで退屈かもしれないから」
「そうか」
「とりあえず、ジュンのお嫁さんで妥協するよ」
「とりあえず妥協って何様だよ。失礼にも程がある。伏して謝れ」
「……」
「何だよ、そのやらしい笑いは」
「妥協じゃ、嫌なんだ? 気づかなくってごめんね、ジュン」
「……あのな。まず嫁とかありえないって大前提があってだな」
「あーあーきこえなーい」
「両手で耳ふさいでたらそりゃ聞こえない。聞け、ばか」
「きーこーえーなーいー」
「このっ」
「ふひひ」




#21

「くすんくすん。親しみこめたあいさつが一転、バイオレンスな結末に」
「いきなり膝かっくん決められたら誰だって怒る。正当な報復だ」
「あんまりだ。空手チョップなんていまどき力道山でもしない」
「そりゃ故人だからなあ」
「ジュンはもっと癒し要素をアピールしようよ。せっかく元ヒッキーなんだし」
「どういう理屈だよ」
「痛みを知ってる子はきっとそのぶん優しくなれる。とかそんな感じでひとつ」
「そうでもない、というか逆な気もするけど。まあいいや、癒しってどんなんだ」
「ケアルガくらい強力なやつをおねがいします」
「……。けあるがー」
「ぴろりろれーん」
「……回復の効果音だな。これで満足か」
「もうひとこえ」
「……けあるがー」
「ぴろりろれーん。うよーい(c)」
「最後のはなんだ」
「MAXまで回復したよろこびを表現した。著作権にも配慮した」
「なんだかな。とりあえず雛苺にはうにゅー持って挨拶に行っとくように」
「うよーい(c)」

「優しくとか無理。柄じゃない」
「ほんとにそう思う?」
「ああ。……って。空手チョップかよ。力道山でもしないんじゃなかったのか」
「ジュンの悪口言うな。たとえジュンでもゆるさない」




#22

※あらすじ:薔薇水晶とジュンが街を歩いているよ

「まっかなおはなのー、トナカイさんはー」
「薔薇水晶。もう27日だ」
「いつもみんなのー、わーらーいーもーのー」
「……」
「わーらーいーもーのー」
「どうしてそこだけ繰り返す」
「精神的にじわりじわりと追い詰めてみた」
「やめとけよ」
「笑ってろ、見てろよ。ぶつぶつと呟くトナカイ、その表情にはすでに狂気の影が」
「クリスマスに恨みでもあるのか」
「ないけど退屈だった。遊びにいこうって言ったのに」
「……イブは人が多すぎる。人混みは好きじゃない」
「わーらーいーもーのー。わーらーいーもーのーっ」
「うるさいな。だからこうやって埋め合わせしてるだろ」

*

「おまえのはなは、やくにたたないー」
「サンタ鬼だな」
「おまえのくだは、やくにたつー」
「『お前の管』、別名ようつべ。例の特別編はどうだった」
「扱いがひどい。くやしいから薔薇の花壇をめちゃくちゃにしてやる。クワで」
「耕してどうする。OPの映像美が台無しだ」
「ちくしょう。百姓をばかにするでねえだよ」
「落ち着け」
「いやだあばれる。薔薇水晶はジュンのめがねを引きちぎってしまう」
「だから眼鏡をいたずらするな。返せ。引っぱるな馬鹿」

「で、話を管にもどします」
「戻すのか」
「トナカイの管が、ふだんどこに収納されているか。ジュンわかる?」
「トナカイにそんな器官は存在しない」
「それはジュンが知らないだけ。サンタがリモコンをぽちっと押すと」
「……」
「トナカイの穴という穴から、粘液まみれの管がにゅるにゅるにゅるりら」
「おぞましい想像をするんじゃない」
「つぶらな瞳が、異様なくらいせり出して。ああ、やだ、そんな。きもいたすけて」
「童謡からそういう発想に至るお前のほうがキモい」
「……」
「……」
「おなかへったね」
「大した神経だな」

*

「ふひひ。シュウマイもいいけど、おやつもね」
「クレープか」
「甘いのダメ?」
「嫌いじゃないけどそんなに食べられない」
「そんなジュンにはツナサラダ味を。ばらしーおすすめ。でもおごらない」
「言われなくても払うって。しかしクレープにも色々あるんだな。驚いた」
「うん。意外と奥が深い。もぐもぐ」
「薔薇水晶は?」
「単なるキャラメルバナナに見えるけどあれです。こどもが食べると死ぬ」
「そうか」
「ごめんね。ジュンがもう少しおとなだったら、分けてあげられたのに」
「ああそうだな安らかに眠れ。化けて出るなよ。墓にはなんて書けばいい」
「あっ。私がこどもと申したか」
「よくわかったな。褒めてやる」
「……むー」
「膨れてもぶさいくに見えるだけだぞ」
「ひとくちよこせとか、やだよーとか。キャッキャウフフな展開はいつになったら」
「これ、欲しいのか」
「ちがうよ。そうじゃなくて」
「そうか」
「……ひとくちください」
「はいよ」

*

「じんごーべー、じんごーべー、じんごーおーざうぇーい」
「薔薇水晶」
「なに?」
「やっぱり、クリスマスのほうが良かったか」
「なにが?」
「何がって。そうだな、こうやって遊ぶのが」
「なんで?」
「……」
「ジュンと遊べるなら、私はいつだっていいよ」
「そんなもんか」
「そんなもんです。どうかしたの」
「何でもない」
「ふうん。変なの」
「……」
「じんごーべー、じんごーべー、じんごーおーざうぇーい」
「お前さ、英語で歌えるのそこだけだろ」
 
 

 
#23

※あらすじ:薔薇水晶のおひるごはんにジュンがつきあうよ

「お昼だよ。ジュン全員集合」
「生憎だが僕は一人しかいないぞ」
「しかし、このグリグリメガネをかけるとですね」
「あ、こら。眼鏡返せ」
「ほら見えてきた。ちっちゃいジュンがいっぱい。わきゃわきゃと。はうっ、ふぁんしー」
「猛烈に帰りたいが今は放課後じゃないからな。残念なことに」
「ところで今の『はうっ』が”how”であったことに気がついていただけましたか」
「感嘆文か。僕はいま悲嘆に暮れている」
「誰がうまいこと……別にうまくないね」
「うるさいな」

「シュウマイが好きだって設定を思い出した」
「思い出した、ってお前ね」
「そんなわけで、今日も今日とてシュウマイ弁当です。いぇあー」
「昨日焼きそばパン喰ってなかったか」
「きのせいきのせい。さてさて、今日のシュウマイ弁当はすこぶる斬新」
「斬新ね。……本来ごはんのあるべき箇所までシュウマイがみっしり、とか?」
「ジュン甘いよ。そこは私が5日ほど前に通過した場所」
「割と最近だな」
「このボリューム感はみっしりの域を超えた。言うなればみっぢりだね。みっぢり」
「つくづく食欲をそそらない擬態語だな。しかもそれどこぞの漫画のパクリ」
「お弁当だけにむしゃむしゃパクリ」
「誰がうまいことを言えと」
「食べてもないのにうまいとか言うなー」
「そこは突っ込むところじゃない」

*

「じゃーん。せい・はろー・とぅ・まい・ますたぴーす」
「シュウマイ型の弁当箱とは。確かに斬新だな」
「ふひひ。なんとこのおべんとばこ、この通りお箸で簡単に割ることができまーす」
「おお。まるで本物のシュウマイみたいだ」
「中にはジューシーな豚挽き肉がみっぢりぎちぎちと詰まっておりまーす」
「おお。まるで、って本物のシュウマイそのものじゃないか馬鹿。それも無駄にでかい」
「……」
「どうした」
「充分引っ張ったうえでのノリツッコミ。今日のジュンは優しいね」
「優しくしたつもりはないけどな。僕だってたまには乗ってみるさ」
「だめだよ、優しくしちゃ。勘違いするよ。フラグ立ったって思っちゃうよ。いいの?」
「フラグとか言ってる時点でダメ。普通にダメ」

「くっちゃくっちゃ」
「むっちゃむっちゃ」
「これで案外旨いってのがおかしい……くっちゃくっちゃ」
「手抜きしないのがばらしー流だよ……むっちゃむっちゃ」
「しかしさすがにこれだけの量だと苦しいな……くっちゃくっちゃ」
「ボリュームが命。しゃべる暇あったら食べる……むっちゃむっちゃ」
「くっちゃくっちゃ」
「むっちゃむっちゃ……うぷ」




#24

少女が刃を突き立てた。
何に?――己の、身体に。
膨らんだ腹部からだらだらと体液が零れ出す。
彼女は痛みを放り捨てて、その胎内から赤子を取り出した。
まだ、繋がっている。
細い肉の管で結ばれている。
膝を地に付き、虚空を見据え――狭い部屋の、人工の太陽に照らすように子を掲げた。
――おぎゃあ、おぎゃあ。
少女は、そのようにして産声を上げた。

「あなたはこうして生まれたの。かわいいべいびー、私のべいびー」
「ぴよぴよ」
「どう考えてもひよこの誕生シーンじゃない。猟奇だしおぎゃあ言うし卵じゃないし」
「だめ。妊婦さんをいたわるコメントがない。そんなんじゃ素敵なパパになれないよ」

「ひよこです」
「ひよこだな」
「そのへんでぴょこぴょこ歩いてた。ひよこ鑑別師ごっこして遊ぼうとしたら」
「僕が通りかかったと。ひよこ放り投げるとか普通に動物虐待だぞ、薔薇水晶」
「未遂だもん。なんだなんだ、ジュンだってほんとはひよこを投げたいくせに」
「可哀想だろ」
「いまさら父親気取り? ふざけないで」
「何の話だよ」
「この子私の子。私の子はジュンの子。コーラで洗ってもだめじゃんうそつき」
「今時そんなDQN避妊法信じる馬鹿はいない。大体、それ以前に身に覚えが」
「ぴぃぴぃ」
「……可愛いな」
「だよねー」
 
 
 
 
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