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「一つ屋根の下 第六十七話 JUMと陰謀」



「ねぇ、雛苺。桜田君の事好き?」
柏葉邸、柏葉巴の部屋には彼女と親友の雛苺の二人だけが居た。
「う?JUMは好きぃ!!トモエも好きぃ!!」
雛苺は屈託なく言う。その純粋無垢な笑顔にハァハァしてる巴さんは一先ずスルー。
「そうなんだ。じゃあ、いっつも二人は一緒にいるの?」
「うーとね……家だと、姉妹がお邪魔する事もあるの~。だから、ヒナあんまりJUMに抱っこしてもらえないの。」
「そうなんだ……雛苺は桜田君とキスはする?」
「この前したの~!あ、でもねでもね…しようとすると、いっつもみんなに止められちゃうの。何で止めるんだ
ろうね。真紅は『はしたない』って言うけど、真紅もしたそうにしてるのよ~?」
「チッ、あの貧乳め……こほん…雛苺はもっとキスしたい?」
「うん!ヒナは何で姉妹が止めるか全然わかんないの。だって、ヒナとJUMは姉弟でしょ?それに、ヒナは
JUMが大好きだもん!!大好きならたくさんしてもいいはずなのにね。」
巴さんは何だかハァハァしている。自分もして欲しいんだろうか。そして、ニヤリと黒く笑うと彼女は
親友に耳打ちをした。
「じゃあ、雛苺にいい事教えてあげるね……ごにょごにょ……ごにょごにょ……」
「うよ?それをするとどうなるの?」
「それをすれば、きっと桜田君はもっと雛苺が大好きになってくれるよ。」
「うわーい!!トモエ有難うなのぉ~!!早速JUMのトコ言ってくるの~~!!」
無邪気にはしゃいで家に帰る親友を見て、彼女は至福の笑みを浮かべると共に、ドス黒い感情も
露にする。
「ふふっ…雛苺が上手く桜田君を落とせば…私も便乗して……うふふっ…」
ここに、柏葉巴の陰謀が発動された。



「くっ……うわっ、そうくるかよ……ちょ、それズルイ!!」
「JUMが甘いだけ……そこっ……」
夜。僕はリビングで薔薇姉ちゃんとゲームを興じていた。他の姉妹も、交代しながらゲームをやったり、
読書に勤しんだりと、思い思いの時間を過ごしていた。そんな時、玄関から元気な声が聞こえてくる。
「たっだいま~なの~!!」
言うまでもなくヒナ姉ちゃんだろう。本当、元気だよなぁ。ヒナ姉ちゃんはバタバタと足音を立てながら
リビングに入ってくる。そして、一目散に僕の背中に抱きついてきた。
「えへ~、JU~M、JU~M!!」
背中、首筋、後頭部にかけてムニュムニュとや~らかい感触が当たる。成る程、銀姉ちゃんが言うように
目下成長中……ごほんごほん。まぁ、それは置いといて。
「ちょ、ちょっと雛苺!!離れなさい!!」
本をパタンと乱暴に閉じて真紅姉ちゃんがヒナ姉ちゃんを引き剥がそうとする。
「や~なのぉ~!!ヒナはJUMとラブラブなのよ~!ねっ、JUM?」
ヒナ姉ちゃんは一度引っ付くと全然離れない。周りなんて眼中になくなる御人だ。
「ねっ、JUMはヒナの事好きぃ~?」
足をバタバタしながら耳元でヒナ姉ちゃんが言う。ヒナ姉ちゃんの息が耳に当たって思わず身震いする。
「へ?まぁ、そりゃあ好きだけど……」
「わーい、ヒナもJUM大好き~!!」
う~ん、あまりにストレートにそう言われるのも何だか恥かしいな。そう思ってるとヒナ姉ちゃんはスルスルと
背中から僕の膝の上に移動して、正面から僕に抱きついてくる。
「聞こえないの?雛苺!!JUMから離れなさい!!」
「ね、JUM~?ちゅーしよぉーなのー!」
ヒナ姉ちゃんはまったく聞いちゃいない。そして、僕の答えを聞かずに無邪気にもヒナ姉ちゃんは僕にキスをする。
「うわっ?ヒナ姉ちゃん?」
「えへへ~、JUM嬉しい~?」
僕の目の前でヒナ姉ちゃんは顔を横にフラフラと振っている。どぉどぉ?っと無言で言っている感じだ。



「き、き、き、聞いているの!?雛苺……?」
真紅姉ちゃんが拳をプルプル震わせながら言う。血管がピクピクと浮き出てる。
「やめときなさぁい、真紅ぅ。ああなった雛苺には何しても無駄なのは知ってるでしょぉ?」
銀姉ちゃんが言う。いや、無駄でも僕的には何とかして欲しいんだけども。何か、今日のヒナ姉ちゃんは変だ。
「あのね、JUM。ヒナとってもいい事聞いたのぉ。JUMがヒナの事もっともっと好きになる方法聞いたの~。」
ヒナ姉ちゃんが目を輝かせながら言う。もう、真紅姉ちゃん以外は諦めモードだ。分かってるんだろう。
今のヒナ姉ちゃんは、たとえ神様でも止められないと。
「え~っと……ヒナ姉ちゃん、それどんな方法?」
「う?今からやってあげるのぉ~………んん~~~っ……」
と……ヒナ姉ちゃんは僕にキスする。それはいい。さらにだ……どこで覚えてきたのかヒナ姉ちゃんは
僕の口の中に何かを入れてくる。僕の口の中で何かが元気に動き回る。
「はふっ…んんっ……んふっ……」
「んんーー!!んー!んー!!」
僕は顔を完全にロックされてる。動けない。それどころか、息も出来ない。ああ、鼻でいいか。いやあぁ、
鼻が詰まってなくてよかったなぁ。詰まってたら僕逝けてたかも。
「ちょ、ちょっとぉ!!雛苺、私を差し置いて何してるのよぉ!!」
「くっ……また私はヒナにも先を越されましたの?」
「な!?何をしてるの雛苺!!大体、貴方誰にそんな事!?」
銀姉ちゃん、キラ姉ちゃん、真紅姉ちゃんが声を荒げる。対して、薔薇姉ちゃんとカナ姉ちゃんは随分
余裕な表情をしている。ああ、あれか。ある意味勝者の余裕か。
「んん~~っ……ぷはぁっ……えへ~、JUMどうなの~?」
ヒナ姉ちゃんは満足したのか、僕の唇から唇を離した。ああもう、為すがままだったな。



「い、いやどうって……大体、ヒナ姉ちゃんどこでその……で、で、でぃ…何て知ったんだよ。」
いや、本当に。実際、ヒナ姉ちゃんに深いキスなんて無縁だと思ってたけど。そこで、僕はようやく
今回の首謀者の名前を聞くのだった。
「うい?あのね、トモエが教えてくれたのぉ~!こうすると、JUMはもっとヒナを好きになってくれるって~!」
トモエ……言うまでもない、柏葉だ。ヒナ姉ちゃんに教えるなんて何考えてるんだ?
「巴……矢張り恐ろしい子ね……」
銀姉ちゃんが言う。そういえば、文化祭のアリスの時以来随分銀姉ちゃんは柏葉を警戒してるようだ。
「まぁまぁ、別にキスくらいいいじゃないかしら?もしかして、みんなまだだったりするかしらぁ~?」
カナ姉ちゃんがフフンと胸を張って自慢げに言う。
「まさか……JUMが好きなら力ずくでしてるはず……してないなら…愛が足りてないだけ…」
同じように得意気に薔薇姉ちゃんが言う。ああ、やっぱり勝者の余裕か。てか、僕って姉とは言っても
結構女たらしだったりしちゃう?しちゃう?
「くっ……いいですわ…私、手段を厭いませんわよ?」
キラ姉ちゃんの左目がキュピーンと光る。うわ、僕何されるんだろ。
「薔薇水晶はともかく……金糸雀と雛苺まで…?くっ……」
ごめん、真紅姉ちゃん。実はそこに翠姉ちゃんまで入ったりします。
「あ、あのね~JUM!トモエがもう一個言ってたの~!」
何だろ?何だかロクな事じゃない気がする。でも……それはある意味ロクでもなく。ある意味、柏葉の本性を
垣間見た気がする言葉だった。
「あのね~、『雛苺が桜田君手に入れたら、私と3人で暮らそうね…ぼそっ…そして私も桜田君ゲット…
うふふふっ…』って言ってたのぉ~~!!」
ヒナ姉ちゃんが嬉しそうに言う。以上、一つ屋根の下改め、柏葉巴の陰謀でした……いや、嘘ですよ?
END

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