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「一つ屋根の下 第五十七話 JUMと応援合戦」



体育祭二日目の午後。僕は銀姉ちゃん、カナ姉ちゃん。そしてめぐ先輩と椅子に座っていた。
「私JUMの隣ぃ~。」
銀姉ちゃんが僕の右腕を抱きしめながら右隣に座る。右腕が銀姉ちゃんの胸の谷間に挟まる。
おーけー、これくらいじゃオッキしないぜ?
「カナだってJUMの隣かしら。」
対抗するようにカナ姉ちゃんは僕の左腕を抱きしめる。ほのかに胸の膨らみを腕に感じる事ができる。
普段銀姉ちゃんみたいにして来ないから新鮮なせいだろうか。銀姉ちゃんよりカナ姉ちゃんのほうが
興奮してしまった。ああ、ダメな僕。
「ん~……じゃあ私は後ろにしようかなぁ~。」
めぐ先輩が後ろから僕を抱きしめてくる。背中頭にめぐ先輩の胸を感じる。へぇ、意外にあるんだな…
いやそうじゃないか。めぐ先輩はさらにエスカレートする。
「ふふっ、ねぇJUMくぅん。私なら問題ないでしょ?姉弟じゃない他人だし……ね?」
ふっと耳に息を吹きかけられる。僕は背筋がゾクゾクっとしたのを感じる。と言うか、暑いんですけど。お三方。
「ちょ、ちょっとめぐぅ!いくらめぐでもJUMはダメよぉ!!」
銀姉ちゃんが猛烈に抗議する。すると、それを待ってたと言わんばかりにキュピーンとめぐ先輩は目を光らせる。
「そぉ?じゃあ水銀燈にしようかなぁ~♪ね、いいんでしょ?」
めぐ先輩はあっと言う間に僕から離れて後ろから銀姉ちゃんを羽交い絞めにする。僕は見た。めぐ先輩は
銀姉ちゃんの耳をチロチロと舌で舐めた。
「あっ……ひゃあん……ちょっと…めぐぅ…んっ…」
「ふふっ、水銀燈可愛いわぁ。相変わらず耳弱いのね。ん~、胸もこんなあって羨ましいなぁ~。」
めぐ先輩は銀姉ちゃんの耳を攻撃しながら、胸を揉みだした。うわぁ……目の毒だ。銀姉ちゃんは珍しく
顔を紅潮させ、息を荒げて微妙に半泣きだ。
「ほらぁ、水銀燈?JUM君がエッチな水銀燈見てるよぉ?」
「やぁ……めぐ…んっ、やめてってばぁ……JUMも…あんっ……見たらやぁ…」
「うぅ……めぐはやっぱり凄いかしら……」
何だか顔が真っ赤なカナ姉ちゃん。うん、いろんな意味で凄いよね。本当に……


「ねぇ~、機嫌直してよ水銀燈~。」
さて、さっきの百合百合な展開から数分。すっかりご機嫌斜めの銀姉ちゃんはソッポを向いていた。
無理もないだろう。公衆の面前で痴態を見られたようなもんだ。
「めぐなんて知らないわぁ。」
頬っぺたを膨らましてツーンと横を向いている銀姉ちゃん。何だか意外でとても可愛らしい。
「そっか……じゃあ知らないならJUM君にばらしてもいいよね。あのね、JUM君。水銀燈の性感帯は
耳とお腹なんだよ。後は内腿もーーー」
「ちょ、ちょっとぉ!分かったわよぉ。もう怒らないからぁ!」
「うふふ、水銀燈は優しいね。」
めぐ先輩。それは世間では脅迫と言います。しかしまぁ、あの銀姉ちゃんが手も足も出ないなんてね。
「めぐ先輩は凄いですね。銀姉ちゃんを弄ぶなんて。」
「そうかな?水銀燈ったらイジルと可愛いんだも~ん。あ、ちなみにカナの性感帯はオデコとほっぺよ。」
「な、何で知ってるかしら~!?」
カナ姉ちゃん、それはマジですか?いやいくらなんでもギャグのような……そんな馬鹿みたいな事を思ってる
とアナウンスがグラウンドに響いた。
『大変長らくお待たせしました!それでは、応援合戦を始めます。先ずは、1-Bです!!』
1-Bといえば、ヒナ姉ちゃんと柏葉のクラスだ。太鼓の音と共に先ずは学ランが走ってくる。
えーと、柏葉は……いたいた。地面まで着く長いハチマキをなびかせて走ってくる柏葉。あれ?
刀みたいなのはどこだろ。お、次はチアが入ってくる。ヒナ姉ちゃんはその金色の髪とダントツで小さい
背もあってあっと言う間に見つかった。
「わぁ~、ヒナちゃん可愛いねぇ。水銀燈もチアやればよかったのに。」
「やぁよ、面倒臭いものぉ。」
隣で銀姉ちゃんとめぐ先輩がそんなやり取りをしている。カナ姉ちゃんはこれから始まる演舞に目を奪われていた。



「オス!!!今から!!1-Bの!!応援演舞を!!披露します!!お願いします!!」
団長らしき男が大声を張り上げて言う。柏葉は前の方って事は結構ランク上なのかな?
ドンドンドドンとリズムよく野太い太鼓の音が響いてくる。先ずはその太鼓に合わせて学ラン組が
演舞を披露する。踊ってるというより、舞ってる。そんな感じだ。一通り終わると、次は太鼓の外の部分を
カチカチとたたき出す。その音に合わせて今度はチアが踊りだした。ヒナ姉ちゃんも小さい体を存分に
使って楽しそうに踊っている。
「雛苺、楽しそうねぇ。」
「そうだね。まぁ、ヒナ姉ちゃんは何でも楽しんじゃうしね。」
チアの踊りが終わると、団長が再び声を張り上げる。
「それでは!!我が団の真髄!!剣舞を見せましょう!!柏葉!!緋村!!」
『押忍!!』
太鼓の所から、さっきまで見えなかった刀が放り投げられる。柏葉と、もう一人の男子はそれを受け取り
スラリと刀を抜く。無論模擬刀だろうけども。二人が刀を構えると、再び太鼓の音が鳴る。
いつの間にか、柏葉と緋村を囲むように円が出来ている。二人は太鼓の音に合わせて剣舞を舞いだした。
それはまるで流れる水のように舞い。猛る炎のように打ち合い。吹き荒ぶ風のように動き。そして、堅固たる
大地のように静止する。刀がぶつかり合うと一際大きく、カチンと音がする。その音が心地いい。
剣舞も終わったのか、二人は刀を鞘に納め一礼する。そして、全員で正面を向くと
『あっっっっっ!!したっっっっ!!!』
と礼をして終わった。次の瞬間割れんばかりの歓声がグラウンドに木霊した。
「は~………巴凄かったわねぇ。」
銀姉ちゃんがしきりに感心する。上手くいえないけど、ただ剣舞が凄かった。
『それでは、続きまして2-Cの演舞です!!!』
「翠星石と蒼星石のクラスかしら。」
カナ姉ちゃんが言う。そう、次は翠姉ちゃんと蒼姉ちゃんのクラスの演舞だ。



ガンガンガンガンガンガン!!!!!とドラム缶を叩く音がする。どうやらこのクラスは太鼓ではなく、ドラム缶で
やるようだ。無骨な感じが実に漢らしい。
「押忍!!今から2-Cの演舞を開始します!!シャッス!!!!」
一斉に頭を下げる。あれ?何か違和感が……
「あれぇ?蒼ちゃんってチアじゃなかったっけ?」
めぐ先輩が言う。そうだ。蒼姉ちゃんはチアのはずだ。だが、見る限り全員学ランだ。もちろん、蒼姉ちゃんも。
しかし、それはどうやら演出だったようだ。先ずはお決まりの演舞を行う。このクラスは二人一組での
演舞が基本だったらしい。翠姉ちゃんと蒼姉ちゃんのコンビは見慣れてるはずなのに、何だか凄く新鮮に
僕の目に映った。そして、隊列を整えると……何と脱皮した。
「お、下にチアの着てたんだね。」
そう、チアチームは学ランを剥ぎ取ると一気にチア服に変身したのだ。一斉にバッと空に放り投げられた
黒の学ランが凄く印象的だった。
そんなこんなで、2-Cの演舞も終わりキラ姉ちゃんの1-C。真紅姉ちゃんの1-Aの演舞も
徐々に終わっていく。キラ姉ちゃんのクラスは小物の扇子を使った演舞が印象的だった。
手首のスナップで開いたり閉じたりする扇子が凄く綺麗だ。微妙にセレブな感じだお嬢なキラ姉ちゃんに
ジャストしていた。ちなみに、ちゃんとスパッツは穿いてたよ。
真紅姉ちゃんの所はオーソドックスな応援だった。チアは黄色のボンボンを持って踊っていた。
真紅姉ちゃんも満更じゃないようで、ボンボンと一緒に舞う金色のツインテールが凄く綺麗だった。
「あはははっ、真紅ったらジャンプしても胸揺れないのねぇ~。」
まぁ、銀姉ちゃんは演舞そっちのけで爆笑していたが。


「なぁ、べジータ。うちのクラス大丈夫か?レベル高いぞ?」
さて、いよいよ僕等のクラスの番だ。学ランを着込み長いハチマキをしたべジータに言う。
「心配するな、JUM。勝機はある。何故なら燃えと萌えを搭載してるからな。」
「ふぅん……燃えはともかくさ……萌えって何だよ。」
べジータはスタスタと歩いていく。そして、僕のほうを見ずに背中で語った。
「なぁ、JUM。女子がブカブカの学ラン着てるとよ……萌えると思わねぇか?ブカブカだ…ブカブカ。」
背中で語る男べジータ。その見てくれはカッコいいが言ってる事は馬鹿そのものだった。
「JUM……見ててね……」
薔薇姉ちゃんが言う。昼の時と変わらず、素肌にサラシ学ラン。眼帯は取っており、髪はオールバックだ。
『それでは!最終の演舞となります。1-D、お願いします。』
アナウンスが聞こえる。ウチのクラスはドラム缶のようだ。しかし、他のクラスのように走って入場しない。
それどころか、ドラム缶の音もまだ聞こえない。そう思ってるとリズムよく鳴り出した。
ダンダダンダダンダンダダンダンダ ダンダン!!
前半の部分でゆっくり歩いていき、ダンダン!!の部分でポーズを決めていく。ああ、出だしからインパクト
あるな。そして、ようやく並んだかと思えばべジータが声を張り上げた。
「いいか!!俺達1-Dは戦闘集団だ!!その戦い!!耳があれば聞け!!目があれば見ろ!!
そして、記憶に刻め!!!!」
そして次の瞬間けたたましくドラム缶が鳴る。かなりのハイスピードだ。しかし、べジータも薔薇姉ちゃんも
桑田さんもそれに合わせて激しく演舞を披露する。
「セイ!!セイ!セイセイセイセイ!!!!」
みんなの汗が飛び散る。何とも綺麗な汗なんだろう。僕は正直、ちょっと羨ましい。そんな事を思っていると、
ドンドンみんなは塔を作っていく。そして、最上階にはべジータが上る。べジータは勝ち誇ったように
懐から巻物みたいなのを取り出し、それをみんなに広げて見せた。
「見たか!!!優勝、貰ったぁあああああ!!!!!!」
べジータが叫ぶ。巻物にはただ、デカク『学校優勝!!!』と書かれていた。



『以上で本日のプログラムは終了です。お疲れ様でした。』
応援合戦が終われば今日の競技は終了だ。みんなは結果を心待ちにしている。何せ得点がでかい
応援合戦だ。明日の対策も練る必要があるだろう。しかし……
『今年から応援合戦の得点は、明日のクラス対抗全員リレーの後に発表します!!
ですから、最後の最後まで気を抜かずに競技に望んでください!!』
「な、何だってーーーーー!!!」
べジータが言う。どうやら、最後の最後のお楽しみのボーナスポイントになるらしい。
現状ではヒナ姉ちゃんの1-Bに僅差で負けている。ちなみに、2年は翠姉ちゃんと蒼姉ちゃんのクラス。
3年は銀姉ちゃんのクラスが現在トップだ。この学年でトップが最後に学校優勝を争う。
学年優勝は言わば激しすぎる予選でしかないわけだ。
「みんな!!とのみち明日も頑張らないといけないんだ!!最後まで頑張ろう!!」
珍しくまともな事を言う梅岡。普段からこれくらいまともでいてください。いや、本当に。
「うん……明日はクラス対抗全員リレー……学校優勝決める戦いは4人の走者によるスウェーデンリレー…
JUMを手に入れる為にも……負けられない……」
薔薇姉ちゃんがグッと気合を入れる。他のクラスも長い学校祭も明日一日だというのに、気力が充実してる。
明日は僕も全員リレーを走らないといけない。よし、いっちょやってやるかな。
END

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